居酒屋のM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい5つのポイント

「居酒屋のM&A?」

普段友人や同僚と楽しく過ごすための場として個人相手に提供されている居酒屋と、企業同士の取引であるM&Aがセットになっていると、何だか想像しづらいと思う方もいるかもしれません。

しかし居酒屋の経営者の方にとっては当然のことですが、居酒屋もひとつの企業や事業。

M&Aを実施することができるのです。

 

そこで今回は居酒屋のオーナーの方向けに、M&Aを検討する際に気をつけたいポイントをまとめてみました。

 

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目次

居酒屋のM&A

M&Aとは

M&Aは、会社同士の合併買収のことで、合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の頭文字をとったものです。

複数の会社が合併して一つになったり、別の会社をある会社が買収してグループ参加にすることなどを指します。

 

M&Aというと敵対的M&Aや経営が立ち行かなくなった企業が身売りするイメージを持っている方も多くいらっしゃいますが、実は明るい将来のための経営戦略のひとつでもあります。

もしM&Aに対して暗いイメージを持っているとしたら、続きを読む前にそのイメージを取り払ってください。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

一般的に、事業譲渡や株式譲渡を行う場合は、譲渡する会社と譲渡される会社の両方にメリットがあります。

譲渡する会社のメリットとしては、次のようなものがあります。

 

  • 後継者問題が解消して、社会的な信用を保った状態でリタイアが安心してできる
  • 従業員を廃業に伴い解雇しなくて済む
  • 担保や個人保証が外せる
  • 将来的な事業の不安が無くなる
  • 利益を創業者として獲得できる

 

一方、譲渡される会社のメリットとしては、次のようなものがあります。

 

  • 新しい顧客、優れた人材、新しいノウハウなどが獲得できる
  • 飛躍的に事業の成長スピードをアップできる

 

居酒屋がM&Aを行うケース

M&Aを居酒屋が行うケースとしては、次のようなものがあります。

居酒屋のオーナーで次のようなケースに該当する場合は、M&Aについて一度検討してみましょう。

 

後継者がいない

居酒屋で事業譲渡や株式譲渡を行うメリットとして、特に後継者問題の解決は大きいです。

現在、団塊世代の大量リタイアと少子化の2つが進むことで、引き継ぎたくても引き継げず、廃業を選ぶ方が多いという問題があります。

それを解決するのが事業譲渡や株式譲渡なのです。

 

想像してみてください。

居酒屋を経営している方にとって、いつかはリタイアする日がやってきます。

もしかしたら生前のうちに後継者に引き継ぐかもしれませんし、人生が終わるそのときまでオーナーを続けるかもしれません。

しかしその後も順調に会社が存在し続けられるとは限りません。

生前のうちに引き継ごうと思っても後継者が見つからないかもしれません。

亡くなったあと、遺産として引き継いだ配偶者や子どもが、居酒屋経営を望んでいない可能性もあります。

子どもが居酒屋を引き継ぐことを良しと思っていても、病気や家族の都合で突然継げなくなってしまう可能性だってあります。

経営が傾き従業員のクビをきらなくてはいけない状況に追い込まれたり、引き継いだ家族がよく分からずに不適切な相手に売ってしまったりする可能性もあります。

お店の常連客にとってもそれは悲しいことです。

 

そのようなことにならないために、自分が元気なうちに、自分の居酒屋をM&Aによって次世代に引き継ぐという決断が重要です。

 

アーリーリタイアしたい

M&Aは、居酒屋のオーナーを早い時期にリタイアしたいケースでも有効です。

そしてリタイア後にもお金は必要です。

のんびり過ごすのもひとつですし、新たな事業を始めることもできます。

M&Aで居酒屋を売却できれば、アーリーリタイアした後のためのお金を入手することができます。

どの程度のお金が入手できるかは違ってきますが、最低でもそのまま居酒屋を畳むよりはメリットがあります。

経営がうまくいっている会社や事業をM&Aで手放し、多額の現金を得て、海外に移住されるオーナーも少なくありません。

そういった居酒屋の元オーナーの話を聞いて、自分もお店を手放してアーリーリタイアしたいなと思う方もいます。

最初からアーリーリタイアを視野に入れて起業している経営者の方もいます。

居酒屋をM&Aで手放すということは、決してネガティブなことではなく、人生の次の楽しみを見つける一つの手段と言えるのです。

 

健康問題で経営を続けられない

健康状態が、居酒屋のオーナーであるときに悪くなる場合もあるでしょう。

飲食業はどうしても体力も時間も必要な仕事であるため、長年の負担が原因で体を壊してしまうことがあります。

どうしても経営を継続できない場合は、誰かに居酒屋を譲渡したり、アーリーリタイアしたりすべきです。

もし命に関わるような病気を患ってしまったら、仕事よりも家族と過ごす時間を優先したいと思う方は多いでしょう。

居酒屋をM&Aで第三者に委ねることで、自身は家族との時間をとれるようになります。

M&Aは、このようなケースでも利用することができます。

 

自分の居酒屋は信頼できる従業員や子どもに引き継がせたいと考えているオーナーも多くいます。

しかし、急に入院したり、病気になったりするなどもあり得ます。

従業員や子どもを経営者が務まるように育てるには時間が掛かり、計画を立てて何年も前から引き継ぎを行う必要があります。

急な健康状態の悪化では従業員や子どもを次の経営者として育てている猶予はありません

そのようなときでも、社外の第三者に目を向けてみれば、すでに経営能力のある人が見つかります。

 

今後の経営に希望が持てない

将来的にも経営が上手くできるか心配な場合も多くあるでしょう。

飲食業界や競争が激しく、1年後にはお店がなくなっているということも普通です。

取扱っている料理や食品のブームが起これば客数が増えて多くの利益を出せるかもしれませんが、飲食のブームは一過性で終わるものが多く、ブームの後も人気が安定することは少ないのです。

また居酒屋のような外食産業は景気の影響を受けやすく、少子化によりますます経済活動が縮小していくことが予想される日本では、「景気はだんだん良くなっていくだろう。大丈夫」と楽観的に構えていられる状況ではありません。

居酒屋も例に漏れません。

経営のプレッシャーが大きく、むしろやる気に繋がるのであればいいのですが、そうではない方もいます。

さらに普段はやる気にあふれていても、プライベートでショックなこと、例えば家族を亡くすなどということがあれば、そのストレスで居酒屋経営を続ける余裕がなくなることもあります。

今後に希望が持てない経営者のもとでは、従業員も生き生きと活力をもって働くことができません。

それが居酒屋の雰囲気を悪くさせていき、客足が遠のき、また経営者や従業員の士気が下がるという負のスパイラルに陥ることもあります。

 

このような場合は、居酒屋のM&Aを検討してみましょう。

資本力のある企業に売却すれば、その豊富なリソースで経営を安定化させてもらえるかもしれません。

そうなれば従業員も安心して働けますよね。

さらに今までは限られた店舗でしか提供できなかったお店の味が、全国チェーンとして日本中で楽しまれる可能性もあるのです。

自分が開いたお店、もしくは親や祖父母の代から代々経営してきた居酒屋を第三者に譲ってしまうことに後ろめたさや悲しさを感じるかもしれませんが、自身が限界にきているのに無理をして経営を続けるよりも、経営できる人に譲渡した方が経営者自身も従業員も、そして居酒屋を訪れるお客にとってもハッピーな結果となる可能性が高いのです。

居酒屋の経営に限界を感じるのであれば、オーナー自身のためにも、周りのためにも、M&Aを検討してみるべきです。

 

店舗拡大のための資金や人員が足りない

もし自分の手で店舗を拡大させたい、もっと大きくしていきたいと思っている場合にもM&Aは有効です。

前の項目にも関係しますが、資金や人材の面で買い手企業から支援を受けることができます。

M&A後は必ずしも現オーナーは引退しなければいけないわけではありません

グループの一員として残り、さらなる飛躍を求めて活躍する方もいます。

すでに全国チェーン展開している飲食店を持つ企業に譲渡することで、自身のお店も同様に全国展開していくことも可能です。

一人で1つの店舗を経営しているときはうまくいっていても、店舗を増やそうと3店舗、4店舗と増やしていくと一人では管理しきれなくなるときがきます。

全国展開なんて夢のまた夢。

オーナー以外に店舗経営を回していける人が必要です。

オーナーひとりでは不可能だったことも、居酒屋のM&Aという道を選択することで可能になります。

居酒屋をもっとこうしたい、という夢を叶えるためのM&Aというケースもあるのです。

さらに複数の飲食店を運営している企業がM&Aの相手であれば、材料の確保におけるコストダウンや店舗経営・人材採用ノウハウまで共有することができ、ただ事業や居酒屋を成長させるだけでないメリットも得られます。

 

居酒屋のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

居酒屋のM&Aでは、オーナーが次のようなメリットを得ることができます。

 

心理的負担の軽減

居酒屋のM&Aによって現オーナーがリタイアする場合に、経営や後継者についての心理的な負担を軽くすることができます。

上手くM&Aができると、自分がリタイアした後も居酒屋は継続することができます。

従業員の雇用の問題や、お客様の期待に対して裏切ることがなく、安心してリタイアすることができます。

精神的なプレッシャーから解放されることで、心身ともに健康でいられます。

体調が悪かったオーナーは回復のための時間をとれるのです。

 

金銭的メリット

居酒屋のM&Aのメリットとしては、居酒屋の譲渡によって金銭的な対価が買い手側から得られることもあります。

居酒屋の譲渡によってリタイアするときに対価が入手できると、将来的な暮らしの不安も軽くすることができます。

また、退職金として、M&Aの際に社員がもし辞める場合でも払うことができます。

 

居酒屋のM&Aの場合は、譲渡対価のみが金銭的なメリットではありません。

居酒屋を辞める場合は、実際には辞めるためにかかる費用も考慮する必要があります。

居酒屋を辞める際に費用としてかかるものは、お店の原状回復のためのものがあります。

居酒屋の状態によっても、原状回復のための費用は違ってきますが、相当かかる場合もあります。

しかい、居酒屋のM&Aであれば店舗も経営権とともに引き継ぐため、このような原状回復のための費用がかからないこともあり得ます。

 

また居酒屋をそのまま子どもに相続するよりも、現金化して相続した方がより多くのお金を子どもに残せることがあります。

相続では相続税が発生する場合もあり、居酒屋をお店のまま相続する場合は、その価値に対する相続税を現金で用意しなくてはなりません。

現金が用意できなければ結局居酒屋を譲渡したり、土地建物を売却したりして対応しなければならず、相続する前に現金化しておけば相続する側の手間も減ります。

 

新事業への挑戦や引退後の生活

居酒屋のM&Aによって、リタイアした後の暮らしを楽しんだり、新しいビジネスにチャレンジしたりすることもできます。

というのは、M&Aで入手した譲渡対価を使用すると、リタイアした後の生活費や新しいビジネスをスタートするお金を貯められるからです。

居酒屋を廃業してしまうと、辞めるための費用がかかるために、リタイアした後に余裕がある暮らしをしたり、新しいビジネスをスタートしたりするのは困難になります。

居酒屋とは違ったお店をやってみたいと考えた場合は、単純に居酒屋を畳まずM&Aがおすすめです。

M&Aによって他の人に居酒屋を譲渡すれば、選択肢がその後の暮らしにおいて拡大します。

 

M&Aで居酒屋を譲り受ける側の理由とは?

居酒屋オーナーがM&Aを選択する理由やメリットについてご紹介しましたが、M&Aで譲り渡す側がいるなら、もちろん譲り受ける側が存在するはずです。

譲り受ける側は、なぜM&Aで居酒屋を譲り受けようと思うのでしょうか?

もし居酒屋をM&Aで譲渡するなら、相手側の背景を理解しておくべきでしょう。

次はM&Aで居酒屋を譲り受ける側の理由を紹介します。

 

飲食店を運営しており、運営ノウハウを応用したい

すでに飲食店を運営している企業にとって、順調にいっている他の飲食店の運営ノウハウは非常に興味のある対象です。

そのお店でしか通用しないノウハウもありますが、他の飲食店でも応用が効くノウハウもあります。

そこでM&Aで他のお店を譲り受けて、運営ノウハウを手に入れ、運営する他の飲食店に応用します。

その対象として居酒屋がM&Aで譲り受けられるのです。

居酒屋に考えられる強みとしては、客単価が高い、集客力がある、スタッフが少なくても店舗運営ができる、オリジナルの人気メニューがあるなどが考えられます。

それらを実現できている方法について、どれも他の居酒屋・飲食店にとって気になるものなのです。

 

飲食店を運営しており、出店地域を広げたい

居酒屋だけでなく飲食店を経営していると、まずはある地域の周辺からお店を増やしていく、というケースがほとんどです。

すると、ある都道府県の中では店舗数があり知名度もある、という状況になります。

そのような居酒屋やその他飲食店を経営している企業は次に他の県や地域に進出しようとし、進出先の地域に同じように根ざしている居酒屋とM&Aすることで、その地域への進出を果たそうとするケースがあります。

その地域に根ざした居酒屋であればすでに集客ができている状態ですので、居酒屋に来たお客に対して「グループ店が開店する」とビラや卓上のチラシを使って告知したり、グループ店で使えるクーポンを配布したりすることで、一から進出するよりも集客がしやすくなるのです。

また忘年会や新年会のシーズンは予約が集中しやすく、もとからその地域にある方の居酒屋に予約の電話が入ったとき、満席だったとしてもグループ店を紹介してそこに人を入れることができます。

このように出店地域を広げたい場合に、進出する予定の地域の居酒屋をM&Aで譲り受け、既存の居酒屋やその他飲食店の進出のための土台をつくるのです。

 

飲食店を運営しており、人材を獲得したい

飲食業はブラック業界のイメージが強く、働く先としての人気はイマイチです。

特に居酒屋の場合は、お酒が入って酔っ払ったお客を相手にする仕事ですので、あまりやりたくない、と思っている人も少なくありません。

外で客引きをするにしても夏は暑く冬は寒い、厨房の調理スタッフは大量の注文を抜けなく捌くために頭と体をフル回転。

よほど飲食業の仕事、居酒屋の仕事に興味があるという人や、シフトの融通を利かせたい人、まかない目当ての人などではないと、他にも候補があるのにわざわざ居酒屋で働こうとは思わないのです。

そこで居酒屋やその他飲食店を運営する企業に「人材確保」という課題が生じてしまいます。

M&Aで居酒屋を譲り受ければ、そこで働く従業員ごと譲り受けることもできます。

また、譲り受けた居酒屋とその他の飲食店の採用を一本化することで、コストを抑えることもできます。

 

既存事業とのシナジーを望んでいる

M&Aを行うことで得られるメリットの1つに既存事業とのシナジーがあります。

例えば、新鮮な魚介を仕入れるルートを持っている寿司屋を運営している企業が居酒屋を譲り受ければ、その居酒屋にも新鮮な魚介を使ったメニューを出すことができます。

逆に居酒屋のサラダのオリジナルドレッシングがおいしくて人気なら、他の飲食店にもそのドレッシングを提供することができます。

他にもラーメン屋を運営する企業が居酒屋を譲り受ければ、同じビルに居酒屋とラーメン屋を入れて、居酒屋の後にしめにラーメン屋に寄ってもらう導線設計が可能です。

食品加工業の企業が居酒屋を譲り受けて、メニュー開発の場として居酒屋を活用することもできます。

このように別の事業とあわせることで新たな価値が生まれる可能性があります。

 

経営の多角化によりリスクを抑えようとしている

事業を複数もつことで、企業はリスクを抑えることができます。

ある事業の業績が悪くなっても、他の事業で補填できるからです。

消費税増税や景気悪化などの理由により、居酒屋は厳しい状況に陥いることはありますが、「食」という人が生きる限り必要な分野、そして同僚や友人との交流や会社の接待などに使われやすい居酒屋は、完全にお客がゼロになる、ということは考えにくいビジネスです。

景気の影響を受けて多少業績に波はあるでしょうが、需要がゼロにならないという点に魅力を感じ、展開する事業の1つに欲しいと考える企業も存在するのです。

 

居酒屋のM&A事例

居酒屋がM&Aを実施する理由やメリット、そして譲り受ける側が譲り受ける理由をご紹介したところで、居酒屋のM&A事例をいくつかご紹介したいと思います。

実際にこんな居酒屋のM&Aが実施されているんだなと、参考になれば幸いです。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社ビー・ワイ・オーの場合

株式会社ビー・ワイ・オーは、和食居酒屋「えん」や「おばんざい・炙り焼き・酒 菜な」などの複数の飲食店ブランドを持つ企業です。

2018年に日本KFCホールディングスとM&Aを実施し、株式の25%を譲渡して資本業務提携を結びました。

日本KFCホールディングスは新たな事業機会やシナジーを創出して両社ともに中長期的な企業価値向上を狙い、M&Aの実施に至ったとのことです。

株式会社ビー・ワイ・オーは和食居酒屋だけでなく、和食を中心に提供する「だし茶漬けえん」や「おぼんdeごはん」などの飲食店も駅ビルなどに出店しており、和食ブームによる今後の株式価値の上昇が起これば、資産的にも日本KFCホールディングスのメリットのあるM&Aとなるでしょう。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社湯佐和の場合

神奈川県で「寿司・居酒屋海福」や「寿司居酒屋太郎丸」、「海鮮居酒屋いろは丸」を運営する株式会社湯佐和は、2018年に株式会社ジー・テイストとM&Aを実施し子会社となりました。

株式会社湯佐和は地域密着型の経営をしており、神奈川県内の三崎漁港や長井漁港の買参権を保有している強みがありました。

譲受先の株式会社ジー・テイストは、居酒屋「とりあえず吾平」や大衆居酒屋「村さ来」など複数の業態の飲食店を運営しています。

しかし外食産業における人材確保の難しさ、価格競争などにより、ブランド力や価格競争力、サービス力の向上がより必要となっていました。

そこで株式会社ジー・テイストは、株式会社湯佐和の持つ朝どれ魚を店舗で提供や地域密着型の店舗展開のノウハウを活用し、今後の外食産業で生き残っていく道を選びました。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社エムアンドオペレーションの場合

居酒屋「Repas de Naoshima」を運営する株式会社エムアンドオペレーションは、2018年に飲料事業や珍味事業を主力とする石垣食品グループに株式を譲渡し子会社となりました。

石垣食品グループの飲料事業や珍味事業は苦戦が続き、新たにインターネット通信販売事業やワインバーの出店などで業績を回復させようとしてきました。

このインターネット通信販売事業やワインバーの事業基盤を強化するために、居酒屋等の飲食店を運営する株式会社エムアンドオペレーションを子会社にし、人材育成や店舗運営のノウハウを獲得することが狙いでした。

このM&Aは株式会社エムアンドオペレーション側にも、創業者に依存した経営体制から脱却し、事業運営の幅を広げて成長性を拡大させるというメリットがあります。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社ジョースマイルの場合

熊本県で飲食店を複数運営する株式会社ジョースマイルは、2019年3月にSFPホールディングス株式会社とM&Aを行い、連結子会社となりました。

株式会社ジョースマイルが運営する居酒屋ブランドは多数あり、「居酒屋こもれび屋」「居酒屋ひゃくしょう茶屋」「居酒屋麦うさぎ」「海鮮居酒屋前川水軍」「元祖居酒屋一番星」などがあり、熊本県内に複数の店舗を構えていました。

熊本県在住の方や熊本県に行ったことのある方はご存知の居酒屋があるかもしれませんね。

譲受先となったSFPホールディングス株式会社は鳥良や磯丸水産など多数のチェーン居酒屋を運営する企業です。

居酒屋以外にもカフェや焼肉、バイキングレストラン等の飲食店ブランドを有しています。

SFPホールディングスでは地方で長く飲食店を運営している企業を主な対象に、「SFPフードアライアンス構想」を基にアライアンスを組み、業態やナレッジの共有を図る動きをとっています。

株式会社ジョースマイルが運営する居酒屋は熊本県内での店舗展開となっていたため、SFPホールディングス株式会社とM&Aを実施することで、両社のブランドを熊本県だけでなく九州や全国へ広げていくための準備が整いました。

SFPフードアライアンス構想では、SFPホールディングス株式会社とアライアンスを組んだ企業同士でもナレッジ共有を行っていくため、シナジーを生んでともに事業を成長させていくことができます。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社クルークダイニングの場合

前述した株式会社ジョースマイル以外に、SFPホールディングス株式会社がSFPフードアライアンス構想を基にM&Aを実施した居酒屋運営会社は他にも存在します。

株式会社クルークダイニングは長野県で多数の飲食店を運営する企業で、居酒屋では「長野といえば、BANIKUMAN」や「鶏とハイボール銀八」があります。

2019年7月にSFPホールディングス株式会社と資本提携を結び、長野県でSFPホールディングスが運営する居酒屋「磯丸水産」などを出店し、逆に株式会社クルークダイニングが運営する飲食店ブランドをを関東や全国に広げていく予定です。

このようにSFPホールディングス株式会社は積極的に居酒屋運営会社とのM&Aを進めているため、今後も同様のアライアンスが組まれていくと予想されます。

 

居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント5つ

居酒屋のオーナーは、M&Aによって先にご紹介したようなメリット享受することができます。

しかし、居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイントもあるため注意する必要があります。

ここでは、居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイントについてご紹介しましょう。

居酒屋のM&Aを実施する際には、いずれのポイントも大切です。

 

まずは居酒屋を本当に譲渡してもいいのか考える

M&Aで居酒屋を譲渡すれば、お金も自由な時間も手に入れることができます。

そのため「居酒屋をM&Aで譲渡してもいいかも」と思うかもしれません。

しかし「いいかも」という気持ちでM&Aを進めてはいけません。

一度譲渡してしまったら、もう二度と居酒屋を取り戻すことはできない可能性があるからです。

お金と交換に居酒屋を第三者に譲渡したら、買い戻すにはそのお金と同額、場合によってはそれ以上の金額が必要な可能性があります。

居酒屋を始めたときには、始めたい理由があったはずです。

その理由が今はもうなくなったというのでないのなら、「M&Aで譲渡してもいいかも」と思っている段階ではその気持ちを忘れているだけで、M&A後にその気持ちを思い出すかもしれません。

「M&Aをするんだ!」という決意なしに居酒屋のM&Aを進めれば、後悔する可能性が高く、しっかり検討する必要があります。

 

準備は早めに

居酒屋のM&Aの場合は、可能な限り準備は早めに行うようにしましょう。

譲渡先がすぐに決まるとは限りません。

居酒屋のM&Aには長い時間がかかることを考慮して、早め早めに動くことをおすすめします。

ついつい経営をしながらM&Aについて考えるとなると、日々の忙しさからM&Aの準備を後回しにしてしまうものです。

しかし余裕をもってM&Aを実行に移すためには、けっして後回しにせずに取り組みましょう。

もしこれから居酒屋を開こうと思っているのなら、開店当初から「M&Aという選択をすることがあるかもしれない」と思って経営するとよいでしょう。

急に体を壊したり、家族の都合で居酒屋の経営を続けられなくなったときに慌てずにすみます。

M&Aを実施するには、帳簿をきれいにつけておくことや店舗の運営フローを整えていくことが重要です。

今までそれらができていなかった居酒屋をきれいに整理していくには根気と時間が必要です。

開店当初から第三者に譲渡できるような状態に整えておくと急な事態にも対応できます。

 

売却事業の強みを明確化する

M&Aの場合は、売りたいと考えている居酒屋がどのような強みを持っているかをはっきりとさせておきましょう。

居酒屋の強みと言うと、例えば、立地が良くて駅に近い、設備は最新のものが備わっている、多くの固定客がついている、バイトだけでも回せるなど、いろいろなことが考えられます。

何が自分の居酒屋の強みなのか、どこを強調してM&Aの相手に伝えるかで、相手にとって居酒屋の価値が変わります。

居酒屋の強みをはっきりさせておくと、短い期間で譲渡先が探せたり、可能な限り譲渡対価を高くすることができたりします。

 

もし今の時点で競合他店舗と比較し、あまり強みといえる点がないのであれば、強みを新たに作っていくことが必要です。

例えば常にオーナーがいないとお店が回らないという居酒屋は、M&Aの相手にとっては譲り受けるメリットがあまりありません。

バイトでも、誰でもお店を回せる仕組みを作る必要があります。

M&Aを決断した時点では強みがなくても、強みを作っていく中で経営状況が改善され、より高額で譲渡できるケースもあります。

居酒屋のM&Aでは強みを明確にする、そしてなければ作るということが重要なポイントとなります。

 

譲れない売却先の条件を明確化する

どうしても譲れない売却先の条件を明確化することも大切です。

長年お客さんから愛されてきた店のコンセプトを変えるのだけは避けたい、看板メニューは残したい、従業員の待遇について改善したいなど、M&Aによって手元から離れてもどうにかしたいと思っていることがあるでしょう。

手塩にかけて育てたといってもいいお店です。

愛着があっても当然です。

 

また、居酒屋の良さをつぶしてしまうような相手にM&Aで譲渡すると、今まで通ってきてくれたお客さんが「味が変わった」「好きだった居酒屋ではなくなった」と思って離れていってしまう可能性があります。

M&Aの相手にとっても良い結果にならないようなM&Aなら、断られた方が良いのです。

「違う」と思ったら勇気をもって断ることも必要です。

 

もちろん、買い手企業の都合を無視した希望を押し通すことはできません。

もしどうしても譲れない条件に対して、買い手企業が認めないという姿勢を貫くのであれば、別の買い手企業を探すのもひとつの選択肢です。

M&Aが決定し契約を結ぶまではやり直せます。

 

事業成長のためのM&Aにおいて相手企業の事業との相性は重要

和食居酒屋や海鮮居酒屋など、特徴のある居酒屋が存在し、取扱うメニューやお店の雰囲気がことなります。

居酒屋のM&Aでは、M&Aの相手となる企業選びは重要です。

シナジーを生むために、譲受先も飲食店を運営している企業であるならお互いのメニューをそれぞれの店舗で提供する余地があるか、運営会社が同じになることでコストダウンなどのメリットや店舗運営のノウハウなど横展開が可能かなど、M&A後に具体的にどのようなメリットが見込めるか、検討する必要があります。

 

居酒屋のM&Aを相談するなら

居酒屋のM&Aを検討している場合は、M&Aのプロのアドバイザーのところに行きましょう。

居酒屋のオーナーの中には、M&Aのプロのアドバイザーに相談すると費用や時間がかかるため止めようと、考える人も多くいるようです。

しかし、ひとりで経営をしながらM&Aを成功させるのは難しいことです。

専門知識もM&Aの経験もない人が居酒屋のM&Aを行うのは非常にハードルの高いことです。

そもそも居酒屋の譲受先を見つけるのも困難です。

無闇に周囲に「買ってくれないか」と相談すれば、「あそこの居酒屋はうまくいっていないらしい」と噂がたち居酒屋の価値が下がってしまうため、仮にM&Aの相手が見つかっても安く買い叩かれてしまいます。

M&Aの登録サイトに登録しても、より良い相手を見つけて譲渡するまでに、結局はアドバイザーの力が必要です。

居酒屋のM&Aを決断したときから、プロに相談しておくことがおすすめです。

きちんとしたアドバイザーに相談すれば、「やってよかった」と思えるM&Aも実現できるでしょう。

 

居酒屋のM&Aの相談を行っているアドバイザーは複数います。

例えば東京のスパイラルコンサルティング社は飲食業界のM&Aに強く、過去にはラーメン業界でニュースになるほどの高額なM&A案件の支援を行っています。

居酒屋のような外食産業特有の経営事情にも詳しく、居酒屋のM&Aで問題になりがちな点も熟知しています。

M&AはM&Aの知識だけでなく、譲渡する会社や事業の業界知識も必要です。

居酒屋のM&Aの場合は、飲食業・外食産業のM&Aに詳しいプロに相談してみましょう。

スパイラルコンサルティングは事業価値を高めることで売却額も高くする「スケールM&A」を行っていますので、今の状態では売れないのではないか不安に思っている方でも、一度相談してみるといいでしょう。

費用はM&Aが成立するまでゼロの成果報酬型ですので、相談で費用を請求されることもありません。

相談しても損はないわけですから、少しでも居酒屋のM&Aに興味があるのなら、気軽に相談してみることをおすすめします。

後悔しないためにも、最後まで妥協せずに居酒屋のM&Aに向き合っていきましょう。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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