物流事業の事業譲渡【事例から読み解くポイント】

物流業界は、日本だけではなく世界情勢の影響を大きく受けます。そのため、思っている以上に利益が挙がらなかったり、急に業績が落ちたりすることは珍しくありません。そのような不安の中、事業譲渡を検討している経営者は多いのではないでしょうか。事業譲渡のメリットや過去の事例、注意点などを押さえ、理想的な事業譲渡を実現しましょう。ここでは、物流事業の事業譲渡について、事例から読み解くポイントをご紹介します。

 

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物流事業が事業譲渡の道を選ぶメリットとは

物流業界の経営者が事業譲渡を選ぶことで、様々なメリットを得られます。経営者のメリットだけではなく、従業員へのメリットもあるため、詳しく確認しておきましょう。

 

経営のプレッシャーから解放される

事業譲渡するということは、自分は経営者の立場から退くということです。経営者は、会社の代表であり、全責任を負う立場にあります。そのため、経営に大きなプレッシャーを感じている方が多いのではないでしょうか。責任を負うことに慣れていても、継続的にプレッシャーを受け続けることは、精神衛生上よくありません。途中で経営が嫌になり、モチベーションが低下することで、業績悪化に繋がる可能性もあります。

 

そのため、経営のプレッシャーから解放されたいと思ったときは、早めに事業譲渡を検討することが大切です。

 

後継者問題の解決

後継者問題に悩む経営者は多いでしょう。親族内で後継者を探す企業も多いのですが、親族外から探す経営者も増えています。後継者は、経営者としての資質だけではなく、高いモチベーションを持っている必要があります。高いモチベーションを持っていても、経営者の資質が無ければ、会社を任せることはできません。

 

M&Aによって、経営者に相応しく高いモチベーションを持つ人物に会社を譲渡できれば、会社を長く存続させられるでしょう。また、後継者を親族内から選出する場合、相続に関する問題が起こる可能性があります。株式の大部分を後継者に移行させることで会社の権限を渡すため、他の法定相続人が損をすることがあるのです。

 

事業譲渡であれば、相続のことを気にする必要がありません。また、一時的に経営者の立場を親族外の人物に譲り、後から親族内に会社の経営権を戻す契約を交わすことも可能です。

 

事業や店舗の拡大

事業拡大や店舗を増やすことは、業績アップに欠かせません。しかし、そのためには一定の資金が必要です。資金不足の状態で事業拡大や店舗を増やすことをすると、結果的に事業縮小や店舗を減らすことに繋がります。

 

元の状態に戻るだけだから、まずは挑戦することが大切と考える経営者もいますが、利益を得るためには先行投資が必要です。先行投資に使用した資金は戻ってこないため、結果的に損をしたことになります。

 

そのため、十分な準備をしたうえで事業拡大や店舗を増やす必要があります。事業譲渡で大企業の傘下に入ることができれば、巨大な資金力をもって、事業拡大や店舗を増やすことができます。また、事業拡大や店舗を増やすことに関するノウハウを持つ会社の傘下に入ることで、速やかに実現できる可能性もあるでしょう。

 

従業員の雇用安定や待遇改善

従業員のモチベーションを左右するのは、雇用条件です。十分な給与だけではなく、福利厚生の充実などがなければ、経営者の思うように働いてもらうことができません。しかし、昇給制度があるために、給与を据え置きにしなければならない場合があります。

 

企業の資金力が高ければ、十分な給与を支払い、雇用を安定させられます。事業譲渡によって資金力のある会社の参加に入ることができれば、従業員の雇用安定や待遇改善に繋がるでしょう。

 

ただし、従業員の待遇については、会社によって方針が異なります。そのため、事業譲渡の条件の1つに、従業員の待遇改善を含める必要があります。つまり、従業員の待遇改善を約束できない場合は、事業を譲渡しないということです。

 

退任する経営者が従業員の待遇を気にすることはおかしいという考えの方もいますが、これまで育ててきた会社の従業員に良い思いをさせたいと思うことは、自然なことです。

 

譲渡による現金獲得

事業譲渡の際には、売り手が買い手に対して希望譲渡額を提示します。そのままの条件で契約が成立するとは限らず、交渉が必要となることがほとんどです。しかしながら、場合によっては多額の売却益を得られるため、事業譲渡の大きなメリットと言えるでしょう。

 

売却額には、営業権や事業の売上、従業員の数や質など様々な要素が含まれています。特に、営業権には経営者の想いによる金額が含まれており、場合によっては非常に高額となります。

 

売却益は経営者の懐に入るため、使い道を考えておくことが大切です。貯蓄して、第2の人生を有意義に過ごすことも可能です。また、新たな事業を興すための資金にしてもいいでしょう。すでに展開している事業に資金投入し、そちらの事業を発展させていくのも1つの手段です。

 

予め、売却益の使い道を考えておくことで、いくらで売却できればいいかが明白になり、条件を設定しやすくなります。

 

物流事業の事業譲渡の事例

物流事業の事業譲渡を検討している場合は、過去の事例を確認しておきましょう。事業譲渡の成功のイメージがつくことで、前向きに検討できるようになります。また、メリットを実感できることで、重要なポイントが見えてくるでしょう。

 

インターネット業界で絶大なシェアを誇る楽天は、アメリカの物流会社であるウェブジスティックスを買収しています。ウェブジスティックスとしては、有名なインターネット企業の傘下に入れたことで知名度が上がりました。

 

物流のノウハウの入手を求めている会社は多く、物流事業の譲渡はニーズが高いと言えます。逆に、物流会社が他の業界の会社を買収した例も多くなっています。事業譲渡は、売り手だけではなく買い手にもメリットがある方法です。

 

物流会社は、飲食店などとは違い、店舗を増やすことが必ずしもファンを増やすことには繋がりません。そのため、知名度アップや他業界のノウハウの入手などが主な目的となるでしょう。

 

物流事業の事業譲渡の事例から見る注意点

物流事業の過去の事例からは、注意点もみえてきます。事業譲渡を行うことは難しくありませんが、成功するかどうかは別の話です。事業譲渡を成功させるためには、様々なことに注意が必要です。

 

事業譲渡の成功とは、希望売却額に近い額で売却できる、必須条件を買い手が承諾する、従業員や取引先が納得する、手続きが円滑に進むということです。全ての条件を満たすことができれば、経営者と従業員、後継者にとって良い契約となります。

 

事業譲渡の際の注意点を詳しくみていきましょう。

 

ビジネスモデルの収益性や独自性は譲渡額に反映する

できるだけ希望売却額に近い額で売却するために重要なことは、駆け引きではありません。事業の収益性や独自性を譲渡額に反映させることです。買い手企業が求めているのは、事業が持つ収益性や安定性、知名度などです。つまり、これらの水準が低いと、売却額も低くなります。

 

逆に、収益性と安定性が高く、全国的に名の知れた企業であれば、高額で取引できるでしょう。他の物流会社にはないビジネスモデルであるだけではなく、再現性が低く、地位を長く保てることを証明できれば、高額で譲渡できる可能性があります。

 

逆に、誰でも真似しようと思えば真似できるビジネスモデルの場合は、事業としての魅力を感じてもらえず、高値がつかないばかりか、他の会社を買収されてしまうでしょう。

 

譲渡先が必要とするのは数字やデータによる裏付け

どれだけ事業の価値が高くても、それを裏付けできなければ希望売却額は高くなりません。収益性や安定性、独自性などを証明できる数字やデータを提示する必要があります。買い手が求めているのは、一時的な高い収益ではなく、継続的に高い収益を挙げられる会社です。

 

そのため、最近のデータだけではなく、創業当初から収益がわかる資料を用意しましょう。そして、安定性を証明するために、扱っている製品の紹介も必要です。何でも輸送できるのではなく、特定のものを高いレベルで輸送できる会社は、重宝されます。

 

何でもある程度のレベルで輸送できるのであれば、他の会社と差別化ができず、高い評価を得られない可能性があります。例えば、冷凍食品の品質を落とさない適切な管理に基づいた輸送が可能など、独自性をアピールしましょう。そのための設備の詳細がわかる資料なども提示することが大切です。

 

どのような資料が必要かは、アピールポイントによって異なります。どのような資料やデータを提示すればいいかわからなくても、専門家のサポートを受ければ適切に提示できます。

 

長い時間が掛かる場合もある

事業譲渡は、契約書のやり取りで完了しますが、実際に契約を締結させるまでの道のりが長くなっています。早ければ半年程度で事業譲渡できますが、長くなれば1年以上かかるでしょう。このように長い時間がかかる可能性も踏まえ、準備を進めることが大切です。

 

長い時間がかかっても特に問題はありませんが、1年も経つと物流業界に変化が起こり、収益性や独自性が下がる可能性があります。会社が最も波に乗っているタイミングに事業譲渡できるように、できるだけ早く契約締結に進むことが重要です。

 

ただし、焦ってしまうと、条件を妥協しすぎたり、契約内容にミスが起きたりする恐れがあります。そのため、早めに準備して専門家のサポートを受けることをおすすめします。専門家のサポートを受けるかどうかで、結果が大きく変わるでしょう。

 

また、売却益を元手に新たな事業を始めることを考えている場合も、事業譲渡の完了時期をシビアに考える必要があります。事業には参入すべきタイミングがあり、時期を逃すと波に乗れない場合があるのです。また、他の事業に資金投入する場合も、危機に合わせて資金投入する必要があります。

 

事業譲渡は人対人

事業譲渡の契約は、紙の上でのやり取りとなりますが、買い手の担当者も人であることを忘れてはいけません。人であることを忘れて無茶な要求をしたり、横暴な態度をとったりすると、交渉が決裂するでしょう。事業譲渡をするかどうかは、売り手と買い手の双方にメリットがあるかどうかで決まります。しかし、担当者が気持ちのいい対応をしているか、好感を持てるかということも、事業譲渡の成立に影響を及ぼすことを忘れてはいけません。

 

交渉の際には、一方的に条件を提示するのではなく、相手の条件にも耳を傾けることが大切です。また、条件を承諾することが難しい場合は、代わりにこちらも厳しい条件を提示するなど、バランスをとるようにしましょう。相手がこちらの厳しい条件を承諾した場合は、相手が提示した厳しい条件も承諾することが重要です。

 

お互いにとってメリットがある取引になるように前向きな姿勢を持っていることをアピールできれば、相手の担当者も契約に向けて前向きな姿勢を持ってくれるでしょう。

 

物流事業の事業譲渡を行うなら

物流事業の事業譲渡を行うのであれば、事業譲渡の専門家に相談しましょう。事業譲渡に関わる専門家は、税理士や公認会計士、弁護士、コンサルタントなどです。事業譲渡は、簡単に決められることではありません。まずは、現時点で事業譲渡をすべきかどうかをよく考える必要があります。希望売却額に近い額で契約が成立するタイミングで事業譲渡に向けて動きましょう。

 

また、事業譲渡で経営者が変わると、従業員や取引先から反感を買う場合があります。現経営者が理解を求めて行動する必要がありますが、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。事業譲渡の専門家であれば、このような問題も解決できるようアドバイスしてくれます。

 

さらに、希望売却額や条件の提示などの交渉もサポート可能です。こちらが相手のことを想って交渉をしても、買い手企業が一方的に条件を提示するような場合もあります。専門家のサポートを受けることで、うまく駆け引きをして、双方にメリットがある形で契約締結できる可能性が高まります。

 

専門家への相談は無料であることが多いため、気軽に相談できるでしょう。

最後に、当サイトおすすめのエージェントをご紹介します。

 

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