システムインテグレーターのM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい3つのポイント【事例もチェック】

SIerと略記されることも多いシステムインテグレーターは、顧客企業の課題を情報処理技術によって解決するシステムの設計、開発、導入、運用のサービスを請け負います。

生産年齢人口の減少が進む日本では、各業界で深刻化する人手不足の対応のため、情報処理システムの導入により、より一層の省人化の流れは止められません。それによりシステムインテグレーター業界の売上は増加傾向にあります。一方で、システムインテグレーター業界自体も深刻な人材不足に悩まされており、その対応が急務とされています。

深刻なソフトウェア技術者不足に対し、システムインテグレーターを含む、ソフトウェア事業者のM&Aで補おうとする動きもあります。そこで、今回はシステムインテグレーターのM&Aを行うに際し、留意すべきポイントについて取り上げます。

 

システムインテグレーターのM&A

企業のIT投資の活発化などに伴い、IT技術者不足の状態が続いています。新卒者のIT業界への入職率が増加傾向にあるため、IT人材全体の供給は2030年まで増え続ける試算ですが、AI、IoT、ビッグデータといった先端IT技術が注目されるようになり、これらの技術を導入するためのソフトウェア技術者全体の需要も増え続けています。このため、今後も需給ギャップは拡大を続け、2030年度には最大で79万人のIT人材の不足が見込まれています。

このような背景から、IT技術者不足をM&Aにより穴埋めしようという動きがあり、今後もシステムインテグレーターを含めたソフトウェア事業者のM&Aは増加すると見込んでいます。

 

M&Aとは

M&Aは ”Mergers & Acquisitions” の略で、企業合併・買収を意味します。新聞の経済面にとどまらず、社会面までも賑わすほどのM&Aには、買収対象会社の役員の同意を得ないまま、買収を仕掛ける「敵対的買収」と呼ばれるものが少なくありません。正直、このような買収劇はきな臭さもあり、M&Aはネガティブに報道されることもありました。

しかし、実際に行われるM&Aの多くは売却側と買収側の同意に基づいて行われる友好的なものです。特に、中小規模事業者のM&Aの場合、株式が非公開であるため、そもそも敵対的な買収は成立しません。また、従業員も企業価値を構成する重要な要素であり、ネガティブな買収によって従業員が大量に離職するようなことがあると、買収した企業の価値が大きく毀損するので、友好的なM&Aがほとんどです。つまり、総じて買収側、売却側双方の利益になっているでしょう。

M&Aが具体的にどういった形で行われるか、というその形態もさまざまですが、代表的なものは株式譲渡と事業譲渡です。株式譲渡は買収側の企業が売却側企業やオーナーから対象企業の株式を買うことで会社全体を譲り渡す手法です。形としては会社の持ち主が変化するだけで、会社そのものは全く変化しません。とても明快な譲渡となる反面、対象となる会社のプラス面だけでなく、(例えば簿外債務のような)マイナス面もそっくりそのまま新しいオーナーに移行します。

また、会社の一部の事業を切り出して譲渡する事業譲渡もよく行われます。買収側が欲しい部分だけを譲渡対象とすることができるため、株式譲渡とは違い、簿外債務を引き継いでしまうリスクは低くなります。しかしながら、従業員との雇用契約を結び直したり、営業に必要な許認可などを取り直したりなどの手続きが生じます。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

会社のオーナーが事業譲渡や株式譲渡を行う理由はさまざまです。リタイア後の資金や別事業の資金に充てたいなど、その理由は人それぞれです。共通しているのは、その事業価値がどのように評価されるかで、売却金額は大きく変わることです。そのため、高い評価を得るために売却事業の経営改善を行ってから売却とするケースも多いのも現実です。

近年は少子高齢化により、特に、中小規模事業者の経営者の後継者問題が目立ちます。企業経営の後継者への引き継ぎ、すなわち事業承継は身内や従業員への引継ぎを優先して検討されることが一般的です。それでも、実際はさまざまな事情から後継者を見つけることができないケースも多いのです。そのような背景から、オーナーは事業を継続する手段として、M&Aにより第三者に会社を譲渡する選択肢を取るようになりました。

というのも、現体制で企業の経営をしていくのが難しい場合、単純に事業を畳んでしまうと従業員を解雇しなければならない、取引先に影響を与えてしまうといった弊害も生じるからです。M&Aという選択肢を取ることで、それを回避できるからです。

 

システムインテグレーターがM&Aを行うケース

政府がIT投資を積極的に後押ししている事や、景気回復に伴い老朽化システム更新への投資の増加、先端IT技術への注目度の上昇、労働人口減を補うためのITによる省力化・労働力最適化への投資などにより、IT支出は増加傾向にあります。それに伴ってIT人材の需要も高まっています。このため、IT業界ではM&Aにより優秀な人材を確保しよう、あるいは自社に欠けている部分の技術を補おうとする動きがあります。

また、システム開発においては大手システムインテグレーターを頂点とするピラミッド状の多重下請け構造が存在します。が、この構造の解消に向けて、中小事業者が大手傘下に入る、あるいは同業との資本提携をすることで、事業の規模拡大を図る傾向もあります。

 

システムインテグレーターのM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

前出のとおり、M&Aによりオーナーが得るメリットはさまざまなものがあります。それに加えて、システムインテグレーターでは業界特有の事情から、M&Aという解決策に向かうことで得られるメリットがあります。

システムインテグレーターは基本的に、顧客と直接向き合い、顧客のIT上の課題の解決を行います。しかし、中小システムインテグレーターでは、常に一次請けの位置にいるとは限らず、ピラミッド構造の二次請け、三次請けの位置でのプロジェクト参加となることも散見されます。商流において、下位に位置することは利益率の確保において不利になることから、自社の規模を拡大することにより、商流の上を目指すことが求められています。

また、プロジェクト規模に対して自社で準備できる技術者の数が不足している場合、外注により補う必要があります。ところが、自社の規模を拡大して外注を減らすことができれば、利益率は改善します。自社で規模の拡大を図ることは、一朝一夕でできるものではありません。が、M&Aはそれを可能にするため、中小事業者を中心にソフトウェア業界のM&Aが活発に行われています。

IT技術者は現状では需要が供給を大きく上回り、総数では今後も需給ギャップは広がっていくと見込まれています。しかし、スキル別の内訳をみると、AIを中心とした先端IT技術者の需要は急拡大する一方で、従来型技術のIT技術者は供給過多に陥るという試算があります。システムインテグレーターを含むソフトウェア開発企業が成長性を維持するためには、自社内の先端IT技術者の割合を増やしていく必要があります。このため、先端IT人材を多く抱える事業者をM&Aにより取り込むことで、自社内の先端IT技術者の割合を増やし、その人材を中心として従来型IT人材のスキル転換を行っていくことができます。このため、先端IT人材を多く抱えるシステムインテグレーターは売却に向けて好条件を得られる環境が整っていると言えます。

 

システムインテグレーターのM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント3つ

システムインテグレーターの売却を検討する際、売却時の企業価値算定で高い評価を得るためには、以下のような点に留意する必要があります。

 

クライアントの数や安定性

買収側企業は多様な理由により、システムインテグレーターの買収を検討します。買収時点で対象企業が安定して収益を上げられているかどうか、あるいは高い利益率を持っているかどうか、といった収益構造がどのようになっているかは基本的な確認事項になります。

安定した収益という点では、特定のクライアントに依存し過ぎることなく、幅広く取引を行えていることが重要になります。利益率を高く保つために、商流の下位ではなく、ピラミッド構造の頂点に位置する一括開発が中心であることも重要です。

 

従業員の人数とスキル

システムインテグレーターを含む、ソフトウェア開発業の買収の理由の多くが技術者の確保であることから、従業員の絶対数と保有スキルも企業価値に大きな影響を与えます。特に、クラウドやAI、ビッグデータとFinTechといった急成長している分野に強い先端IT技術者をどの程度確保しているかということは、企業の将来価値を左右します。

 

M&Aのコンサルティング会社

M&Aの実施の際は、売却側と買収側ともにM&Aのコンサルティング会社から一連の手続きでの助力を得ることが普通です。システムインテグレーターのM&Aでは、企業の帳簿上の資産価値だけでなく、在籍している技術者のスキルセットなどが、企業価値の根幹を成します。このため、相談先のコンサルティング会社は、IT業界のM&Aを多く手掛け、技術者のスキルや年齢構成などにより、IT企業独特の企業価値を正しく評価する能力をもった会社とすることが大切です。

 

システムインテグレーターのM&A事例

ここで事例をひとつ紹介しましょう。2018年1月18日、「ユニリタ」はシステムインテグレーター「無限(東京都新宿区、売上高21億7,500万円、営業利益7,300万円)」の株式を取得し、子会社化しました。取得価額は6億3,200万円(アドバイザリー費用2,400万円を含む)です。

「ユニリタ」はデータ活用領域、ITシステム運用管理領域のパッケージソフトウェア開発及びソリューション、コンサルティングサービスを提供しています。一方、「無限」はシステムインテグレーションサービス及び、パッケージソフトウェア開発を行っている会社です。

今回の株式取得により、「ユニリタ」は「無限」のシステム開発力を活かし、顧客ニーズに対し、より広範かつ迅速に応えること、及び両社の技術力、業務ノウハウの知見を合わせることで、顧客へのソリューション提供力の強化を図ります。

 

システムインテグレーターのM&Aを相談するなら

M&Aにより、システムインテグレーターの売却を実施する場合、売却側企業、あるいはオーナーだけの力では非常に難しいといえるでしょう。まず、相手先企業の選定、マッチングが困難です。独力で相手先を探すといっても、秘密を厳守することが大前提の企業売却であるため、周囲に対して適当に声を掛けて回るわけには行きません。売却希望や買収希望の案件を持っているM&Aコンサルタント、仲介事業者を頼ることになります。

交渉相手が決まった後、交渉のベースとなる価格を決めるための企業価値の算定は、専門知識を要求される作業です。システムインテグレーターの場合、帳簿上の価値だけでなく、エンジニアのスキル等も加味し、適切な企業価値とする必要があります。

そのため、一般的に最終契約前に行われるデューデリジェンスへの対応や、最終契約書草案の作成は、M&Aの実績を多く持つ弁護士に依頼するのです。

M&AコンサルタントはこれらのM&Aプロセスの各フェーズで必要とされる専門家を揃え、ワンストップで相談に応じることが可能です。だからこそ、M&Aの実施を検討する際、まずはM&Aコンサルタントに相談しましょう。

 

M&Aコンサルタントの中でも特におすすめなのは、東京に拠点を置くスパイラルコンサルティング社です。

成果報酬制なので無料で相談を受け付けており、多数のM&Aの実績をもとに、的確なアドバイスをもらえるでしょう。

満足できるM&Aにするためにも、まずはご相談してみてはいかがでしょうか。

 

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