旅行代理店のM&A事例から学ぶ成功のポイント3つ

「旅行代理店のM&Aを考えているが、どうすればうまくいくだろうか」

「実際のM&A事例を知って参考にしたい」

このように悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

旅行代理店のM&Aを成功させるためには、業界の動向や具体的なM&A事例を知って、戦略を立てることが重要です。

この記事では、旅行代理店のオーナーがなぜM&Aを選ぶのか、実際のM&A事例から学ぶ成功ポイントなどについて解説します。

 

旅行代理店オーナーがM&Aを選ぶ理由とは?

インターネットがない時代は、旅行をするには代理店でパックツアーを申し込むのが一般的でした。

ですが、近年では「OTA」と呼ばれる旅行会社がシェアを拡大しています。

 

OTA(Online Travel Agent)とは、インターネット上のみで取引する旅行会社のことを指します。

主なOTAには、一休、「じゃらん」運営のリクルートライフスタイル、楽天トラベル、Yahoo!トラベルなどがあり、海外のOTAでは、Booking.com、Hotels.com、Expediaなどが日本に進出しています。

店舗を持つ旅行会社がオンライン販売も行っている場合は、OTAとは呼びません。

 

OTAでは、航空券や国内外の宿泊などの手配旅行(運送や宿泊の手配)、宿泊・航空券がセットのダイナミックパック(顧客が宿泊や航空、レンタカーなどを自由に選択して組み合わせることのできるツアー)などを扱っています。

システムに投資さえすれば、店舗や社員は不要のため、旅行業以外からも参入する会社が増えてきています。

 

対して、旅行代理店では、従来の店舗・電話による販売に加え、新たに自社オンライン予約サイト構築に注力するとともに、M&Aを盛んに行っています。

 

旅行代理店のオーナーがM&Aを選ぶ理由は、オンライン予約サイトや旅行コンテンツなどの、自社に不足している要素をM&Aで調達するためです。

新たな開発時間をかけることなく、海外OTAの進出や訪日外国人の急増で目まぐるしく変わる情勢に追いつく狙いがあります。

つまり、時間の節約ともいえます。

 

旅行代理店のM&A事例

旅行代理店のM&A事例には、次のような傾向があります。

・旅行代理店による、旅行コンテンツ事業やIT事業のM&A

・OTAによる、旅行代理店事業のM&A

・IT業界からの旅行業界参入

・海外展開や営業拠点の拡大

 

それぞれの事例を順番に紹介していきます。

 

旅行代理店による、旅行コンテンツ事業やIT事業のM&A

2015年4月、大手旅行代理店のJTBは、レジャーや体験などの日本最大級予約サイト「asoview!」を運営する、ITベンチャーのアソビューと資本業務提携を結びました。

「asoview!」は、パラグライダー・ラフティングなどのアウトドア、VR体験・カラオケなどのエンタメ、ボルダリング・ゴルフなどのスポーツ、陶芸体験・ガラス工房などのハンドメイド、温泉・スパ・遊覧船クルーズなど、全国の多種多様なアクティビティを検索・予約できるプラットフォームです。

 

この業務提携により、JTBのホームページ及び「るるぶトラベル」と、「asoview!」との連携・相互商品提供によるオンライン販売の強化、そして「着地型商品」の開発・販売強化を図っています。

「着地型商品」とは、旅行代理店主導で企画していた従来の「発地型商品」とは異なり、観光地側が企画するコンテンツのことです。

JTBが着地型商品に着目したのは、旅行者がその土地ならではの体験に興味をもってきているという背景があり、この業務提携で、JTBに不足していた体験コンテンツ数とノウハウを補完し、OTAとの差別化を目指しています。

 

また、アソビューにおいては、2015年7月にアマゾンジャパン運営の「Amazon.co.jp」内の特集ページに商品を掲載して、両社間で相互送客を行ったり、2017年8月にヤフーの子会社で、宿泊施設サイトに予約システム「Direct In」を提供しているダイナテックとのシステム連携を実施したりもしています。

 

JTBの事例以外にも、2016年3月、大手旅行代理店のエイチ・アイ・エス(以下HIS)が、インデックスから国内最大規模の体験予約サイト「アクティビティジャパン」を買収して子会社化しています。

JTBと同様、着地型商品の充実を図るほか、訪日外国人の個人旅行によって体験型プランの需要急増という背景を踏まえて、「アクティビティジャパン」の英語サイトと世界各地のHIS拠点・WEBサイトとの連携を図っています。

そのため、体験予約プラットフォームの「アクティビティジャパン」は、国内特化の「asoview!」とは異なり、海外でのアクティビティも扱っています。

 

一方、アクティビティジャパン側は、今後の日本旅行市場は訪日客が押し上げていくだろうという予測のもと、インバウンド体制が強いHISを相手に選びました。

自社のプラットフォームが海外で認知されるためには、さらなる集客や商品開発、多言語対応などが必要ですが、独力ではコストがかかります。

そうした点で、世界各地に多数の拠点を持ち、韓国ECのインターパークと提携しているHISは魅力的な存在に映ったようです。

 

OTAによる、旅行代理店事業のM&A

旅行代理店が、M&Aによってオンライン販売や旅行コンテンツの強化を図る一方で、OTAも同じく、自前で旅行コンテンツを調達するためにM&Aを活用しています。

 

2019年1月、アドベンチャーは、西日本の旅行会社であるラド観光を子会社化しました。

アドベンチャーは、国内外の航空券などをオンライン上で比較・予約できるサイト「skyticket」を運営しているOTAです。

ラド観光は、西日本を拠点に、バススキーツアーなどの企画販売、航空券の発券などの旅行サービスを提供している旅行会社です。

 

このM&Aにより、アドベンチャーは自社の旅行コンテンツを調達したことになり、今後はオンライン予約サービスで得た広告・集客のノウハウを活用した、ラド観光の商品提供によって、シナジー効果を得られると考えています。

 

IT業界からの旅行業界参入

旅行代理店がOTAやIT会社を売却するのと同じく、IT業界からも旅行業界への参入が進んでいます。

 

例えば2015年2月、大手インターネット関連企業のディー・エヌ・エー(DeNA)は、旅行情報サイトを運営するFind Travelを買収して子会社化しました。

Find Travelは、国内外の観光スポットや人気の宿泊施設などを紹介するプラットフォームで、2014年8月にサービス開始後わずか半年で売却が決まるほどの人気サイトでした。

(WELQ問題の影響で2016年12月に閉鎖)

 

海外展開や営業拠点の拡大

また、海外展開や営業拠点の拡大を狙ったM&Aも行われています。

 

2018年5月、オーダーメイド旅行を提供している旅工房が、インドネシア共和国の旅行会社PT. Palm Mas Dewata Tour & Travelを子会社化しました。

 

旅工房は、各国の知識を持ったコンシェルジュによるオリジナルな旅のアレンジが特徴の、海外旅行・ツアーを提供している旅行会社です。

このM&Aによって、今後有望な市場となるだろう東南アジアにおいて、日本国内へのインバウンド需要の拡大と海外ネットワークの強化を目指しています。

 

旅行代理店のM&A事例から読み取る成功ポイントとは

では、これまで紹介してきた旅行代理店のM&A事例から読み取れる、以下の成功ポイントについて順番に解説していきます。

・他の旅行代理店との差別化ができているか

・商品の豊富さ

・顧客が利用しやすいか

 

他の旅行代理店との差別化ができているか

大手の旅行代理店が率先してM&Aを行っているのは、M&Aによって旅行コンテンツの充実化やオンライン予約の強化に努めることで、他の旅行代理店との差別化を図るためです。

現在、オンライン上で旅行を予約するのが主流となりつつあり、小さな町の旅行代理店は、地元高齢者の開拓など他の旅行代理店と差別化できるような強みがない限り、競争は苦しくなっていくことが予想されます。

また、自社サイトからオンライン上で予約ができるよう取り組んだとしても、既に大手の競合サイトがひしめいている状況のため、取り扱っている旅行コンテンツの魅力や、検索のしやすさ・使い勝手などのユーザビリティなど、競合サイトとの差別化を図っていく必要があります。

 

アドベンチャーによるラド観光の子会社化は、同じOTAの競合を意識して自社独自の旅行コンテンツを販売することで差別化する戦略ともいえます。

 

商品の豊富さ

大手旅行代理店であるJTBやHISが、体験予約サイトの運営会社に対してM&Aを行ったのは従来の旅行代理店に不足していた「着地型商品」を補強して、商品ラインナップを豊富にするためです。

インターネットがなかった時代は、個人で旅行を予約するのは手間がかかったため、旅行代理店が企画した、名所巡りに宴会がプラスされた団体旅行や定員数ツアーといった「発地型商品」が主流でした。

しかし、インターネットが普及した現在では、個人も自宅で手軽に宿泊施設や輸送手段を予約できるようになったため、個人旅行が主流となってきています。

そうした中で、顧客が単なる旅行だけでなく、その土地ならではの体験を求めていたり、訪日外国人が急増し、OTAではない旅行代理店も、従来の日本人向け団体旅行ではない商品を提供していかないと生き残れないという状況があります。

 

顧客が利用しやすいか(店舗数が多い、オンラインに対応しているなど)

アソビューがアマゾンジャパンと互いのサイトから相互送客を行ったのは、顧客がよく目にする「Amazon.co.jp」の画面上から自社の商品を購入できるよう、顧客の利用しやすさと集客を図ったためです。

従来は、店舗と電話による営業のみだった旅行代理店が、自社でオンライン予約サイトを構築したり、既存の予約プラットフォームを持つ会社に対してM&Aを行ったりするのは、顧客の利便性を向上するためです。

また、アクティビティジャパンがHISの海外拠点数に惹かれたように、M&Aによって単純に店舗数が増えることは、そのまま顧客の利用しやすさにつながります。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

旅行代理店のM&Aでは、ニュース記事などでは特に公表されませんが、企業間に専門家のM&Aアドバイザリーが入っているのが一般的です。

理由としては、M&Aには、法務や税務会計、労務など多岐にわたる専門知識やコミュニケーション能力、経営者の視点から見た網羅性などが求められるため、社内に専門チームを設置するコストのない中小・零細企業にとって実施はなかなか難しいからです。

そのため、M&Aを経営戦略の一つとして組み入れたい場合は、専門家として独自の情報ネットワークを持つM&Aアドバイザリーに相談することをおすすめします。

 

旅行代理店のM&A事例をさらに聞くなら

ここまで見てきた、旅行代理店のM&A事例における成功ポイントを踏襲するためには、「何を改善するためにM&Aを実施するのか」という目的を明確化した後に、目的達成のためのM&A戦略を立案することが必要です。

 

と言っても、M&Aに馴染みがなければ、目的を立てることすら困難かもしれません。

そうした場合は、M&Aアドバイザリーに相談してみましょう。

旅行代理店のM&A事例を自分で調べてもなかなか見つかりませんが、旅行代理店を専門とするM&Aアドバイザリーなら、独自の情報ネットワークをもとに、過去のM&A事例をアドバイスとともに教えてもらうことができます。

 

M&Aアドバイザリーの中には、着手金不要の成果報酬型が増えてきており、その場合はM&Aが確定するまでは無料で相談可能です。

たとえば東京を中心に展開するスパイラルコンサルティング社も、着手金が不要で無料相談ができます。

迷っている段階でも、費用を気にせずインターネット上で相談できるので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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