ベンチャー企業の事業譲渡【事例から見えてくる注意点】

ベンチャー企業と聞くと、1949年に実際あった「光クラブ事件」を思い浮かべてしまいます。三島由紀夫著の「青の時代」のモデルにもなった事件です。

光クラブ事件というのは、学生だけで、今までとは全く違うタイプの金融業(光クラブ)を起業することから端を発します。代表者が東大生でした。今でいうなら東大発ベンチャーというところでしょうが。

光クラブは、大々的な広告を打つことで注目を集め、大勢の出資者から多額の資金を集めることに成功するのですが、起業間もなく物価統制令違反で代表者が逮捕されてしまいます。

すぐに信用を失い出資者は離れていきました。その後、社名変更や株の空売りなどで資金を集めようとしますが、失敗に終わります。代表者は服毒自殺をしてしまいます。

 

事業が失敗してしまったのは、事業計画があまりに稚拙かつ利己的、そして犯罪すれすれの違法で事業を行っていたからです。人々の役に立つものではありませんでした。ここが、現代のベンチャー企業とは大きく違う点です。

現代のベンチャー企業では、本当に人々の役に立つもの、使ってみて本当に助かったというものを開発に力を入れています。そしてそんな企業は確実に成長しています。

 

過去のベンチャー企業の光と影についてお話させていただきましたが、今回は、このベンチャー企業での「事業譲渡」を成功させるために、最新の事例を交えながらお話していきたいと思います。

 

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ベンチャー企業が事業譲渡の道を選ぶメリットとは

経営のプレッシャーから解放される

ベンチャー企業を経営していると、常に新しいものを見つける必要があります。

最近の流行にも敏感でなければ、新しいものを探すアンテナはさび付いてしまいます。年齢を重ねてくると、流行を追いかけていくことに不安になってしまう、だからといって交代してくれる後継者となるものがいないという経営者は、廃業を考えてしまうことも少なくありません。

 

【廃業は意外にも手間とお金がかかる】

しかし、廃業はとても手続きが面倒です。それに加えてお金もかかります。

 

廃業は、登記申請する必要があり、また市町村、税務署にも廃業に関する届け出をします。また、設備、備品の処分があります。売却できればいいけど、売れない備品や機械設備は引き取り費用が掛かってしまうのです。登記なども司法書士、行政書士に依頼すると手数料がかかり、登記申請自体に印紙税など税金もかかります。また廃業に伴う、資産整理にも税金がかかります。

 

M&Aは、ほとんどお金はかからずに設備も、備品も、会社の売却金額の中に入っています。廃棄費用が掛かからないだけでなく、事業を譲渡することで現金が入ってきます。それと同時に、経営のプレッシャーからも解放されるのです。

資金調達や会社の成長

ベンチャー企業も中小企業の規模になりますから、上場していない場合が多いです。

上場企業ならば、資金調達のために、新株式を発行して、株主を増やすことで資金調達することもできます。上場していないベンチャー企業の場合は、事業資金を調達するには、金融機関からの借り入れに頼ることが多かったのですが、最近はM&Aで事業譲渡を行い事業を売却した金額を受け取る方法で、資金を獲得する企業が増加しています。

現金が手元に残るので、その現金を元手に他の事業に資金投下することもできます。また業績が振るわない事業を切り離すことで、経営を活性化することにもつながります。

一部の事業は手放すことになりますが、他の事業を成長させることができます。

従業員の雇用安定や待遇改善

前の項目でお話した廃業なら、従業員を退職させなければいけなくなり、退職金など必要となります。M&Aによる事業譲渡ならば、退職金はいらないばかりか雇用継続してもらい、待遇改善を事業譲渡の条件にしておくと、M&A後に従業員が離職していく心配もありませんそして従業員も事業価値とみなされますから優秀な人材を多数抱えていると売却金額も高くなります。 

譲渡による現金獲得

事業譲渡することで、売却金額が入ってきて、現金が手元に入るというお話をさせていただきました。事業の全部を譲渡して、セミリタイアを考えている経営者ならば、退職金代わりとして受け取ることができます。リタイア後の生活に充てることもできますし、新しい事業を始める元手にすることもできます。

ベンチャー企業の事業譲渡の事例

ベンチャー企業でのM&Aについて、有名な事例をご紹介します。

  • ポケラボ×グリー(2012年・138億円)
  • チケットキャンプを運営するフンザ×ミクシィ(2015年3月・115億円)
  • ソラコム×KDDI(2017年・200億円)

すべて、100億以上、ソラコムとKDDIのM&Aに至っては、200億円です。

そしてこのソラコムとKDDIですが全株式譲渡ではなく、過半数の株式を取得して連結子会社化したというものです。

とても巨額なマネーが動いています。それだけ事業価値が高く、高額を支払ってでも手に入れたいということでしょう。

このようにベンチャー企業でのM&Aは高額な取引が目立つということです。

 

【ある人材派遣会社での事業譲渡】

ここでご紹介するのは、人材派遣会社同士の事業譲渡の事例です。同じ人材業界、そして経営者同士が顔見知りだったということがあり、直接事業譲渡を行うことを話し合ったのです。

売り手側企業をA社として、買い手側企業をB社とします。

A社の特徴は、新しい分野、特にアプリ開発やAI技術開発をする技術スタッフを企業に派遣する会社でした。そしてとにかく営業マンが実力主義で仕事をしてきているので、即戦力になり、転職者などの情報も豊富に持っている点です。

ただ、ここ数年の売上げは減少傾向にありました。しかし、優秀な営業スタッフがそろっているA社に強く魅力を感じたB社代表は、事業譲渡を引き受けます。

そして、A社社長は、社内で説明会を持ちB社に事業譲渡して、従業員もすべて引き継いでもらうことを社員に公表します。

するとベテラン社員、特に営業成績が良い営業マンからは大反発を受けてしまい、その優秀なスタッフが退職してしまうという事態に至りました。

 

同じ業界同士で、A社代表とB社社長が顔なじみだったため、早い段階で、A社が事業譲渡を考えていることが業界内で知れ渡ってしまったのです。

それと、A社とB社では、給与体系も違っていました。A社は完全出来高制で、やった分だけ歩合が入ってくるシステム、これは営業センスがある人なら良いシステムです。だからできる営業マンが集まっていたとも考えられます。しかしB社は、働き方改革も早くから取り入れ、完全時間制で、就業時間もきっちりしていて、サービス残業などはありませんが、A社のようなインセンティブを払うような給与体系はありません。

そのことでも、A社の営業マンはB社に移ることに抵抗があったわけです。

 

最大の事業価値である営業マンが離れてしまって、B社とA社との事業譲渡が立ち消えになると、他に買収希望する企業は現れなくなりました。

A社社長は、廃業することになってしまいました。そして給与体系にも問題があると労基の調査が入り、未払い残業代を支払うことになりました。その上、退職金支払う必要が出てきます。個人資産である自宅などを売却してそれらのお金を支払うことになりました。

 

せっかく育ててきた社員、事業、そして個人資産のすべてを失ったわけです。

 

【この事例からわかること】

まず最初に、同じ業界で知り合いだったからといっても、大切な会社の事業譲渡をするならば、仲介役として、専門のM&A仲介会社を入れるべきだということです。個人的に知り合いでも、ビジネスの場では、やはりライバルです。社内の内情を早い段階で知られるのは考え物です。

M&Aの交渉には、専門家であるM&A仲介会社に対応してもらうべきだったと思います。そして、あまり早い段階でのM&Aについて従業員に公表することもおすすめできません。

M&Aを成功させる秘訣は、まず、売り手側の経営者が単独で行動することです。そしてベンチャー企業M&Aについて、実績のある仲介会社を見つけて相談してみることです。

ベンチャー企業の事業譲渡の事例から見る注意点

さきほどの2の項目、事例からわかることでお話しましたが、もう一度おさらいもかねて事情譲渡を成功させるための注意点についてご説明していきます。

ビジネスモデルの収益性や独自性は譲渡額に反映する

 一定の収入が毎月入ってくるなどの収益性、そして事業内容が誰もやったことがない、知られていない分野にもかかわらず、人気があるもの「ニッチなもの」であることが必要です。このような事業は、必ず高額で売却することができます。

  • 毎月一定額の収入が見込める
  • 在庫を持たない
  • 誰もやっていないニッチな分野

この3つのポイントがある事業は必ず売れます。それも事例でもご紹介していますが、100億円以上で取引されている前例もあります。

 新しいことを始めたいと思って、始めたベンチャー企業でしょう。もう一度、会社の事業内容について見直していただきたいのです。

譲渡先が必要とするのは数字やデータによる裏付け

M&Aを行う上で、デューデリジェンス(買収監査)という項目があります。

これは、事業データ、財務データ、法務データについて調査していきます。これは書類の審査です。買い手企業から調査人がきて、徹底的に監査していくのです。

M&Aを検討した時点で、財務データや従業員などの個人データはいつでも手に取れるところにファイリングして、しっかり理解しておくことです。直近の2年間の経常利益については、頭に入れておきましょう。現在、会社の財務状況がどうなっているのか。そのことについては、十分に理解されていると思いますが、現段階だけのことでなく、3年先、5年先、10年先につての財務状況、事業計画のしっかり確認する必要があります。

「事業譲渡して手放すのに将来のことを考えておくの?」と思われるかもしれませんが、買い手側の企業は、ずっと経営を続けていかなければいけないのです。買い手側がお金を出してまで欲しいのは、その会社の将来性です。

買い手側企業の立場に立って、データを作成、整理しておくことをおすすめします。

長い時間が掛かる場合もある

先ほどの項目でもお話していますが、デューデリジェンス(買収監査)があって、データの用意、内容を再認識して説明できるようにしておくなど、準備にも時間がかかり、またそもそも買い手を探すのも時間が必要です。

M&Aを検討してから1年は見ておきたいです。最短でも1年かかるということです。

そのM&Aを開始するまでにも、事業を育ててから譲渡するならば、3年はかかってくるでしょう。準備は早めに取り掛かっていただきたいと思います。

事業譲渡は人対人

事業譲渡事例で、経営者と従業員の気持ちの行き違いから事業譲渡を完了する前に、従業員がほとんどいなくなってしまったお話をしました。

会社というところは、人の集まるところです。そして事業譲渡には従業員も含まれます。従業員が大切な事業価値なのです。事業価値をお金だけで判断しないで、事業譲渡が終わった後に従業員にとってもプラスになるかどうか確認しましょう。

大切に育ててきた従業員が新しい職場でも充実した生活を送れるように、条件を設定して事業譲渡を行ってください。

ベンチャー企業の事業譲渡を行うなら

ベンチャー企業の経営者は若い世代の方が多いと思うのですが、若年層の経営者に対する理解あるスタッフが常駐しているM&A仲介会社を探してみてください。

そして何よりも、ベンチャー企業の事業価値を見出して、その価値を買い手側に伝える能力も必要です。ベンチャー企業M&Aを実際に経験がある仲介会社ならば、事業価値を理解することも可能ですし、伝える能力もあります。

 

事例紹介の項目でもお話していますが、仲介会社を介さずに事業譲渡を行ってしまった人材派遣会社の経営者ですが、もし自社の事業にあったM&A仲介会社を見つけて相談していれば、廃業という選択をする必要はなかったかもしれません。

まずベンチャー企業M&Aの実績があるM&A仲介会社を見つけて、事業譲渡について相談してみください。

 

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より満足できる事業譲渡にするためにも、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

 

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