
事業承継のアドバイスは受けられるものなのか、受けていいものなのでしょうか。
もしアドバイスを受けてはいけない、受けられないとしたら、経営者ひとりですべてを抱えなければなりませんよね。
しかし安心してください。
事業承継のアドバイスは受けられます。
では誰から事業承継のアドバイスを受けるべきなのでしょうか。
本記事では、事業承継のアドバイスを受けるべき理由や相談先の選び方、おすすめの相談先などについてまとめてみました。
事業承継について、今ひとりで抱え込んでしまっている方の参考になれば幸いです。
事業承継について理解しよう
事業承継とは
まず、事業承継とはそもそも何かについて知っておきましょう。
事業承継とは、会社の経営権を現経営者から後継者に引き継ぐことです。
事業承継をする理由は様々です。
- 現経営者が高齢になったから
- 現経営者が早期引退をしたいから
- 現経営者が経営より現場で働くことを優先したいから
- 現経営者が個人保証や担保を外したいから
- 今の資本力や企業規模では事業拡大が難しいから
- 引継ぎ先との相乗効果を得たいから
……など
事業承継を行う理由や背景が複数存在するため、A社が行った方法をそのままB社で用いて事業承継が成功するとは限りません。
多種多様な理由や背景に合わせて、事業承継の方法も複数あるのです。
事業承継の方法とそれぞれのメリット、デメリット
例えば、事業承継は後継者が誰であるかによって主に3つの方法に分類できます。
- 子どもや孫などが引き継ぐ親族内承継
- 従業員や役員などの親族ではない社内の人間が引き継ぐ親族外承継
- 会社に関連のない第三者がM&A(合併・買収)で引き継ぐ親族外承継
の3つです。
①子どもや孫などが引き継ぐ親族内承継
親族が承継することで、経営権をしっかり一族のものにすることができます。
また、身内の人間が引き継ぐことに対する安心感もあります。
子どもや孫が家を継ぐのが当たり前、という時代の方にとっては一番身近な事業承継の方法ではないでしょうか。
実際に40年ほど昔の日本では、事業承継の9割が親族内承継であったそうです。
しかし最近では子どもが跡を継ぐことは当たり前ではない、という認識が子、親ともに浸透しつつあり、親族内承継は4割未満にまで減っています。
子どもとしては自分の望んだ道を進みたい、親としては子どもを縛り付けたくないなどの理由により、子どもや孫が跡を継がないことが増えています。
また現経営者の親族だからといって、経営の能力に秀でているわけではなく、経営者として仕事を引き継ぐことが困難であるために親族内承継を選ばない方もいます。
金融機関からの融資を受けられない、個人保証や担保の引継ぎができないなどの理由があり、親族内承継を望んでもできない場合もあります。
②従業員や役員などの親族ではない社内の人間が引き継ぐ親族外承継
親族が引き継ぐことを親族内承継と言い、親族外の人が引き継ぐことは親族外承継と言います。
親族外承継はさらに2つに分けられます。
1つがまったくの部外者が承継する場合、もう1つは親族ではないものの従業員や役員などの会社内の人間が承継する場合です。
社内の人間が引き継ぐ親族外承継では、すでに業務や会社自体に馴染んだ人が引き継ぐため、事業承継がスムーズに進みやすい利点があります。
経営者としても目をかけていた優秀な従業員がいるのであれば、その人に継いでもらえると安心できることでしょう。
一方で従業員等が引き継ぐ親族外承継では、後継者となる従業員の家族からの反対を受けることがあります。
なぜなら個人保証や担保ごと引き継ぐため、何かあったときを心配する家族にとっては受け入れがたいことだからです。
またこれは親族内承継でも生じる問題ですが、金融機関の審査に通らず融資を受けられない場合や、経営能力を十分に持つ人材が社内にいない場合があります。
③会社に関連のない第三者がM&A(合併・買収)で引き継ぐ親族外承継
最後が社外の第三者が引き継ぐ親族外承継です。
この場合、M&A(合併・買収)によって他企業に承継される場合が多いです。
M&A(合併・買収)を利用した第三者による親族外承継では、親族内や社内などの限られた母集団から後継者を探すことに比べ、より優秀な、より経営能力を有した人物を見つけやすいというメリットがあります。
また、金融機関からの審査に問題なく通るような企業が買い手企業として名乗りを上げるため、金銭的な問題によって事業承継ができないということへの心配はほとんどありません。
東北地方で展開している飲食店が全国展開している飲食店の運営会社によって事業承継されることで、今まででは不可能だった全国展開が現実になることもあります。
しかし社外の第三者への承継は、親族や社員への事業承継に比べ、業務引継ぎや後継者が決定されるまでに時間が掛かってしまうデメリットもあります。
時間さえあれば解決する問題ですが、時間がない経営者、例えば数ヶ月の余命宣告を受けてしまった方にとっては、第三者への事業承継は時間が掛かるため現実的ではないこともあります。
事業承継で第三者からアドバイスを受けるべき理由
以上のように事業承継には目的、背景、方法などが複数あることで、その経営者が陥っている状況は様々です。
そのため、まずは自分の場合どのような状況なのかを把握する必要があります。
しかし人生初の事業承継、自分がどのような状況での事業承継をするのか、それに対してどのような方法を取るべきかがわからない方が多く、事業承継を思うように進められず困ってしまうこともあります。
そのような方こそ、事業承継では第三者からのアドバイスを受けるべきです。
経営者の方が事業承継で第三者からアドバイスを受けるべき理由を3つ挙げてみました。
自社や経営者個人の状況を客観的に把握すべきだから
まず社外の人間から会社を見てもらうことが必要です。
M&A(合併・買収)による事業承継を検討している経営者の方は特にです。
なぜなら社内の人間、とくに経営者から見て自社というものは、実際よりも魅力的に見えてしまっていることがあるからです。
しかし社外の人間から見たら、そこまで魅力的であるとは限りません。
M&A(合併・買収)の買い手企業の目線と同様に、シビアに、贔屓目なしに自社を見て価値や魅力を判断してくれる視点が必要です。
また、実際は魅力や価値があるのに、魅力や価値があるように“見えない”という企業もいます。
そのような企業は“見える”ようにすることが必要です。
事業承継で第三者からアドバイスを受けることで、そのような気付きを得ることができます。
事業承継には専門知識が必要だから
事業承継には専門知識が必要です。
会社法、株式、税制、相続などの専門知識が必要です。
経営者ですからある程度の知識は持っているかもしれませんが、すべてにおいて正確に、となるといかがでしょうか。
もし事業承継に関する専門知識を経営者本人が持っていなくても、持っているプロにアドバイスを受けてしまえば困ることはほとんどありません。
法律が変わることもあるので最新の専門知識が必要ですが、プロの場合はそれでご飯を食べているわけですから最新の知識についてもしっかり押さえてくれています。
事業承継後、望んだ状況に運びやすいから
事業承継を行う際に関わる人物は、最低でも引き継ぎたい側(売り手)と引き継ぐ先(買い手)です。
もし引き継ぎたい側(売り手)は事業承継についてそこまで詳しくなく、一方で引き継ぐ先(買い手)は事業承継に関する知識や経験も豊富だったとしたら、どのようなリスクが考えられるでしょうか。
もしかしたら引き継ぐ先(買い手)が優位に、引き継ぎたい側(売り手)にとって損になるように事を運ばれてしまうかもしれません。
そのような状況を防ぐためにも間に第三者を入れてアドバイスを受けるべきです。
第三者のアドバイスは足りない知識や視点を得るだけでなく、現経営者、ひいては会社の従業員や取引先の身を守るためでもあるのです。
事業承継のアドバイスを受ける相談先を選ぶポイント
事業承継において第三者のアドバイスを受けるべき理由がお分かりいただけたでしょうか。
そこで気になるのは、どうやってアドバイスを受ける相談先を選ぶべきか、という点ではないでしょうか。
事業承継のアドバイスを受ける相談先を選ぶポイントを2つご紹介します。
費用は成果報酬型か、掛かった時間分掛かるのか
まず費用です。
タダで質の良いアドバイスを受けられたら嬉しいものですが、タダより怖いものはありません。
通常、質の良いサービスを受けるにはそれなりの対価が必要です。
ただし事業承継の場合は、承継が無事成功した際に経営者に入ってくるお金が高額になりやすいため、金額の安さ・高さという点よりも、どのような報酬体系かをチェックした方がいいでしょう。
事業承継が成功した場合のみ費用が掛かる成果報酬型であれば、アドバイスを受けるだけなら無料です。
逆に掛かった時間分を請求される場合は相談するごとに費用が掛かってしまいます。
その他着手金や相談料などを別途設定している場合もありますので、アドバイスを求める前に各相談先の料金体系を確認しておきましょう。
近しい事例を取り扱った経験があるか
似た事例を取り扱った経験があるかないかという点も重要です。
どのようなトラブルが想定されるか、それに対してどのような対策を取れるか、経験の量で異なるからです。
自社のケースに似た事例がないかを確認してみましょう。
飲食店なら飲食店、学習塾なら学習塾など、特定の業界に特化している場合もありますので、オールマイティに対応できるところと業界特化のところ両方に相談してみて比較してみるといいでしょう。
事業承継のアドバイスをが受けられる相談先5選
最後に事業承継のアドバイスを受けられる相談先をご紹介します。
気になる相談先があったら、ぜひ相談しに行ってみてはいかがでしょうか。
スパイラルコンサルティング社
渋谷にあるスパイラルコンサルティング社は『スケールM&A』を得意とする会計事務所です。
スケールM&Aは事業価値を最大限向上させてからM&Aを行い、経営者が手にする金銭的メリットを最大化する手法です。
つけ麺界で有名な某ラーメン店のM&Aも、スパイラルコンサルティング社が仲介に入っています。
完全成果報酬型ですので費用についての心配はせずに何度でも相談をすることができます。
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【経営者の方は必見!】
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東京 事業承継相談センター
東京 事業承継相談センターでは、税理士、弁護士、司法書士、FP等の各領域の専門家からアドバイスを受けることができます。
初回相談は無料です。
事務所は平日土日関わらず相談可能で、新宿駅の近くですので、地方の経営者の方でも相談のためにアクセスしやすいのではないでしょうか。
FOOSTA M&A
飲食、ブライダル、給食業界のM&Aに特化しています。
運営はインクグロウ社とフードスタジアム社、G-FACTRY社による共同です。
業界特化型ですので、その分、その業界での事例を多数持っており、サイト内でもたくさんの事例を見ることができます。
FOOSTA M&Aも完全成果報酬制で、着手金や中間金は必要ありません。
コーポレート・アドバイザーズM&A社
コーポレート・アドバイザーズM&Aは会計事務所グループのM&A専門会社です。
各領域の専門家がいるため、ワンストップ型の迅速なサービス提供が可能です。
また定期的に経営者向けの事業承継に関するセミナーを実施していますので、気になる方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
インテグループ社
インテグループでは中小企業のM&Aを専門としています。
また介護業界のM&Aサイトを有しているという特徴もあります。
費用は完全成果報酬制です。
社員1人あたりの成約数が業界トップクラスですので事例も豊富に持っており、買い手企業を探し出すための強いネットワークや情報力も有しています。
業種も人材、教育、飲食、ホテル、美容、ソフトウェア、広告、通信、不動産、物流、ドラッグストア、アパレル、保険、化学など様々な経験があるため、中小企業であれば大体の企業は対応可能かと思います。