
ベンチャー企業が株式譲渡をするときの手法の主流が、IPOからM&Aに変わってきています。
IPOにはかなり時間と面倒な手続きが必要です。大量の時間とお金をかけるのですが、IPO完了までに挫折することも多く、できたとしても上場企業を維持することは大変なことです。
IPOを完了した経営者の苦労を見てきて、M&Aを完了させたほうが効率的に利益を得ることができる、と判断するベンチャー企業が増えてきました。
しかし、ベンチャー企業のM&Aを成功させるには、M&A仲介会社の存在が欠かせません。
自社の事業を理解して、効率的に交渉と調査を行っている仲介会社に依頼する必要があります。
どのM&A仲介会社を選べばいいのかわからない、という経営者のためにベンチャー企業と相性がいい仲介会社を10社ご紹介していきます。
ベンチャー企業のM&Aの実状とは
中小企業庁のデータによると、年間の起業件数は約20万件で、そのうち会社化したものが24%となっています。計算すると、年間の法人の起業件数は5万社程度という結果になります。
5万社のうち、ベンチャーキャピタルから投資を受けられる会社は年間で1,000社となっているので、成功して認められているベンチャー企業は一握りということになります。
うまくIPOができても、株価が低迷したことで投資倍率も低くなります。なかには 初値が投資したときの株価より下がってしまうケースも見受けられ,従来のようなIPOモデルは成り立たなくなってしまっているのです。
以上の景気情勢から、ベンチャー企業を経営している人は、最初からM&Aをすることを念頭に入れて起業している場合が多いのではないでしょうか。
売れる会社を育てることが、いまのベンチャー企業経営者の最大の課題だということです。
参考までに、売れているベンチャー企業の共通点を挙げてみましょう。
- 事業内容がニッチな分野
- 毎月、一定の収入がある
- 在庫を保有する必要がない
- 利益率が高い
ベンチャー企業に限らず、上場企業などでも同じような事業内容の会社は大きく成長していますよね。
まだ誰もやっていない、なにか新しいことを始めたいと思って起業したはずです。
もし、一定の顧客がついてきているのなら、ベンチャー企業で成功しているといえます。
開発している商品に一定のファンがいたり、技術を開発することに応援してくれている人がいたりすれば、ベンチャー企業は売れるということです。
しかし、どうやって買い手を見つければいいのでしょうか。
結論からいうと、M&A仲介会社を探すことから始めてほしいのです。
同じ業界や知り合いに会社を譲渡するので、仲介会社は必要ないという人もいらっしゃいます。
ところが、M&A仲介会社を依頼しなかったことで、書面での意思表示などもできず、商品の開発方法や、従業員だけを持っていかれて、売却には至らなかったことも事例としてあります。
以上のようなことにならないために、実績が豊富なM&A仲介会社を選択して、依頼していきましょう。
ベンチャー企業のM&Aでおすすめの仲介会社10選
M&Aコンサルティング
大手企業と中小規模の企業を結び付けることを得意しているM&A仲介会社です。
M&Aコンサルティングの強みは、事業価値を上げてから売却するというスキームをとっているところです。SCALEと名付けた、企業価値向上に注力したM&A支援サービスがあります。社内にM&Aの専門家である公認会計士、弁護士が在籍しているからできるサービスです。
ベンチャー企業の強みといったら、他の誰もやっていない新しい事業です。
流れに乗ったサービスを提供できるようにしておくことが、事業価値を上げることにつながります。ベンチャー企業M&Aに強く、実績のある仲介会社だからこそできるサポートがあります。
M&Aキャピタルパートナーズ
M&Aキャピタルパートナーズの強みは、なんといっても自社がM&Aに手に入れた老舗M&A仲介会社という看板にあります。レコフという業界知名度が高い、老舗のM&A仲介会社を買収しました。古株のM&A仲介会社であるレコフとのM&Aから、自社の実績とレコフが持っていた大企業とのつながりを活かすことに成功しています。
ベンチャー企業のM&Aを検討すると、銀行などの金融機関からの紹介などに買い手を紹介してもらうしかないのかなと考えがちです。しかし、大企業と太いパイプを持った仲介会社に依頼することで、異業種で熱意のある経営者との出会いもあります。
大企業とのM&Aを希望しているなら、相談してみることをおすすめします。
日本M&Aセンター
日本M&Aセンターは、自社ホームページにて「最高のM&Aとは、人の結婚と同じように一緒になって幸せになれる相手と巡り合うことであり、お互いの会社が敬意と同じビジョンを持って新たなステージへ進み成長していくことこそ、M&Aのゴールです」と明記しています。
ベンチャー企業の設立精神は、誰もやっていないことをやってみるであり、たくさんの人の役立つものであることが重要です。人と人とのつながりを大切にするM&A仲介会社に、大切なベンチャー企業のM&Aを依頼してみてはいかがでしょうか。
ストライク
ストライクは、SMARTというサービスを提供しています。従来は、問い合わせてから事例を紹介してもらい、こちらの情報も提示してからでないと買い手を探せませんでした。ストライクは、インターネットで買い手を効率的に探すということを可能にした、M&A専門仲介会社なのです。
M&A取引では欠かせない専門家である公認会計士が、対象会社の企業価値や財務面での問題点を短期間のうちに的確に把握し、それを契約条件に適切に反映することを支援してくれます。
インテグループ
大手民間調査会社が実施した認知度調査でも、1位を獲得している人気のM&A仲介会社です。全国のIT企業経営者から、インテルグループが選ばれていることには理由があります。経験豊富な専属アドバイザーが担当してくれます。
いままでの経験から、アドバイザーは売却が可能かどうかの判定、売却見込額の査定、紹介すべき買い手候補のアドバイスが行えるのです。
はやく経営しているベンチャー企業を売却したい、また新しくベンチャー企業を始めたいと考えている経営者にピッタリの仲介会社です。
M&Aアソシエイツ
M&Aアソシエイツを設立後は、中堅・中小企業に特化した会社売却および事業承継M&Aサービスの提供を行い、多数の国内中小規模案件を手がけました。
大きな特徴は、中小企業M&Aにいち早く着目して、手がけてきたという実績があるところです。
従業員が少なく、規模の小さいベンチャー企業を経営している人にも対応してくれます。
どのくらいの金額で経営してきたベンチャー企業が売却できるのか、専門家に相談してみたいと感じた人におすすめの仲介会社です。
中小企業M&Aサポート
社名の通り、中小企業向けのM&A仲介会社です。
中小企業M&Aサポートの強みは、多数のネットワークを保持して豊富な情報量を持っているところです。全国の数千社以上の登録企業データベースから、企業の紹介を行っています。また、全国の弁護士、会計士、税理士との独自のネットワークを持っています。豊富な情報量と独自の企業分析を行うことができます。
顧問税理士にM&Aについて相談してみることもいいのですが、中小企業M&Aサポートに相談してみると、M&Aが得意な社外の公認会計士・税理士の意見も聞くこともできます。
コーポレート・アドバイザーズ
コーポレート・アドバイザーズのおすすめポイントは、会計事務所グループとして、M&A・相続・財務会計・税務・人事労務の専門家を有しているところです。財務面での知識が豊富なので、M&Aでの調査で大きな力を発揮してくれます。ファンドとのM&Aに欠かせないスキルを持っています。
コーポレート・アドバイザーズでは、高い案件開拓力も保持しています。
潜在的な譲渡企業に対して、M&Aの提案を行うことがM&A実現には必要不可欠であるということです。売り手企業が現れるのを待つだけでなく、開拓していく考え方を持っています。潜在的な譲渡企業のニーズを顕在化させることができ、高い案件開拓力をもつM&Aマーケティング専門チームを有しています。
ベンチャー企業の事業承継を行いたいけど後継してくれる該当者が見つからない、相談するのはまだ早いと躊躇しているオーナーには、おすすめの仲介会社です。
クラリスキャピタル
年商1億円前後の小規模事業会社からの相談も多いので、他のM&A仲介会社が規模的に扱わないケースでも対応してくれるのはおすすめポイントです。従業員が少なく、小規模な旅館業にはおすすめ仲介会社となります。
銀行などの金融機関、M&Aアドバイザリー会社などでは、なかなか売却が難しかったベンチャー企業でも、相談してみてはいかがでしょうか。
クラリスキャピタルも中小企業に特化した仲介会社ですから、規模の大小にかかわらずM&A完了までサポートしてくれます。
フォーバル
フォーバルグループは創業以来35年以上、中小・小規模企業とともに歩んできました。
中小企業密着型のM&A仲介会社です。
約2万社に対し提供している企業経営支援サービス「アイコン」は、定期訪問を通じて経営に関わる相談を受け付けています。年間20万人の経営者に向き合ってきた実績のなかから得たノウハウ、技術、知識をもとに買い手と売り手をマッチングしています。
中小企業経営者の相談先といえば、顧問税理士や金融機関の担当者です。
税理士、銀行の担当者は、財務面、税金面ではエキスパートではありますが、経営面となると中小企業では会社ごとに悩みは細分化されます。
フォーバルは、専門知識とM&A実績をもとに、中小企業経営者に寄り添ってくれるわけです。うちは小さな店だから、M&Aなんて無理と決めつけずに、問い合わせてみる価値はあります。中小企業M&A相談先として適任だといえるでしょう。
本当に自社が売却できるのか、不安なときに相談してみて「アイコン」サービスを受けてみるのもおすすめです。自社の事業の可能性を再確認するきっかけになります。
ベンチャー企業のM&Aで仲介会社を選ぶ際のポイント
10社のM&A仲介会社についてご紹介してきました。つぎに、自社の事業と相性がいい仲介会社の選び方について、ご紹介していきます。
ベンチャー企業に精通しているか
ベンチャー企業M&Aについて実績がある仲介会社なら、ベンチャー企業の内情について精通しているスタッフが在籍しています。
仲介会社に問い合わせるときに、ベンチャー企業とのM&A実績について確認してみてください。
ベンチャー企業でのM&A事例があるか
ベンチャー企業のM&A実績がある仲介会社なら、ベンチャー企業の事例も保有しています。
同規模のベンチャー企業が、どのような内容でM&A完了したのかを確認することができます。業界内での実績があれば、対象のベンチャー企業がM&A完了後にどのような形で事業を継続しているかもわかります。
自社の事業と相性のいいM&A仲介会社をいち早く探すためにも、その仲介会社が保有しているM&Aについて開示してもらうようにしましょう。
「ただ売れればいい」という考えではない
M&Aを成功させる秘訣として買い手を探すよりも、M&A仲介会社を探すことから取りかかった方がいいです。自社と相性がいい買い手が見つかるように、しっかりサポートしてくれるM&A仲介会社を探していきましょう。
とくに、ベンチャー企業のM&A実績がある仲介会社だと、相性がいい買い手先を見つけやすいです。
大切に育ててきた事業でも、売れるなら誰でもいいという考えの経営者はいませんよね。しっかり事業を引き継いでくれる熱意のある買い手を探すことを、実績のある仲介会社に任せてみましょう。
ベンチャー企業のM&Aなら仲介会社に相談をしよう
ベンチャー企業のM&A実績がある仲介会社に相談してみることから始めてください。
自社の事業内容をしっかり理解してくれて、大切に事業を継続してくれる経営者を見つけるためには、M&A仲介会社へ依頼してみましょう。
今回は、ベンチャー企業のM&Aに強い仲介会社を10社ご紹介してきました。
どの仲介会社もベンチャー企業のM&Aの実績がありますので、複数社に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
ベンチャー企業のM&Aの相談では、最初にご紹介したM&Aコンサルティング社が特におすすめです。
数々のM&Aノウハウを持っており、自社の価値を最大化してから売却することを得意としています。
より満足できるM&Aにするためにも、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
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