
保育園経営というのは、通園する子供と親と複数人に対してサービスを行わなければいけません。
待機児童の増加で保育園を増設しようという流れになっていますが、「デリケートなのに重労働である保育園を経営しようと思う方ってそんなにいるのかな?」と疑問に思われるかもしれません。
実際に、保育園を経営しているオーナーも、長年にわたりやりがいをもって取り組んできたけれど、「本当に自分の保育事業が売れるのかな?」と不安に思っている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、保育園においての事業売却についてお話していきたいと思います。
目次
事業売却で保育園オーナーは得をする?
保育園を事業売却することのメリットについてご説明していきます。
金銭的メリット
もし、後継者がいなくて保育園をたたもうと考えているなら、廃業するよりは、事業売却を選択したほうが断然お得と言えます。
廃業するにも設備などを廃棄したり引き取ってもらったりするのに費用がかかります。
不動産などを売却した場合も税金がかかります。
廃業にともなう売却では費用がかかり、また借入金をしていた場合は、受け取った代金から返済する必要もでてきて、手元に残る金額が少なくなります。
昨今、M&Aによる事業売却が増加傾向にある理由の一つがこの手元に残る金額が多くなるという点なのです。
保育園の設備、教育内容、ベテランの保育士などはすべてその保育園の事業価値と評価されます。
すべて「売れる」わけです。
この金銭的なメリットというのは、M&Aでの事業売却のとても大きなメリットと言えます。
精神的メリット
経営者というのは、どんな事業をやっていても常にいろんな悩みがつきものです。
特に保育園というのは、先程もお話しましたが、子供と親にサービスを提供します。
子供と親のケアが必要な事業です。
保育園では常にリスク管理をする必要があります。
外部からの不審者の侵入や盗撮などもあると聞きます。
それをセキュリティシステムの強化、地域の警察と連携して防犯しなくてはなりません。
管理体制をつねに整えておく必要ありますよね。
保育士不足による事故も大きな問題です。
保育士一人当たりに担当する子供の数が多くなるとどうしても手薄になってしまいます。
それが大きな事故へとつながるのです。
常に、安全と健康を考え、そして資金繰りなどの財務面もみなながら経営していく大きな責任が圧し掛かるのが、保育園経営なのです。
少しでも健康に対する不安が出てくると、いつまで事業を続けられるかを考えなければいけません。
また、新しい仕事を始めたくなることもあるかもしれません。
保育園経営の経験をもとに、教育に関する講演会を行っている方もいらっしゃいます。
子供の教育について悩んでいる親がたくさんいます。
保育園での経験を話すことは悩める親にとって重要な処方箋になっているのです。
全国を講演のために飛び回っている「元保育園経営者」は少なくありません。
日々の保育園での仕事はなくなり、今までの経験を話す仕事になり、収入が上がったけど、肉体的・精神的な疲労は減ったという声も聞きます。
保育園の事業売却を検討することで、「自分の子供に同じ苦労を掛けたくない、従業員の中から探すのは難しい」という悩みからの解放と、新しい後継者への事業の引き継ぎを同時にできるのです。
時間的メリット
金銭的なメリットの項目でもお話していますが廃業を選んだ場合、設備の買取は可能か、それとも廃棄なのかを確認する作業や、不動産売却の手続き、また保育園がなくなってしまうのですから、通園しているこどもたちの保護者には早いうちに連絡して周知しておく必要があります。
また役所などの届け出も必要ですし、来年度の入園を取りやめることを地域に連絡する必要があります。
かなり早い時期から準備する必要があります。
しかし事業譲渡を選ぶ場合、譲渡先の決定や譲渡先との交渉さえつつがなく進めばすぐに譲渡可能です。
そのため廃業を選んだ場合に費やすはずだった時間を、自由な時間として得ることも可能です。
その時間を使って、保育園の経営をしていたころには忙しくてできなかったこともやってみる時間がとれるのです。
保育園の事業売却でまず始めにすること
M&Aでの事業売却を検討したら、何から手を付けたらいいのかをご説明していきます。
なぜ事業売却したいのかを明確に
長年経営してきた保育園をどうして売却するのでしょうか?
これは最初によく確認しておく必要があります。
この売却したい理由があやふやだと事業売却したことを後悔してしまうからです。
後で、やっぱり売却しなければよかった。
もっと高くで売れたかもしれないと後悔する前に、売却理由は明確にしておきましょう。
売却完了までの期限を設定する
保育園というのは、年中行事がたくさんあり、また入園式・卒園式という外せないセレモニーがあります。
入園する子供たちの試験なども早い段階から取り掛かる必要がありますよね。
M&Aでの事業売却といっても、完了までは3か月から6か月はかかるとみておいた方がいいです。
入園式の前までには、新しい経営者に変わっておく必要があるのではないでしょうか。
事業売却したら終わりというわけでもありません。
ある程度の引継ぎ期間も必要です。
事業売却の検討を始めたら、財務データ、各種契約書類、園児データ、保育士の人事考課表などをいつでも見られるようにファイリングしておくことです。
資料面を充実させておくだけでも、時間の短縮になります。
売却事業の強みを明確に
保育園の強みといえば、教育方針になるのではないでしょうか。
幼児教育、いうなれば英才教育ですが、音楽や語学や体操などは幼児期の方が身に付きやすいといわれています。
実際に、リトミック教室や英会話教室を保育園内でおこなっているところもあります。
その保育園独自の教育法を持っているということ自体が強みなのです。
事業売却を検討したら、この保育園独自の教育法について再確認しておいてください。
新しい教育法を見つけておくのも事業価値を上げることになります。
専門家の相談・査定を受ける
最近では事業売却は珍しい手法ではなくなってはいるのですが、保育園経営者にとっては、事業売却経験がない方が多いのではないでしょうか。
売却先を自分で探すよりも、保育園の事業売却実績があるエージェントを探すことをおすすめします。
相談の段階では匿名で、無料で対応してくれるエージェントもあります。
保育園M&Aの実績があるエージェントなら、あなたの保育園の事業価値を的確に査定してくれます。
保育業界に詳しい人でないと、保育事業のことを一から説明する必要があります。
本当の保育園の強み、魅力を理解してくれないことも考えられます。
まず、実績のあるエージェントに相談して、あなたの保育園の本当の価値を査定してもらいましょう。
保育園の事業売却を行う際のポイントは
M&Aでの事業売却を成功させるポイントを3つご紹介します。
思い立ったが吉日
先程の項目でも、M&Aでの事業売却を完了させるのに、短くても3か月から6か月かかる考えておくべきとお話しています。
検討したらすぐに取り掛かる必要があります。
長年にわたり育てた保育園事業を売却するのだから、じっくり取り組みたいと思うかもしれませんが、事業売却には相手がいます。
売却先企業です。
相手がいる取引ですからタイミングがとても重要なのです。
あまり長い時間がかかってくると、せっかく本決まりになった事業売却を先方からお断りされる事態もあります。
M&Aというのは企業間の結婚と言われています。
結婚もタイミングがとても大切です。
せっかく出会った運命の相手をみすみす逃してしまわないように、日ごろから準備して、検討したらすぐに行動に出てください。
この瞬発力が、保育園の事業売却を成功へと導きます。
売却確定まで従業員や保護者を不安にさせない
ビジネスの世界では、M&Aは当たり前のビジネススキームになってきていて、自分の事業を売却できるということは、ビジネスの成功者といえます。
しかし、一般にはまだまだ「買収」と聞くと、何となく「乗っ取られて、買いたたかれている」「事業に失敗したのでは?」というイメージがあるのです。
それは間違った解釈です。
もし、早い段階で、自分の子供の保育園が売却されると聞いたなら、転園させたほうがいいだろうかと不安になります。
在籍している保育士も、
「事業がうまくいかなくなったのでは?」
↓
「給料未払いが起こる?」
↓
「新しい職場を探さないと!」
という思考回路になっていきます。
保育士も大切な事業価値の一つです。
事業売却前に、保育士が多数離職されるような事態だけは避けたいですよね。
保育園の事業売却を検討する段階に入ったら、まずオーナーの単独行動をお勧めします。
経理的な資料や契約書、人事の書類などを事務スタッフに指示してすぐに見られるようにファイルしておくことは必要ですが、事業売却の為にと伝える必要はありません。
保育園の資産価値を調べるための、込み入った財務資料も顧問税理士に頼んでおいた方がいいです。
ある程度、自分の保育園の資産価値が判断できたら、まず保育園の事業売却に対する実績豊富なエージェントを探すことです。
そしてここからは、エージェントとオーナーの1:1で事業売却について検討していってください。
売却先が決まってから従業員に話しても遅くはありません。
新しい経営者を紹介するときに保護者に説明しておけばいいのです。
新しい経営者になったからと言って、教育方針は変わらないし、保育士の雇用も継続され、待遇が改善されるとなれば、だれも文句を言う人はいません。
むしろ感謝されることでしょう。
事業売却をした先の目標を決める
後継者不在に悩んで、自分の保育園を手放したけど、少し後悔しているという方もいらっしゃるかもしれません。
今まで忙しく保育園経営をしてきたけれど、事業を第三者へ売却した途端、今まで仕事にかけていた時間を何に使えばいいのかわからなくなってしまうのです。
これは、保育園経営者のみに言えることではありまえんよね。
どうして後悔するのかというと、売却した後の計画をしていないからです。
たくさんの子供たちの教育に携わったという経験はとても貴重です。
最初にお話した、子育て講演会の講師になれば、多数の声がかかることがあります。
また、独自の子育て論を本にすることもできるでしょう。
小学校受験の塾を開業している方もいらっしゃいます。
そういう方たちは、すべて保育園を経営しているときから、この保育園を誰かに引き継いだらその後はどうしようかということを計画していたのです。
保育園の事業売却を考えたら同時に、自分のセカンドステージはどうするのかを並行して考えておくことをお勧めします。
保育園の事業売却の相談先
保育園の事業売却についてお話ししてきました。
まず、事業売却を考えたら、売却先を探すよりも信頼できるM&Aエージェントを探すことです。
事業売却の手順として、最初のころはオーナーの単独行動になります。
この時期に信頼できるエージェント探して1:1のやりとりをする必要があります。
従業員にも話せない時期ですから、真摯に相談にのってくれるエージェントはとても大切な存在です。
保育業界に深い知識と理解があるエージェントと、あなたの大切な保育園の事業価値を正しく判断してくれる売却先を探してください。
東京で保育園の事業売却の相談ができるところとして、M&Aコンサルティング社があります。
匿名での相談、簡易査定の依頼ができるので、まだ保育園事業を売却するか迷っている方でも相談がしやすいです。
「できるだけ高く売りたい」という希望にも応えられるよう、事業価値を最大化させてから売却するサポートを行っています。
ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか?
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