
飲食店を経営しているけれど、そろそろM&Aで手放したいとお考えではないでしょうか。
しかし、M&Aを行うことは簡単ではなく、実際に行うかどうかすぐに決められず悩んでいるオーナーも多いでしょう。
そこで今回は、飲食店のM&Aについての基礎的な知識から、メリット、行う際に気をつけるべき3つのポイントなどをご紹介していきます。
飲食店のM&Aをするときにはメリットを知った上でポイントをしっかりおさえ、M&Aを成功させましょう。
飲食店のM&A
M&Aと言っても、実際に今までに経験したことがあるオーナーは少ないと思います。
したがって、飲食店のM&Aとはどのようなものか具体的にわかっていない人も多いのではないでしょうか。
基礎的な知識がわからないままM&Aを行ってしまうと、思い通りの条件で成功させられる可能性は低くなってしまいます。
まずは、飲食店のM&Aについて基礎的な知識から確認しておきましょう。
M&Aとは
M&Aとは、merger and acquisitionという言葉の略です。
日本語にすると「合併や買収」という意味となります。
たまにニュースなどでM&Aという言葉を見ただけだと、M&Aには敵対的買収のイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、実は実際に行われているものの中では、友好的なM&Aも少なくありません。
友好的なM&Aであれば、買い手や売り手、その従業員など、取引をした全員にメリットがあることもよくあります。
せっかく今まで経営してきた飲食店でM&Aを行うなら、友好的なM&Aになるように努力するべきです。
そのようなM&Aですが、行うための方法は一つではありません。
M&Aの方法として代表的なものは、事業譲渡や株式譲渡です。
そのような手法によって、M&Aを行うメリットを見ておきます。
事業譲渡や株式譲渡を行うメリット
M&Aで事業譲渡や株式譲渡を行うメリットは、たとえば以下のような3つのものが考えられます。
- 自分がリタイアしても事業を継続させられる
- 事業譲渡をして対価を得ることができる
- 譲渡した事業が譲渡先でさらなる発展を遂げる可能性がある
これらのメリットは、今まで経営してきた飲食店を手放すとしても嬉しいメリットになると言えます。
もしもM&Aをしたとしても、事業が継続していれば従業員を雇い続けることが可能です。
せっかく今まで飲食店の経営を助けてくれていた従業員の仕事をなくすのは心苦しいと考える人も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、M&Aで事業を続けていくというのが良いでしょう。
また、従業員の生活だけではなく、自分の生活を守ることもできます。
飲食店を譲渡して買い手から対価を得ることで、M&A後の新たな経営や、新たな生活への資金にすることが可能です。
このように、飲食店のM&Aにはメリットがたくさんあります。
M&Aをやってみたい気持ちはあるけれど、どういうケースで行うのが良いのかわからないという人のために、飲食店がM&Aを行うケースを見ていきましょう。
飲食店がM&Aを行うケース
飲食店がM&Aを行うケースは、以下の5つの場合です。
- 後継者がいない
- アーリーリタイアしたい
- 健康問題で経営を続けられない
- 今後の経営に希望が持てない
- 店舗拡大のための資金や人員が足りない
もしもあなたが飲食店のオーナーでこれらのケースに当てはまるのであれば、一度M&Aができないのかを考えてみてください。
それぞれのケースについて、確認していきましょう。
後継者がいない
飲食店のオーナーをやっているものの、引き継いでくれる後継者がいないというのはよくあるケースです。
後継者がいないからと言って、廃業しかないと考えてしまわないでください。
実は、後継者がいない場合にM&Aが行われるのは多いです。
後継者は親族や従業員などの身近なところだけではなく、M&Aで外部から見つけてくることもできます。
したがって、後継者がいなくてお悩みの飲食店のオーナーは、M&Aができないかどうかを試してみるべきです。
アーリーリタイアしたい
飲食店を経営しているけれど、早期の段階でリタイアしたいというケースでもM&Aは有効です。
アーリーリタイアをした場合、リタイア後の人生プランも考えなければなりません。
どのような人生を今後送っていくとしても、行きていくためにはお金が必要となります。
そこで、経営している飲食店をM&Aで買い手に売ることが成功すれば、アーリーリタイア後の資金を手に入れることが可能です。
どれくらいの売却資金が得られるのかは店舗によりますが、少なくともそのまま廃業するよりは得になります。
なぜなら、飲食店は廃業をするのにも店舗を入居時の状況に戻す原状回復費用などが必要となるためです。
M&Aでうまく条件に折り合いをつければ、撤退コストをかけずにリタイアすることができます。
健康問題で経営を続けられない
飲食店を経営している最中に、オーナーの健康状態が悪くなることもあると思います。
どうしてもオーナーが今までどおりに経営を続けられないのであれば、アーリーリタイアをするか、飲食店を誰かに譲ってしまいたいと考えるはずです。
そのようなケースでも、M&Aは活用できます。
自分で決めて育てた信頼できる後継者に飲食店を任せたいという想いがある人も少なくありません。
しかし、無理をしてでもどうにか後継者を育てようと思っても、急に倒れてしまったり入院してしまったりするなどの状況に陥るかもしれません。
健康問題を抱えながらの飲食店経営は大変なので、今後も店舗を存続させるためにはM&Aを視野に入れて早めに行動に移しましょう。
自分で後継者を見つけて育てるのは時間がかかりますが、M&Aを行えば既に適正のある人に店舗を引き継いでもらうことができます。
M&Aでは後継者を見つけて育てていくよりも、短時間で事業を誰かに引き継ぐことが可能なのです。
今後の経営に希望が持てない
飲食店を経営しているものの、将来もうまく営業できているかどうかが不安な人も多いはずです。
新メニューを増やしたり、キャンペーンを行ったりなど、工夫を重ねながら経営をしていても今後の経営に希望が持てないということは出てきてしまいます。
そのようなときに考えてもらいたいのが、飲食店のM&Aです。
飲食店のM&Aを行って、経営についても自信と実力がある人や会社にお店を譲るのは1つの手段だと言えます。
飲食店オーナーは、開業までにじっくりと経営学についての勉強をしたり、経営者としての実力を重ねたりしてきている人は少ないです。
したがって、経営が難しいと感じることがあってもおかしくありません。
突然、近くに競合する飲食店ができるなど、今後の経営に不安になることも多いはずです。
M&Aを行えば、買い手側の強みや経営資源を自分自身の飲食店経営でも活かしてもらうことが可能です。
それによって、自分だけでは解消できなかった経営についての不安も解消できる可能性があります。
たとえば、買い手側に資金力があった場合を考えてみましょう。
経営している飲食店で新メニューを出したいけれど、資金がなくて出すことができていないとき、M&Aで資金力のある買い手を見つければ新メニューを出すことができます。
このように、今まで飲食店を経営してきても実現することができなかったことにチャレンジでき、事業が発展することもあるのです。
経営に不安はあるけれどまだ諦めたくないというときにも、飲食店のM&Aは行うことができます。
店舗拡大のための資金や人員が足りない
飲食店の店舗を拡げていきたいと思っているものの、資金や人員が足りていないケースは少なくありません。
飲食店に人気があって今までは順調に店舗拡大をしてきたけれど、最近になって資金不足や人手不足で困り始めてきたというオーナーもいると思います。
特に飲食店は、仕入れ値の変化や競合店の登場などで、急に経営状況が変わってしまうことも多いです。
そのようなケースでは、M&Aを行えば状況を打開できることがあります。
もしも今経営している飲食店をM&Aで資金や人手が足りている買い手に買ってもらえたら、譲渡先の資金力や人員を飲食店経営にも使ってもらうことができます。
それによって、今まで悩んでいた資金や人手の問題が解決するのです。
M&Aによって今ある問題が解決してさらなる店舗拡大に成功することもありえます。
ポジティブなマインドのM&Aも多く行われているので、前向きに資金や人員調達のためだと思って行ってみるのも良いでしょう。
以上が、飲食店がM&Aを行うケースです。
このような5つのケースのいずれかに今の飲食店の状態が当てはまる場合には、一度M&Aを行うことを考えてみてください。
ここからは、飲食店のM&Aを行うことでオーナーが手に入れられるメリットを見ていきます。
飲食店のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?
飲食店のM&Aを行うことによって、売り手であるオーナーにもメリットがあります。
オーナーが受けることのできるメリットは、たとえば以下のような3つです。
- 心理的負担の軽減(経営、後継者)
- 金銭的メリット
- 新事業への挑戦や引退後の生活
それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。
心理的負担の軽減
飲食店のM&Aを実施すれば、オーナーがリタイアする際の経営面や後継者の面という2つの部分での心理的な負担を減らすことができます。
今までやってきた飲食店を経営が苦しいせいで廃業してしまうという思いや、後継者がうまく見つけられなかったせいで廃業するしかなくなったという思いを、M&Aで軽くすることができるのです。
M&Aが成功すれば、今のオーナーがリタイアしてからも営業を続けることができます。
したがって、今までついてきてくれたお客様や従業員に廃業を伝えるストレスも少ないです。
そのように、飲食店経営からリタイアするにしても、精神面でのストレスはかなり減らすことができます。
金銭的メリット
飲食店をM&Aによって売却することで買い手から金銭的な対価が得られるというのも、メリットの1つです。
リタイアする際に飲食店を売り渡して対価を手に入れれば、今後の生活についての心配も減らすことができます。
そして、もしもM&A実施の際に従業員がやめる場合にも、譲渡利益から退職金を支払うことができるようになるのです。
また、飲食店のM&Aで得られるメリットは譲渡対価だけではありません。
飲食店を廃業するなら、撤退コストがかかります。
撤退コストは、たとえばお店を入居時の状況に戻す原状回復費用です。
原状回復費用は飲食店の状態によりますが、100万円以上かかることもあります。
条件をうまく設定して飲食店のM&Aを行えば、そのような廃業コストがかからないケースも多いです。
新事業への挑戦や引退後の生活
飲食店のM&Aを行えば、新事業へ挑戦したり、引退後の生活を自由に楽しんだりすることができます。
なぜなら、M&Aによって得られる譲渡対価を使えば新事業を始める資金や、引退後の生活費を貯めることができるためです。
飲食店をM&Aして買い手から譲渡利益を手に入れれば、その後の生活での選択肢も広がります。
飲食店のM&Aを行うことで、以上のような3つのメリットを得ることができます。
しかし、飲食店のM&Aを成功させるのは簡単ではありません。
飲食店をM&Aするにあたって気をつけるべきポイントも存在しているので確認しておきましょう。
飲食店のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント3つ
ここからは、飲食店のM&A実施の際、気をつけるべきポイントは、以下の3つです。
- 準備は早めに
- 売却事業の強みを明確化する
- 譲れない売却先の条件を明確化する
3つすべて、飲食店のM&Aを成功させるためには重要です。
それぞれのポイントについて、順番に見ていきましょう。
準備は早めに
飲食店のM&Aを行うなら、準備はできるだけ早めに取り掛かるのが良いです。
M&Aは、すぐに譲渡先が見つかるとは限りません。
また、条件面で折り合いがつかずに交渉が長期間に渡ることもあります。
飲食店のM&Aは、一朝一夕にはできないの、早めに準備に着手するのが良いでしょう。
売却事業の強みを明確化する
飲食店のM&Aを行うなら、その店舗独自の強みを明確にしておくと良いです。
強みを明確にしておくことによって、できるだけ高い譲渡対価を手に入れることができます。
飲食店なら、駅から近いことや、人気の有名メニューがあったり有名シェフが在籍していたりなどです。
すぐにわからないなら、競合となる飲食店と比較するとやりやすいでしょう。
譲れない売却先の条件を明確化する
飲食店を売るなら、どこまでなら条件を緩められて、どこからは譲れないのかという範囲を明確にするべきです。
今まで経営してきた飲食店を手放すということで、どの条件も捨てがたいと思います。
しかし、飲食店がより良くなるためなら妥協するべき条件もあるかもしれません。
落ち着いて、条件面についてはしっかり考えてみましょう。
以上が、飲食店のM&A実施の際、気をつけるべきポイントです。
しかし、そもそも自分だけではM&Aを行うのが難しいこともあるので、そのようなときは専門家に意見を聞いてみてください。
飲食店のM&Aを相談するなら
飲食店のM&Aを希望するなら、まずは専門家であるアドバイザーに相談しに行きましょう。
飲食店をM&Aするなら、買い手探しをいち早く行ったほうが成功には近づきます。
したがって、M&Aをしたいと思ったらその段階で、アドバイザーに相談に行くべきです。
M&Aアドバイザーに相談すれば、飲食店のM&Aを行うにあたっての手続きを教えてもらえたり、買い手探しを行ってもらえたりします。
特に買い手探しは、相手とのマッチングや条件交渉など行うことが多いので、専門家に間に入ってもらったほうが円滑です。
しかし状況によってはM&Aを行う必要性がいつやってくるか分かりません。
今はまだ準備をする必要はない、と思っている方も多いのではないでしょうか?
そのような方におすすめなのが、スパイラルコンサルティング社です。
いますぐのM&Aでなくとも、「そのとき」がやってきたときに、より高額で売却できるよう、事業価値を高めてくれるコンサルティングが受けられます。
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