物流事業の事業譲渡を行う前に知っておきたいこと3つ

物流業オーナーに、事業譲渡をしてみようと思ったきっかけについて聞いてみたところ、やはりドライバー不足ということが挙げられます。安全整備の強化、燃料価格の高騰、高速道路使用料の値上げなど、事業継続にあたっての難関は多様化しています。

物流業界を継続していくことは、現代社会ではかなり厳しくなっているのは言うまでもありません。

しかし、物流業界に何も変化がないわけではありません。例えば、以前はドライバーというとやはり男性の仕事というイメージでしたが、最近では女性のドライバーも増えています。求人広告を見ていても、女性歓迎と書いてあるものも見受けられます。
女性の細やかな気遣いなどは、宅配をするときなど個人の家庭へ伺う場合に発揮されるのではないでしょうか。

厳しい状態が続く物流業界ではありますが、女性採用など新しい人材も開拓していく動きが出てきています。

 

今回は過渡期を迎えた物流業界での事業譲渡についてお話していきたいと思います。

 

事業譲渡とは何?

事業譲渡とは、会社の事業を、第三者に譲渡(売却)することです。

譲渡対象は、マンパワー(人;従業員)、モノ(設備、建物、工場)を含みます。売り渡した側の企業は、同じ事業を行うことは制限されます。(会社法:競業避止義務遵守のため)

事業の全部を譲渡することも、一部を譲渡することも選択できます。
また、債務を切り離して譲渡するなど範囲を定めて契約できます。

事業譲渡を行った場合、従業員なら雇用契約、建物なら不動産登記の変更、賃貸借契約などの一つ一つ契約関係を見直す必要あります。そして株主総会での承認も必要となってきます。

 

物流事業の事業譲渡を行う前に知っておくべきポイント

事業譲渡を成功へと導くために、どこに気をつければいいのかをポイントをおさえてご紹介していきます。

 

事業譲渡は専門家を頼ったほうが良い

M&Aのスキームの中でも、事業譲渡は契約関係を一つ一つ見直す必要があるなど、複雑なところもあります。

行政書士や税理士、司法書士などプロに任せてもいいのですが、M&Aの専業エージェントを探してみるのもおすすめです。

M&Aに関する専門家ですから、あらゆる手法を熟知しています。どのスキームが合うかも探してくれますし、事業同士の相性がよい企業を見つけることもサポートしてくれます。すべてのことに関して任せることができますから、初めて事業譲渡に取り組むときは本当におすすめです。

 

事業価値が高くても譲渡先に伝わらなければ意味がない

事業譲渡においては、自社の事業価値を譲渡先に伝える必要があります。そういった部分についても、先ほどお話したM&Aエージェントに仲介してもらうことでスムーズに行うことができます。

物流業界の事業譲渡に実績があるエージェントですと、事業価値について深く理解していますから、その会社の強みを早い段階でつかみます。そして事業同士の相性がよい企業に効率的に伝えてくれます。

凄腕のエージェントを探すことで、事業価値を「伝える」部分は強力にサポートしてもらえますが、そもそも自社がどんな事業価値を持っているかについては、やはりオーナーがしっかり認識しておく必要があります。ここだけは他社に負けないサービスができるというところは、強くアピールしてください

日ごろから大切に育てている事業です。事業の強みに関しては常に見つけておくようにしましょう。事業価値を高めるということは、事業譲渡したときに受け取る金額がその分高くなるということもお忘れないように。

 

事業譲渡を行う目的があやふやだと譲渡後に後悔しやすい

まずどうして事業譲渡することになったか?を何度もオーナー自身で確認しておく必要があります。

そのオーナーによってさまざまな事情があり事業譲渡することになったと思います。

 

《事業に失敗したから事業譲渡するということではない》

事業譲渡するのは、事業がうまくいかなくなったからだと考えてしまうオーナーも中にはいらっしゃるかもしれません。

現況で、物流事業というのは、人手不足、また勤務しているドライバーの高齢化などいろいろな問題が起きています。仕事量は増えているのに、ドライバー不足が深刻化している状態です。そのため事業をたたむしかないと考えてしまうわけです。

しかし、大切に育てた事業というのは、必ず買いたいという企業が出てくるのです。

事業譲渡するのは事業に失敗したからだ、という考え方は少し間違っています。むしろその事業は成功しているといえるのです。なぜならお金を出してまでも事業を買いたいという希望者がいるからです。

 

《なぜ事業譲渡するのか?理由から目的を導き出す》

事業譲渡を検討するときに、まず、なぜ譲渡するかの理由を再確認していただきたいのです。

・仕事の受注はあるけれど、従業員が不足している
・年齢的に、健康問題が出てきて現場に出てオーナー自ら働くことが難しくなった
・そろそろリタイアしたいけど、従業員のために事業はそのまま続けたい
・物流業以外にも事業を行っていて、他の事業に集中したくなった

などが挙げられるのではないでしょうか。

どれも深刻な理由があっての事業譲渡ということになったのです。理由がはっきりしてくると、目的が見えてきます

健康問題が出てきたからリタイアしたい

リタイアしたいけど従業員を路頭に迷わせるわけにはいかない

事業は継続したい

第三者へ事業譲渡したい
という流れになってきます。大きな理由があるからこそ、事業譲渡を行う目的が生まれるのです。

そして、事業譲渡を検討したときから、何度も目的を見直していただきたいです。最終的な目的がしっかり決まっていたら、事業譲渡が完了してから後悔するということはありません。

 

物流事業の事業譲渡を行う手順

M&Aの中でも事業譲渡は複雑なスキームであるとお話しました。

この項目では、事業譲渡の手順について順を追って説明していきます。

 

事業譲渡する相手を見つける

まず、相手先を見つけなければ話になりません。

見つけ方というのは、難しいものです。同業者がいいのかなと思って、加入している組合などに相談したり、取引先銀行へ相談したりという方もいらっしゃるのですが、すぐに見つかるとは思います。今は事業を買いたいという企業は、思いのほか増加しているのです。

しかし、知り合いなどに頼む場合や、買い手企業も知り合いという場合ですと、意外に気を遣ってしまうものです。条件が合わないと思って、もう少し待ってほしいということを言いにくかったりします。M&Aはビジネスライクに行きたいものです。

先程の項目でもお話していましたが、まず頼りになるエージェントを見つけることをお勧めします。

物流業界の事業譲渡経験のあるエージェントをさがしましょう。業界の動向に深い理解を持っているスタッフが在籍しています。

そして、事業譲渡する上での条件について徹底的に話し合いをします。

買い手を見つけるうえで、特に注意する点は
・資金力があって、従業員の雇用が継続できること
・ある程度業界に理解があり、スピーディな意思決定ができること
・お互いの事業内容に互換性があり、相性が良いこと
などが挙げられます。

 

譲渡先候補から意向表明書をもらう

この項目での注意点は、早い段階で1社に絞り込んでしまわないことです。

先程もお話した通り、今は、買い手側が多くて、売り手市場なのです。

本当にこちらの条件を受け入れてくれるか、また、その資金力があるのかどうかをじっくり検討する必要があります。

そして、この1社だ!と決めたら、まず書面で意向表明書をもらいます

口約束でも民法では契約は成立しますが、かならず後でもめないように、「買いたい」という意思を書面でもらっておくようにします。
この意向表明書を受け取ると、ここからは売り手と買い手と1対1の交渉となっていきます。

 

基本合意書の締結

買い手から受け取るのが意向表明書でしたが、今度はお互いに事業譲渡の意思があることを書面でもって表示します。
お互いに合意をしていますが、これで事業譲渡が決まったわけではありません。双方の意思の確認という工程になります。
お互いに事業譲渡をすることを認め合ってから、いよいよ事業譲渡の山場であるデューデリジェンスへと移っていきます。

 

デューデリジェンスの実施

事業譲渡では、ここまではスムーズに進みやすいのですが、この「デューデリジェンス」は、揉めたりといったトラブルが起きやすいのです。
なぜかというと、今までは口頭で対応する部分が多かったのですが、ここでは全て書類で証明することになります。言っていたことと違うじゃないか!ということが起こりやすいのです。

デューデリジェンスの際は、基本的には以下の書類をそろえておく必要があります。財務的な書面は、顧問税理士と相談して作成して貰うようにしましょう。

・監査基準日現在の試算表を会計事務所に準備してもらう
・試算表に関して内訳明細書も準備する
・定期預金に関しては、銀行に残高証明書を作成してもらう
 (金融機関によっては、作成できる日数が違ってきますから早めに依頼しておきましょう)
・土地建物など資産に関する権利書を準備しておく
・車両などの車検証・自動車任意保険もすべてチェックしてそろえておく
・株主総会、役員会議事録はすぐ見られるようにしておく
・総勘定元帳、補助元帳などもすぐに見られるよう準備する
・生命保険も監査基準日の解約返戻金を生命保険会社に計上してもらう
・小切手、手形(現物)と手形帳も照合して説明できるようしておく
・事業に伴う各種許可証

 

買い手側としては、事業を譲渡された後は、引き続き経営していかなければいけません。そのため、本当に価値のある事業なのかどうかを、財務諸表類、税務申告書、契約書関係から読み取っていきます。

これらの書類は、買い手側にとって重要なものですから、買い手側からチェックのための人員が送られて、すべてチェックしていきます。かなり厳しくチェックされると想定しておいた方がいいでしょう。上記の書類をそろえるときは、買い手側の立場になって作成されることをお勧めします。

 

契約書の締結

最後の山場といえる「デューデリジェンス」が無事済めば、あとは契約書を交わすだけです。

もうM&Aを登山にたとえるなら8合目まで登り切ったことになります。

契約書のひな型は無料でネットなどでも手に入ることができるようになっていますが、あまりおすすめできません。やはり大切な事業を譲渡する内容ですから、プロ(弁護士、司法書士)にお願いする、またはM&Aエージェントなど仲介業者にをお願いすることをお勧めいたします。

 

株主総会の承認

事業譲渡を行う場合、この株主紹介の承認が必要となってきます。

中小企業だと株主=社長という場合も多いですし、登記されている役員も身内が兼任していることが多いのではないでしょうか。

日ごろから、今後の経営について役員会議を行っておいて、事業の譲渡について検討しておくことをお勧めします。

さきほどご紹介したデューデリジェンスでの必要書類についても日ごろから役員、経理担当を交えて打ち合わせを重ねることで書類も充実させることができます。

事業譲渡が終了するまで数か月、半年くらいは必要です。しかし普段から経理面や今後の経営について把握して、話し合いをしておくことで、スムーズに事業譲渡を行うことができます。

 

引継ぎを行う

経営者も新しい譲渡先に出向いて、引継ぎを行うことがあります。

取引先や従業員との対応についても、元オーナーが間に入ってもらえると、新しいオーナーにとってはとても助かります。譲渡の条件に盛り込んでくる買い手側も多数おられます。

この条件によっては、元のオーナーがそのまま会社に残って業務を行う場合もあります。引継ぎ期間を超えてもそのまま会社に残ることを希望するオーナーもいらっしゃいます。譲渡が完了したらもう終わりだと思わずに、従業員や取引先の為にもしっかりと引継ぎを完了させるようにしましょう。

 

物流事業を事業譲渡するならまずは相談

M&Aによる事業譲渡を検討しているなら、M&Aエージェントに相談することをおすすめしています。これは本当に重要なことです。買い手先企業を探すよりも先にエージェントを見つけることから取り掛かっていただきたいのです。さきほど契約書の締結のところでもお話していますが、契約書の作成方法などもプロならではのアドバイスを受けることもできます。

事業譲渡を的確に完了させるためにも、相性が良いM&Aエージェントを見つけて、まず相談してみてください。参考に、おすすめのエージェントを紹介します。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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