タクシー会社の事業譲渡を行う前に知っておきたいこと4つ

タクシー会社を事業譲渡することに決めたけど、どうすればいいの?

「譲渡先をどうやって探そうか?」という問題ができてきます。

今回は、事業譲渡を行う前に抑えておくポイントについてご説明します。

事前準備を十分にしておくことで、スムーズにそして売却価格も高く事業譲渡することが可能になります。

 

事業譲渡とは何?

【譲渡対象は、事業を伴う「人」、「モノ」、「ノウハウ」】

簡単に一言でいえば会社の事業を、第三者に譲渡(売却)することです。

ここでいう「事業」とは、有形の動産、不動産のほか、債券、債務、特許権など無形財産、ノウハウや得意先、人材等を含む包括的な概念とされています。

事業を伴わない、単なる財産の譲渡や債務の引継ぎは事業譲渡になりません。

 

もう少し補足して説明しますと、譲渡対象は、マンパワー(人:従業員、得意先)、モノ(設備、建物、工場)、ノウハウを含みます。

この事業譲渡は商法では、契約になり、固定資産(不動産など)、流動資産、特許など一つ一つの財産を移転(所有権移転)する必要があります。

 

【事業譲渡するメリットとデメリット】

・譲渡会社(売り手側)

《メリット》

事業、資産、負債の全部を譲渡することも、一部を譲渡することも選択できます。

その性質上、債務を切り離して譲渡するなど範囲を定めて契約できます

 

《デメリット》

一番のデメリットは、法人税がかかってくるところです。

事業譲渡益に対し得て35%程度課税されます。譲渡した手取り金額から徴収されてしまいます。

それと資産、負債の移転手続き一つ一つする必要があることです。

少し手続きが面倒という点が挙げられます。

また、事業譲渡後には、競業避止義務(※注)を負う必要があります。

 

(※注)競業避止義務についてご説明

「競業避止義務」とは、労働者は所属する企業と競合する会社・組織に就職したり、競合する会社を自ら設立したりするなどの競業行為を行ってはならないという義務のことです。

労働契約法から生ずる義務なのですが、労働者だけでなく経営者でも事業を譲渡する際に、この競業避止義務を契約書などで盛り込んでおくと順守する必要があります。

 

・譲受会社(買い手側)

《メリット》

売り手側のメリットと重複するのですが、事業、資産、負債のうち一部を譲渡されることです。

引継ぎ対象の債務に関しても特定できます。

そのため会社を譲渡されてからの「偶発債務」(現在は債務ではないが将来一定の条件がそろうと発生する債務のこと、例として裏書手形、借金の保証人になった場合)が起こる可能性は低くなります

 

《デメリット》

各種届出に伴う手数料、登録税、不動産取得税がかかることです。

資産、負債の移転手続きを個々に対応する必要もでてきます。

この辺りは、売り手側のデメリットとも通じます。

既存の従業員のモチベーション低下が生じることもあります。

譲受した後、受け入れる従業員との信頼関係を結ぶことがとても重要です。

 

タクシー会社の事業譲渡を行う前に知っておくべきポイント

事業譲渡は専門家を頼ったほうが良い       

《買い手を探すよりまずM&Aエージェントをさがすことが重要》

タクシー会社のように、車両という資産が多い事業の譲渡となると業界に詳しいエージェントに相談する方が得策です。

M&Aはスキームの違いによって、売却代金の入り方が違ってきます。

この複雑なスキームを理解して、その会社にとって1番よいスキームを選択するには、事業内容を熟知しているエージェント探しが必要となってきます。

 

《同じ譲渡というスキームでも株式譲渡と事業譲渡では全く違う》

スキームの一つに株式譲渡がありますが、これは株式を譲渡した代金は、株の持ち主(株主)に入ってきます。社長が株のほとんどを所有している株主なら、社長個人に入ってきます。

今回ご説明している「事業譲渡」の場合は、譲渡した代金は、会社の中にある「事業」を譲渡するわけですから、代金は会社に入ります。ですからこの譲渡代金に法人税が課税されるわけです。

 

さきほどの事業譲渡をご説明する項目でもお話しているのですが、事業譲渡にはあらゆる手続きが必要です。一部譲渡と言っても、どの部分を譲渡するのが会社にとって良いのか、抜け落ちがないように論点を整理するには、やはり専門家であるM&Aエージェントの力を借りる必要があります。

 

《いくら専門家でも丸投げは考えもの》

手塩にかけて育てた事業です。

事業内容を一番わかっているのは、経営者です

事業を譲渡するというのは、経営者として重大な決定で、人生に何度もあることではありません。

M&Aエージェントの仕事は間に入って、あなたの会社と相性の良い買い手を探すことです。

仲人のような役割です。事業譲渡するかどうかの最終決定は、経営者であるあなたが決めることです。

「そんなの当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、事業譲渡というのは一大決心ですから、つい自分を見失ってしまうこともあります。

事業譲渡を成功させるためには、最初の目的と正しい判断がとても大切になってきます。

エージェントに相談するのは良いことですが、いろんな情報を手に入れたら最終判断は自分自身で行うということは忘れないでください。

 

事業価値が高くても譲渡先に伝わらなければ意味がない

自分の会社のことですから、経営者は自分の事業に対して自信もありますし、事業価値は十分にあると思っています。

しかし、その事業価値の素晴らしさは第三者に伝わりにくいのです。

 

《買い手からの問い合わせに迅速に対応》

エージェントを介して、買いたいという企業が現れます。その時点では匿名であり、詳しい情報もわかりませんが、しかし売り情報を見た段階で、自分との事業と相性がよいかも?と思って連絡をしてきています。ですからいろんな質問事項がでてきます。

買い手側からの問い合わせの返信は迅速にする必要があります。

そこで放置しておくと、なんだか信頼性がなくなってきますよね。

まだお互いの存在があやふやだからこそ、対応には誠意が必要です。

請求された資料を用意するにも、どうしても遅れることもあり得ます。

そんなときも前もって、遅れる連絡をするなど対応に気遣いを見せる必要があります。

会社の事業自体の評価は高いのに、この問い合わせ対応の悪さが事業価値を下げてしまう要因にもなってしまいます。

 

《開示する情報は一貫性が必要》

M&Aで開示する情報には、「資料データ」と「発言データ」があります。

資料データは、数字を伴うもので、決算書、税務申告書、会社案内などの書類が挙げられます。

発言データは、メールの内容、電話での会話などが挙げられます。

この情報には、一貫性が求められます

資料での数字と、口頭で答える数字が違うのは矛盾を感じます。信頼度が低くなります。

 

例えば、損益計算書での数字と、税務申告書での内訳書での数字が少し違う場合があります。

ケアレスミスによるもので、売り手側としては、「よくあること」と済ませてしまいがちですが、買い手側はそのような数字が違うことには抵抗があります。

経理業務が正確に行われていないのでは?他にも矛盾点があるのでは?と疑念が出てきます。

資料に対する信頼度が失われて、もっと詳細な資料を求められるなどの厳しい要求をつきつけられることもあり、またそれに対応しても事業譲渡に至らなかったということにもなりかねません。

提出する資料は、何度もチェックをして、顧問税理士との会計監査を十分に行うことが必要です。

また、発言データですが、例えば売却価格などが交渉を進むにつれて、変わってくる場合があります。買い手側が多くなってくると、当初設定金額から大幅にアップしたくなるかもしれません。

ある程度アップするのは悪いことではないのですが、何度も設定金額を変更することも信頼度が失われる要因の一つになります。

ちょっと場当たり的で計画性がない印象を持たれてしまいます。

 

《情報に一貫性を持たせるには?》

一番必要なことは、「事前準備」を十分に行うことです。

  • 財務データを完璧に作成しておく
  • 各種契約書(不動産、リース関係、従業員との労働契約など)をすぐ出せるように準備
  • 事業内容の長所と短所をきっちり書き出して把握しておく

最低でも上記3件は、事業譲渡を考えたときから準備を進めておいてください。

すべて資料化しておくことで、自分の事業を客観的に見ることもできて、長年経営していても気づかなかったことも見つかります。

営業面では積極的に動いている経営者でも経理面は、まったくノータッチという方も多いものです。

経理面をきっちり把握することは、経営には不可欠なことですから日ごろから帳簿をチェックするようにしておいてください

 

事業譲渡を行う目的があやふやだと譲渡後に後悔しやすい

《当初に設定した目的はとても大切》

何となく、事業譲渡をしてみようかなという軽い考えでは、かならず後悔してしまいます。

先程の項目で、事前準備が必要だとお話しました。

経営を続けながら事前準備を行うのは、かなりの時間と労力が必要になってきます。

自分が育てた大切な事業を譲渡するのですから、かなりの手間がかかると思ってください。

 

最初にこの事業を何が何でも良い形で残したい、そしてある程度の金額が必要という目的を明確にしてもらいたいのです。

この目的をあやふやにしてしまうと、事業譲渡の交渉を続けていく間で、当初からの希望売却金額がころころ変わってしまったり、「本当にこのまま譲渡してしまっていいのか?」という迷いがでてきたりします。

 

売り手側の気持ちがぐらぐら揺らいでいては、買い手側も不安になって離れていきます。

せっかくの良い買い手が見つかっても、事業譲渡できなかったということになります。

 

また、事業譲渡してみて本当にこれでよかったのか?と後悔してしまうのは一番つらい結果です。

なぜ後悔するかというと、大切な事業内容が伝わらず、希望価格を大きく下回った金額で譲渡することになるからです。

そうならないためにも「目的」をしっかり持つことです。

 

M&Aは、長い年月を要します。長丁場だと思った方がいいです。

その間に、いろんなトラブルも起こります。そのたびに、自分の目的を思い出す必要があります。

何度か初心に戻る必要がありますから、当初持った「目的」はとても重要なのです。

 

タクシー会社の事業譲渡を行う手順

事業譲渡する相手を見つける

先程の項目でもお話していましたが、まず頼りになるエージェントを見つけます。

タクシー会社の内情に詳しいエージェントをさがしましょう

そして、事業譲渡する上での条件について徹底的に話し合いをします。

買い手を見つけるうえで、特に注意する点は

  • 資金力があって、従業員の雇用が継続できること
  • ある程度業界に理解があり、スピーディな意思決定ができること
  • お互いの事業内容に互換性があり、相性が良いこと

などが挙げられます。

 

譲渡先候補から意向表明書をもらう

この項目での注意点は、早い段階で1社に絞り込んでしまわないことです。

今は、買い手側が多くて、売り手市場なのです。

本当にこちらの条件を受け入れてくれるか、また、その資金力があるのかどうかをじっくり検討する必要があります。

そして、この1社だ!と決めたら、まず書面で意向表明書をもらいます。

口約束でも民法では契約は成立しますが、かならず後でもめないように、「買いたい」という意思を書面でもらっておくようにします。

 

基本合意書の締結

ここでは、買い手側から「買いたい」意思表示である意向表明書を受け取って、今度はもう一度お互いに事業譲渡の意思があることを書面でもって表示します。

ここからは、買い手と売り手の1:1の交渉が始まります。

お互いに合意をしていますが、これで事業譲渡が決まったわけではありません

 

デューデリジェンスの実施

はっきり申し上げて、この項目が事業譲渡の山場と言えます。

今までは、スムーズに進んできたけど、ここで結構もめること、トラブルが起きやすいのです。

基本的には以下の書類をそろえておく必要があります。

  • 監査基準日現在の試算表を会計事務所に準備してもらう
  • 試算表に関して内訳明細書も準備する
  • 定期預金に関しては、銀行に残高証明書を作成してもらう
  • 土地建物など資産に関する権利書を準備しておく
  • 株主総会、役員会議事録はすぐ見られるようにしておく
  • 総勘定元帳、補助元帳などもすぐに見られるよう準備する
  • 生命保険も監査基準日の解約返戻金を生命保険会社に計上してもらう
  • 小切手、手形(現物)と手形帳も照合して説明できるようしておく

タクシー会社ですと、これに車両関係(車検証など)の書類も必要になってきます。

 

買い手側としては、事業を譲渡された後には、引き続き経営していかなければいけません。

本当に価値のある事業なのかどうかを、財務諸表類、税務申告書、契約書関係から読み取っていきます。

これらの書類は、買い手側にとって重要なものですから、徹底的にチェックされます。

できれば、上記の書類をそろえるときは、買い手側の立場になって作成されることをお勧めします

 

契約書の締結

最後の山場といえる「デューデリジェンス」が無事済めば、あとは契約書を交わすだけです。

もうM&Aを登山にたとえるなら8合目まで登り切ったことになります。

 

株主総会の承認

これが最終関門です。

大企業だと株主も大勢存在しますが、中小企業だと株主=社長という場合も多いですし、登記されている役員も身内が兼任していることが多いのではないでしょうか。

日ごろから、今後の経営について役員会議を行っておいて、事業の譲渡について検討しておくことをお勧めします。

さきほどご紹介したデューデリジェンスでの必要書類についても日ごろから役員、経理担当を交えて打ち合わせを重ねることで書類も充実させることができます。

事業譲渡が終了するまで数か月、半年くらいは必要です。しかし普段から経理面や今後の経営について把握して、話し合いをしておくことで、スムーズに事業譲渡を行うことができます。

 

引継ぎを行う

事業譲渡するときに、買い手側と交わした条件の中に、従業員の雇用継続の項目がある場合は、経営者も新しい譲渡先に出向いて、引継ぎを行う必要があります。

引継ぎに関して、譲渡の条件に盛り込んでくる買い手側も多数おられます。

これは従業員だけでなく、取引先が新しい譲渡先との関係性をうまく保てるようにも引継ぎは必要です。

譲渡してしまったらもう終わりだとおもわずに最後まで、従業員や取引先の為にも引継ぎがあることを想定しておいてください。

 

タクシー会社を事業譲渡するならまずは相談

会社の事業譲渡に関して、特に売り手側は初めての経験の方が多いです。

しかし、買い手側の企業は、経験者の方が多く、1年間に数社の買い取りをしていたりします。

このような経験の差がある両社が会社の一大事である事業譲渡を行う時は、仲介業者に間に入ってもらう必要があります

経験豊富なタクシー会社のM&A実績が多いエージェントにまず相談してみることをお勧めします。

 

 

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自分が手塩に育てた事業を売るとなると、なかなか最初の一歩が踏み出しにくいですよね。

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