ラーメン屋のM&A事例から学ぶ成功のポイント7つ

M&Aは、どのような業種にも適用できる手法です。

事業譲渡や株式譲渡などが主に行われています。

ラーメン屋でもM&Aが行われるようになってきており、今は経営不振だから即廃業という時代ではありません。

むしろM&Aによって急成長できるラーメン屋も存在するのです。

ラーメン屋のM&Aの成功事例もあるため、M&Aのメリットを得たい場合は前向きに検討することをおすすめします。

ここでは、ラーメン屋のM&Aの事例から学ぶ成功のポイントをご紹介します。

 

>>お時間がない方はまずはM&Aのプロにご相談を<<

 

目次

ラーメン業界の現状

ラーメン業界のM&Aについて知る前に、まずはラーメン業界の現状をチェックしておきましょう。

ラーメン業界の現状を知ることで、ラーメン屋のM&Aの背景を理解しやすくなるはずです。

 

ラーメンブームはどこへやら!?店舗減少が進んでいる

ラーメン屋といえば、ラーメンブーム。

一時期、様々なラーメン屋が世に誕生し、メディアではラーメン特集が組まれ、ラーメン店の大会など各種イベントが開かれるラーメンブームがありました。

「じゃあラーメン業界はにぎわっているのでは?」と思うかもしれませんが、現在ではラーメンブームもだいぶ落ち着き、むしろラーメン店の減少が進んでいます。

ラーメン屋の平均寿命は数年で、7割ほどが3年以内に閉店してしまいます。

そもそも1年すら持たないラーメン屋も少なくありません。

ラーメンといえばしめの一杯、というように、飲みに行ったあとにラーメンを食べる人もいますが、ラーメンの前に行く居酒屋自体も客足が少なくなってきており、それもラーメン屋の需要減少に結びついています。

しかしラーメン好きはラーメン好きのままですし、そこまで好きなわけではないという人もたまには食べたくなるものです。

ラーメン業界全体が風前の灯、となるほど追い込まれることは考えられません。

そのため、おいしさ、安さ、集客しやすい立地など、集客しやすい条件を満たしたラーメン屋だけが残っていくことになるでしょう。

 

健康志向の強まりがラーメン屋を苦しませている!?

ラーメンブーム以降、こってりした味のラーメン屋に人気がありました。

しかし最近は健康志向が強まっており、こってりしたラーメンは体に悪いと避ける消費者も増えています。

お酒のあとにはいつもラーメン、とラーメンブームを後押ししてくれていた世のお父さん方も、健康診断の結果を考えてラーメン屋に行くのはやめておこうと摂生しているのも珍しくありません。

「ラーメン=油と炭水化物とチャーシュー。茶色の食べ物」というイメージが強く、この健康志向が強まる世の中では、健康のために食べるのを控えるべきものと認識されてしまいやすいのです。

ここ何年かの糖質オフブームでは、ラーメンは絶対に食べてはいけないものかのように扱われています。

一方で、健康志向の高まりを受けて、カロリーオフのラーメンや野菜をたくさん摂取できるラーメンを提供することで、人気を集めているラーメン屋もいます。

そのようなラーメン屋なら女性も入りやすく、特定の層から人気を得られやすいのです。

 

外国人もラーメンを食べたい!?

訪日外国人が増えています。

国の施策としても訪日外国人を増やして、観光で利益を出そうとしています。

そこで外国人にアピールしている日本の魅力のひとつがラーメンです。

今では海外進出しているラーメン屋もあり、日本にきたら本場のラーメンが食べたいと思う方も多くなっているのです。

ただし、お国によっては麺をすするのはマナー違反となっている国もあり、そのような国出身の方でも食べやすいような工夫も必要です。

パスタのように麺をくるくると巻いて食べる姿を見ると、「そんなのラーメンの食べ方ではない!」と感じる方もいるかもしれませんが、海外の市場を開拓していくならある程度寛容になるべきでしょう。

また海外の人に対してラーメンを提供する上で気をつけたいのが、宗教とNG食材です。

豚肉を禁止している宗教があるので、チャーシューやとんこつなどはもってのほかです。

しかし知らぬうちに食べてしまった、ということも起こりえるので、外国語で注意書きを店内やメニュー表に記載するなどの対応も必要です。

 

ラーメン屋の夢を持つ人は今もいるが・・・・・・

いくらラーメンブームが落ち着いたとはいえ、ラーメン屋を開きたいと思っている人はいます。

そのため、究極の一杯のために自分のお店を開く人はいなくならないでしょう。

しかし、店主一人でお店を運営していく段階ならまだいいのですが、事業を拡大し、何人も人を雇うとなると注意が必要です。

ラーメン屋に限らず、飲食業界は全体的に不人気の傾向があり、人材確保が課題となっています。

時給を上げなくては、バイトすら集まりません。

そのためには経営を安定させ、黒字運営していく必要があり、ラーメン屋のオーナーはただラーメンが好きなだけでなく、経営者としての手腕が問われるのです。

 

今後のラーメン業界の課題

ラーメンは特に好きな人でなくても、無性に食べたくなるときがある食べ物です。

そのため、ラーメンブームのときほどの盛り上がりはなくても、一定の需要をキープしてくれるでしょう。

また健康志向ラーメンのように、まだまだ可能性のある料理でもあります。

健康志向がないがしろにされ、いっさいカロリーや栄養素を気にせず食事を楽しみましょうという世界は今後訪れる可能性は限りなくゼロに近いです。

そのため、いかに世の中の需要にあわせてラーメンを進化させていけるかはポイントになるでしょう。

ただそういった新規性、独自性がなくても、昔ながらのおいしいラーメンも需要はあるはずです。

ただ他のお店で代替できると思われてしまうようなラーメンしか提供できなければ、競争激しいラーメン業界では生き残っていけないでしょう。

また、ラーメン屋で生き残るためには、ただおいしいラーメンを提供できることだけではなく、経営者としての力も求められます。

ラーメン好きというだけで新規参入するのは難しい状況です。

数字に強いこと、視野が広いこと、マネジメント能力があることなど、ラーメン店オーナーに必要な能力はたくさんあります。

最新のマーケティング情報などにアンテナをはり、積極的に学んでいく姿勢を持ったオーナーでなければ、厳しいラーメン業界では生き残れません。

いかに経営のできるラーメン店オーナーを生み出せるかで、ラーメン業界の勢いは変わっていくでしょう。

 

この記事では、そんなラーメン業界における今後の活路として、「ラーメン屋のM&A」について詳しくご紹介していきます。

ラーメン屋オーナーで、今後の経営について不安を抱えている方や、今後業界で人気のラーメン屋をバリバリと経営していきたいという方の参考になれば幸いです。

 

日本のM&Aの状況

ラーメン業界のM&Aについて詳しく見る前に、そもそも業界関係なくM&Aはどのくらい起こっているのでしょうか?

M&Aは企業間の合併や買収のことで、一般的にM&Aを行う企業オーナーやM&Aのコンサルティングを行っている仲介会社の社員たちくらいしか、普段の生活で関わるということがありません。

その他の方々がM&Aという言葉を耳にするときは、ニュースや映画で耳にするM&Aをイメージしてしまうことが多いでしょう。

ニュースでは見ている人が興味を持ちそうな話題として、映画では手に汗握るストーリー展開を構築するための材料として、M&Aが扱われています。

そこに出てくるM&Aの多くが大企業同士の敵対的M&Aで、話題をさそうような派手なものです。

そのため「M&Aは企業同士がバチバチと計略をめぐらせて行う」というイメージを持つ人もおり、現実世界の日本ではそこまで多くM&Aが実施されることはないのだろう思ってしまいます。

しかし実際は譲受先と譲渡先の企業両者がお互いに了承した上で行われる友好的なM&Aが多く、中小・ベンチャーも含めて、数多くの企業の間でM&Aが行われているのです。

 

なお、M&Aに関連するものに「業務提携」があります。

「A社とB社が業務提携しました」というニュースを目にすることはあると思いますが、業務提携の場合は業務上の協力であり、A社とB社は資本を移動させずにそれぞれ独立した存在のままなので「狭義の意味ではM&Aではなく、広義の意味ではM&Aである」と言われていることが多いです。

このようにM&Aの定義には若干の揺らぎがあるのですが、今回は一般的に狭義の意味でのM&Aと呼ばれる手法や形態について整理していきたいと思います。

 

M&Aの手法、形態

さて、M&Aは合併や買収のことなので、それぞれ別の企業であったものが1つになるという漠然としたイメージを持った方が多いのではないでしょうか。

実はその手法や形態はさまざまで、ひとくちにM&Aといっても色々な形があるのです。

M&Aを手法や形態によって分類してみましょう。

 

まずM&Aはその名の通り合併と買収に分かれ、合併と買収の中にそれぞれ手法が存在します。

 

【合併】

合併には「吸収合併」と「新設合併」があります。

吸収合併については説明しなくてもイメージしやすいと思います。

A社とB社が合併する際、片方のみが残り、もう片方の企業は消滅します。

消滅した企業の持っていた権利や資産や残る方の企業のものになります。

一方、新設合併はA社もB社も消滅させ、両社を合わせて会社を新設します。

ドラゴンボールでいえば、吸収合併はセルによる吸収、新設合併はフュージョンをイメージすれば両者の違いが分かりやすいでしょう。

 

【買収】

買収は「株式取得」「事業譲渡」「会社分割」に分けることができます。

 

株式取得はその名前の通り、株式を取得することで対象の企業の経営権を得ます。

株式の3分の2以上を持つことで特別決議による決定権を得ることができるため、買収する企業を思うがままに動かして行くには3分の2以上の株式を取得する必要があります。

3分の2以上を取得できなくても、最低でも半数以上の株式を取得できれば普通決議による決定権を得ることができます。

 

株式取得は取得方法によってさらに「株式譲渡」「株式交換」「第三者割当増資」などに分類されます。

株式譲渡はシンプルに株式を売買することで株主を変更する方法です。

ある個人や法人から他の個人や法人に株式が移動し、売買を成立させるために売った側の手には対価(現金など)が渡ります。

株式交換はこの対価が株式になった場合のことを指します。

つまり株式で株式を売り買いするのですが、株式交換は完全子会社化のために用いられることが多い手法です。

A社がB社を完全子会社化する際、B社の全株式をA社が買います。

その際、A社の株式の一部を対価としてB社の株主に支払うことで、B社の株主はA社の株主の一員となり、今後の経営にも携わっていくことができます。

最後に第三者割当増資についてです。

第三者割当増資は、A社が新たに株式を発行し、特定の第三者(B社)に割り当て、購入してもらう方法です。

資金調達のために第三者割当増資を行うことがありますが、敵対的買収への対抗手段として用いられることもあります。

敵対的買収を行うとしている個人あるいは法人の現在持つ株式の割合を薄めることができるからです。

 

次に事業譲渡について説明していきます。

事業譲渡は株式の譲渡とは異なり、事業を売り買いするものです。

株式譲渡は会社全体の資産や権利などの売買になりますが、事業譲渡であれば一部の事業のみを切り離して売買することができ、売る側の会社を独立して存続させたまま行うことが可能です。

買う側も買う部分と買わない部分を取捨選択できるというメリットがあります。

ただし株式譲渡に比べて手続きが煩雑になりがちというデメリットもあります。

 

会社分割は一部の権利義務を他の会社に引き継がせる手法で、吸収分割と新設分割があります。

吸収分割と新設分割の違いは吸収合併と新設合併の違いと同じく、すでに存在している企業に分割した権利義務が吸収されるのを吸収合併、新設した会社に吸収されるのを新設分割といいます。

分割と合併の違いについては、吸収もしくは合併される企業の一部のみが対象なのか、もしくは丸ごとなのかの違いです。

 

今まで説明してきた内容を整理すると、

 

(狭義の意味での)M&A

 └合併

   └吸収合併

   └新設合併

 └買収

   └株式取得

     └株式譲渡

     └株式交換

     └第三者割当増資

   └事業譲渡

   └会社分割

     └吸収分割

     └新設分割

 

となります。

M&Aに関するニュースではこれらの言葉が飛び交っており、整理していないと何が何だか分からないように思えますが、このように整理してみるとシンプルに思えるはずです。

M&A後に譲り渡す方、譲り受ける方双方がどのようなことをしたいのか、経営に関わっていきたいのかによって、どの手法によってM&Aを行うのかが変わってきます。

 

また、これ以外にM&Aに関わる用語、手法で、よくニュースで耳にするものをいくつかご紹介しましょう。

これらを抑えておけば、M&Aのニュースを見た際に、どのようなことが行われているのかがイメージしやすくなります。

 

▼TOB

Take Over bidの略で株式公開買付けとも言います。

ある会社の株式を、買付け期間、買取株式数、価格を公開して、不特定多数から株式市場外で買い集めることです。

例えば、上場企業を他の企業の完全子会社にするためには、上場会社の株式を一般株主から集めなくてならず、そのような際にTOBが行われます。

また敵対的買収においても、TOBが行われることがあります。

 

▼MBO

マネジメントバイアウト(Management Buyout)の略で、経営陣が株式を譲り受けたり、事業譲渡されたりすることで、オーナー経営者として独立することです。

例えば、事業を成長させるために資金調達を目的としたM&Aを行い、成長後に創業者である経営者がMBOによって株式を買い戻して経営権を戻すことがあります。

 

M&Aについて基本の部分を整理してみました。

それではM&Aの件数や動向などについて詳しくみていきましょう。

 

M&Aの件数

日本企業が関わったM&Aの数は、なんと、この約20年の間で毎年数千件に上ります。

それだけ多くのM&Aが行われているのですことに驚く人もいるでしょう。

1980年代のころは毎年数百件規模のM&Aでしたが、バブル崩壊後に年々増加しています。

1999年には初めて1,000件を突破し、その後も件数を増やし、2006年に一度目のピークとして2,775件を記録しています。

リーマンショック後に件数が下がりますが、2011年から再び件数が増えはじめました。

2019年には初めて4,000件を超え、4,088件のM&Aに日本企業が関わったのです。

なお、日本企業同士のM&A、日本企業による海外企業のM&A、海外企業による日本企業のM&Aのいずれかの数値です。

 

すべてのM&Aにおける実施の理由は共通しているわけではありません。

それぞれ様々な理由によりM&Aを実行してきました。

しかしM&Aの件数の増減には、少子高齢化と景気が大きく影響を与えています。

以前の日本ではM&Aは珍しいものでした。

その理由として、日本企業の多くが一族経営の中小企業で、親族間で代々引き継いできたからです。

一族経営ではなく、そういった親族間の後継が認められにくい上場企業では、優秀な社員が後継者となっていました。

そして、戦後は国内の需要も高く、大量生産大量消費の時代です。

業績が良かったり、悪くても銀行が融資してくれやすかったことで、企業は単独で存続し続けられる状況でした。

しかし、その裏では少子化が始まっており、バブル崩壊がきっかけとなって企業は苦しい状況に追い込まれます。

不景気でも生き残れるようM&Aという道を選択するようになりはじめました。

また、グローバル化の波もあったのでしょう。

アメリカでは昔からM&Aが一般的なものであり、海外の状況からM&Aに興味を持った経営者も出てきました。

そうして現在では、M&Aをしなければ会社を存続できないというマイナスな理由以外にも、会社の成長のためにM&Aを選択する経営者が増えてきています。

 

このようなM&Aの増加により、M&A市場が形成されてきています。

M&Aを希望する企業を結ぶ仲介業者やプラットフォームなどが誕生しています。

そのため、ますます企業はM&Aを選択しやすい環境となってきたことでM&Aを選択し、それがニュースとなってさらにM&Aを希望する経営者を増やし・・・・・・、とM&Aの市場が雪だるま式に大きくなっているのです。

 

M&Aは得する?損する?

M&Aの市場が形成され、大きく成長していると興味を持つ人が増えます。

しかしそれは、M&Aを実際に行う経営者だけではなく、そこで悪巧みをするような人たちもです。

M&Aを希望する経営者をだます詐欺師がゼロではないのは事実です。

そのような人に引っかかってしまえば、M&Aで損をすることもあるでしょう。

多額の資金が移動するM&Aは、悪い人からみれば魅力的なのです。

しかしまともな仲介業者を挟んで行えば、M&Aで損をすることはほとんどないと思っていいでしょう。

目先の利益に目がくらむということがないよう、しっかり冷静に検討を重ねることが重要です。

 

M&Aを検討している経営者の方は、なぜM&Aするのか、目的を認識し、適正な会社の価値を算出しましょう。

そしてM&Aの相手を個人で探すのは避け、M&A仲介会社を介して探すのがポイントです。

M&A自体は目的ではなく、あくまでも目的を達成するための手段でしかありません。

中には「一度でいいからM&Aしてみたかった」という経営者の方もいます。

まるでM&A自体が目的のように話しますが、その裏には「お金を得たい」「価値のある事業を構築できた証としたい」「M&Aの経験を得ることで今後のキャリアに活かしたい」という理由があるものです。

本当に何が目的なのか、しっかり考えて見ましょう。

そして企業の価値を決めるのは非常に難しいことです。

それをお金という目に見える数字に落とし込むのはなおさらです。

事業が独創的で唯一無二であるために価値が高くなることもあれば、今後市場が成長することが見込めるために高くなることもあります。

そしてその逆もまた然り。

様々な要素を検討して価値を算出しなければいけないのですが、大抵の人には難しいものですし、経営者自身で算出する場合は大抵色眼鏡をかけてしまうものです。

だからといって控えめに評価した結果、適正な価格よりも低く算出してしまい損をすることもあるでしょう。

そこで登場するのが仲介業者です。

身元の確かな上場企業や会計事務所がM&A仲介を行っていることがあるので、そういった企業に依頼して自社の適正価格を知りましょう。

そうすればM&Aによって本来得られるべきだったメリットを得られない、ということは防げるはずです。

 

ただし、1つ忘れてはいけないのは、損はしないが、大して得しないケースもあるということです。

価値が低いと判断されたサービスや商品が売れないということは、経営者の方なら皆さんご理解いただけるでしょう。

企業も同じです。

将来性のない業界やサービスで、現在の売上も少なければ、M&Aによって莫大な資金を手にするというのは難しいものです。

そのため、目的次第ではM&Aを選択しないことも正しい道といえます。

 

M&Aについて説明したところで、それではここからはラーメン屋のM&Aに絞って説明していきましょう。

 

ラーメン屋オーナーがM&Aを選ぶ理由とは?

そもそも、ラーメン屋のオーナーは、どのような理由でM&Aを選ぶのでしょうか。

 

M&Aのメリットを知ることで、ラーメン屋がM&Aを選ぶべき理由が見えてくるでしょう。

M&Aには、大きく分けて身体的なメリット、精神的なメリット、金銭的なメリットがあります。

それぞれ、具体的にどのようなメリットなのか、みていきましょう。

 

◆身体的なメリット

ラーメン屋のオーナーを続けるためには体力が必要です。

スープや麺に少しでも問題があれば、瞬く間に客足が遠のいてしまうでしょう。

そのため、店を従業員に任せていたとしても、スープだけはオーナーが毎日チェックするというラーメン屋は少なくありません。

朝早くから夜遅くまで働いているラーメン屋オーナーもいます。

ラーメン屋の仕事は肉体労働で体力を非常に要します。

しかし、年齢を重ねるにつれて体力が落ち、現場に出ることが難しくなっていきます

体調を崩すようなことになれば、すぐに後継者に引き継ぐ必要が出てくるでしょう。

 

そのため、ある程度の年齢になれば、ラーメン屋を後継者に引き継ぐ準備を始めます。

しかし、ラーメンを作る方法や経営のノウハウを伝えることができても、センスを持ち合わせた後継者が現れないことがあるのです。

また、オーナーは子どもに継がせようと考えていたけれど、子どもがラーメン屋の後継者になるのを拒否することもあります。

ラーメン屋は負担が大きく、かつ競争に勝って生き残っていくことが大変であるため、それ以外の仕事で稼げるのならわざわざラーメン屋の道を選びたくないと考えるためです。

 

このような場合、仕方なく廃業を選ぶことになると思っている方は多いでしょう。

ここで役立つのがM&Aです。

M&Aを選択すれば、経営のノウハウとセンスを持ち、ラーメン屋をさらに成長させてくれる個人・法人にラーメン屋を譲ることができるのです。

 

◆精神的なメリット

ラーメンブームもあり、ラーメン屋は次々と作られており、自店舗の周りに競合他社が増える可能性があります。

すでに首都圏では1つの繁華街にラーメン屋が何店舗もあるという状態になっています。

自分のラーメン屋の近くに話題性や独自性があり、世間に受け入れられるラーメン屋ができてしまうと、売上が一気に低迷することも考えられるのです。

どれだけ利益を得られても、常に不安に駆られるオーナーは少なくありません

自分のラーメン屋が話題になっていても、いつ客に飽きられるかは分かりません。

また、店舗を任せている人物がいる場合、ラーメン屋が廃業すれば、その人物が路頭に迷うことになります。

このようなプレッシャーから解放されたいために、廃業やM&Aを選ぶ方が増えているのです。

 

廃業するのであれば、M&Aの方がおすすめです。

廃業した場合と比べて、より多くの現金を手元に残すことができます。

廃業の場合は店舗が消滅し、現金もあまり残らないため、その後の生活に不安が残るでしょう。

またM&Aであればラーメン屋が残るので、雇っている人への影響も廃業に比べて少なくなります。

もし資金力のある企業に譲渡するのであれば、むしろ従業員の待遇が改善されたり、店舗拡大ができたりする可能性があるのです。

M&Aであれば、売却したラーメン屋の成長を見守ることもできます

 

◆金銭的なメリット

ラーメン屋の売上が高く、成長にも期待されているのであれば、M&Aの際に高い売却額がつくでしょう。

成長性がなかったとしても、長年にわたって高い売上を安定してキープできていれば、高値がつくと考えられます。

また、業績が低迷していたとしても、買い手に立て直せる確信があれば、ある程度の値がつけられます。

このように、M&Aを行うタイミングによっては、多くの現金を手元に残せるため、その後の人生に不安を抱えることもなくなります。

 

場合によっては、一切働かずに資金運用のみで悠々自適の生活をおくれます。

また、新しい事業の資金にしたり、他に行っている事業資金に充てたりすることも可能です。

そろそろ終活をしようと思ってラーメン屋のM&Aを選んだ場合は、現金として手元に残せるお金が増えるため、家族に多くの遺産を残すことができます。

家族にとってはラーメン屋をそのまま残されるよりも、現金にして残してもらった方が相続税を支払いやすくなります。

ラーメン屋のM&Aによって得られる金銭的メリットによって、その後のオーナー自身や家族の人生をより良いものにできるのです。

 

ラーメン屋をM&Aで譲り受ける理由とは?

ラーメン屋をM&Aで譲る側、オーナー側のM&Aを選択する理由についてご紹介しました。

ラーメン屋を譲る側がいるなら、譲り受ける側がいるのが当たり前ですよね。

ではなぜラーメン屋をM&Aで譲り受けようと思うのか、その理由についても知っておきましょう。

M&Aの交渉において、相手の望むこと、なぜM&Aでラーメン屋を獲得しようとしているのか、その背景を知っておくことは重要です。

 

ラーメン屋をやってみたかった

まず1つ目が「ラーメン屋をやってみたかった」からです。

一時期から始まったラーメンブーム。

その際にラーメン屋に憧れて、いつか自分のラーメン屋を持ちたいと思った方も少なくありませんでした。

有名ラーメン店に弟子入りし、そこで一人前になったら自分のお店をもつ人もいれば、個人でラーメンについて研究しながら会社に勤めて開業資金をため、脱サラしてラーメン屋を開業する人もいます。

どちらにしても、一からお店を開くよりも、すでにあるラーメン屋を譲り受けた方が色々な面で早いです。

お店の場所を探す必要がなく、内装を整える必要がなく、スタッフの採用をする必要もなく、もともと集客ができているならそれを最低限保てばいいのです。

例えば創業者が年を重ねてラーメン屋を畳もうと考えているときに、そのお店のファンである人間でラーメン屋をやってみたいと思っていた人がM&Aで譲り受けるということもなくはありません。

「やってみたい」という気持ちは個人的なものが強いので、なかなかこの理由によりラーメン屋を譲り受ける企業はいませんが、個人で資金を持っており、ラーメン屋を譲り受けたいという人も存在するのです。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、現時点で軌道に乗っている・十分な利益を出せているなどの好条件であることはもちろん、ラーメン屋経営の初心者でも運営できるよう、マニュアル化されているお店が好まれやすくなります。

特定の既存従業員や経営者に依存したラーメン屋をM&Aで譲り受けても、新オーナーが運営できずに経営が悪化、廃業の道を選ばざるを得なくなるからです。

また、圧倒的な人気があり、ファンが多いラーメン屋であることも重要です。

ラーメン屋を始めたい人には2パターンあり、「究極の自分オリジナルのラーメンを提供したい」というケースと、「ここのラーメン屋の味が好きだから、このまま守っていきたい」というケースです。

前者の場合は既存のラーメン屋に弟子入りすることはあっても、独立して自分のお店を持つことが多いです。

一方、後者であれば、既存のラーメン屋を残したいと考えているため、ラーメン屋をM&Aで譲り受けるという道を選択しやすいのです。

 

出店エリアを広げたい

すでにラーメン店を含む飲食店を運営している企業は、出店エリアを広げるために、既存の出店エリア外で営業している飲食店をM&Aで譲り受けるケースがあります。

すでにお互いの出店エリアにお互いのブランドでラーメン屋・飲食店を出店するのです。

そうすることで、すでに出店しているエリアでは材料の仕入ルートを獲得しているため、新たに確保する必要がなく、コストも抑えることができます。

またグループ店として既存の店舗で紹介することで、そのエリアでの認知度を高め、集客に役立ちます。

特定の地方だけで展開しているラーメン屋・飲食店は少なくありませんので、全国展開している企業や、また別の地方で展開している企業がラーメン屋を譲り受けたいと考えるのです。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、譲受先企業がすでに展開しているエリアと異なるエリアでラーメン屋を運営している企業です。

譲受先企業次第です。

基本的には譲受先企業と異なるエリアで、かつ譲受先企業が欲しいと思うような企業となるため、そのエリアに根ざしたラーメン屋だとアピールしやすいでしょう。

地方だとその地域に根ざしたラーメン屋は結構ありますので、該当するお店は多いのではないでしょうか。

 

従業員を獲得したい

ラーメン屋を含め、飲食店は人材を獲得するのが大変です。

「飲食店=ブラック」というイメージが強く、なかなか人気がでないのです。

その中でもラーメン屋は、頑固親父のオーナーがいて、精神的にも肉体的にもきつい職場というイメージも一定数あり、スタッフの確保を頑張らなくてはいけません。

そこで、M&Aで他のラーメン屋・飲食店を譲り受けることで、従業員も獲得するのです。

もしM&Aで譲り受けた先に人材育成について優秀な人材がいれば、その他のお店に回ってもらい人材育成をしてもらい、優秀な人材を増やしていく事もできます。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、採用力が高い、離職率が低いラーメン屋が挙げられます。

やはりそのようなラーメン屋を運営する企業には、採用・人事の面で強み・ノウハウがあります。

それを横展開できれば、他の飲食店も同じように採用力の高い、離職率の低い飲食店にできるかもしれないからです。

「飲食業界=離職率が高い、人が集まらない」とあきらめずに、どうすれば多くの人が働きたいラーメン屋になるかを考え続けたオーナーには、M&Aのときに相手から欲しいと思ってもらいやすいというメリットがあるのです。

 

運営ノウハウを手に入れたい

飲食店はノウハウをしっかりもって運営できているかが重要です。

どうすれば回転率をはやくできるのか、どうすれば客単価が上がるのかなど、工夫できる点は多く、すでにそのノウハウを持っているラーメン屋をM&Aで譲り受けることができれば、他の飲食店に応用することができます。

そのため、ラーメン店の中でも行列ができる、空席ができない、話題が絶えないなどの強みを持つラーメン屋は、他の企業に「そのノウハウが欲しい!」と思われています。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、 ノウハウがそのラーメン屋だけでなく、他の飲食店でも応用できるラーメン屋が挙げられます。

例えば、注文をすべて券売機にして人件費を抑える、というノウハウなら、他の飲食店でも応用しやすいです。

 

シナジーを目指して

既存事業とラーメン屋の相性がよければ、シナジーを生み出し、さらなる利益を手にすることができます。

例えば中華料理店を運営する企業がラーメン屋を譲り受けることになれば、レシピを横展開して本格的な餃子やチャーハンを提供するラーメン屋として売り出していくことができます。

また、居酒屋とラーメン屋ではしめにおいしいラーメンを出せる居酒屋を実現でき、焼肉店とラーメン屋では肉は焼肉店・骨はラーメン屋というように分けて使うことができるなど、このように合わせることで新たな強み・魅力を生み出せる可能性は意外と高いのです。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、他の事業やお店とコラボしやすいラーメン屋であることです。

例えばラーメンといえば閉めの一杯。

居酒屋で飲んだ後にラーメン屋で食べるという男性は結構多いのではないでしょうか。

つまり居酒屋で人気ラーメン店のラーメンを提供できれば、今まで他店(ラーメン店)にとられていたお客さんを自社のサービスの範囲内に囲い込むことができます。

客単価を上げることができるのです。

一方、あまりにもターゲットが限定的で、提供するサービスがきわどい内容だったとしたら、既存事業とのシナジーは難しくなるでしょう。

万が一シナジーが生まれる可能性があったとしても、それをラーメン屋のM&Aの相手に納得してもらえるように伝えるのが難しくなります。

 

経営の多角化のため

1つの事業に集中した企業は経営の面で安定しているとはいえません。

よほど安定した事業、例えばインフラ関連や医療関連でないと困るものでなくては、いつか業績が大きく悪化する可能性があります。

今日良くても明日どうなっているか分からないのがビジネスです。

そこで複数の事業を展開すること、事業の多角化によりリスクを抑えて会社を経営していくことができるのです。

もし1つの事業が傾いても、他の事業が順調であれば会社を存続できるので、従業員の雇用は守られ、経営者が借入の返済に私財を差し押さえされることはありません。

そのためラーメン屋とまったく関係がない、そもそも飲食店経営すらしていない企業がラーメン屋をM&Aで譲り受けることもあるのです。

ラーメン屋どころか飲食店経営の経験がない企業が譲り受け先だと心配するラーメン屋のオーナーもいると思いますが、経験がなくてもしっかり受け継いで経営してくれる企業もいるので、そこは安心してよいでしょう。

 

対象になりやすいラーメン屋の例として、 ラーメン屋経営が初めての企業でも運営ができるよう、ある程度マニュアル化されて、軌道に乗っているラーメン屋が挙げられます。

複数の事業を経営しているのであれば、100%全力をラーメン屋に向けることはできません。

既存の事業を運営しながら、ラーメン屋の経営にも乗り出すのであれば、ある程度整っている事業であることが望ましいでしょう。

仮に赤字経営のラーメン屋が経営の多角化を狙っている企業にM&Aを持ちかけても、相手にとってはあまりメリットがありません。

経営リスクを抑えるためのはずのラーメン屋のM&Aが、経営リスクの増大につながってしまうからです。

 

ラーメン屋のM&A事例

ラーメン屋のM&A事例としてM&A(資本提携や株式譲渡)を行った事例があります。

ラーメン屋のM&A事例を調べておけば、実際に自分のラーメン屋をM&Aで譲り渡そうと思ったとき、どのような企業が相手になりうるのか、自分のラーメン屋のどこをアピールすべきなのかなどが分かるはずです。

「ラーメン屋 M&A事例」などで検索するとニュース記事や事例を紹介する記事が見つかると思いますし、有名な大手飲食店チェーンを展開している企業はラーメン屋のM&Aを経験していることが多いので、「企業名 M&A」などで検索してもラーメン屋のM&A事例を調べることができるでしょう。

今回は6つのラーメン屋のM&A事例をご紹介します。

 

ラーメン屋のM&A事例:つけめんTETSUの場合

つけめんで知られる「つけめんTETSU」。

食べている途中で冷めてきてしまうスープに焼き石を投入し、最後まで熱々のままで味わえるつけめんとして話題になりました。

つけめんTETSUの創業者である株式会社YUNARIの小宮社長は3店舗目を出店するタイミングでIPOやM&Aを検討して準備を始めました。

 

ラーメン屋は、2店舗目を開店できても3店舗目を出すことが難しいといわれています。

これは、2店舗目の売上が本店の売上を勝らず、今一つ収益拡大ができないケースが多いためです。

また、3店舗目の出店場所が中々決まらないことも要因の1つでしょう。

 

1~2店舗目と3店舗目の距離が近すぎると、客が分散するだけで新規客があまり増えません。

だからといって離れた土地に3店舗目を開くには勇気がいるでしょう。

その味を受け入れてもらえるかわからないため、もし3店舗目が経営不振に陥っても対処できるように、十分な資本を用意しておきたいところです。

 

つけめんTETSUの場合はその3店舗目の出店を実行に移すところまでは順調に経営できています。

しかしさらに会社を大きくしていくには、それまで以上に組織を強化し、筋肉質な経営を目指していく必要があります。

そこでつけめんTETSUの小宮社長は会計事務所に相談をし、IPOかM&Aで15億円以上で譲渡するかの2つの目標を掲げ、40歳までにIPOできるようIPOに向けた準備を進めました。

当時の小宮社長の年齢は32歳。

40歳までにIPOを完了させるなら、37歳までには上場準備を完了させておく必要があります。

5年間はIPOに向けて組織の強化を行いましたが、紆余曲折を経てM&Aを選ぶことにしました。

企業の譲渡額は償却前利益の5倍が相場であり、15億円の目標を達成するために3億円の利益を生み出せる事業にしていく必要があります。

結果、株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングスとのM&Aが成立し、小宮社長は希望通りの条件で株式を譲渡することができました。

資本提携によりつけめんTETSUはさらなう事業拡大に成功し、店舗数を増やしています。

 

今回ご紹介したラーメン屋のM&A事例では、店舗を増やすために必要な資本の層を厚くすることを目的に、資本提携が行われました。

資本提携によって資本の層を厚くできれば、それだけ店舗を増やしやすくなり、経営難に陥ったときのリスクヘッジにもなります。

 

ただし、簡単に資本提携できるわけではありません。

資本提携を実現するためには、将来的に利益を挙げ続けられる見込みがあり、年間収益も高くなければならないのです。

そのため、まずは年間収益を増やすために、コンサルティング会社に相談することをおすすめします。

 

すでに高い収益を挙げられており、資本提携のメリットを示せるのであれば、M&Aの専門家に相談して進めるといいでしょう。

 

ラーメン屋のM&A事例:めん徳二代目つじ田の場合

濃厚な豚骨魚介系のつけめん店「めん徳二代目つじ田」の辻田社長は、それ以上の事業拡大を目指すには自身のキャパシティを超えてしまうと考え、ちょうどつけめんTETSUのM&A事例を知ってM&Aを検討するようになりました。

しかし当時の財務状況ではM&Aは難しく、まずは数字をきれいに整えていく必要がありました。

そして理想のM&Aを成し遂げるため、友人である金子社長が経営する天丼屋「金子半之助」と一緒に譲渡することにしたのです。

金子社長も事業拡大にともなう負担とキャパシティの限界に悩んでいるときでした。

めん徳二代目つじ田と金子半之助を合わせて譲渡するために、まずは店舗ごとに月次収支管理の強化を行い、組織再編を経てグループ損益の管理体制を構築し、最終的に株式会社アドバンテッジ・パートナーズへの譲渡を決めました。

 

M&Aを選択したことで、従業員の就業環境の改善や事業拡大を進めることができました。

オーナーであった辻田社長、金子社長はともに希望以上の譲渡額を手にし、その後はファウンダーとしてさらなる事業拡大を目指しています。

 

このラーメン屋のM&A事例では、会社が大きなって店舗が増え、従業員の待遇は改善し、オーナーは次のステージに進みました。

希望額以上の金額で譲渡できたのは、最初にしっかり会社や店舗の体制を整えたことにあると思います。

きれいにまとめることで譲渡先に今後の成長性やM&Aで手に入れるメリットが伝わりやすくなります。

事業が整っていない、数字の管理が雑になってしまっているという場合は、まずは会計事務所やM&Aのコンサルティング会社に相談して、きれいに整えていく必要があります。

 

ラーメン屋のM&A事例:せたが屋の場合

せたが屋は昼は塩ラーメン専門の「ひるがお」、夜は「せたが屋」として昼夜で別メニューを提供するというスタイルで一世を風靡したラーメン屋です。

その他、調味料を一切使用しないラーメンや女性向けのラーメン屋など、ユニークな事業展開をしてきましたが、M&Aによって牛丼で有名な吉野家ホールディングスの傘下に入ることを選択しました。

せたが屋は創業以来、右肩上がりで成長を続けており、吉野家ホールディングスとのM&Aは更なる事業成長を狙ってのことでした。

せたが屋の創業者である前島氏は、人材、財務力、ガバナンス強化などのためのリソースの確保、および食材調達のスケールメリットをM&Aの理由として語っています。

また吉野家ホールディングス傘下になることで、海外アライアンスや資金力を活用してせたが屋の海外進出も視野に入れていました。

一方、吉野家ホールディングスは牛丼チェーン以外に、うどん、ステーキ、寿司などの飲食店ブランドを有しており、このM&Aによって新たにラーメンブランドも手にいれることができました。

吉野家ホールディングスとしては、ラーメン業界への参入だけでなく、せたが屋のラーメン店としてのブランド力や新しいサービスの開発力などを獲得できるM&Aでした。

 

ラーメン屋のM&A事例:ばり嗎・とりの助の場合

とんこつ鶏がら醤油ラーメンのばり嗎、九州醤油ラーメンのとりの助を運営するウィズリンクホールディングスも、吉野家ホールディングスの完全子会社となりました。

M&A前、ウィズリンクホールディングスは国内に58店舗、海外に28店舗を展開しておりましたが、飲食店の展開に力を入れている吉野家ホールディングス傘下に入ることで、さらなる事業成長・店舗拡大・経営の安定などを狙いました。

前述したせたが屋は魚介だし醤油豚骨スープのラーメン屋で、それに対してウィズリンクホールディングスのばり嗎、とりの助はスープが異なります。

それぞれのスープのラーメンブランドを手に入れることで、より広い顧客層にアプローチすることができます。

吉野家ホールディングスが既に持つチェーン化のノウハウに、さらにウィズリンクホールディングスが持つチェーン化のノウハウを掛け合わせることで、国内外での事業展開を加速していくことも、このM&Aの狙いでした。

 

ラーメン屋のM&A事例:サバ6製麺所の場合

ラーメン屋「サバ6製麺所」を運営する株式会社サバ6製麺所は、株式の90%をフジオフードシステムに譲渡し、子会社となりました。

サバ6製麺所は関西を中心に展開しているラーメン屋で、サバ節を加えた魚介風味のラーメンを売りとしています。

1号店を出店してから2年で19店舗にまで事業を拡大していました。

今後さらに関西以外の国内の地域や海外への店舗拡大を狙うために、M&Aによってより資本力や経営力のある企業の傘下に入ることを選択したのです。

サバ6製麺所を譲り受けたフジオフードシステムは、まいどおおきに食堂や串家物語、はらドーナツ、かつ満、天麩羅えびのやなど多種多様な飲食店ブランドを持つ大手企業です。

フジオフードシステムは、M&A後、サバを使ったサバ6製麺所の特徴を活かした商品開発、全国展開、海外進出を目指していくことにしました。

 

ラーメン屋のM&A事例:ずんどう屋の場合

関西・中国地方を中心に人気の豚骨ラーメンの「ずんどう屋」。

ずんどう屋を運営する株式会社ZUNDは、M&Aによってトリドールホールディングスの傘下に入りました。

株式会社ZUND単体でも、1号店オープンから15年で国内33店舗、海外1店舗の出店を決めており、味とデザイン性の高い店舗によって人気を集めていました。

しかしあえて大手企業の傘下に入ることで、その資金力や購買力、店舗開発力を活かしてさらなる店舗拡大を狙うことにしたのです。

トリドールホールディングスは丸亀製麺やコナズ珈琲、揚げたて天ぷら定食まきのなどラーメン以外の飲食店ブランドも持っており、それぞれのノウハウを活かした店舗経営が期待できます。

 

ラーメン屋のM&A事例から読み取る成功ポイントとは

ラーメン屋のM&Aの事例からは、様々な成功のポイントを読み取れます。

M&Aが成功するかどうかは、事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。

また、交渉を焦ることは交渉決裂に繋がります。

想定しているよりも低い売却額がつくことも考えられるでしょう。

 

M&Aは、売り手だけではなく買い手も慎重であるため、それだけ説得力のある交渉にする必要があるのです。

M&Aは、希望売却額に近い売却額で交渉が成立すれば、成功したと言えるでしょう。

もし希望額以上でM&Aが成立したとすれば、大成功といってもいいでしょう。

M&Aを成功させるためのポイントは次のとおりです。

 

ビジネスモデルを整理する

ラーメン屋のM&Aを成功させるためには、まずビジネスモデルを見直す必要があります。

ビジネスモデルとは、継続的に収益を得続ける仕組みのことです。

この仕組みに問題があれば、高い収益を挙げることはできません。

一時的に高い収益を挙げられたとしても、それが長く続くことはないでしょう。

 

しかし、そもそもきちんと損益管理ができていないなら、ビジネスモデルの見直しすらできません。

ラーメン屋の場合、個人で事業を始め、思っていた以上のスピードで事業が拡大してしまい、管理体制の成長が追いつかずに数値の管理や把握ができていないケースがあります。

しっかり数値を管理できる体制を構築できているかは、ラーメン屋のM&Aのポイントです。

 

ビジネスモデルに問題があれば、年間収益が高くても、売却額が下がる可能性があります。

今後、継続的に収益を挙げ続けられるのか、競合他社が近くにラーメン屋を出店しても収益を挙げ続けられるのかなど、様々な角度からビジネスモデルを見直しましょう

 

しかし、これまで問題なく経営を続けてきた場合、ビジネスモデルの問題点を見つけることは至難の業です。

そのため、コンサルティング会社やM&Aの専門家の力を借りて、ビジネスモデルの問題点を探ることをおすすめします。

 

これまで数多くのビジネスモデルを見てきた人物に任せることで、意外な問題点が見つかるかもしれません。

 

創業者に依存した店舗経営の脱却を図る

飲食店で多いのは、創業者でるオーナーが実際に店舗に立ち、創業者の腕に全てが掛かっている状態に陥っているケースです。

オーナーがスープを毎日チェックしているラーメン店では、オーナーがいなければお店が回りません。

そのような状態のラーメン店を買収しても、買収した側にとっては扱いづらく、チェーン化や店舗拡大による利益拡大が困難です。

ラーメン屋をM&Aで譲り受ける側の理由について説明した箇所でも触れていますが、ラーメン屋や飲食店経営を経験したことのない企業が譲り受け先になることもあります。

そのような企業は特に、創業者に依存した運営となっているラーメン屋は敬遠します。

そのため個人に依存していないことが譲渡する側のラーメン屋に課される条件といっていいでしょう。

何とかしてオーナー個人に依存した運営体制から脱却しなくてはいけません。

敬遠する企業がいるという状況は、チャンスを逃しているということだからです。

もしどうしてもオーナーが味をチェックしてラーメンとお届けしたい、と考えているならばM&Aは向いていません。

バイトでも味を維持してラーメンを提供できる仕組みが必要です。

もし現在オーナーによって店舗が維持できているような状態なのであれば、そこから脱却するための動きが必要です。

 

M&Aにおいて譲れない条件をはっきりさせる

M&Aでは、買ってもらえればありがたいという気持ちが先行しがちです。

売り手と買い手は対等な立場であるため、買い手に譲れない条件を設定しておくことが大切です。

資本提携を結びたいのに、資本の層が薄い企業とM&Aを交わしてしまっては、目的を達成できないでしょう。

 

また、経営のノウハウを持たない企業とM&Aを交わした場合、ラーメン屋が逆に経営不振に陥る可能性もあります。

このように、M&Aにはリスクもあるので、しっかりと売り手を選定することが大切なのです。

 

買い手は東証一部上場企業に限る、年商20億円以上など、様々な条件を定めましょう。

ただし、条件が厳しければ厳しいほどに買い手が見つかるまでに時間がかかります。

また、厳しい条件に当てはまる企業に売却するためには、それだけ高い収益を挙げ、優れたビジネスモデルでなければなりません。

ラーメン店は飲食業であるということ、そしてラーメンブームによる競争の激しさから、優れた実績を出せるラーメン店にするには高いハードルを越える必要があります。

それだけラーメン屋のM&Aで成功を収めるのは難しいのですが、逆に言えばそのような厳しい業界でも生き残ってきたラーメン屋であれば、必要以上に弱気にならず堂々とM&Aの相手を探すべきです。

 

このように、バランスを考えて条件を設定することが大切です。

 

ラーメン屋の譲受先企業を具体的にイメージする

自分が経営しているラーメン屋がどのような企業になら欲しいと思われるか、譲受先企業のイメージをしましょう。

すでにラーメン屋を経営している企業なのか、経営していない企業なのか、経営しているならどこでどのようなラーメン屋を経営しているのか、具体的なイメージができていれば、実際に譲受先企業の候補が現れたときに、どの企業なら好条件でM&Aを行いやすいか、判断しやすくなるでしょう。

何もイメージせずにラーメン屋のM&Aを進めてしまうと、譲受先候補の企業との交渉の際にどう進めていけばいいのか分かりづらく、譲受先企業の決定において判断がしづらくなるでしょう。

具体的イメージがしづらい場合は、他のラーメン屋のM&A事例を参考に、どのような企業が譲受先となっているか調べてみましょう。

 

売却先候補に事業の強みや価値が伝わる説明を

強みがあっても、それを正しく売却先候補に伝えられなければ元も子もありません。

買い手としては、事業の強みを知って、今後に活かしたいと考えているため、交渉の際にしっかり伝えることが大切なのです。

 

また、「○○が強みです」と伝えるだけでは、説得力を与えられません。

根拠となる資料やデータを提示しましょう。

「ラーメンのスープが美味しい」といったことは、強みではありません。

しかし、「飽きが来ないスープ」であれば強みと言えるでしょう。

さらに、その土地の人が慣れ親しんだ味で、今後も末永く愛され続けることが予想できれば、それは大きな強みとなります。

 

この場合は、「その土地の人が慣れ親しんだ味」であることを証明できる資料やデータを提示しましょう。

例えば、どのような味が好みかをテーマに、その土地に住む数百人にアンケートをとります。

アンケートを集める代行業者も存在するので、うまく活用するとよいでしょう。

 

また、新規客と顧客にアンケートを求め、好みのメニューや来店理由などを調査するのも1つの方法です。

アンケートは、なかなか集めることが難しいので、アンケートに回答すればクーポンを配布するなど工夫が必要です。

 

とくに他の事業や飲食店に横展開ができるノウハウというのは、譲受先から見ると非常に魅力的です。

今後さらに利益を生み出せる可能性があるからです。

「うちのラーメン屋をM&Aで譲り受ければ、今後このような恩恵が得られる可能性が高いですよ」と説明ができれば、それを聞いた相手にとってM&Aを選択する理由になります。

 

資料やデータは、多ければ多いほどに説得力が増します

どのような資料やデータが必要かわからない場合は、M&Aの専門家に相談してアドバイスを受けましょう。

 

M&Aの相手選びも大切

ラーメン屋のM&A事例を見てみると、M&Aの相手はラーメン屋以外にも飲食店ブランドを持つ企業が多いことが分かります。

やはり飲食店の経営ノウハウをお互いに持っていること、商品開発力を成長させられること、材料調達を一括にまとめてコストダウンが図れることなどから、お互いにメリットのあるM&Aを起こしやすいのでしょう。

しかし飲食店経営の企業だからと言って、どの企業でもお互いにメリットのあるM&Aを実施できるとは限りません。

相手企業が持っているブランド、譲渡する予定のブランド、それらの相性や特徴をよくよく考えた上でラーメン屋を譲り渡す相手を選ばなくてはいけません。

片方の良さをつぶすような相性のM&Aでは、ラーメン屋を譲渡したことを後悔してしまうでしょう。

またラーメン屋や飲食店を経営をしていない企業が相手でも、M&Aによってシナジーを生み出す可能性はあります。

例えば水産業の企業が相手なら、そこで商品とならないような規模の魚介をラーメンのだしに回すこともできるでしょう。

ラーメン生産の工程を考えると、飲食店経営以外の企業とのM&Aの可能性が見えてくるはずです。

視野を広く持って相手を探しましょう。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

M&Aを成功させたいのであれば、専門家に相談することをおすすめします。

専門家のサポートを受けるメリットは次のとおりです。

 

◆M&Aを実行するべきタイミングを知れる

より高値で売却するには、最適なタイミングでM&Aを行う必要があります。

M&Aの専門家に現在の事業の状況を示すデータを提示すれば、今M&Aを行うべきかどうかアドバイスを受けられます。

まだオーナーの手によって事業を成長させられる余地があるのなら、今すぐにM&Aを実施するのではなく、事業を最大限成長させてから譲渡した方が高い金額で譲渡できます。

そのような判断を正しく行うにはラーメン屋のオーナーの独断ではなく、専門家の意見を聞くべきです。

 

◆M&Aに必要な資料やデータについて知ることができる

M&Aには、強みを示す資料やデータだけではなく、契約に関する資料の提示も必要です。

契約を進めるにあたって必要な資料が何かわからないと、提示資料に漏れがでてしまい、不信感を与えることになるでしょう。

M&Aの専門家は、必要な資料が何か全て把握しているため、余計な不信感を与える心配がありません。

 

また、強みを根拠づける資料やデータについても、どういった内容であればどの資料やデータを提示すればいいなど、アドバイスを受けられます。

さらに、資料やデータを入手する具体的な方法までアドバイスを受けられるため、スムーズにM&Aを進められます。

 

◆事業を査定してもらえる

事業を査定してもらえるため、適正な希望売却額を提示できます。

希望売却額には、収益や成長性、周りの環境、従業員の数など様々なことが関係しています。

そして、ラーメン屋のオーナーとしての思い入れによる額も加算されるのです。

収益や成長性などから適切に希望売却額を算出できず、思い入れによる加算額が高くなりすぎてしまえば、相場から大きく外れた希望売却額となり、買い手に不信感を与えることになるでしょう。

 

◆交渉の仲介も依頼できる

M&Aの専門家は、売り手と買い手の間に立ち、仲介してくれます。

仲介によって交渉がスムーズに進み、売り手と買い手の双方にとって納得できる結果となるでしょう。

仲介を依頼せずにM&Aを進めると、交渉でお互い一歩も引かなくなり、交渉が長引く可能性があります。

ラーメン業界は目まぐるしく変化していっているため、契約成立が数ヶ月遅れると、収益が大きく変化し、売却額が低くなる事態も想定できます。

ラーメン屋のオーナーはラーメン屋のプロであって、M&Aのプロではありません。

交渉を進めるなら、ラーメン屋のM&Aの交渉ができるプロの力を借りるべきです。

 

ラーメン屋のM&Aを相談できる専門家は複数います。

複数あるラーメン屋のM&Aの相談先の中から、1社に決めるときのポイントをご紹介しましょう。

 

  • ラーメン屋のM&A経験があること
  • ラーメン屋以外のM&Aの経験も豊富なこと
  • 成果報酬型であること
  • 話をしっかり聞いてくれること
  • M&Aについて独自のノウハウがあること

 

以上の点を意識してラーメン屋のM&Aの相談先を選びましょう。

まずラーメン屋のM&A経験があることですが、すでに経験があるなら大体の流れは熟知していますし、ラーメン屋の運営に対する知識もしっかり持っています。

どうすれば譲渡しやすいラーメン屋になるのか、ラーメン屋オーナーのM&Aの理由をかなえるためにはどのような企業をM&Aの相手にするべきかなどを知っています。

ラーメン屋以外のM&Aの経験も大切です。

ラーメン屋に限らず、M&A全般に適用できるノウハウや経験を持っています。

また、譲受先企業との交渉も経験がものをいいますから、ラーメン屋以外の業種も含めてM&Aの経験が豊富であることが望ましいです。

そして成果報酬型であれば、M&Aが成立するまでは費用が一切かかりません。

手元にまとまったお金のない人でも、成果報酬型ならM&Aによって生じたお金で支払えばいいわけですから、心配いりません。

話をしっかり聞いてくれることは、M&Aに限らず、様々なサービスで重要なことでしょう。

しっかりラーメン屋オーナーの要望を聞き、それを実現させるためのM&Aを目指してくれる姿勢のない相手を、ラーメン屋のM&Aの相談先に選ぶのは避けるべきでしょう。

そしてオーナーの望む形のM&Aを行うには、独自のノウハウをもっている経験豊かな企業でなくては困難です。

求めるものを実現させるための力がある企業ではなくては、相談して話をしっかり聞いてくれても、夢かなわず終わってしまうことになりかねません。

相談先の態度や姿勢も重要ですが、力があることもラーメン屋のM&A成功には欠かせない要素となります。

 

ラーメン屋のM&A事例をさらに聞くなら

ラーメン屋のM&Aの事例は増えてきていますが、まだまだ手軽に事例の情報を入手できるほどではありません

M&Aの専門家であれば、あらゆるネットワークを駆使して事例を集めているため、ラーメン屋のM&Aの事例を聞くことができるでしょう。

 

事例を聞かずにM&Aを進めようとすると、今一つイメージをつかめず、失敗に繋がる可能性があります。

複数事業を展開しており、その中の1つであるラーメン屋を売却したパターンもあれば、店舗を増やしてから大企業と資本提携を結んだ事例もあります。

専門家から様々なパターンの事例を聞くことで、M&Aにおける視野が広がるでしょう。

 

また、各事例を紹介してもらった際に、自分の場合はどのようなパターンで進めるべきかアドバイスを受けてもよいかもしれません。

思っていたパターンよりも、専門家に提案してもらったパターンの方が向いている場合があります。

M&Aの専門家をうまく活用して、理想的なM&Aを実現させましょう。

 

最後にラーメン屋のM&Aのコンサルティング支援を行っている、おすすめの企業を紹介します。

某有名ラーメン店のM&Aに携わり、業界内でその売却額の高さに驚かれました。

M&Aを実行する前に、きちんと買い手に評価されるような会社作りの段階から支援を行い、買い手の候補を探したり、交渉したりなど、最初から最後まで二人三脚で走ってくれる相談先です。

もしラーメン屋のM&Aを検討されているのであれば、詳しい事例を聞いたり、相談してみたりしてはいかがでしょうか?

 

スパイラルコンサルティング社

 

>>成果報酬型・スケールM&Aなら『スパイラルコンサルティング社』<<

 

ラーメン屋のM&Aについては分かった!ではラーメン屋がM&Aすべきでないタイミングは?

ラーメン屋のM&Aを実施予定、もしくは検討中の方に向けて前章までで色々と述べてきましたが、基本的にM&AすべきタイミングやM&Aする前提でのお話をさせていだきました。

しかし、ラーメン屋のM&Aをすべきではない、あまりおすすめできないタイミングも存在します。

最後に、ラーメン屋のM&Aについて色々読んできたものの、やっぱりまだM&Aは実施すべきではないのではないだろうか、不安だなあと思う方もいるでしょう。

前述したようなM&Aに向いている状況にあるラーメン屋オーナーは、M&Aをこのまま積極的に検討してみてもいいと思うのですが、そうではない場合はM&Aを本当にすべきかよく検討したり、M&Aするにしてもタイミングを見計らったりしてみた方がよいでしょう。

それでは、具体的にラーメン屋のM&Aを見送ることも考えるべきタイミングについて例を挙げていきます。

 

規模が小さすぎるラーメン屋の場合

オーナーが厨房も接客も担当して1人でお店を回し、1人なので席数もカウンターの数席しかないようなラーメン屋1店舗のM&Aの場合、あまりM&Aに向いていないということはご理解いただけるのではないでしょうか。

あまりにも規模が小さすぎるラーメン屋の場合、譲り受けたいと思う側を探すのが難しいのです。

とくに個人間でお店を引き継ぐのと異なり、法人に向けて引き継ぐ場合は、ある程度の規模が必要になります。

個人で細々とやってきたラーメン屋の場合は、M&Aを行うよりも、個人の後継者を見つけ出すか、いっそのことお店を畳んでしまった方が余計な手間を掛けずにスムーズに引退することができるでしょう。

 

もし規模を大きくしていける余地がまだあるのであれば、大きくしてからラーメン屋のM&Aを検討してみてもいいでしょう。

やはり譲り受ける側の心理を考えると、ある程度成熟した事業を譲り受けたいと思うのは自然なものです。

 

まだラーメン屋に想いが残っている場合

まだラーメン屋のオーナーとしてやっていきたい、想いが残ってしまっている場合は、やはりM&Aの実施はおすすめできません。

どうしても手放さなければいけない理由があってラーメン屋をM&Aで手放す場合はいたしかたないのかもしれません。

その場合は、いつかもう一度別のラーメン屋を開いたり、一度手放したラーメン屋を再度M&Aで買い戻したりする道もあります。

しかし一度手放してしまえば、別の人の手により、まったく違うラーメン屋になっているかもしれません。

本当に今のままのラーメン屋を存続させていきたい、そして自分が経営に携わっていたいと思っており、そうする余地もあるのであれば、まだ今のままで頑張ってみるのも1つの道です。

手放した後はラーメン屋がどうなっても何も言えません。

ラーメン屋を手放す前によく考えましょう。

 

コントロールできないような事情により深刻な赤字になっている場合

そもそも人口が少ない地域において、深刻な赤字が続くラーメン屋を黒字に持って行くのは至難の業です。

M&Aでラーメン屋を譲り受けても、人口を増やすことはできないので、単価を上げるなどで少しの改善はできるかもしれませんが、深刻なレベルにまでいってしまった赤字を解決できる可能性はほぼゼロと考えるべきでしょう。

赤字でも内部に問題があり、M&A後にコントロールがしやすく解決の見込みがある場合は、M&Aでラーメン屋を譲り受けたいと思う企業が見つかりやすいです。

一方で外部要因など、どうにもコントロールができないような部分に赤字の原因がある場合は、非常に解決が難しく、その状態のラーメン屋を欲しいと思う人が見つからないのです。

 

もし赤字でラーメン屋をM&Aによって手放そうと思っているのであれば、何が原因でそうなっているのか、原因は内部にあるのか、外部にあるのか、しっかり見極めるようにしましょう。

 

ラーメン業界だけでなく世間全体で景気が悪い場合

ラーメン業界だけ景気が悪い場合は、景気の良い他の業界の企業がラーメン屋を譲り受けたいと思ったり、同じラーメン業界の中でも比較的売り上げのある大手が他ラーメン屋を譲り受けることで規模を拡大して生き残ろうと考えたりするため、ラーメン屋のM&Aの相手が見つかりやすい傾向にあります。

しかし、ラーメン業界に限らず、世間全体で景気が悪い場合では、多くの企業が資金を取っておこうとするため大きな出費を避けようとしやすく、ラーメン屋のM&Aの相手が見つかりにくくなってしまいます。

バブル崩壊のように国内だけの話であれば、海外にM&Aの相手を見つけに行くこともできますが、世界恐慌やリーマンショックのときのような世界的な不況に突入したときには、ラーメン屋のM&Aが成立するだけでもラッキーだったと思った方がよいでしょう。

場合によってはM&Aが成立せずに廃業に追い込まれる可能性もあり、資金やラーメン屋オーナーとしての成功など得るものの多いM&Aは非常に難しくなってきます。

 

もしただラーメン屋を手放せればいいという考えではなく、「できるだけ資金を得たい」「経営者としての1つの成功モデルとしてM&Aしたい」というケースでは、何とか不況を乗り越え、景気が良くなるのを待ってからM&Aを実施することを狙うか、潔く廃業を選ぶか、どちらかを選んでみてはいかがでしょうか。

 

ラーメン屋オーナーご自身で判断できない場合は専門家へ

以上、ラーメン屋がM&Aを避けるべきタイミングについて具体例を提示してみましたが、ご自身で判断できない場合は、やはり専門家に一度相談しましょう。

ラーメン屋のM&Aは大きな決断です。

ラーメン屋オーナーの人生においてもビッグイベントとなるでしょう。

しっかり検討されることをおすすめします。

前述したように、M&Aのプロに相談にいってみましょう。

プロもラーメン屋のM&Aに向いていないケースの相談を受けることがあるので慣れていますので、安心して相談できるはずですよ。

 

しかし最後に決断するのはラーメン屋オーナーご自身です。

相談をしている中でなんとなく流されてラーメン屋のM&Aを決断してしまったとならないように、自分の考えを明確にし、M&Aの道に進むか、それとも別の方法を探すか、自身で決めていきましょう。

そのためにも、しっかりラーメン屋のM&Aについて調べて、よく考え、プロに相談するという流れを押さえておきましょう。

後悔のないM&Aになるといいですね。