製薬会社の事業承継はどうすればいい?注意点やポイントは?

会社を経営していく上で、トップに立つ人間には会社の経営資源を守っていく責務があります。

製薬会社は医薬品、研究開発に携わる研究員、取引先の薬局や他業種など、多くの経営資源が携わり構築しています。

なんらかの理由で、経営者が会社から退くことになった場合、経営者や従業員共に、悩んだり、不安な気持ちになったりするかと思います。

そこで、会社運営を大幅に編成する必要がなく、かつ経営者の今後をサポートし、従業員の雇用を守るビジネススキームである「M&Aの事業承継」をご紹介していきます。

 

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事業承継のメリットとは

事業承継とは、文字通り会社などの「事業」を後継者に引き継がせることです。「事業」の中には、会社のブランド、経営権、取引先、信用や負債など、会社の財産とも呼べるものが含まれています。

近年、多くの会社で、M&Aの事業承継で経営戦略を立てるのがスタンダードになってきました

日本国内の製薬会社では、2000年代から大規模なM&Aが行われるようになり、主に新薬の開発のための資金・設備・人員の確保や新規市場の獲得を目的としています。

それでは、製薬会社がM&Aの事業承継を活用することによって、どんな成果が得られるのでしょうか?いくつかのメリットをご紹介していきます。

 

経営に対する重責からの解放

医薬品は景気に左右されにくい商品を取り扱っているので、安定した経営が見込めます。

しかし、時代とともに要求される治療分野の開発リスクが高くなり、ジェネリック医薬品の普及により業界内の利益が減少し、多くの経営者が頭を抱えています。

常時激しく変動する業界の動向をチェックし、競合他社との差別化を図るために、体力面・気力面で高いエネルギー量が要求されます。

経営者が病気や高齢化により会社運営が難しくなった場合、事業承継により、後継者へ引き継がれます。経営者の立場から退くことで重圧から解放されると同時に、事業をそのまま継続させることが可能です。

 

現金を得ることも

事業承継に成功した場合、会社の事業価値を現金に換えることができます

事業ノウハウや評判、顧客などが評価対象となり、上手くいけば一度に多額の現金を手にすることが可能です。

後継者不足などを理由に会社を廃業することになった場合、テナントの原状回復工事で費用がかかります。さらに、経営者が債務を抱えている場合、廃業によって負の遺産を打ち消すことはできません。

事業承継の活用で、会社を売却すれば事業価値に比例した金額を手にすることが可能です。

 

従業員の雇用継続や待遇改善

後継者不足などで会社を廃業することになった場合、従業員は新たに仕事を探さなければなりません。

製薬会社でM&Aの事業承継を行うことで、これまで尽力してくれた従業員の雇用を維持することが可能です。

さらに、新しい後継者の経営戦略が成功すれば、これまで以上の待遇が期待できます。

中でも、特別なスキルを持った人間は、会社の中枢部分となりうる貴重な経営資源として扱われます。

M&Aは、自社よりも大規模な会社に買ってもらうケースが多く、福利厚生の充実やローンが組みやすくなったと待遇の向上が望めます。

売却した企業の従業員にとっては、やりがい、労働環境、待遇、安定性が改善されたかどうかを考える尺度になることが多いです。

 

製薬会社の事業承継を行う際の注意点

従業員や取引先は会社にとって大切な資産です。いざ、M&Aを実施することになった時、取引先との信頼関係が崩れたり、従業員が続々と辞めてしまったりと不安になる経営者が多くいます。

M&Aを実施する際に、大切な資産を守るために、製薬会社の経営者が気を付けおくべき点を2つ挙げたいと思います。

 

事業承継の確定まで従業員や取引先には秘密にする

・従業員への対応

事業承継において、製薬会社を売却する経営者が留意しなければならないことがあります。

従業員や取引先に対して、事業を新しい後継者に引き継ぐことを、事業承継の契約が締結するまで秘密にしておかなければなりません

最終的には伝えなければならないことですが、突然の状況変化に従業員に対して心理的負担をかけてしまいます。早い段階で情報が社内に回ってしまうと、不安な気持にさせた状態で仕事をさせることは、業務の効率を下げかねません。

 

・取引先への対応

従業員は大切な経営資源であることは間違いないですが、それ以上に重要な取引先との関係を継続していくことが大切です。

通常、取引が長ければ長いほど、顧客は事業承継のタイミングに敏感になってきます。事業承継のタイミングをきっかけに、大口顧客との関係を悪化させてしまった例があります。

会社の信頼を損なわない為にも、後継者への取引先情報の引継ぎ、外部の取引先と接触頻度を増やしながら慎重に事業承継を行いましょう。また、古くから信頼関係を重んじる日本人にとって、「根回し」をすることも重要です。

 

・根回しで注意すべき点

①重要人物に相談する前に周囲にいる人間に感触をさぐっておく

②取引先が買い手企業として名乗りを上げ、買いたたかれないように注意する

③売却イコール戦意喪失と勘違いされて取引を縮小されないように気を付ける

 

従業員などに承継する以外にM&Aという手もある

身近な存在である、親族や従業員に承継する方法が一般的だと思っている経営者も、少なくありません。

しかし、親族や従業員に経営者を任せようにも、知識や経験が乏しいことで後継者として選任できずに、廃業の一途を辿る会社も珍しくはありません。

M&Aでの事業承継であれば、業界内で外部から後継者を探し安心して会社を任せられます。さらに、外部からの客観的な視点により、これまで見つけることができなかった、会社の新たな資源を発見できます。

 

製薬会社がM&Aを選ぶ理由

・「市場の拡大」

日本は少子化による人口の減少で、国内市場は縮小傾向にあります。会社の既存事業だけでは経営が難しくなり、多くの企業がM&Aを利用し、新たな市場の獲得を目指しています。

製薬会社も例外ではなく、アフリカや東南アジアへ積極的に市場の拡大を目指し、最新技術を投入することで海外からのニーズにも応えています。

 

・「新薬の研究開発のための設備・費用・人員の確保」

製薬会社は、新薬の研究開発で他社との差別化を図り、市場での地位を獲得していきます。

そこで、M&Aを通じて人員や人手、設備の確保を行い、新薬の研究開発のための開発コストをコントロールします。

近年、ジェネリック医薬品の台頭で新薬の研究開発にブレーキがかかっているのが現状です。オリジナルの医薬品より安く購入することができる、後発品の人気上昇により、製薬会社は新薬研究開発に必要なコストをかけづらくなっています。

M&Aは、年々高まっている新薬研究開発コストの環境整備を手助けします。

 

製薬会社の事業承継を成功させるポイントとは

事業承継でいくつか留意しておかなければならない点があります。これからご説明する要点をおさえておくことで、トラブルなく円滑な事業承継を遂行することが可能です。

 

準備は早めに

後継者探し、抱えている取引先との今後の方針についての擦り合わせなどにかける時間を考えると、M&Aの事業承継では最低でも5年から10年はかかることを想定しておかなければなりません。

例えば、経営者が病気や高齢化による判断能力の低下によって、後継者への引継ぎ、取引先とのやり取りがまごついてしまった場合、その間にも経営業績が悪化し、会社の事業価値が落ちれば満足のいく売却益が得られない場合があります。

そのため、早い段階で事業承継の手続きを行い、経営を立て直す必要があります

 

事業承継計画の基本的な流れ

「現状分析」

・株主の評価額、所有者ごとの持株数の確認

・会社資産の把握

・後継者の承認は取れているか

 

「問題点の洗い出し」

・後継者の教育期間、サポート体制

・株主の移転に伴う税金、弊害の負担

・会社の業績の増減によるタイミング

 

「各種対策の検討」

・社内の組織再編、役所の見直し

・持株会社、従業員持株会社、種類株式、信託など活用

・分散株式の集約化

・非上場株式にかかわる相続時、贈与税の納税猶予の活用

・相続時精算課税制度の利用

 

「代表権・株主の移転」

・一度に全ての株主を移転させることもあれば、複数回に分ける場合もある

 

「元経営者の引退」

・相談役などで残ることもできるが、引退時期については明確に決めておきたい

 

譲歩できない条件を明確に

製薬会社を事業承継で後継者に引き継がせる場合、従業員の雇用継続と待遇、新薬にたいしての投資規模など、会社の方針を守ってくれるのかどうか含め、退く経営者の希望を明確に伝えることが重要です。

事業承継相手との交渉の過程で、どちらかが相手の要望に対して妥協していかなければならない問題が出てきます。

交渉中に妥協する必要がある条件が提示され、返答に時間を要してしまうと交渉が停滞してしまい、最終的には交渉破棄となってしまう可能性があります。

こちらが売却側の場合、事前に譲れない条件を明確化し、売却目的の中でも優先順位をつけておきましょう。あらかじめ、条件を明確化しておけば交渉の混乱を防ぎ、心にゆとりを持つことで、正確な判断と柔軟な対応で話し合いを進めることができます。

 

真の強みを知る

事業承継で売却益を決める基準になるのが事業価値の高さです。

長く取引をしている顧客を持っているのか、新薬の創出に余念がないか、安定且つ完全な供給が行えているかどうか、将来的な伸び代があるのか、などによって会社の事業価値が評価され決定します。

売却する側は、自分の会社にどれだけ魅力があるのか、この機会に改めて知ることで、自社の強みを理解し、事業承継の話し合いの場でセールスポイントとして売り込むことができます。

 

オーナーと後継者と従業員にとって最も良い着地を目指す

会社のトップから勇退する経営者、その跡を継ぐ後継者、会社に残された従業員と、事業承継により、それぞれ新しい生活がスタートします。

経営者は、後継者や従業員のことを考えずに、無責任な退任をしてしまえば、後継者や従業員の不満から仕事に対しての士気が下がり、事業承継後の経営に不安が残ります。

こうならない為にも、後継者への適切な引継ぎ、従業員の声をしっかり聞くことが大切です。新しい後継者は、これまでの会社運営に付加価値を付けて経営を伸ばしていくことで、一日でも早く従業員からの信頼を獲得できるよう努める必要があります。

会社の運営体制が変わったとしても、それぞれの役割をしっかりと果たすことで経営状況を安定させることができます。自分の要望だけでなく、三者が納得できるような事業承継を行いましょう

 

専門家の力を借りる

自社運営をしながら事業承継を行っていては、作業がはかどらず後継者探しにも時間がかかります。どのようにして事業承継を行っていけばいいのか、分からない経営者が多いでしょう。

そこで、手続きの手間や時間を省くためにも、専門家の力を借りましょう。自分が求めている事業承継内容と照らし合わせて、適切な専門家を選ぶ必要があります。

 

・「事業承継アドバイザー」

税務や法務、企業価値評価など、事業承継で必要な知識を学習できる民間資格です。この資格を保持していれば、企業の事業承継に関する知識や有益なアドバイスをします。

 

・「税理士」

事業承継では、会計や税務分野全般に関する業務、中小企業の非公開株式の引継ぎを行います。また、M&Aの事業承継では、税務デューデリジェンスを担い、相手企業の法務上のリスク等を行います。経営に関する知識を併せて持っているので、中小企業にとって、税理士の存在は非常に頼りになります。

 

・「弁護士」

法律全般の知識に関する業務が中心です。M&Aの事業承継では、法務デューデリジェンスを担い、法律関係の各種契約書の作成を行います。当事者間でのトラブルを防ぐ為に、弁護士を頼って事業承継で起こる問題をスムーズに対処することが可能です。

 

・「司法書士」

M&Aの事業承継では、移転登記や債務整理を専門業務としています。依頼する費用が弁護士よりも安いことから、相談しやすい専門家です。

 

・「M&A仲介会社」

中小企業の事業承継では、M&A仲介会社に依頼するのが一般的です。初めのマッチングだけでなく、最後のクロージングまで支援してくれます。業者によっては、多額の着手金や成功報酬等がかかる場合があるので、事前によく検討しましょう。

 

製薬会社の事業承継を検討するなら

会社運営の変遷には大きなリスクが生じます。特に中小企業の製薬会社では、経営者の腕一つで経営を回していることが多いので、焦って事業承継を行ってしまうと失敗に終わってしまう可能性があります。

当事者間だけではなく、専門家などを上手に介して手続きを進めていくことをおすすめします。

M&Aの事業承継を利用する場合、後継者・従業員・取引先などの貴重な会社の資源を失わないよう、慎重に引き際を見極めましょう。

 

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