焼肉屋のM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい6つのポイント

焼肉屋を経営しているオーナーの中には、様々な理由でM&A、事業売却を検討されている方も多いのではないでしょうか。

新規事業を始めたい、大手の傘下に入りたい、後継者がいない、早期リタイアしたいなどあるかと思います。

焼肉業界は昨今、売上が好調なもののニーズが変わってきており、変化に対応することが大変、という背景もありM&Aを検討しているオーナーも多いことでしょう。

本記事では、焼肉屋のM&Aを検討中の方にむけて、焼肉屋のM&Aについてご紹介します。 

 

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目次

焼肉業界の現状

焼肉業界のM&Aについて知る前に、まずは焼肉業界の現状をチェックしておきましょう。

焼肉業界の現状を知ることで、焼肉屋のM&Aの背景を理解しやすくなるはずです。

 

大衆向け食べ放題焼肉屋や高級焼肉屋の二極化

焼肉といえば食べ放題、という人もいれば、焼肉屋といえば質のいい肉をたべる高級店、というひともいるでしょう。

焼肉は価格帯が広く、お店によってまったく値段も雰囲気も、扱う肉も違います。

そのため、それぞれがターゲット層をはっきりとさせており、ユーザーや利用シーンがかぶることがありません。

同じターゲット層を持つお店同士で顧客獲得の競争を繰り広げることになります。

そのため、ターゲット層や利用シーンがぼんやりとしていたり、中途半端となっていたりする焼肉屋は、他のはっきりした焼肉屋に客を取られやすく、経営が厳しくなります。

大衆向けの焼肉屋なら安さと質のバランス勝負となりますので、他店が安くするならそれについていけるように安くしても問題なく経営できるような方法を考えなくてはいけません。

一方で接待やここ一番のデートなどに利用されるような高級焼肉屋では、焼肉だけでないサービス面、接客面が重視されますので、飲食店でありながらテーマパーク経営企業のような視点をもつ必要があります。

それぞれの焼肉屋がそれぞれの厳しさの中で競争しているのです。

 

焼肉を食べるのは焼肉屋?韓国料理店?

焼肉屋を食べたいと思ったとき、行く先はどこでしょうか?

焼肉屋でしょうか?

以前は「焼肉を食べるお店=焼肉屋」という人がほとんどでしたが、韓流ブームにより、韓国料理店の人気が出たころから、韓国料理店で焼肉を食べる人も増えてきました。

韓流ブーム以前にも、日本では焼肉を食べることはありましたが、韓流ブーム後では「焼肉=韓国」という認識を持つ人も増えてきており、焼肉屋のライバルは焼肉屋だけではなくなってきているのです。

韓流ブーム以前から焼肉屋を経営していていた方の中には韓国の方も多くいますが、焼肉屋は焼肉をメインに提供するお店であり、最近の「韓国料理の1つとして焼肉を提供するお店」とは異なります。

焼肉を食べたいけれど焼肉以外も食べたいという方の中には、焼肉屋よりも韓国料理店のほうがメニューが豊富で良い、という方もいるので、焼肉屋のライバルには韓国料理店も含まれると考えるべきです。

「焼肉を食べるなら焼肉屋」というイメージがこれ以上薄くならないように、イメージ作りを行っていくことも大切です。

 

ダイエットブームで重宝される焼肉屋

昔のダイエットでは肉はNGで、ご飯もNG、ひたすら野菜を、という考えが浸透していました。

しかし最近では糖質ダイエットブームにより、炭水化物は食べない代わりに、肉はたくさん食べてよいという認識を持っている方が増えています。

女優やモデルの方でも、毎日焼肉でたんぱく質をしっかりとっていますと発信している人もいます。

そのため、ダイエットブームがあっても焼肉屋は重宝されやすいのです。

たいていのお店が肉とご飯は別メニューでそれぞれ注文することになっているので、サラダと肉だけにしてご飯は抜きやすく、手軽に糖質抜きの食事が可能です。

極端な糖質オフは体に悪いという指摘もありますが、ほどほどに抑える程度で糖質オフダイエットをしようとする人も多いので、当分はこの流れは続くと考えられます。

そのため、焼肉屋の需要も維持された状態が続くと考えられます。

肉以外に、糖質オフダイエットをしている人を意識したメニューを展開していくことで、さらなる売上アップも望めるでしょう。

 

ランチ、お一人様の焼肉屋の登場

焼肉といえば、家族と、友人と、恋人と、というように、複数人で来店することの多いお店でした。

しかし最近ではお一人様の需要が高まっています。

前述したダイエットブームや、ひとりでも自分の好きなこと・やりたいことをやることは恥ずべきことではない、という認識が強まっていることが要因です。

ランチにひとりで焼肉屋に来店されるビジネスマンも増えてきており、そのような客層向けのお店も現れています。

ただし、いまでも一人で外食することに抵抗がある人もいますので、そこまで大幅にお一人様向けの焼肉店の需要が高まるとは考えづらいです。

複数人での来店にも、お一人様での来店にも、どちらでも対応できるようにマニュアル化して運営していくほうが良いでしょう。

とくにランチはお一人様需要が高いので、ランチ営業をしている焼肉屋では、ひとりでも来店しやすい空気作りをすると集客アップが可能です。

気に入ってくれれば、複数人で来店されたうちの1人がお一人様で来店するかもしれませんし、お一人様で来店された方が誰かを連れてまた来店してくれるかもしれません。

どちらにも対応していれば、そういったチャンスを逃さずにすみます。

 

今後の焼肉業界の課題

以上を踏まえると、今後の焼肉屋には多くの可能性があると思います。

一人でも複数人でも、安いものから高いものまで、ディナーだけでなくランチも、というように、多くのシーンで利用されるのが焼肉屋です。

そのため、自分のお店をどのようなターゲット層を狙っている焼肉屋に位置づけるかで戦い方は変わっていくでしょう。

ただし、飲食業界全体として景気の影響を受けやすい傾向にあるため、そのような外部要因の影響を受けても生き残れるように、同じターゲット層を狙っている焼肉屋の中でも優位になっておくことが重要です。

そのためには、顧客獲得のチャンスがある場面では積極的にサービス展開をしていくことや、仕入れや販管費などを安く抑える仕組みなどが必要です。

多くの焼肉屋で肉を焼くのがセルフであるように、人員を増やさずとも店舗運営できる工夫(例えばタブレット端末からのオーダーなど)を積極的に導入していく流れがやってくると思います。

そういった技術を使いこなす力が求められます。

 

この記事では、そんな焼肉業界における今後の活路として、「焼肉屋のM&A」について詳しくご紹介していきます。

焼肉屋オーナーで、今後の経営について不安を抱えている方や、今後業界で人気の焼肉屋をバリバリと経営していきたいという方の参考になれば幸いです。

 

焼肉屋のM&A

M&Aとはそもそもどのような意味なのでしょうか。

ここでは、M&Aについてと、焼肉屋がM&Aを行うメリットについてご紹介します。

 

M&Aとは

M&Aとは正式には「Mergers(=合併) And Acquisitions(=買収)」の略称で、2社以上の企業による吸収や合併、資本による企業買収のことを意味します。

また、企業の買収だけではなく、提携も含めてM&Aと言います。

買収と聞くと「乗っ取り」というような悪いイメージが持たれやすいですが、近年では企業の後継者不足の問題や事業の成長戦略の方法として多くの企業がM&Aを行うという選択をしています

経営権をかけた争いというM&Aの方がニュースやワイドショーの話題になりやすいのですが、実際は譲渡する側、譲り受ける側の両方にとってメリットのある友好的M&Aの方が敵対的M&Aよりも多く成立しています。

リーマンショック以降、IPOのハードルが高くなってしまったことを踏まえると、M&Aは企業の出口戦略として今後ますます評価される経営戦略のひとつであるといえます。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

M&Aの手法に「事業譲渡」や「株式譲渡」がありますが、それらを行うことでどのようなメリットが生じるでしょうか。

ここでは、「事業譲渡」と「株式譲渡」について説明し、それぞれを行うことで得られるメリットについてご紹介します。

 

◎事業譲渡

事業譲渡は会社が保有している事業の一部(複数でも可)を切り出して、買い手に譲渡する、というものです。

つまり、現在株式を保有している会社自体の株式は変わらないので、譲渡対象を除いた事業は、今の会社に残ることになります。

会社全体を譲渡してしまうのではなく「この事業だけは残しておきたい」という場合はこの方法を取ることが一般的です。

事業譲渡をすると得られるメリットは次の通りです。

 

  1. 現金を得ることができる
  2. 一部の事業のみ譲渡することができる
  3. 手元に残したい資産や従業員の契約を残せる
  4. 債権者に対して通知や公告をせずに譲渡できる

 

◎株式譲渡

株式譲渡とは、売却企業のオーナーが保有している株式を買い手に譲渡し、会社の経営権を買い手に譲渡するというものです。

中小企業のM&Aでもっともよく行われる方法です。

上場企業でなければ、双方が合意した内容の株式譲渡の契約書を締結し、株式の対価の支払いが行われたら、株式名簿の書き換えを行うだけで完了します。

上場企業の場合は、TOB(Take Over Bitの略称で公開買付のこと)を行う必要が出てきます。

財務内容が健全でオーナーが株式の大半を所有していて会社全体を譲渡したいという場合はこの株式譲渡を行うことが多いです。

株式譲渡をすると得られるメリットは次の通りです。

 

  1. 株式公開よりも早くシンプルに現金を手に入れることができる
  2. 会社が原則として現状のまま存続することが多い(対外的には株式が変わった以外に大きな変化はない)
  3. オーナー同士の同意さえ取れれば、最短時間で譲渡を行える

 

M&Aはどのくらい起こっているのか?

ではM&Aは具体的にどのくらいの件数で起こっているのでしょうか。

 

年間で10件、100件、1,000件・・・・・・、どのくらいだと思いますか?

一度頭の中でM&Aの件数を予想してみましょう。

 

予想できましたか?

それでは答えです。

 

実は2019年には4,000件以上のM&Aが実施されているのです。

昭和の時代では年間数百件だったM&Aですが、バブル崩壊後に増加していくようになり、リーマンショック後に一度減少しますが、再び増えてきています。

このような増減の背景には何があるのでしょうか。

 

1つは少子化です。

バブル崩壊前から少子化が進んでいましたが、まだその頃は親族内承継や従業員による承継が一般的で、後継者問題に悩む企業は少なかったのです。

しかしバブル崩壊によって景気が悪くなると、少子化がさらに進み、景気も悪く終身雇用が苦しくなり、親族内承継や従業員による承継が難しくなってしまいました。

業績は順調なのに、後継者がいないことで存続できない企業が増え、そこでM&Aが注目されるようになってきたわけです。

 

2つ目は景気です。

やはり企業は景気に左右されるものです。

バブル崩壊以降、1社単独では存続が難しい企業も出てきてしまい、他の企業と一緒になることで生き残るという道が選ばれるようになりました。

また、リーマンショック後はIPOが難しく、かわりにM&Aを選ぶ経営者も増えています。

 

そして3つ目はグローバル化です。

先ほど紹介した2019年のM&A件数ですが、これには日本企業同士のM&Aだけでなく、日本企業と海外企業とのM&Aも含まれます。

人も企業も、国境をこえて活動することが容易な現代では、アメリカのようにM&Aが昔から一般的だった海外の影響を受けやすいのです。

 

M&Aの件数が増えて変わったこと

このM&A件数の増加により、日本でも大きなM&A市場が形成され、広く認知されるようになりました。

そこでM&A市場で稼ごうと、新規参入する企業も増えたのです。

M&Aの仲介を行う企業や、仲介のためのプラットフォームが世の中に増えてくると、さらに企業のM&Aが活発になって件数が増えます。

そうなるとさらにM&A市場に参入する企業が増えてくるのです。

 

ここ数年の日本企業が関わったM&Aの件数を見てみましょう。

2016年は2,652件、2017年は3,050件、2018年は3,850件、そして2019年は4,088件です。

400、600、200件で増えています。

2018年から2019年への増加は前年や前々年に比べて少ないのですが、まあ大体平均して400~500件ほど増加していくと考えましょう。

2019年の日本企業が関わったM&Aの譲渡益のトップは1兆を超えるものでした。

すべてがその金額とは行かないまでも、年間数千件のM&Aが行われれば、そこで動くお金も多くなることがわかりますね。

仲介業者の多くは、その譲渡益の何%かを報酬として受け取ります。

ビジネスチャンスに恵まれたM&A市場に参入する企業は益々増え、さらに取り扱われるM&Aの件数も増えていくと予想するのが自然でしょう。

M&Aの件数が増えたことで、それまで未成熟だった日本のM&A市場も成長し、そこで多くの人・物・金が動くことになったのです。

 

M&Aで気をつけるべきことは?

M&Aは、もはや金のなる木です。

そうなると、当然そのお金を狙ってくる悪い人たちも出てきてしまいます。

詐欺まがいの仲介業者を利用してしまえば、本来M&Aによって得られるはずだったメリットを手にすることができなくなってしまうでしょう。

損するためにM&Aを行う人はいません。

そのような仲介業者にだまされないよう、まずはしっかり経営者自身でM&Aについて考えましょう。

 

なぜM&Aを選ぶのか、目的がはっきりしていない経営者は悪徳仲介業者のいいカモです。

耳障りのいいことを吹き込まれ、とんとん拍子にM&Aの道を進むように背中を押されてしまうことでしょう。

目的を達成させるためにM&Aが本当に最適な手段なのか、しっかり考えましょう。

そして仲介業者を選ぶ際は、身元の確かな仲介企業を選びましょう。

例えば上場している企業や、公認会計士のように資格が必要な職種の事務所です。

弁護士事務所とかもいいですね。

なぜなら、それらの企業や事務所は、人をだまして利益を得るようなことをした場合、失うものが大きいからです。

上場企業は詐欺まがいのことをして事件になれば、株主が許しはしません。

また資格が必要な会計事務所や弁護士事務所は、罰せられて免許剥奪をとなれば仕事をしていけなくなります。

新規参入する企業が多いのですが、その中で適切な仲介業者を選ぶ際の参考にしてみてください。

適切な仲介業者を見つけることができれば、M&Aで損をすることは基本的にありません。

安心してM&Aを進めていいでしょう。

 

また、そのような仲介業者はM&Aの経験が豊富ですから、企業価値の算出にもなれています。

M&Aで企業価値の算出を誤ると、本来手にできたはずのお金を手にできなくなる恐れがあります。

しっかり企業価値を見定められる仲介企業を探しましょう。

企業価値が見定められる仲介業者は、適切な譲渡先も見つけてくれやすいのです。

 

ここで1つ覚えていて欲しいのは、適切な仲介業者と適切な譲渡先が見つかれば、高い金額で譲渡できるわけではないとうことです。

企業価値も“適切”な値がつきます。

今までの内容で、M&Aには多額の資金がついて回る、というイメージを持った方もいるかもしれませんが、あくまでも価値の高い企業に高い値がつくというだけであって、場合によっては損はしないが得もしないという状況になる可能性もあります。

2019年の4,000件のM&Aでは、それを踏まえた上で本当にM&Aをすべきだと判断した事例なのです。

 

そしてM&Aのメリットは何も資金だけではありません。

それ以外のメリットについては、具体的に焼肉屋に絞った場合について後述していきます。

M&Aの基本的な点を押さえた上で、それではここからは焼肉屋のM&Aに絞って説明していきましょう。

 

焼肉屋がM&Aを行うケース

焼肉屋がM&Aを行う場合はどのようなときでしょうか。

ここでは、どのような状態のときに焼肉屋のM&Aを考えるべきなのか、いくつかポイントを挙げてご紹介します。

 

後継者がいない

焼肉屋のオーナーをやっているものの、引き継いでくれる後継者が親族や従業員の中にいない場合は良くあることです。

昔の日本では、親の会社や事業を子どもが継ぐのが当然のように思われてきました。

しかし現在では自分の好きな道に進みたいと思って行動する子どもが増え、経営者である親自身も無理に子どもに継がせたくないと考える人が増えてきました。

とくに飲食店経営は難しく、2年以内に50%の飲食店が閉店し、さらに5年以内に70%の飲食店が閉店するという調査もあるほど厳しい業界です。

自身が望んで焼肉屋を始めるならまだしも、望んでいないのに焼肉屋を経営するのは精神的にも肉体的にも非常に負担の掛かることです。

親族間承継はもはや現代では少なく、親族以外に承継することが増えてきているのです。

しかし従業員の中で経営力があり、個人保証の引継ぎも銀行が認めるような経済力を持った人物はなかなかおらず、身の回りの人に引き継げないケースが多いのです。

そこで、後継者がいない為に廃業を選ぶのは嫌だ、というオーナーはM&Aを検討されると良いでしょう。

後継者は親族や従業員など身近にいない場合、M&Aで外部から後継者を見つけてくる、という方法もあります。

 経営する人物が変わったとしても、その焼肉屋が残ればお客さんは変わらず焼肉を食べにいくことができます。

 

アーリーリタイアしたい

焼肉屋を経営しているけれど、早期の段階でリタイアしたいという場合もM&Aは有効です。

アーリーリタイアしたい場合、その後の人生プランも考えなければなりません。

その為にはある程度の資金が必要になります。

海外移住したい、別の事業を始めたい、学生をやり直したい、投資家として生きていきたいなど、やりたいことを実現させるための資金が必要です。

そこで、経営している焼肉屋をM&Aで売ることができれば、アーリーリタイア後の資金を手に入れることが可能です。

M&Aでうまく折り合いをつければ、撤退コストをかけずにリタイアできます。

 

健康問題で経営を続けられない

高齢と健康面を理由に焼肉屋のオーナーを続けられない、という場合があると思います。

そのような場合でもM&Aは有効です。

高齢や健康面を理由としたM&Aは売り手がつきやすいと言えます。

理由は、会社の業績が保たれていることが多いからです。

健康問題が進むと、オーナーが事業に関与する度合いが低下してしまいます。

これにより、売上が伸び悩むことになります。

そうなる前にM&Aを選択することを検討しておきましょう。

 

またオーナー自身の健康だけでなく、家族が介護が必要な状況になり、経営を続けられないケースもあります。

今まで会社経営・飲食店経営に人生のほとんどをかけてきたオーナーも多く、家族との時間を大切にしたいという気持ちと板ばさみになるケースも少なくありません。

そのような場合に焼肉屋をM&Aで第三者に託すというのも勇気ある決断です。

 

今後の経営に希望が持てない

焼肉業界は今、売上は好調ですが「変化のとき」と言えます。

外国産の肉が高騰していることにより「肉で勝負する」ことがなかなかできずにいます。

これにより「アルコール」に力を入れたり、「おひとり様」も焼肉屋に来てもらえるよう工夫したり、焼肉業界が変わりつつあります。

大手企業ではこのような変化も容易に対応できますが、資金源が限られている個人経営のオーナーや中小企業のオーナーは不安を感じる事でしょう。

売上が好調のうちにM&Aすることも視野に入れておくと良いでしょう。

焼肉以外の飲食店をチェーン展開する企業では、焼肉業界に参入するために一から事業をたちあげるよりも、既存の焼肉店をM&Aによって譲り受けて参入しようと考える企業もいます。

個人の経営力や資本力では今後の経営が厳しくても、大手企業の傘下に入って戦っていくことは可能です。

 

店舗拡大のための資金や人員が足りない

「新規事業や新店舗を立ち上げたいが、資金や人員が足りない」という場合にもM&Aは有効です。

今保有している事業でM&Aを行い、そこで得られた資金や人員を新規事業に充てることができます。

今の業界で得たノウハウを新しい業界で活かしたい、という場合にもM&Aを検討しても良いでしょう。

また焼肉屋自体を拡大させていきたい場合でも、大手企業のグループに入ることで今以上の経営力や資金力、人員を獲得して、店舗拡大の実現に向けて動いていくことができます。

焼肉屋の創業者ひとりで数店舗の運営・管理をしてきたとしても、それ以上に店舗を増やすのはオーナーのキャパシティを超えてしまい、店舗拡大を諦めているケースもあります。

そこで焼肉屋のM&Aという選択をとることで、さらに店舗数を増やしてもしっかり運営していける体制をもつことができます。

 

売りたいから売る、という焼肉屋オーナーもいる

団塊世代の引退に合わせて、事業承継の1つとしてM&Aを選択する方が増えてきていますが、若い世代の方でもM&Aの道を選ぶ方がいます。

理由は、別の事業にチャレンジしたい、海外移住したい、現金が欲しい、家庭の事情など様々ですが、若いうちに事業や会社を売って潤沢な資金を手にして次のステージに移る、いわゆる成功者と呼ばれるような方も少なくありません。

飲食店オーナーは同じく飲食店オーナーや経営者との繋がりを持っていることも多く、そのような“成功者”をそばで見て、自分も「売りたい」と考える方も存在します。

要するに「売りたいから売る」のです。

「一度でもいいからM&Aを経験してみたい」と考えるのです。

目的と手段が入れ替わってしまっているじゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、何かに対する憧れが原動力になることは珍しくないことです。

一度きりの人生、やってみたいことはやってみるのも大切です。

きちんと事業や会社を手放すことに後悔しないかを検討できていれば、「売りたいから売る」も間違いではありません。

 

焼肉屋のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

焼肉屋のオーナーがM&Aを行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではM&Aを行うと得られるメリットについてご紹介します。

 

心理的負担の軽減

後継者問題を解決するためにM&Aを考える人も多いでしょう。

経営者にとって、「後継ぎをどうするか」を常に考えて経営していては不安が残ります。

また、将来のビジョンも立てづらいでしょう。

今いる従業員や親族よりも優秀な人材がいるかもしれません。

継ぐ意思がない親族や従業員に無理やり押し付けても、経営は伸びないでしょう。

それよりも、外部で優秀かつやる気がある人に継いでもらったほうが、今後の経営は安定する可能性が高いと言えます。

従業員の生活が今までは焼肉屋のオーナーひとりの肩にのしかかっていました。

しかし資本力があり従業員の待遇も改善できるような企業にM&Aで譲渡することで、そのプレッシャーを手放すことができます。

精神的なプレッシャーは心身の健康に影響を与えるため、できれば過度なプレッシャーは抱えたくないものです。

従業員の雇用を維持しながら、場合によっては改善できる会社に譲渡することで、オーナーはすがすがしい気持ちで引退することができるはずです。

 

金銭的メリット

廃業する場合、建物などを元に戻す費用が必要です。

M&Aを行うと、建物などは使ってくれるところが多いので、その分費用負担が減ります。さらに、M&Aで得られる収入もあるので、廃業するよりも金銭的メリットがあります。

手に入れた資金は引退後の生活や、次の挑戦の元手となります。

M&Aを経験した元オーナーの方の中には、新しい会社を立ち上げたり、投資家になったり、海外移住したりなど、オーナーの挑戦したいことにチャレンジしています。

しかしどれにチャレンジするとしてもお金が必要です。

具体的に「~円以上で譲渡する」とゴール設定してM&Aを実行に移すオーナーの方もおり、金銭的メリットはM&Aのメリットの中でも非常に大きなメリットといえます。

焼肉屋のオーナーも、M&Aで手に入れた資金をもとに、新たなことに挑戦することができるのです。

 

新事業への挑戦や引退後の生活

前述したとおり、今保有している事業をM&Aを行うことで得られた資金で、「新しい事業に挑戦してみたい」という場合や、「引退後の生活の資金に充てたい」ということもできます。

今保有している事業で得た知識やノウハウを活かして新しい事業に挑戦したり、引退後の生活をより良いものにしたり、資金があれば選択肢も広がります。

廃業する場合、資金が手元に残らないどころか、個人保有している車などを売却する必要性も出てくる可能性があるので注意が必要です。

M&Aであれば、お金も時間も精神的ゆとりも手に入れることができるのです。

 

焼肉屋をM&Aで譲り受ける側の事情とは?

今までは焼肉屋をM&Aで第三者に譲渡する側の話をしてきました。

それでは譲り受ける側はどうなのでしょうか?

焼肉屋を譲り受ける理由、メリットがなければ、M&Aを行う必要がありませんよね。

焼肉屋のM&Aを行うのなら、譲り渡す側だけでなく、譲り受ける側の事情も把握しておきましょう。

 

焼肉業界に参入したい

「焼肉業界に参入したい」。

そのように考えた場合、方法は2つです。

まずは、一からすべてを自社で用意することです。

店舗、仕入先、従業員、集客などすべてを一から用意する必要があります。

この方法の場合、すでにオープンして顧客を掴んでいる焼肉屋に対して勝負を仕掛けていくことになり、経営が軌道にのらなければ赤字を出して廃業という可能性があります。

もう1つの方法は、M&Aで焼肉屋を譲り受ける方法です。

すでにオープンして顧客を掴んでいる焼肉屋を譲り受ければ、軌道に載せるまでの苦労をせずに焼肉業界に参入することができます。

黒字営業できている焼肉屋であれば、基本は同じことをしていれば同じだけの利益が得られるはずです(もちろん外部要因で業績に波はでるでしょうが)。

つまりM&A後に焼肉屋から月々いくらの利益が生じるのか予想がしやすく、事業計画も立てやすくなります。

最近では炭水化物を控えめにして野菜とタンパク質をしっかりとってダイエットする人が増えてきています。

そのような背景から、女性でも一人焼肉をする人も出てきており、焼肉業界の需要はますます高まっていく可能性があります。

そこで焼肉業界に参入するなら、M&Aですでにあるお店を譲り受けようと考えるのです。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、現時点で軌道に乗っている・十分な利益を出せているなどの好条件であることはもちろん、焼肉屋経営が初めての企業でも運営できるよう、店舗経営の方法がマニュアル化されているお店が好まれやすくなります。

特定の既存従業員や経営者に依存した焼肉屋をM&Aで譲り受けても、新オーナーが運営できずに経営が悪化、廃業の道を選ばざるを得なくなるからです。

オーナーのカリスマ性で経営ができている焼肉屋は確かに魅力的ですが、M&Aの譲受先企業にとってはあまりいい条件とはいえないのです。

誰でも運営できる、というのは意外と重要な項目です。

 

既存の焼肉屋ブランドを成長させたい

すでに焼肉屋を運営している企業が、他の焼肉屋をM&Aで譲り受ける場合もあります。

例えば関東を中心に出店している焼肉屋を関西に広げたい場合、既存ブランドのまま関西に乗り込むよりも、関西に出店している焼肉屋をM&Aで譲り受けてから進出した方がリスクが低く比較的容易です。

他の焼肉屋を傘下にいれることで、既存の焼肉屋と仕入れや採用を一本化して効率化を図ったり、それぞれのブランド名でお互いのメニューを提供したり、1つの焼肉屋ブランドでやっていたときよりもできることが増えます。

焼肉屋をM&Aで譲渡する側も譲渡することで焼肉屋を成長させたいと考えているケースがありますが、譲り受ける側も同じく2つ以上の焼肉屋が1つにまとまることで、他社との競合に打ち勝つ事業に成長させようと考えていることがあります。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、既存の焼肉屋の足を引っ張らない程度には順調に経営できている焼肉屋、独自の強みがある焼肉屋が挙げられます。

焼肉屋に限らず、飲食店経営は難しいものですが、独自の強みがあれば黒字経営を実現させやすくなりますので、まずは強みを持つことを優先しましょう。

強みをつくっていく中で、顧客に評価され、黒字経営の道が見えてくるはずです。

 

複数の焼肉屋ブランドを持って顧客層を広げたい

焼肉屋と一口にいっても、安くてうまいのを売りにする庶民向けの焼肉屋から、接待にも使えるような高級焼肉店までさまざまです。

肉を焼く網の上に煙を吸うダクトを設置しているお店もあれば、ないお店もあります。

前者は匂いに気を遣う女性や若い世代に人気で、後者は匂いを気にしない人には利用される焼肉屋です。

このように、焼肉屋でもタイプがそれぞれ異なり、顧客層が異なります。

高級焼肉店が客層を広げるために安価なメニューを用意すると、ブランドイメージが変わってしまい、従来の客層から敬遠されてしまうリスクがあります。

そこで客層を広げるために、すでに運営している焼肉屋とは顧客層の異なる焼肉屋をM&Aで譲り受けたいという企業もいます。

なぜ顧客層を広げたいのかというと、顧客は利用するシーンによって焼肉屋を選ぶからです。

一般的な収入の子供連れの家族であれば、安くてうまいことが重要なので、そういった焼肉屋を選んで来店します。

その家族のお父さんが仕事の接待で焼肉屋を選ぶ際は、個室で落ち着いて話ができる、価格帯も高めの高級焼肉店を利用します。

また、その家族の子どもが大きくなり、大切な人との大事なデートをするときも、庶民的な焼肉店ではなく高級焼肉店を選ぶでしょう。

このように、焼肉屋を選ぶ際は利用シーンに応じたお店を選ぶので、さまざまなタイプの焼肉屋を運営することで、集客チャンスを逃すことが少なくなります。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、ターゲット層が明確であること、特徴がとがっていることが挙げられます。

ターゲット層が明確でない焼肉屋では、譲受先の既存焼肉屋とターゲットが同じなのか違うのか、判断ができません。

ターゲット層を絞ると、それだけ売上アップの可能性を狭めてしまうことにはなりますが、その分そのターゲット層に刺さる焼肉屋にすることができ、M&Aにおいても譲受先に刺さりやすい焼肉屋にすることができます。

 

他ジャンルの飲食店とのシナジーを期待している

焼肉屋は肉を仕入れる必要があります。

つまり他にも肉を仕入れる飲食店と運営が一緒になることで、仕入れを一本化して効率よくすることができます。

肉バルや熟成肉のお店など、肉を押したお店も増えてきています。

焼肉屋ではなくても、肉を取扱うお店と運営する企業が焼肉屋を譲り受けることで、シナジーを生み出すことができます。

また、同じ肉を扱っているお店であるため、それぞれのメニューを取り入れたり、活用した新メニューを作ったりすることもできるでしょう。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、 肉の仕入先を変更しやすいか、逆にその仕入先を他の飲食店にも回せる焼肉屋、仕入先以外の求人などの面でも同様のことが言える焼肉屋が挙げられます。

なぜなら運営を統一することで、仕入れや求人を一本化するということは、そういった適応力が求められるということです。

仮にある仕入先からでした仕入れられない珍しい肉しか扱っておらず、その仕入先が取り扱う肉の量に限界があり、譲受先の既存飲食店に卸せないとなれば、経営を統一する際の妨げとなります。

 

非飲食業の既存事業とのシナジーを期待している

飲食業ではなくても焼肉屋とシナジーを生み出せる可能性があります。

最近では飲食業と街コン業者が一緒になって街コンイベントを開催することもありますが、やはりお店を確保するのが大変だそうです。

そこで街コン事業を行っている会社が飲食店の運営会社をM&Aでグループ傘下に入れることもあり、焼肉屋も同様なケースが考えられます。

そのため焼肉屋のM&Aの相手は決して飲食業の会社でなくてもよいのです。

視野を広く持って相手を見つけることが大切です。

もしM&Aの相手が非飲食業で既存事業とのシナジーを期待しているのであれば、具体的にどのような構想を持っているのか聞いてみるといいでしょう。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、既存事業の提供場所でも提供しやすい焼肉屋であることが挙げられます。

例えば、エリート層を限定に開いている街コンイベントがあったとして、焼肉屋を会場にするのは避けるべきでしょう。

高級焼肉店も存在しますが、焼肉はどうしてもにおいが気になる食べ物ですから、高級感・上品さを重視する雰囲気のイベントには合いません。

どちらかというと、20代などの若者を対象にした、気軽な街コンイベントの方が、焼肉屋での開催でも受け入れられやすいでしょう。

 

複数の事業を持つことで経営リスクを低減させたい

企業経営において、1本の事業に絞った経営は大抵の場合リスクを伴います。

その1つの事業が傾いてしまえば、そこで会社が終わりだからです。

よほど安定した事業、世の中に必要とされる事業、例えば病院やインフラなどでなければ、景気の影響に左右がされやすいのです。

そこで複数の事業を持ってバランスを取ることがあります。

焼肉屋は飲食業なので、「食べる」という人間の生活に欠かせない活動と密接に結びついています。

人々の生活に余裕がないときに需要が減りはしても、完全にゼロになるということはありません。

ある意味で安定している事業と言えます。

そのような点を評価して焼肉屋をM&Aで譲り受けるケースがあるのです。

 

対象になりやすい焼肉屋の例として、 これも焼肉屋経営が初めての企業でも運営ができるよう、ある程度マニュアル化されて、軌道に乗っている焼肉屋が挙げられます。

複数の事業を経営しているのであれば、100%全力を焼肉屋に向けることはできません。

既存の事業を運営しながら、焼肉屋の経営にも乗り出すのであれば、ある程度経営状況が整っている焼肉屋であることが望ましいでしょう。

 

焼肉屋のM&A事例

焼肉屋のM&Aがどのようは背景で実施されるのか、焼肉屋オーナーにとってどのようなメリットがあるのかについてご説明してきました。

ここで実際に実施された焼肉屋のM&A事例をご紹介したいと思います。

 

焼肉屋のM&A事例を調べておけば、実際に自分の焼肉屋をM&Aで譲り渡そうと思ったとき、どのような企業が相手になりうるのか、自分の焼肉屋のどこをアピールすべきなのかなどが分かるはずです。

「焼肉屋 M&A事例」などで検索するとニュース記事や事例を紹介する記事が見つかると思いますし、有名な大手飲食店チェーンを展開している企業は焼肉屋のM&Aを経験していることが多いので、「企業名 M&A」などで検索しても焼肉屋のM&A事例を調べることができるでしょう。

 

焼肉屋のM&A事例:ゼンショーホールディングスによる焼肉屋のM&A

飲食業界の中でも、焼肉屋に限らず幅広くM&Aを繰り返しているのがゼンショーホールディングスです。

もはやあらゆる料理ジャンルの飲食店におけるM&Aを調べたければ、ゼンショーホールディングスのM&A実績を調べるのが早いのではないかというほどです。

そんなゼンショーホールディングスは、過去に焼肉屋をM&Aで買収しています。

2001年には焼肉・しゃぶしゃぶの「ぎゅあん」、2006年には焼肉チェーン「宝島」を買収しています。

ゼンショーホールディングスでは、焼肉店以外にもファミレス、ラーメン、イタリアンレストラン、和食、うどん、寿司など様々なジャンルの飲食店を買収しています。

提供するメニューの材料の調達から製造・物流・店舗の販売までを一貫して行うマス・マーチャンダイジング・システムを採用しているゼンショーホールディングスでは、様々なジャンルの飲食店を買収するのは製造ラインに買収した企業を加える、つまり材料の種類や運ぶ先が増えるだけなので、容易に傘下の飲食店を増やすことができるのです。

元々ゼンショーホールディングスが創業したすき家は牛丼チェーン店ですので牛肉を仕入れるルートを持っています。

そこに焼肉屋が加わるのがいかに容易か、想像できるのではないでしょうか。

 

焼肉屋のM&A事例:焼肉チェーン「牛角」のM&A

焼肉チェーン「牛角」を運営する株式会社レインズインターナショナルの親会社であるレックス・ホールディングスは、2012年に居酒屋「北海道」や「甘太郎」などを運営する株式会社コロワイドに株式の66.6%を譲渡しました。

さらに2016年には北米で焼肉店「牛角」を運営する米社の全株式も、100億円で株式会社コロワイドに譲渡しています。

焼肉店「牛角」がすでに焼肉チェーンとして知名度があったこと、北米進出ができていたことから、株式会社コロワイドはM&Aによってこれらのブランド力と他ブランドの北米展開への足がかりを手に入れたといえます。

ゼンショーホールディングスや株式会社コロワイドのように、多数の飲食店ブランドを持つ企業によるM&Aは多く、焼肉屋は外食産業のなかでもメジャーなジャンルであることもあり、買収さえる可能性が高い業種であるといえるでしょう。

 

焼肉屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント6つ

焼肉屋をM&Aする際、どの点に気を付ければよいのでしょうか。

ここでは、焼肉屋のM&Aを実施する際に気を付けるべきポイントをご紹介します。

M&Aの後にお店や従業員が今以上の環境にいて欲しいと望むのであれば、しっかりポイントを抑えてM&Aを検討する必要があります。

決して妥協せず、本当に心から喜べるM&Aを目指しましょう。

 

準備は早めに

M&Aを決定したら、できるだけ早めの準備を心がけましょう。

様々な書類が必要ですし、事業の価値を算出して希望の売却額を計算する必要があるからです。

また財務面をきれいに整えておかなければ、譲受先候補にM&Aを断られてしまうでしょう。

とくに大きな会社相手でのM&Aとなれば、労務、財務など、法律をきちんと守った経営ができていないと相手にされません。

焼肉屋を含む飲食店では、労働環境が悪く、ブラック職場と呼ばれるような状態になっていることが多いです。

しかし焼肉屋のM&Aを目指すのであれば、そういった点の改善に向き合っていかなくてはいけません。

1日やそこらで改善できるようなものではないため、焼肉屋のM&Aでは準備を早めにしておくべきなのです。

また、いきなり事業を別の企業に売却することを従業員に伝えてしまえば混乱を招くでしょう。

立場が高い人から順にM&Aを実行する、ということを浸透させる必要があります。

 

売却事業の強みを明確化する

M&Aを検討する際に、自分の焼肉屋の事業の「強み」を考えてみましょう。

高級志向である、ファミリー向けであるなど様々な強みがあると思います。

その特徴がどのように成立しているのか、仕組みの面に目を向けなくてはいけません。

高級志向の焼肉屋では、希少部位の肉を購入できる独自の仕入先を持っていたり、収入の高い層にアプローチする手段を持っていたりするでしょう。

ファミリー層向けに質の良い肉を安く提供している焼肉屋では、バイトだけでもお店を回せる仕組みや、安く良い肉を仕入れる販路を持っているかもしれません。

焼肉屋のオーナーは、このような他社には真似しづらい強みのもとが何であるのかを明確にし、言葉で説明できるようになっていなくてはいけません。

M&Aで焼肉屋を譲り受ける側にきちんと説明できるようにしなければいけません。

なぜなら、いくら強みや魅力があっても、相手に伝わらなければないことと同じだからです。

 

譲れない売却先の条件を明確化する

すべての条件を飲んでくれる買い手がいれば、それは理想的と言えるでしょう。

しかし、実際はそうはいかないところが現実です。

したがって「これだけは譲れない条件」と「最悪譲っても良い条件」を見極めておくとよいでしょう。

M&Aは、結婚に似ていると言われており、誠実に向き合って話し合うことが、成功の秘訣と言えます。 

高級志向が売りだった焼肉屋を、M&A後に安い大衆店にしてしまう相手に譲渡してしまえば、今までお店に来てくれていたお客さんは離れていってしまうでしょう。

焼肉屋のオーナーはお店を離れたとしても、昔からひいきにしてくれていたお客さんに、それまで通りにサービスを提供したいと思う方は少なくありません。

M&A後も守っていって欲しい焼肉屋の特徴や雰囲気などがあれば、そこに共感してくれる相手を探しましょう。

もし同じ仕入先や運営マニュアルを利用して、別のブランド名で大衆向けの焼肉屋を運営するのなら問題ないと考えているのであれば、それを伝えた上でM&Aの相手と交渉すべきです。

 

焼肉屋の譲受先企業を具体的にイメージする

自分が経営している焼肉屋がどのような企業になら欲しいと思われるか、譲受先企業のイメージをしましょう。

すでに焼肉屋を経営している企業なのか、経営していない企業なのか、経営しているならどこでどのような焼肉屋を経営しているのか、具体的なイメージができていれば、実際に譲受先企業の候補が現れたときに、どの企業なら好条件でM&Aを行いやすいか、判断しやすくなるでしょう。

何もイメージせずに焼肉屋のM&Aを進めてしまうと、譲受先候補の企業との交渉の際にどう進めていけばいいのか分かりづらく、譲受先企業の決定において判断がしづらくなるでしょう。

具体的イメージがしづらい場合は、他の焼肉屋のM&A事例を参考に、どのような企業が譲受先となっているか調べてみましょう。

 

オーナーに依存していない焼肉店経営を実現させる

焼肉屋のM&Aで重要なことは、譲渡する焼肉屋の運営がオーナー依存になっていないかです。

誰かに依存した焼肉屋経営は、その人がいなくなったときにお店が回らなくなることを意味しています。

譲受先の企業としては、オーナーが残らない形のM&Aは選べない上、店舗拡大をすることができないことが目に見えてしまいますので、そもそも買収しようと思わないのです。

もしM&Aで焼肉屋を手放したいと考えている現在、お店の運営にオーナーが不可欠なのだとしたら、時間をかけてでも誰でも回せる店舗運営の方法に切り替えていく必要があります。

究極、バイトだけでも回せる状態であれば、譲り受けたいと思う企業は多くなるでしょう。

まずは調理や接客など、すべてをマニュアル化していくことから始めましょう。

もし個人の経験やセンスに頼らなければ回らない部分があるのだとしたら、どうすればマニュアルにすることができるのか、そういった分野のコンサルタントに相談するのも手です。

 

譲受先企業の経営状況や強み、労働環境を確認する

譲受先企業がどのような考え方のもと、どうやって事業を運営しているのかを確認しておくことは、焼肉屋のM&Aにおいて必須といえるでしょう。

なぜならM&Aはその会社の一部をなるわけですから、自ずとその方針に従って、また既存事業と同じように運営されているはずだからです。

M&A後に思っていたような事業展開をしてもらえず、自分が創った焼肉屋がいつの間にか名前だけが一緒でまったく別のものになっているのは悲しいものです。

さらに労働環境としてはどうなのか、という点もしっかりチェックしておきましょう。

現在働いてくれている従業員がM&A後もそのまま働き続けるのだとしたら、その従業員が安心して働けるような労働環境を提供してくれる企業をM&Aの相手として選ぶといいでしょう。

もしM&A後に、自分が創った焼肉屋が過労死やブラック企業として世に名前が知れ渡ったたとしたら、後悔しても後悔し切れないでしょう。

自身がM&Aの後に、その焼肉屋で働きたいか、その焼肉屋に通いたいかを考えてみましょう。

 

焼肉屋のM&Aを相談するなら

実際にM&Aを検討し始めた場合、どこに相談すれば良いでしょうか。ここでは、M&Aを相談する相手先についてご紹介します。

相談先は多いほうが様々な意見が聞けて良いと言われています。

その際選ぶポイントとしては、成功事例が多く実績がある企業が良いでしょう。

それだけ専門知識や色々なテクニックを持っているという事になるからです。

 

◎税理士・会計事務所

自社の顧問税理士や会計士にM&Aの相談を持ち掛けても良いでしょう。

M&Aを進める上で税と会計の知識は必要不可欠です。

他のどこへサポートを依頼しても、いずれ税理士と会計士の協力は必要です。

自社のことを良く知っている税理士や会計士なので、話が早いという利点もあります。

ただし、M&Aに詳しい税理士や会計士は限られているので、一部分についてのアドバイスしか受けられない可能性が高い、という問題点はあります。

 

◎銀行・証券会社

銀行や証券会社は、高い専門性や経験を持っておりレベルの高いサポートが期待できます。

広い範囲の取引先をもつ銀行や証券会社のネットワークを最大限活用できます。

また、取引関係で自社の状況も話している関係なら、自社のことをよく知っているので話が早いです。

しかし、中小企業のM&A案件についてはあまり扱っておらず、サポートしてもらえない可能性が高いです。

 

◎弁護士事務所

顧問の弁護士の場合、信頼関係があるので、相談しやすいでしょう。

弁護士事務所の中にはM&Aの支援や仲介を積極的に行っている所もあります。

実績のある弁護士が対応してくれる可能性が高いです。

M&Aには法律が関係するので、この点は強力なサポートが期待できます。

弁護士業界にとってM&Aは、大企業相手が主でしたが、新しく中小企業のM&Aも請け負うようになってきました。

しかし、まだ中にはM&Aに不慣れな事務所も見受けられます。

 

◎M&A仲介会社

M&A仲介会社は、M&Aそのものをビジネスにしているので実績も知見もあり、相談しやすいです。

仮に業歴の浅い、規模の小さなM&A仲介会社であっても、銀行や証券概査でM&Aを経験した人が集まっていることが多いです。

そこは、あまり心配のない相談相手と言えます。

また、M&Aでも協力が必要になってくる税理士や会計士、弁護士などが在籍しているところも多いです。

そうでなくとも、詳しい専門家とのネットワークを持っている場合がほとんどです。

しかし、中にはM&Aの成立のみに注力する業者もあるので注意が必要です。

 

以上が焼肉屋のM&Aについて相談できる相手です。

自分にぴったりの専門家を見つけて相談しましょう。

複数ある焼肉屋のM&Aの相談先の中から、1社に決めるときのポイントをご紹介しましょう。

 

  • 焼肉屋のM&A経験があること
  • 焼肉屋以外のM&Aの経験も豊富なこと
  • 成果報酬型であること
  • 話をしっかり聞いてくれること
  • M&Aについて独自のノウハウがあること

 

以上の点を意識して焼肉屋のM&Aの相談先を選びましょう。

まず焼肉屋のM&A経験があることですが、すでに経験があるなら大体の流れは熟知していますし、焼肉屋の運営に対する知識もしっかり持っています。

どうすれば譲渡しやすい焼肉屋になるのか、オーナーのM&Aの理由をかなえるためにはどのような企業をM&Aの相手にするべきかなどを知っています。

焼肉屋以外のM&Aの経験も大切です。

焼肉屋に限らず、M&A全般に適用できるノウハウや経験を持っています。

また、譲受先企業との交渉も経験がものをいいますから、焼肉屋以外の業種も含めてM&Aの経験が豊富であることが望ましいです。

そして成果報酬型であれば、M&Aが成立するまでは費用が一切かかりません。

手元にまとまったお金のない人でも、成果報酬型ならM&Aによって生じたお金で支払えばいいわけですから、心配いりません。

話をしっかり聞いてくれることは、M&Aに限らず、様々なサービスで重要なことでしょう。

しっかり焼肉屋オーナーの要望を聞き、それを実現させるためのM&Aを目指してくれる姿勢のない相手を、焼肉屋のM&Aの相談先に選ぶのは避けるべきでしょう。

そしてオーナーの望む形のM&Aを行うには、独自のノウハウをもっている経験豊かな企業でなくては困難です。

求めるものを実現させるための力がある企業ではなくては、相談して話をしっかり聞いてくれても、夢かなわず終わってしまうことになりかねません。

相談先の態度や姿勢も重要ですが、力があることも焼肉屋のM&A成功には欠かせない要素となります。

 

最後に焼肉屋のM&Aの相談先としておすすめのM&A仲介会社をご紹介します。

 

スパイラルコンサルティング社は会計事務所を母体にしているため、財務・税務の面でのサポートがしっかりしており、かつ飲食業のM&Aに強く、多くのM&Aの実績を持つコンサルタントがM&Aをサポートしてくれます。

過去には譲渡額が15億円となる飲食業のM&Aにも成功しており、知識、ノウハウ、事例のどれをとっても焼肉屋のM&Aのサポート役として不足はありません。

費用は完全成果報酬型であるため、焼肉屋のM&Aが成立してオーナーの手元に現金が入るまでは一切掛かりません。

相談の段階やM&Aが成立しない場合は、費用がゼロですので気軽に相談ができます。

ぜひ一度相談しに行ってみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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焼き肉屋のM&Aについては分かった!では焼き肉屋がM&Aすべきでないタイミングは?

焼き肉屋のM&Aを実施予定、もしくは検討中の方に向けて前章までで色々と述べてきましたが、基本的にM&AすべきタイミングやM&Aする前提でのお話をさせていだきました。

しかし、焼き肉屋のM&Aをすべきではない、あまりおすすめできないタイミングも存在します。

最後に、焼き肉屋のM&Aについて色々読んできたものの、やっぱりまだM&Aは実施すべきではないのではないだろうか、不安だなあと思う方もいるでしょう。

前述したようなM&Aに向いている状況にある焼き肉屋オーナーは、M&Aをこのまま積極的に検討してみてもいいと思うのですが、そうではない場合はM&Aを本当にすべきかよく検討したり、M&Aするにしてもタイミングを見計らったりしてみた方がよいでしょう。

それでは、具体的に焼き肉屋のM&Aを見送ることも考えるべきタイミングについて例を挙げていきます。

 

規模が小さすぎる焼き肉屋の場合

オーナーが厨房も接客も担当して1人でお店を回し、1人なので席数もカウンターの数席しかないような焼き肉屋1店舗のM&Aの場合、あまりM&Aに向いていないということはご理解いただけるのではないでしょうか。

あまりにも規模が小さすぎる焼き肉屋の場合、譲り受けたいと思う側を探すのが難しいのです。

とくに個人間でお店を引き継ぐのと異なり、法人に向けて引き継ぐ場合は、ある程度の規模が必要になります。

個人で細々とやってきた焼き肉屋の場合は、M&Aを行うよりも、個人の後継者を見つけ出すか、いっそのことお店を畳んでしまった方が余計な手間を掛けずにスムーズに引退することができるでしょう。

 

もし規模を大きくしていける余地がまだあるのであれば、大きくしてから焼き肉屋のM&Aを検討してみてもいいでしょう。

やはり譲り受ける側の心理を考えると、ある程度成熟した事業を譲り受けたいと思うのは自然なものです。

 

まだ焼き肉屋に想いが残っている場合

まだ焼き肉屋のオーナーとしてやっていきたい、想いが残ってしまっている場合は、やはりM&Aの実施はおすすめできません。

どうしても手放さなければいけない理由があって焼き肉屋をM&Aで手放す場合はいたしかたないのかもしれません。

その場合は、いつかもう一度別の焼き肉屋を開いたり、一度手放した焼き肉屋を再度M&Aで買い戻したりする道もあります。

しかし一度手放してしまえば、別の人の手により、まったく違う焼き肉屋になっているかもしれません。

本当に今のままの焼き肉屋を存続させていきたい、そして自分が経営に携わっていたいと思っており、そうする余地もあるのであれば、まだ今のままで頑張ってみるのも1つの道です。

手放した後は焼き肉屋がどうなっても何も言えません。

焼き肉屋を手放す前によく考えましょう。

 

コントロールできないような事情により深刻な赤字になっている場合

そもそも人口が少ない地域において、深刻な赤字が続く焼き肉屋を黒字に持って行くのは至難の業です。

M&Aで焼き肉屋を譲り受けても、人口を増やすことはできないので、単価を上げるなどで少しの改善はできるかもしれませんが、深刻なレベルにまでいってしまった赤字を解決できる可能性はほぼゼロと考えるべきでしょう。

赤字でも内部に問題があり、M&A後にコントロールがしやすく解決の見込みがある場合は、M&Aで焼き肉屋を譲り受けたいと思う企業が見つかりやすいです。

一方で外部要因など、どうにもコントロールができないような部分に赤字の原因がある場合は、非常に解決が難しく、その状態の焼き肉屋を欲しいと思う人が見つからないのです。

 

もし赤字で焼き肉屋をM&Aによって手放そうと思っているのであれば、何が原因でそうなっているのか、原因は内部にあるのか、外部にあるのか、しっかり見極めるようにしましょう。

 

焼き肉屋業界だけでなく世間全体で景気が悪い場合

焼き肉屋業界だけ景気が悪い場合は、景気の良い他の業界の企業が焼き肉屋を譲り受けたいと思ったり、同じ焼き肉屋業界の中でも比較的売り上げのある大手が他焼き肉屋を譲り受けることで規模を拡大して生き残ろうと考えたりするため、焼き肉屋のM&Aの相手が見つかりやすい傾向にあります。

しかし、焼き肉屋業界に限らず、世間全体で景気が悪い場合では、多くの企業が資金を取っておこうとするため大きな出費を避けようとしやすく、焼き肉屋のM&Aの相手が見つかりにくくなってしまいます。

バブル崩壊のように国内だけの話であれば、海外にM&Aの相手を見つけに行くこともできますが、世界恐慌やリーマンショックのときのような世界的な不況に突入したときには、焼き肉屋のM&Aが成立するだけでもラッキーだったと思った方がよいでしょう。

場合によってはM&Aが成立せずに廃業に追い込まれる可能性もあり、資金や焼き肉屋オーナーとしての成功など得るものの多いM&Aは非常に難しくなってきます。

 

もしただ焼き肉屋を手放せればいいという考えではなく、「できるだけ資金を得たい」「経営者としての1つの成功モデルとしてM&Aしたい」というケースでは、何とか不況を乗り越え、景気が良くなるのを待ってからM&Aを実施することを狙うか、潔く廃業を選ぶか、どちらかを選んでみてはいかがでしょうか。

 

焼き肉屋オーナーご自身で判断できない場合は専門家へ

以上、焼き肉屋がM&Aを避けるべきタイミングについて具体例を提示してみましたが、ご自身で判断できない場合は、やはり専門家に一度相談しましょう。

焼き肉屋のM&Aは大きな決断です。

焼き肉屋オーナーの人生においてもビッグイベントとなるでしょう。

しっかり検討されることをおすすめします。

前述したように、M&Aのプロに相談にいってみましょう。

プロも焼き肉屋のM&Aに向いていないケースの相談を受けることがあるので慣れていますので、安心して相談できるはずですよ。

 

しかし最後に決断するのは焼き肉屋オーナーご自身です。

相談をしている中でなんとなく流されて焼き肉屋のM&Aを決断してしまったとならないように、自分の考えを明確にし、M&Aの道に進むか、それとも別の方法を探すか、自身で決めていきましょう。

そのためにも、しっかり焼き肉屋のM&Aについて調べて、よく考え、プロに相談するという流れを押さえておきましょう。

後悔のないM&Aになるといいですね。