
事業売却は、中小企業が大企業に事業を売却するといったイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、ラーメン屋のような個人の方でも事業売却は可能なのです。
それも、大企業に事業を売却し、多額の現金を手元に残すことも不可能ではありません。
事業売却を考えている方は、メリットや手順、実行の際のポイントなどを確認しておきましょう。
ここでは、ラーメン屋の事業売却の流れからポイントまで解説していきます。
目次
事業売却でラーメン屋オーナーは得をする?
事業売却は、ラーメン屋のオーナーにとって大きなメリットがある手法です。
メリットは、次の3つに分けられます。
金銭的メリット
事業を売却するということは、事業に値段をつけて売るということです。
そのため、事業価値に応じた現金を手に入れることができます。
事業価値が高ければ、それだけ譲渡額が高くなり、より多くの現金を得られます。
ラーメン屋しか事業を展開していない場合、手元に現金は残っても、継続的に利益を得られるものがなくなってしまいます。
そのため、事業売却によって得た現金を元手に新しいビジネスを始めるなど、今後の計画を練る必要があるでしょう。
また、非常に多額の現金を得られた場合には、今後一切働かなくても生活できるようになります。
これを、アーリーリタイアやハッピーリタイアなどといい、多くの方が実践していることです。
精神的メリット
ラーメン屋の経営を続けるためには、十分な体力と精神力が必要です。
激動のラーメン業界で生き抜くためには、常に競合他社を調査し、収益を上げる方法を模索し続ける必要があります。
根強いファンがいれば、これまで通りに経営を続けるだけで、ある程度の利益を得られるでしょう。
しかし、数年しか経っていない場合は、根強いファンはつきにくく、簡単に収益が下がってしまう可能性があるのです。
常に収益を挙げ続ける必要があるというプレッシャーによって、ストレスを感じている経営者はたくさんいます。
また、ラーメン屋が廃業することになれば、現在雇用している従業員に退職してもらうことになります。
次の就職先がすぐに見つかるとは限りません。
そのため、従業員の生活が自分にかかっていることになり、大きなプレッシャーを感じる場合があるのです。
また、従業員に家族がいる場合は、より大きなプレッシャーを感じることになるでしょう。
プレッシャーによってストレスが溜まりすぎると、急にラーメン屋の経営が嫌になり、廃業してしまうこともあるでしょう。
日ごろから強いプレッシャーを感じている場合は、いずれ事業売却することを視野に入れることをおすすめします。
事業売却では、経営権が第三者に渡りますが、従業員はそのまま雇用されます。
そのため、従業員に退職してもらう必要がないのです。
従業員が生活に困るような心配がないため、気がねなく経営者の立場から退けます。
また、従業員の待遇改善を事業売却の条件にすることも可能です。
時間的メリット
ラーメン屋の経営には、非常に多くの時間を割くことになります。
飲食関係は、早朝や前日の夜から仕込みをすることになるため、営業日前の休日もゆっくり休むことができません。
また、ラーメンだけを作るだけではなく、会計業務など事務的な業務まで経営者が担当している場合、さらに時間がなくなってしまいます。
事業売却をすれば、他に展開している事業などがなければ時間的に大きな余裕が生まれます。
また、他にも事業を展開している場合には、その事業に使える時間が増え、より大きな収益に繋がることも考えられるでしょう。
単に、早くリタイアしたいという経営者もいます。
仕事まみれの人生が嫌だから、早くリタイアして悠々自適の隠居生活に入りたいという方は少なくありません。
事業売却によって得た現金があれば、早期リタイアも可能でしょう。
また、資産運用によって貯金を少しずつでも増やすようにすれば、生涯に渡ってお金に困ることもなくなると考えられます。
ラーメン屋の事業売却でまず始めにすること
事業売却には、事前準備が必要です。
目的を明確にして期限を設定し、より高い値段がつくように売却事業の強みを明確にしましょう。
ラーメン屋を事業売却することを決めたら、次のようなことから始めてください。
なぜ事業売却したいのかを明確に
何事も成功させるためには目的を明確にすることが大切です。
目的が明確でなければ、事業売却のメリットが薄れてしまいます。
例えば、手元により多くの現金を残すために事業売却をしたのに、事業の価値を正確に伝えることができなければ、高値で売却することはできません。
目的が明確になれば、その目的を達成するために何が必要かを考えられるのです。
手元に多くの現金を残したいのであれば、強みやビジネスモデルの独自性、将来性、従業員の質などをアピールする必要があります。
さらに、アピールの内容の根拠を示すために、様々なデータが必要となります。
このように、目的によって必要なことが変わるため、必ず目的を明確にしてから行動することが大切です。
事業売却の目的は、「経営のプレッシャーから解放されたい」、「売却によって得た利益を新たな事業に充てたい」、「悠々自適の隠居生活に入りたい」などです。
事業資金に充てたい場合は、具体的にどれだけの資金が必要なのかを明確化しましょう。
隠居生活に入りたい場合も、老後のことも踏まえて、どれだけの現金が必要なのかを算出することが大切です。
そうすれば、希望売却額に反映でき、目的を達成できたと言えるだけの売却額がつく可能性が高まります。
売却完了までの期限を設定する
事業売却が完了するまでには、通常6ヶ月以上はかかるといわれています。
事業売却は非常に重要な事項ですが、慎重になりすぎるのは良くありません。
事業売却を決めてから、最初に買い手を探すことになります。
ラーメン屋の事業に興味があり、経営のノウハウを持っている信頼できる企業や個人を見つける必要があるため、とても時間がかかります。
また、希望売却額で売却できるとは限らず、通常では交渉が必要になります。
交渉が難航すれば、より長い時間がかかってしまうでしょう。
長い時間がかかれば、世の動向が代わり、その影響を受けて経営状況が悪化する可能性があります。
そうなれば、売却額が想定よりも低くなることもあるのです。
ラーメン屋の事業売却は、自分が何歳になるまでに、何年後までに、と心の準備をしておきましょう。
売却事業の強みを明確に
売却事業の強みを明確化することで、売却額が高くなることが期待できます。
強みは、他のラーメン屋にない収益に繋がる事柄に限ります。
収益に繋がらないことは、「強み」ではなく「特徴」です。
立地が良いため安定的な集客が見込める、ファミリー層を取り込めており、その地域に根付いているといったことが挙げられます。
このような強みの根拠を示すために、データを提示する必要があります。
立地が良いのであれば、何を以て立地が良いと言えるのかも伝えなければなりません。
例えば、駅の近くにあるため、ラーメン業界のブームに関係なく安定した収益を挙げられる、オフィス街にあるため、昼食時に連日多くの人が来店するといったことが挙げられます。
客の年齢層や性別などのデータを日ごろから収集しておくことで、事業売却の際に十分なデータを提示できるでしょう。
専門家の相談・査定を受ける
事業売却することを決めたら、まずは専門家に相談し、事業の査定を受けましょう。
専門家は、事業売却だけではなく、資本業務提携のようなM&A全般の知識を持っています。
事業売却をすべきタイミングか、経営者の知識に間違いはないかなどを確認できます。
また、事業の状況や将来性などから事業の売却額の査定も受けられるため、目的を達成できるだけの売却額がつくかどうかを確認できるのです。
事業価値を値段に換算する計算式は複雑で、素人では難しいとされています。
もし、間違った計算で事業の価値を算出して買い手企業に提示してしまえば、信頼を失ってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、事業売却において専門家に相談することは必須とも言えます。
ラーメン屋の事業売却を行う際のポイントは
ラーメン屋の事業売却をする際には、準備だけではなく、従業員への対応や売却した後の目標の決定などを行いましょう。
思い立ったが吉日
事業売却をすることを決めたら、次の日にでも専門家に相談することをおすすめします。
できるだけ高値がつくタイミングで売却したいところですが、専門家の査定やアドバイスを受けなければ、高値がつくタイミングがわかりません。
つまり、行動しなければ何も始まらないのです。
買い手企業を探すのも、専門家に任せた方がいいでしょう。
自分で買い手企業を探すのは難しく、問題のある企業にあたるリスクがあります。
問題のある企業と取引することになれば、大きな損害を被る可能性があります。
専門家は、M&Aに興味がある企業と繋がりがあるため、トラブルが起こるリスクを抑えられるのです。
事業売却を決めてからすぐに行動すれば、そのままモチベーションを保つことができるでしょう。
行動までに時間がかかると、何となく事業売却を取りやめたいと思うようになる可能性があります。
すぐに行動に移すことで、契約締結まで立ち止まることなく進むことができるでしょう。
売却確定まで従業員や顧客を不安にさせない
事業売却の契約が締結するまでは、従業員や顧客に知らせない方がいいでしょう。
経営者が変わることでラーメンの味が変わったり、雇用状況が変わったりする可能性があるため、不安にさせてしまうかもしれません。
従業員が不安になれば仕事のモチベーションが下がり、それがサービスの質の低下に繋がります。
また、顧客が不安になれば、心からラーメンを楽しんでもらえなくなり、そのまま他店へと流れてしまう可能性があります。
このようなリスクを避けるためにも、売却確定までは周知しないようにしましょう。
ただし、上の立場の人物には伝えておくことが大切です。
売却することを伝えないでいると、「自分は信頼されていない」と思われてしまい、事業売却後に退職してしまう可能性が高まります。
事業売却をした先の目標を決める
事業売却を成功させるためには、冷静かつ前向きに交渉する必要があります。
事業売却に対するモチベーションが低いと、妥協してしまい、思っていたよりも低い売却額になってしまうでしょう。
事業売却をした先の目標を決めることで、前向きに交渉ができるようになります。
事業売却を終着点にするのではなく、事業売却によって得た現金で事業を起こしたり隠居生活に入ったりすることを終着点にしましょう。
事業売却の失敗は、その先の目標を達成できなくなることに繋がります。
そのため、先の目標を意識することで、より良い事業売却を実現しようと行動できるのです。
その先の目標については、十分に検討する必要があります。
何となく決めた目標では、事業売却に対するモチベーションを維持することは難しいでしょう。
ラーメン屋の事業売却の相談先
ラーメン屋の事業売却は、M&Aの専門家に相談しましょう。
事業売却のノウハウを持っているため、心強い味方になってくれます。
また、責任をもって買い手企業を探してもらえます。
希望売却額や売却の条件を承諾してもらえそうな買い手企業とマッチングできるため、契約が締結するまでに何年もかかるような事態を防げるのです。
専門家に依頼するためには、当然報酬が必要となります。
あまりにも高額だと事業売却のメリットを得られなくなりますが、基本的に売却額の数%が報酬となるため、手元に残る現金が大きく減ることはありません。
もしできるだけ多くのお金を手元に残したいのであれば、そもそもの売却金額を高くする必要があります。
そのためには事業売却のタイミングを見定めなければなりません。
事業を成長させてから売却することで、より多くのお金を手にする可能性が高くなります。
東京で専門家に相談するのであれば、M&Aコンサルティング社がこのような分野を得意としています。
売却だけを支援する専門家と異なり、売却前に事業の見直し、改善をしてから、より高く売れるタイミングを見定めて売却の実行を支援してくれます。
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