製造業(メーカー)のM&A事例から学ぶ成功のポイント4つ

「製造業を引き継ぐ後継者がいないため、M&Aを検討している」

「だけど、だれに相談すればよいか、何から手をつければよいか全く分からず、実際の事例を学んでみたい」

こんな悩みを抱えている製造業のオーナーもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では、製造業のオーナーがM&Aを選ぶ理由、実際のM&A事例、M&Aを成功させるために押さえておきたいポイントについて解説します。

事業承継のひとつとしてM&Aを検討する際に、ぜひお役立てください。

 

製造業(メーカー)オーナーがM&Aを選ぶ理由とは?

一般的に、製造業がM&Aを行う理由としては、主に次の点などが挙げられます。

・同業種どうしのM&A(水平統合)

・異業種・隣接業種とのM&A

・垂直統合

・事業承継

 

同業種どうしのM&Aにおいては、市場シェアや製品ラインナップの拡大、スケールメリット拡大による仕入れ・調達コストの削減などのメリットがあります。

異業種や隣接業種とのM&Aにおいては、新規事業への参入による売上拡大や、ビジネスモデルの変革などのメリットが挙げられます。

 

製造業に特有の垂直統合においては、たとえば自動車業界において、大手素材会社による中小自動車部品会社の買収による、サプライチェーンの川下(素材)から川上(部品設計)への参入という大きなメリットがあります。

この場合、買収される中小部品会社にとっても、大手企業の資本注入による事業の成長や、後継者問題で悩む中小企業の事業承継などのメリットがあり、買い手と売り手の双方Win-Winの関係が成り立ちます。

 

この例のように、中小企業が事業承継を機に、大手企業の傘下入りを決断するケースが増えてきています。

M&Aによって、個人ではなく第三者である企業に事業承継するメリットとしては、後継者教育が不要なため期間の短縮化と、個人保証などの借金からの解放、事業の更なる拡大などが挙げられます。

買い手にとっても、規模は小さくとも技術力や優秀な人材といった強みがある企業なら、事業拡大やサプライチェーンへ川上への参入を考えている大手企業にとっては大きな魅力です。

 

製造業(メーカー)のM&A事例

それでは、製造業における実際のM&A事例を紹介します。

 

隣接業種とのM&Aによる、ビジネスモデルの変革や付加価値の向上

2018年8月、加工機械大手のアマダホールディングスは、名村造船所の子会社だったオリイメックを、株式譲渡により完全子会社化することを発表しました。

 

アマダHDは金属加工機械の総合メーカーで、板金・切削・研削盤・精密溶接・プレス事業を手がけ、特に板金事業では国内トップシェアを誇っています。

オリイメックは、金属プレス機への材料供給を自動化する装置や、製品を搬送するロボットなど、金属プレス機械の周辺装置における老舗企業(1962年設立)で、2017年12月期の売上高は約90億円を計上しています。

中小型プレス加工機への自動搬送機器の製造、市場ニーズを捉えた商品企画や技術開発、海外支社を通じた国内外の販売ネットワークなどが強みです。

 

アマダが金属プレス機械を提供する自動車業界においては、多品種少量生産や素材の多様化への対応ニーズ、人手不足を背景にした生産ライン自動化へのニーズが高まっています。

そのため、アマダHDはオリイメックの完全子会社化により、アマダHDの金属プレス加工機械とオリイメックの自動化装置を統合したソリューション提供を実現し、プレス事業における競争力向上を目指しています。

これは、加工機械メーカーが隣接業種企業のM&Aによって、ビジネスモデルの変革や自社商品の付加価値向上を図っている事例です。

 

垂直統合による、サプライチェーン川下から川上への参入

2018年8月、化学工業大手の富士紡ホールディングスは、東京金型を、全株式取得により子会社化することを発表しました。

富士紡績HDは、研磨剤・化学工業品・繊維・その他事業を展開するフジボウグループに属する、事業子会社を管理する持株会社です。

東京金型は、プラスチック用金型の設計や製作を手がける、従業員20数名・営業利益約1億円・1971年設立の中小老舗企業です。

自動車部品におけるランプやシートなど内外装での豊富な実績と、電動成形機の自社保有、自前の国内工場に加えてアジアなどの海外協力工場が強みとして挙げられます。

 

富士紡績HDは、研磨剤事業など既に展開している3事業に加えて、4番目の柱事業として「化成品事業」を拡大するための基盤整備中です。

東京金型がもつ金型技術の活用により、射出成形品の品質向上と、金型・射出成形品のセット販売による事業拡大を期待しています。

また、東京金型はこのタイミングで創業オーナーから子息である2代目に代替わりしており、オーナーと親族の計3名の保有株式を富士紡績HDに売却することで、連帯保証や相続税など事業承継にまつわる諸問題も解決しています。

2代目は、以前から東京金型の経営に参画して後継者としての経験を積んでいましたが、親会社である富士紡績HDのサポートのもと、社長として事業展開に取り組んでいます。

 

これは、垂直統合のM&Aによって、サプライチェーンの川下にいる素材会社が、部品設計という川上に参入を図っている事例です。

売り手側の中小企業にとっても、事業承継に加えて、大手の資本注入による事業拡大とメリットは大きいです。

 

同業種どうしのM&Aによる事業承継

A社は創業30年程度の、自動車部品向けをメインに小物プラスチック部品における射出成型を営む、従業員30数名・売上高4〜5億円の中小企業です。

規模は小さくとも、老舗のため取引先を幅広く抱えていました。

しかし、オーナーの高齢化と、売上の約8割にも上る負債を抱え、廃業しても1億円以上の借金が残る事態に悩んでいました。

M&Aなら借金が残らない可能性があるという助言をもとに、藁にもすがる思いでM&Aに臨みます。

 

負債という大きなデメリットがあるため、自社の強みを分析し、デメリットを上回るメリットである「小物プラスチック部品の射出成型技術」「30数名の優秀な人材」「幅広い取引先リスト」を大きくアピールしました。

通常、同業者による買収を嫌うオーナーは多いですが、そうした条件を撤廃し、横軸の同業者中心に声をかけます。

 

その結果、同じくプラスチックの射出成型を営む、従業員90数名のB社が買い手候補として挙がりました。

B社は、現在の事業だけでは売上が打ち止め状態で、新規事業への参入などの必要性を感じていました。

同じプラスチック部品でも、A社は小物メインでB社は大物メインのため、買収によってラインナップの拡大が見込めたのと、人手不足のため優秀な人材がセールスポイントとなり、大きな負債を抱えているにも関わらず事業譲渡が決まりました

 

これは、同業種どうしのM&Aによる事業承継で、廃業を選べば借金が残る状況にも関わらず、全従業員の雇用継続と借金や個人保証からの解放が可能となった事例です。

 

製造業(メーカー)のM&A事例から読み取る成功ポイントとは

ここまで、製造業におけるM&Aの事例を紹介してきましたが、実際に製造業のM&Aを行ううえで、押さえておきたい成功ポイントを解説します。

・取引先の規模や数

・扱う商材の価格

・他社にはない独自の技術や製品

・M&Aの専門家に頼るのもアリ

 

取引先の規模や数

一般的に、製造業のM&Aにおいては、抱えている取引先の規模や数は強みとなります

事例にあったように、規模は小さくとも老舗の中小製造会社で、幅広い取引先と長年取引がある場合は、たとえ負債があっても買い手として手を挙げる企業が現れます。

取引先のリストアップは、M&Aに際して特に専門知識がなくてもできる準備のため、M&Aを考えはじめたら、取引先の企業規模や取引内容、取引年数などを整理することから準備を始めてみるとよいでしょう。

 

扱う商材の価格

仕入先とのコネクションを確立していて、原材料や部品などを通常より少しでも安く仕入れることができる場合は、この点もアピールポイントとなります。

同様に、たとえば部品を作っている場合は、その部品を購入して製造を行っている企業に、M&Aアドバイザーなどの専門家がもつコネクションを通して、仕入れコスト削減というシナジー効果をアピールするのも効果的です。

また、同業者どうしのM&Aを行えば、企業規模の拡大により、大量仕入に伴う仕入コストや調達コストの削減といったメリットを売り手側も享受できるため、M&A後の事業効率化につながります。

 

他社にはない独自の技術や製品

紹介した複数の事例にもあったように、他社にはない独自の技術や製品ラインナップは大きな強みです

オリイメックは、金属加工機械を自動化する周辺装置という強みをもち、本体である金属加工機械を製造するアマダHDとのM&Aにより、本体+周辺装置トータルでの付加価値化に成功しました。

東京金型は、自動車部品における金型技術という強みが、化成品事業というサプライチェーンの川上に新規参入したい富士紡績HDにとっては大きな魅力となりました。

負債を抱えたA社も、小物プラスチック部品の射出成型という独自の技術と、それを支える優秀な従業員が、借金が残る危機からオーナーを救ってくれました。

 

また、垂直統合によりサプライチェーンの川下から川上への参入や、異業種からの新規・隣接事業参入を考えている大手企業のM&Aにおいて、中小企業は、技術に加えて企画力・設計力を求められる傾向があります。

 

製品を高い精度で製造することも大切ですが、もう一歩踏み込みましょう。

たとえば、加工機械メーカーの場合、機械を購入する顧客のニーズがどこにあって、どんな機械またはどんな付加価値を作れば売れるのか、自社で企画と設計ができれば、大きなアピールポイントとなります。

 

加えて、どの製造業も人手不足に悩んでいる昨今、高い技術を支える優秀な人材が求められています。

M&Aにあたって、どんな製造分野を得意とするか、これまでの実績と抱えている人材リストはぜひまとめておきましょう。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

製造業のM&Aにおいては、先述した「他社にはない独自の技術や製品」など、自社の強みを分析して明確化することが必須ですが、オーナーが独力で行うのはなかなか困難です。

オーナーは自社への思い入れが強いため、客観的な目での分析が難しいのと、本格的な事業価値の評価は、未来の事業計画を数期分立案したうえで、フリーキャッシュフローの予測などの専門知識がいるからです。

また、実際に製造業のM&Aを行う場合は、膨大な数の資料が必要となります。しかし、決算書がどこにしまってあるのか把握していないオーナーの方も多いのではないでしょうか。

単に資料を準備すればいいだけではなく、製造業の実態と帳簿上の数字を乖離させない、不正経理や行き過ぎた税金対策を行わないなどの、お金の流れをクリーンにする準備も必要です。

 

どうすればよいか分からない場合は、M&AのプロであるM&Aアドバイザーへの相談をおすすめします

M&Aを機に、客観的な第三者の目で自社の事業を見つめ直すことは、たとえM&Aを選択しなくとも、今後の事業戦略を考えるうえで大きな糧となります。

 

製造業(メーカー)のM&A事例をさらに聞くなら

製造業のM&A事例と成功のためのポイントを紹介してきましたが、中小製造業におけるM&A事例は非公開のケースが多く、大手企業でない限り事例の詳細はなかなか見ることができません。

M&Aの事例をもっと学びたい場合は、製造業に精通しているM&Aアドバイザーへの相談をおすすめします。

M&Aアドバイザーは、独自のネットワークから豊富な事例をストックしているため、自社と状況が似ているM&Aの過去事例などを紹介可能です。

秘密保持のため、ここでは紹介できなかった製造業特有の事情や気になる売却金額も、実際の事例とともに知ることができます。

 

最近は、着手金がいらない成果報酬型が増加しつつあり、製造業のM&Aが確定するまでなら無料で相談可能です。

インターネット上で利用できるため、相談を検討してみてはいかがでしょうか。

 

製造業の事業譲渡をサポートしてくれるアドバイザーを探す場合、初期費用がかからない「完全成果報酬型」の料金体系をとっているアドバイザーがおすすめです。

中でも当サイトがおすすめするスパイラルコンサルティング社は、数々の事業継承ノウハウを持っており、自社の価値を最大化してから売却することを得意としています。

より満足できる事業継承にするためにも、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

 

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