居酒屋のM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい6つのポイント

「居酒屋のM&A?」

普段友人や同僚と楽しく過ごすための場として個人相手に提供されている居酒屋と、企業同士の取引であるM&Aがセットになっていると、何だか想像しづらいと思う方もいるかもしれません。

しかし居酒屋の経営者の方にとっては当然のことですが、居酒屋もひとつの企業や事業。

M&Aを実施することができるのです。

 

そこで今回は居酒屋のオーナーの方向けに、M&Aを検討する際に気をつけたいポイントをまとめてみました。

 

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目次

居酒屋業界の現状

居酒屋業界のM&Aについて知る前に、まずは居酒屋業界の現状をチェックしておきましょう。

居酒屋業界の現状を知ることで、居酒屋のM&Aの背景を理解しやすくなるはずです。

 

外食産業は横ばいだが、居酒屋業界は市場規模縮小!?

外食産業全体の市場規模を見ると、縮小している時期もありますが、全体的に横ばい傾向です。

しかし居酒屋業界を含む飲料主体の外食産業は、やや縮小傾向にあります。

外食とひとくちにいっても様々。

最近では「飲みニケーション=古い価値観。無駄なもの」というイメージも強くなってきており、居酒屋の利用シーンが減少している傾向にあります。

また、リーマンショック以降の不景気は、サラリーマン層の財布の紐を固くしてしまい、居酒屋業界を苦しい状況にしているのです。

ただ直近では売上が回復しつつある、という報告も上がってきています。

居酒屋といえば夕方から朝にかけて営業し、お酒を提供する場所、というイメージですが、最近ではランチ営業をしたり、未成年の若者に対する飲食店としてのサービス提供(もちろんアルコールは提供しません)をしたりして、新しい顧客を獲得していこうという動きを見せています。

このような各社工夫によって、お酒離れが指摘されている現在でも、居酒屋業界を保てているのです。

非常に人気があって盛り上がっている業界、というわけではありませんが、飲んだり食べたりという人の生活に欠かせない面でサービス提供をする居酒屋は、今も昔も一定の需要があるといえそうです。

 

居酒屋では働きたくない!?

それでは居酒屋で働く人はどうでしょうか?

残念ながら、居酒屋含む飲食業界に対するイメージは悪く、長時間労働のブラックな仕事とイメージする人が多い傾向にあります。

ただでさえ飲食業界はきついというイメージがある中で、とくに居酒屋はアルコールが入ることでお客がトラブルを起こしやすく、正社員として就職したくないと思っている学生も少なくありません。

  • お客が酔って暴れたり、喧嘩になったりする
  • お客が酔って店員に絡む
  • お客が吐いてトイレが詰まってしまい、その処理を居酒屋店員が行う
  • 泥酔したお客が救急搬送される

などお酒にまつわるトラブルがつきものです。

店長などの正社員が勤める立場では、責任も重く、業務も多く、過重労働で倒れてしまう人もいます。

しかも、それでけ大変な仕事でも給料は他の業種に比べて低い傾向にあり、他の業界で採用されないから居酒屋で働く、というような人もいる状況です。

最近では外国人労働者が多く採用されるようになってきており、日本人の間での不人気がうかがえます。

一方で、シフト制勤務を採用している居酒屋が多く、好きな時間にアルバイトやパートとして働くことができるため、学生や何か夢を追っている人にとっては働きやすい場所でもあるのも事実です。

また正社員でも、居酒屋の仕事が好きで、いつか自分のお店を持ちたいと思って、居酒屋で頑張って働いている人もいます。

居酒屋業界は、働く人からの人気・不人気が極端に分かれる業界といえるでしょう。

ただ全体的には、人気のある業界とはいえません。

 

個人経営の居酒屋と居酒屋チェーン店

「自分のお店を持ちたい!」という人にとって挑戦しやすい居酒屋業界。

しかしお店を開いたものの、1年もせずに閉店に至ってしまうケースは少なくありません。

そこで、一時期、大手居酒屋のフランチャイズオーナーになる人も増えてきました。

しかしフランチャイズ営業も軌道にのっているお店とうまくいかないお店に極端に分かれやすく、結局撤退してしまう人が多い状況です。

一方で、大手居酒屋チェーンであれば、一定の味を保った安い料理やお酒が提供されるため、消費者側からみると個人経営の居酒屋よりも入りやすさがあります。

どこにいってもいつものあの味、があれば、安心して入店できますが、個人経営の居酒屋だと、新しくお店を開拓するのにはエネルギーが必要です。

簡単にさっと入って一杯飲むなら大手飲食チェーンで十分なのです。

そのため、ほとんど大手居酒屋チェーン店が業界シェアを獲得してしまっており、ある程度人気がある中規模の居酒屋は、事業拡大の途中で大手居酒屋チェーン店の傘下に入ることも珍しくありません。

 

居酒屋業界は○○ホールディングスvs○○ホールディングスの争い!?

前述したように、ある程度規模のある居酒屋は大手居酒屋経営の企業に買収され、さらに大きな居酒屋経営企業が生まれつつあります。

そのような複数の大手居酒屋経営企業同士のシェアの奪い合いとなってきており、一から居酒屋をオープンして一社だけで大きくなろうというのは、今後ますます厳しくなっていくでしょう。

そのため、生き残るためにはそのような大手居酒屋経営の企業から評価されるくらいに、経営を安定化し、売上を生み出す必要があります。

それは簡単なことではありません。

しかしそれさえできれば、あとは居酒屋を売却してアーリーリタイアすることも可能といえるでしょう。

居酒屋業界で成功する希望は低いものの、決して希望がゼロとはいえません。

 

今後の居酒屋業界の課題

今後の居酒屋業界の課題は、いかに居酒屋需要を高めていけるか、また他の居酒屋に対して差別化を図れるか、という点が挙げられます。

しかし居酒屋の需要は景気に左右されやすく、居酒屋業界だけでどうにかできるものではありません。

そこでランチ営業や今までの居酒屋ターゲット層以外の顧客獲得などのような、新たな需要を見つけ出すことが鍵となります。

そのためには、居酒屋とは異なる形態の飲食店とのシナジーや、新たな利用シーンの創出など、チャンスを逃さない視点が必要です。

場合によっては飲食業以外の企業が居酒屋経営の企業と協業を望む可能性もあります。

昔からのありきたりな形だけでは、今後の居酒屋経営は厳しくなっていくでしょう。

また、大手居酒屋経営企業のように、複数の居酒屋が1つにまとまることで、コストを抑えていくことも重要です。

 

この記事では、そんな居酒屋業界における今後の活路として、「居酒屋のM&A」について詳しくご紹介していきます。

居酒屋オーナーで、今後の経営について不安を抱えている方や、今後業界で人気の居酒屋をバリバリと経営していきたいという方の参考になれば幸いです。

 

居酒屋のM&A

M&Aとは

M&Aは、会社同士の合併買収のことで、合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の頭文字をとったものです。

複数の会社が合併して一つになったり、別の会社をある会社が買収してグループ参加にすることなどを指します。

 

M&Aというと敵対的M&Aや経営が立ち行かなくなった企業が身売りするイメージを持っている方も多くいらっしゃいますが、実は明るい将来のための経営戦略のひとつでもあります。

もしM&Aに対して暗いイメージを持っているとしたら、続きを読む前にそのイメージを取り払ってください。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

一般的に、事業譲渡や株式譲渡を行う場合は、譲渡する会社と譲渡される会社の両方にメリットがあります。

譲渡する会社のメリットとしては、次のようなものがあります。

 

  • 後継者問題が解消して、社会的な信用を保った状態でリタイアが安心してできる
  • 従業員を廃業に伴い解雇しなくて済む
  • 担保や個人保証が外せる
  • 将来的な事業の不安が無くなる
  • 利益を創業者として獲得できる

 

一方、譲渡される会社のメリットとしては、次のようなものがあります。

 

  • 新しい顧客、優れた人材、新しいノウハウなどが獲得できる
  • 飛躍的に事業の成長スピードをアップできる

 

日本のM&Aの件数は?

果たして日本企業が関わるM&Aは、1年間でどのくらいの件数があるのでしょうか。

 

年間で10件、100件、1,000件、10,000件、100,000件・・・・・・、どのくらいだと思いますか?

一度頭の中でM&Aの件数を予想してみてください。

 

予想できましたか?

それでは答えです。

 

直近、2019年では4,000件以上のM&Aが実施されました。

予想よりも多かったでしょうか、少なかったでしょうか?

バブル前には年間数百件だったM&Aですので、なぜここまで伸びたのか、背景が気になるところですね。

日本企業が1年間のうちに関わったM&Aの件数は、昭和以前にも若干伸びつつも、バブル崩壊後に一気に増加していくようになりました。

リーマンショック後に一度減少傾向を見せますが、再び増え、2019年には4,000件を突破、5,000件もあと少しというところまで来たのです。

このようなM&Aの件数の変動の背景には何があるのでしょうか。

 

1つ目は景気です。

企業活動は当然のことながら、景気の影響を受けます。

バブル崩壊後やリーマンショック後は景気が悪く、そもそも倒産してしまう企業も多かったため、M&A件数は落ち込みます。

しかしその後、何とか生き残った企業が、さらに存続していくためにM&Aの道を選びます。

とくにリーマンショック後はIPOのハードルが上がってしまい、経営者の出口戦略としてM&Aを選択しやすくなったのです。

 

2つ目は少子化です。

以前の日本では、会社は創業者の子どもや孫などの親族が継ぐ、親族内承継が一般的でした。

しかし少子化により、後継者になれるような親族がいないという問題が増えているのです。

親族内承継以外に多かった、従業員による承継ですが、それも景気悪化と少子化により難しくなっています。

景気が悪くなればリストラや転職などで1社にずっと勤めるような人材は少なくなります。

そして少子化のため、人材自体が少なくなってきています。

そんな中で企業経営を任せられるような人材を自社内で見つけることが非常に難しくなってきているのです。

業績が好調でも、後継者がいないことで会社をたたむことを選択する経営者もすくなくありません。

しかしM&Aで他社に譲渡すれば、後継者問題を解決し、会社を残すことができます。

親族内承継や従業員による承継が減ってきた分を埋めるために、M&Aが増えてきているのです。

 

そして3つ目はグローバル化です。

先ほど紹介した2019年のM&A件数ですが、これは日本企業が“関わった”M&Aの件数なので、もちろん海外の企業が関わっているM&Aも含まれます。

アメリカでは昔からM&Aが多かったため、グローバル化が進むことで、アメリカのような海外企業との間でM&Aが進むことは当然のことでしょう。

 

M&Aの件数増加による影響

M&Aの件数増加によって、影響を受けた市場があります。

それはM&A市場です。

何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、以前の日本ではM&Aの件数が少なかったことにより、M&A市場が未成熟だったのです。

そもそも広く市場が認知されていたかというと疑問になる程度にです。

しかし年間4,000件のM&Aが行われるのであれば、もちろん多額の資金が動きますから、M&A市場もにぎわいも見せます。

以前よりもM&Aの仲介業に進出する企業も増えてきています。

インターネット上で会社を譲り受けたい企業と譲渡したい企業がマッチングできるようなプラットフォームも生まれました。

 

そうなってくると、次に起こるのが更なるM&Aの件数増加と、市場参入業者の増加です。

一度このようなスパイラルができれば、M&A市場は自然と成長していくことになります。

2019年は4,000件程度のM&Aがありましたが、今後ますます件数が増加していくことが予想されます。

 

M&Aは良い面ばかりではない!気をつけるべきことは?

M&A市場が成長することで、多くのお金が動くようになりました。

それに気づいた人たちには、良い人もいれば悪い人もいます。

詐欺師というものは、基本的にお金の集まる場所に集まります。

彼らのお金に対する嗅覚は非常に鋭く、一度儲かる場所だと認識されてしまえば、そこはカモを見つけるための場所となってしまうのです。

つまりM&Aを検討中の経営者は仲介業者を冷静に見極めなければなりません。

 

M&Aの仲介業者を選ぶなら、身元の確かな企業を選びましょう。

つまり上場企業や会計事務所、弁護士事務所によるM&Aの仲介を選ぶのです。

それらの企業が悪いことをすれば、失うものが大きいからです。

そして、基本的にそういった仲介会社は経験が豊富です。

企業価値を適切に判断してくれますし、判断するためのスキルも経験もあります。

経営者の方も、譲渡益が高くなるのであれば嬉しいですよね。

現金を手にすることがM&Aの目的ではない経営者でも、譲渡益が多いことにこしたことはありません。

しかしM&Aの経験に乏しい仲介業者の場合、この譲渡益の算出を正しく行えない可能性があります。

現在売上がそこまでない企業でも、業界に将来性があり、今後ますますの発展が望めるのであれば、譲渡益は高くなる傾向にあります。

そのような現時点で分かる企業の価値とは別に、将来的な価値を組み込んで、企業の値を算出する必要があるのです。

本来はもっと手にすることのできた資金を、M&Aの仲介業者選び1つで失ってしまわないように、しっかり検討を重ねましょう。

 

ただし1つ注意すべきことなのが、「適切な仲介業者選びができたからといって、M&Aの譲渡益が高額になるわけではない」ということです。

“適切”な値段がつくのです。

会社自体に大きな価値がないと判断されれば、譲渡益も大きな金額にはなりません。

現在M&A市場に多くのお金が集まっていますが、必ずしも1件1件のM&Aで発生する金額は大きいとは限らないのです。

もし資金を得ることを1番の目的としてM&Aを選ぶのであれば、価値が高いと思われるビジネスを創出しなければなりません。

 

M&Aの基本的な点を押さえた上で、それではここからは居酒屋のM&Aに絞って説明していきましょう。

M&Aの基本を知った上で居酒屋のケースを知ることで、より理解が深まるはずです。

 

居酒屋がM&Aを行うケース

M&Aを居酒屋が行うケースとしては、次のようなものがあります。

居酒屋のオーナーで次のようなケースに該当する場合は、M&Aについて一度検討してみましょう。

 

後継者がいない

居酒屋で事業譲渡や株式譲渡を行うメリットとして、特に後継者問題の解決は大きいです。

現在、団塊世代の大量リタイアと少子化の2つが進むことで、引き継ぎたくても引き継げず、廃業を選ぶ方が多いという問題があります。

それを解決するのが事業譲渡や株式譲渡なのです。

 

想像してみてください。

居酒屋を経営している方にとって、いつかはリタイアする日がやってきます。

もしかしたら生前のうちに後継者に引き継ぐかもしれませんし、人生が終わるそのときまでオーナーを続けるかもしれません。

しかしその後も順調に会社が存在し続けられるとは限りません。

生前のうちに引き継ごうと思っても後継者が見つからないかもしれません。

亡くなったあと、遺産として引き継いだ配偶者や子どもが、居酒屋経営を望んでいない可能性もあります。

子どもが居酒屋を引き継ぐことを良しと思っていても、病気や家族の都合で突然継げなくなってしまう可能性だってあります。

経営が傾き従業員のクビをきらなくてはいけない状況に追い込まれたり、引き継いだ家族がよく分からずに不適切な相手に売ってしまったりする可能性もあります。

お店の常連客にとってもそれは悲しいことです。

 

そのようなことにならないために、自分が元気なうちに、自分の居酒屋をM&Aによって次世代に引き継ぐという決断が重要です。

 

アーリーリタイアしたい

M&Aは、居酒屋のオーナーを早い時期にリタイアしたいケースでも有効です。

そしてリタイア後にもお金は必要です。

のんびり過ごすのもひとつですし、新たな事業を始めることもできます。

M&Aで居酒屋を売却できれば、アーリーリタイアした後のためのお金を入手することができます。

どの程度のお金が入手できるかは違ってきますが、最低でもそのまま居酒屋を畳むよりはメリットがあります。

経営がうまくいっている会社や事業をM&Aで手放し、多額の現金を得て、海外に移住されるオーナーも少なくありません。

そういった居酒屋の元オーナーの話を聞いて、自分もお店を手放してアーリーリタイアしたいなと思う方もいます。

最初からアーリーリタイアを視野に入れて起業している経営者の方もいます。

居酒屋をM&Aで手放すということは、決してネガティブなことではなく、人生の次の楽しみを見つける一つの手段と言えるのです。

 

健康問題で経営を続けられない

健康状態が、居酒屋のオーナーであるときに悪くなる場合もあるでしょう。

飲食業はどうしても体力も時間も必要な仕事であるため、長年の負担が原因で体を壊してしまうことがあります。

どうしても経営を継続できない場合は、誰かに居酒屋を譲渡したり、アーリーリタイアしたりすべきです。

もし命に関わるような病気を患ってしまったら、仕事よりも家族と過ごす時間を優先したいと思う方は多いでしょう。

居酒屋をM&Aで第三者に委ねることで、自身は家族との時間をとれるようになります。

M&Aは、このようなケースでも利用することができます。

 

自分の居酒屋は信頼できる従業員や子どもに引き継がせたいと考えているオーナーも多くいます。

しかし、急に入院したり、病気になったりするなどもあり得ます。

従業員や子どもを経営者が務まるように育てるには時間が掛かり、計画を立てて何年も前から引き継ぎを行う必要があります。

急な健康状態の悪化では従業員や子どもを次の経営者として育てている猶予はありません

そのようなときでも、社外の第三者に目を向けてみれば、すでに経営能力のある人が見つかります。

 

今後の経営に希望が持てない

将来的にも経営が上手くできるか心配な場合も多くあるでしょう。

飲食業界や競争が激しく、1年後にはお店がなくなっているということも普通です。

取扱っている料理や食品のブームが起これば客数が増えて多くの利益を出せるかもしれませんが、飲食のブームは一過性で終わるものが多く、ブームの後も人気が安定することは少ないのです。

また居酒屋のような外食産業は景気の影響を受けやすく、少子化によりますます経済活動が縮小していくことが予想される日本では、「景気はだんだん良くなっていくだろう。大丈夫」と楽観的に構えていられる状況ではありません。

居酒屋も例に漏れません。

経営のプレッシャーが大きく、むしろやる気に繋がるのであればいいのですが、そうではない方もいます。

さらに普段はやる気にあふれていても、プライベートでショックなこと、例えば家族を亡くすなどということがあれば、そのストレスで居酒屋経営を続ける余裕がなくなることもあります。

今後に希望が持てない経営者のもとでは、従業員も生き生きと活力をもって働くことができません。

それが居酒屋の雰囲気を悪くさせていき、客足が遠のき、また経営者や従業員の士気が下がるという負のスパイラルに陥ることもあります。

 

このような場合は、居酒屋のM&Aを検討してみましょう。

資本力のある企業に売却すれば、その豊富なリソースで経営を安定化させてもらえるかもしれません。

そうなれば従業員も安心して働けますよね。

さらに今までは限られた店舗でしか提供できなかったお店の味が、全国チェーンとして日本中で楽しまれる可能性もあるのです。

自分が開いたお店、もしくは親や祖父母の代から代々経営してきた居酒屋を第三者に譲ってしまうことに後ろめたさや悲しさを感じるかもしれませんが、自身が限界にきているのに無理をして経営を続けるよりも、経営できる人に譲渡した方が経営者自身も従業員も、そして居酒屋を訪れるお客にとってもハッピーな結果となる可能性が高いのです。

居酒屋の経営に限界を感じるのであれば、オーナー自身のためにも、周りのためにも、M&Aを検討してみるべきです。

 

店舗拡大のための資金や人員が足りない

もし自分の手で店舗を拡大させたい、もっと大きくしていきたいと思っている場合にもM&Aは有効です。

前の項目にも関係しますが、資金や人材の面で買い手企業から支援を受けることができます。

M&A後は必ずしも現オーナーは引退しなければいけないわけではありません

グループの一員として残り、さらなる飛躍を求めて活躍する方もいます。

すでに全国チェーン展開している飲食店を持つ企業に譲渡することで、自身のお店も同様に全国展開していくことも可能です。

一人で1つの店舗を経営しているときはうまくいっていても、店舗を増やそうと3店舗、4店舗と増やしていくと一人では管理しきれなくなるときがきます。

全国展開なんて夢のまた夢。

オーナー以外に店舗経営を回していける人が必要です。

オーナーひとりでは不可能だったことも、居酒屋のM&Aという道を選択することで可能になります。

居酒屋をもっとこうしたい、という夢を叶えるためのM&Aというケースもあるのです。

さらに複数の飲食店を運営している企業がM&Aの相手であれば、材料の確保におけるコストダウンや店舗経営・人材採用ノウハウまで共有することができ、ただ事業や居酒屋を成長させるだけでないメリットも得られます。

 

居酒屋のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

居酒屋のM&Aでは、オーナーが次のようなメリットを得ることができます。

 

心理的負担の軽減

居酒屋のM&Aによって現オーナーがリタイアする場合に、経営や後継者についての心理的な負担を軽くすることができます。

上手くM&Aができると、自分がリタイアした後も居酒屋は継続することができます。

従業員の雇用の問題や、お客様の期待に対して裏切ることがなく、安心してリタイアすることができます。

精神的なプレッシャーから解放されることで、心身ともに健康でいられます。

体調が悪かったオーナーは回復のための時間をとれるのです。

 

金銭的メリット

居酒屋のM&Aのメリットとしては、居酒屋の譲渡によって金銭的な対価が買い手側から得られることもあります。

居酒屋の譲渡によってリタイアするときに対価が入手できると、将来的な暮らしの不安も軽くすることができます。

また、退職金として、M&Aの際に社員がもし辞める場合でも払うことができます。

 

居酒屋のM&Aの場合は、譲渡対価のみが金銭的なメリットではありません。

居酒屋を辞める場合は、実際には辞めるためにかかる費用も考慮する必要があります。

居酒屋を辞める際に費用としてかかるものは、お店の原状回復のためのものがあります。

居酒屋の状態によっても、原状回復のための費用は違ってきますが、相当かかる場合もあります。

しかい、居酒屋のM&Aであれば店舗も経営権とともに引き継ぐため、このような原状回復のための費用がかからないこともあり得ます。

 

また居酒屋をそのまま子どもに相続するよりも、現金化して相続した方がより多くのお金を子どもに残せることがあります。

相続では相続税が発生する場合もあり、居酒屋をお店のまま相続する場合は、その価値に対する相続税を現金で用意しなくてはなりません。

現金が用意できなければ結局居酒屋を譲渡したり、土地建物を売却したりして対応しなければならず、相続する前に現金化しておけば相続する側の手間も減ります。

 

新事業への挑戦や引退後の生活

居酒屋のM&Aによって、リタイアした後の暮らしを楽しんだり、新しいビジネスにチャレンジしたりすることもできます。

というのは、M&Aで入手した譲渡対価を使用すると、リタイアした後の生活費や新しいビジネスをスタートするお金を貯められるからです。

居酒屋を廃業してしまうと、辞めるための費用がかかるために、リタイアした後に余裕がある暮らしをしたり、新しいビジネスをスタートしたりするのは困難になります。

居酒屋とは違ったお店をやってみたいと考えた場合は、単純に居酒屋を畳まずM&Aがおすすめです。

M&Aによって他の人に居酒屋を譲渡すれば、選択肢がその後の暮らしにおいて拡大します。

 

M&Aで居酒屋を譲り受ける側の理由とは?

居酒屋オーナーがM&Aを選択する理由やメリットについてご紹介しましたが、M&Aで譲り渡す側がいるなら、もちろん譲り受ける側が存在するはずです。

譲り受ける側は、なぜM&Aで居酒屋を譲り受けようと思うのでしょうか?

もし居酒屋をM&Aで譲渡するなら、相手側の背景を理解しておくべきでしょう。

次はM&Aで居酒屋を譲り受ける側の理由を紹介します。

 

飲食店を運営しており、運営ノウハウを応用したい

すでに飲食店を運営している企業にとって、順調にいっている他の飲食店の運営ノウハウは非常に興味のある対象です。

そのお店でしか通用しないノウハウもありますが、他の飲食店でも応用が効くノウハウもあります。

そこでM&Aで他のお店を譲り受けて、運営ノウハウを手に入れ、運営する他の飲食店に応用します。

その対象として居酒屋がM&Aで譲り受けられるのです。

居酒屋に考えられる強みとしては、客単価が高い、集客力がある、スタッフが少なくても店舗運営ができる、オリジナルの人気メニューがあるなどが考えられます。

それらを実現できている方法について、どれも他の居酒屋・飲食店にとって気になるものなのです。

 

対象になりやすい居酒屋の例として、 ノウハウがその居酒屋だけでなく、他の飲食店でも応用できる居酒屋が挙げられます。

例えば、注文をすべてタブレット端末にして人件費を抑える、というノウハウなら、他の飲食店でも応用しやすいです。

しかし、お店の中に釣堀があって自分で魚を釣って調理してもらえるという、実際にある居酒屋はそのおもしろさが一種の集客ノウハウであるのですが、焼肉屋で同じように牛を放牧しておいて捕まえてその肉を食べる、という風には横展開できませんよね。

むしろ一切のお客が来店しなくなる恐れがあります。

このように、独自ノウハウを持っていても、それが他でも応用できる・横展開できるというノウハウでなければ、他の企業が欲しいと思う居酒屋にはならないでしょう。

 

飲食店を運営しており、出店地域を広げたい

居酒屋だけでなく飲食店を経営していると、まずはある地域の周辺からお店を増やしていく、というケースがほとんどです。

すると、ある都道府県の中では店舗数があり知名度もある、という状況になります。

そのような居酒屋やその他飲食店を経営している企業は次に他の県や地域に進出しようとし、進出先の地域に同じように根ざしている居酒屋とM&Aすることで、その地域への進出を果たそうとするケースがあります。

その地域に根ざした居酒屋であればすでに集客ができている状態ですので、居酒屋に来たお客に対して「グループ店が開店する」とビラや卓上のチラシを使って告知したり、グループ店で使えるクーポンを配布したりすることで、一から進出するよりも集客がしやすくなるのです。

また忘年会や新年会のシーズンは予約が集中しやすく、もとからその地域にある方の居酒屋に予約の電話が入ったとき、満席だったとしてもグループ店を紹介してそこに人を入れることができます。

このように出店地域を広げたい場合に、進出する予定の地域の居酒屋をM&Aで譲り受け、既存の居酒屋やその他飲食店の進出のための土台をつくるのです。

 

対象になりやすい居酒屋の例として、譲受先企業がすでに展開しているエリアと異なるエリアで居酒屋を運営している企業です。

譲受先企業次第です。

基本的には譲受先企業と異なるエリアで、かつ譲受先企業が欲しいと思うような企業となるため、そのエリアに根ざした居酒屋だとアピールしやすいでしょう。

地方だとその地域に根ざした居酒屋は結構ありますので、該当するお店は多いのではないでしょうか。

 

飲食店を運営しており、人材を獲得したい

飲食業はブラック業界のイメージが強く、働く先としての人気はイマイチです。

特に居酒屋の場合は、お酒が入って酔っ払ったお客を相手にする仕事ですので、あまりやりたくない、と思っている人も少なくありません。

外で客引きをするにしても夏は暑く冬は寒い、厨房の調理スタッフは大量の注文を抜けなく捌くために頭と体をフル回転。

よほど飲食業の仕事、居酒屋の仕事に興味があるという人や、シフトの融通を利かせたい人、まかない目当ての人などではないと、他にも候補があるのにわざわざ居酒屋で働こうとは思わないのです。

そこで居酒屋やその他飲食店を運営する企業に「人材確保」という課題が生じてしまいます。

M&Aで居酒屋を譲り受ければ、そこで働く従業員ごと譲り受けることもできます。

また、譲り受けた居酒屋とその他の飲食店の採用を一本化することで、コストを抑えることもできます。

 

対象になりやすい居酒屋の例として、採用力が高い、離職率が低い居酒屋が挙げられます。

やはりそのような居酒屋を運営する企業には、採用・人事の面で強み・ノウハウがあります。

それを横展開できれば、他の飲食店も同じように採用力の高い、離職率の低い飲食店にできるかもしれないからです。

「飲食業界=離職率が高い、人が集まらない」とあきらめずに、どうすれば多くの人が働きたい居酒屋になるかを考え続けたオーナーには、M&Aのときに相手から欲しいと思ってもらいやすいというメリットがあるのです。

 

既存事業とのシナジーを望んでいる

M&Aを行うことで得られるメリットの1つに既存事業とのシナジーがあります。

例えば、新鮮な魚介を仕入れるルートを持っている寿司屋を運営している企業が居酒屋を譲り受ければ、その居酒屋にも新鮮な魚介を使ったメニューを出すことができます。

逆に居酒屋のサラダのオリジナルドレッシングがおいしくて人気なら、他の飲食店にもそのドレッシングを提供することができます。

他にもラーメン屋を運営する企業が居酒屋を譲り受ければ、同じビルに居酒屋とラーメン屋を入れて、居酒屋の後にしめにラーメン屋に寄ってもらう導線設計が可能です。

食品加工業の企業が居酒屋を譲り受けて、メニュー開発の場として居酒屋を活用することもできます。

このように別の事業とあわせることで新たな価値が生まれる可能性があります。

 

対象になりやすい居酒屋の例として、他の事業やお店とコラボしやすい居酒屋であることです。

あまりにもターゲットが限定的で、提供するサービスがきわどい内容だったとしたら、既存事業とのシナジーは難しくなるでしょう。

万が一シナジーが生まれる可能性があったとしても、それを居酒屋のM&Aの相手に納得してもらえるように伝えるのが難しくなります。

 

経営の多角化によりリスクを抑えようとしている

事業を複数もつことで、企業はリスクを抑えることができます。

ある事業の業績が悪くなっても、他の事業で補填できるからです。

消費税増税や景気悪化などの理由により、居酒屋は厳しい状況に陥いることはありますが、「食」という人が生きる限り必要な分野、そして同僚や友人との交流や会社の接待などに使われやすい居酒屋は、完全にお客がゼロになる、ということは考えにくいビジネスです。

景気の影響を受けて多少業績に波はあるでしょうが、需要がゼロにならないという点に魅力を感じ、展開する事業の1つに欲しいと考える企業も存在するのです。

 

対象になりやすい居酒屋の例として、 居酒屋経営が初めての企業でも運営ができるよう、ある程度マニュアル化されて、軌道に乗っている居酒屋が挙げられます。

複数の事業を経営しているのであれば、100%全力を居酒屋に向けることはできません。

既存の事業を運営しながら、居酒屋の経営にも乗り出すのであれば、ある程度整っている事業であることが望ましいでしょう。

仮に赤字経営の居酒屋が経営の多角化を狙っている企業にM&Aを持ちかけても、相手にとってはあまりうまみがありません。

経営リスクを抑えるためのはずのM&Aが、経営リスクの増大につながってしまうからです。

 

居酒屋のM&A事例

居酒屋がM&Aを実施する理由やメリット、そして譲り受ける側が譲り受ける理由をご紹介したところで、居酒屋のM&A事例をいくつかご紹介したいと思います。

居酒屋のM&A事例を調べておけば、実際に自分の居酒屋をM&Aで譲り渡そうと思ったとき、どのような企業が相手になりうるのか、自分の居酒屋のどこをアピールすべきなのかなどが分かるはずです。

「居酒屋 M&A事例」などで検索するとニュース記事や事例を紹介する記事が見つかると思いますし、有名な大手飲食店チェーンを展開している企業は居酒屋のM&Aを経験していることが多いので、「企業名 M&A」などで検索しても居酒屋のM&A事例を調べることができるでしょう。

実際にこんな居酒屋のM&Aが実施されているんだなと、参考になれば幸いです。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社ビー・ワイ・オーの場合

株式会社ビー・ワイ・オーは、和食居酒屋「えん」や「おばんざい・炙り焼き・酒 菜な」などの複数の飲食店ブランドを持つ企業です。

2018年に日本KFCホールディングスとM&Aを実施し、株式の25%を譲渡して資本業務提携を結びました。

日本KFCホールディングスは新たな事業機会やシナジーを創出して両社ともに中長期的な企業価値向上を狙い、M&Aの実施に至ったとのことです。

株式会社ビー・ワイ・オーは和食居酒屋だけでなく、和食を中心に提供する「だし茶漬けえん」や「おぼんdeごはん」などの飲食店も駅ビルなどに出店しており、和食ブームによる今後の株式価値の上昇が起これば、資産的にも日本KFCホールディングスのメリットのあるM&Aとなるでしょう。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社湯佐和の場合

神奈川県で「寿司・居酒屋海福」や「寿司居酒屋太郎丸」、「海鮮居酒屋いろは丸」を運営する株式会社湯佐和は、2018年に株式会社ジー・テイストとM&Aを実施し子会社となりました。

株式会社湯佐和は地域密着型の経営をしており、神奈川県内の三崎漁港や長井漁港の買参権を保有している強みがありました。

譲受先の株式会社ジー・テイストは、居酒屋「とりあえず吾平」や大衆居酒屋「村さ来」など複数の業態の飲食店を運営しています。

しかし外食産業における人材確保の難しさ、価格競争などにより、ブランド力や価格競争力、サービス力の向上がより必要となっていました。

そこで株式会社ジー・テイストは、株式会社湯佐和の持つ朝どれ魚を店舗で提供や地域密着型の店舗展開のノウハウを活用し、今後の外食産業で生き残っていく道を選びました。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社エムアンドオペレーションの場合

居酒屋「Repas de Naoshima」を運営する株式会社エムアンドオペレーションは、2018年に飲料事業や珍味事業を主力とする石垣食品グループに株式を譲渡し子会社となりました。

石垣食品グループの飲料事業や珍味事業は苦戦が続き、新たにインターネット通信販売事業やワインバーの出店などで業績を回復させようとしてきました。

このインターネット通信販売事業やワインバーの事業基盤を強化するために、居酒屋等の飲食店を運営する株式会社エムアンドオペレーションを子会社にし、人材育成や店舗運営のノウハウを獲得することが狙いでした。

このM&Aは株式会社エムアンドオペレーション側にも、創業者に依存した経営体制から脱却し、事業運営の幅を広げて成長性を拡大させるというメリットがあります。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社ジョースマイルの場合

熊本県で飲食店を複数運営する株式会社ジョースマイルは、2019年3月にSFPホールディングス株式会社とM&Aを行い、連結子会社となりました。

株式会社ジョースマイルが運営する居酒屋ブランドは多数あり、「居酒屋こもれび屋」「居酒屋ひゃくしょう茶屋」「居酒屋麦うさぎ」「海鮮居酒屋前川水軍」「元祖居酒屋一番星」などがあり、熊本県内に複数の店舗を構えていました。

熊本県在住の方や熊本県に行ったことのある方はご存知の居酒屋があるかもしれませんね。

譲受先となったSFPホールディングス株式会社は鳥良や磯丸水産など多数のチェーン居酒屋を運営する企業です。

居酒屋以外にもカフェや焼肉、バイキングレストラン等の飲食店ブランドを有しています。

SFPホールディングスでは地方で長く飲食店を運営している企業を主な対象に、「SFPフードアライアンス構想」を基にアライアンスを組み、業態やナレッジの共有を図る動きをとっています。

株式会社ジョースマイルが運営する居酒屋は熊本県内での店舗展開となっていたため、SFPホールディングス株式会社とM&Aを実施することで、両社のブランドを熊本県だけでなく九州や全国へ広げていくための準備が整いました。

SFPフードアライアンス構想では、SFPホールディングス株式会社とアライアンスを組んだ企業同士でもナレッジ共有を行っていくため、シナジーを生んでともに事業を成長させていくことができます。

 

居酒屋のM&A事例:株式会社クルークダイニングの場合

前述した株式会社ジョースマイル以外に、SFPホールディングス株式会社がSFPフードアライアンス構想を基にM&Aを実施した居酒屋運営会社は他にも存在します。

株式会社クルークダイニングは長野県で多数の飲食店を運営する企業で、居酒屋では「長野といえば、BANIKUMAN」や「鶏とハイボール銀八」があります。

2019年7月にSFPホールディングス株式会社と資本提携を結び、長野県でSFPホールディングスが運営する居酒屋「磯丸水産」などを出店し、逆に株式会社クルークダイニングが運営する飲食店ブランドをを関東や全国に広げていく予定です。

このようにSFPホールディングス株式会社は積極的に居酒屋運営会社とのM&Aを進めているため、今後も同様のアライアンスが組まれていくと予想されます。

 

居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント6つ

居酒屋のオーナーは、M&Aによって先にご紹介したようなメリット享受することができます。

しかし、居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイントもあるため注意する必要があります。

ここでは、居酒屋のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイントについてご紹介しましょう。

居酒屋のM&Aを実施する際には、いずれのポイントも大切です。

 

まずは居酒屋を本当に譲渡してもいいのか考える

M&Aで居酒屋を譲渡すれば、お金も自由な時間も手に入れることができます。

そのため「居酒屋をM&Aで譲渡してもいいかも」と思うかもしれません。

しかし「いいかも」という気持ちでM&Aを進めてはいけません。

一度譲渡してしまったら、もう二度と居酒屋を取り戻すことはできない可能性があるからです。

お金と交換に居酒屋を第三者に譲渡したら、買い戻すにはそのお金と同額、場合によってはそれ以上の金額が必要な可能性があります。

居酒屋を始めたときには、始めたい理由があったはずです。

その理由が今はもうなくなったというのでないのなら、「M&Aで譲渡してもいいかも」と思っている段階ではその気持ちを忘れているだけで、M&A後にその気持ちを思い出すかもしれません。

「M&Aをするんだ!」という決意なしに居酒屋のM&Aを進めれば、後悔する可能性が高く、しっかり検討する必要があります。

 

準備は早めに

居酒屋のM&Aの場合は、可能な限り準備は早めに行うようにしましょう。

譲渡先がすぐに決まるとは限りません。

居酒屋のM&Aには長い時間がかかることを考慮して、早め早めに動くことをおすすめします。

ついつい経営をしながらM&Aについて考えるとなると、日々の忙しさからM&Aの準備を後回しにしてしまうものです。

しかし余裕をもってM&Aを実行に移すためには、けっして後回しにせずに取り組みましょう。

もしこれから居酒屋を開こうと思っているのなら、開店当初から「M&Aという選択をすることがあるかもしれない」と思って経営するとよいでしょう。

急に体を壊したり、家族の都合で居酒屋の経営を続けられなくなったときに慌てずにすみます。

M&Aを実施するには、帳簿をきれいにつけておくことや店舗の運営フローを整えていくことが重要です。

今までそれらができていなかった居酒屋をきれいに整理していくには根気と時間が必要です。

開店当初から第三者に譲渡できるような状態に整えておくと急な事態にも対応できます。

 

売却事業の強みを明確化する

M&Aの場合は、売りたいと考えている居酒屋がどのような強みを持っているかをはっきりとさせておきましょう。

居酒屋の強みと言うと、例えば、立地が良くて駅に近い、設備は最新のものが備わっている、多くの固定客がついている、バイトだけでも回せるなど、いろいろなことが考えられます。

何が自分の居酒屋の強みなのか、どこを強調してM&Aの相手に伝えるかで、相手にとって居酒屋の価値が変わります。

居酒屋の強みをはっきりさせておくと、短い期間で譲渡先が探せたり、可能な限り譲渡対価を高くすることができたりします。

 

もし今の時点で競合他店舗と比較し、あまり強みといえる点がないのであれば、強みを新たに作っていくことが必要です。

例えば常にオーナーがいないとお店が回らないという居酒屋は、M&Aの相手にとっては譲り受けるメリットがあまりありません。

バイトでも、誰でもお店を回せる仕組みを作る必要があります。

M&Aを決断した時点では強みがなくても、強みを作っていく中で経営状況が改善され、より高額で譲渡できるケースもあります。

居酒屋のM&Aでは強みを明確にする、そしてなければ作るということが重要なポイントとなります。

 

譲れない売却先の条件を明確化する

どうしても譲れない売却先の条件を明確化することも大切です。

長年お客さんから愛されてきた店のコンセプトを変えるのだけは避けたい、看板メニューは残したい、従業員の待遇について改善したいなど、M&Aによって手元から離れてもどうにかしたいと思っていることがあるでしょう。

手塩にかけて育てたといってもいいお店です。

愛着があっても当然です。

 

また、居酒屋の良さをつぶしてしまうような相手にM&Aで譲渡すると、今まで通ってきてくれたお客さんが「味が変わった」「好きだった居酒屋ではなくなった」と思って離れていってしまう可能性があります。

M&Aの相手にとっても良い結果にならないようなM&Aなら、断られた方が良いのです。

「違う」と思ったら勇気をもって断ることも必要です。

 

もちろん、買い手企業の都合を無視した希望を押し通すことはできません。

もしどうしても譲れない条件に対して、買い手企業が認めないという姿勢を貫くのであれば、別の買い手企業を探すのもひとつの選択肢です。

M&Aが決定し契約を結ぶまではやり直せます。

 

居酒屋の譲受先企業を具体的にイメージする

自分が経営している居酒屋がどのような企業になら欲しいと思われるか、譲受先企業のイメージをしましょう。

すでに居酒屋を経営している企業なのか、経営していない企業なのか、経営しているならどこでどのような居酒屋を経営しているのか、具体的なイメージができていれば、実際に譲受先企業の候補が現れたときに、どの企業なら好条件でM&Aを行いやすいか、判断しやすくなるでしょう。

何もイメージせずに居酒屋のM&Aを進めてしまうと、譲受先候補の企業との交渉の際にどう進めていけばいいのか分かりづらく、譲受先企業の決定において判断がしづらくなるでしょう。

具体的イメージがしづらい場合は、他の居酒屋のM&A事例を参考に、どのような企業が譲受先となっているか調べてみましょう。

 

事業成長のためのM&Aにおいて相手企業の事業との相性は重要

和食居酒屋や海鮮居酒屋など、特徴のある居酒屋が存在し、取扱うメニューやお店の雰囲気がことなります。

居酒屋のM&Aでは、M&Aの相手となる企業選びは重要です。

シナジーを生むために、譲受先も飲食店を運営している企業であるならお互いのメニューをそれぞれの店舗で提供する余地があるか、運営会社が同じになることでコストダウンなどのメリットや店舗運営のノウハウなど横展開が可能かなど、M&A後に具体的にどのようなメリットが見込めるか、検討する必要があります。

 

居酒屋のM&Aを相談するなら

居酒屋のM&Aを検討している場合は、M&Aのプロのアドバイザーのところに行きましょう。

居酒屋のオーナーの中には、M&Aのプロのアドバイザーに相談すると費用や時間がかかるため止めようと、考える人も多くいるようです。

しかし、ひとりで経営をしながらM&Aを成功させるのは難しいことです。

専門知識もM&Aの経験もない人が居酒屋のM&Aを行うのは非常にハードルの高いことです。

そもそも居酒屋の譲受先を見つけるのも困難です。

無闇に周囲に「買ってくれないか」と相談すれば、「あそこの居酒屋はうまくいっていないらしい」と噂がたち居酒屋の価値が下がってしまうため、仮にM&Aの相手が見つかっても安く買い叩かれてしまいます。

M&Aの登録サイトに登録しても、より良い相手を見つけて譲渡するまでに、結局はアドバイザーの力が必要です。

居酒屋のM&Aを決断したときから、プロに相談しておくことがおすすめです。

きちんとしたアドバイザーに相談すれば、「やってよかった」と思えるM&Aも実現できるでしょう。

 

複数ある居酒屋のM&Aの相談先の中から、1社に決めるときのポイントをご紹介しましょう。

 

  • 居酒屋のM&A経験があること
  • 居酒屋以外のM&Aの経験も豊富なこと
  • 成果報酬型であること
  • 話をしっかり聞いてくれること
  • M&Aについて独自のノウハウがあること

 

以上の点を意識して居酒屋のM&Aの相談先を選びましょう。

まず居酒屋のM&A経験があることですが、すでに経験があるなら大体の流れは熟知していますし、居酒屋の運営に対する知識もしっかり持っています。

どうすれば譲渡しやすい居酒屋になるのか、オーナーのM&Aの理由をかなえるためにはどのような企業をM&Aの相手にするべきかなどを知っています。

居酒屋以外のM&Aの経験も大切です。

居酒屋に限らず、M&A全般に適用できるノウハウや経験を持っています。

また、譲受先企業との交渉も経験がものをいいますから、居酒屋以外の業種も含めてM&Aの経験が豊富であることが望ましいです。

そして成果報酬型であれば、M&Aが成立するまでは費用が一切かかりません。

手元にまとまったお金のない人でも、成果報酬型ならM&Aによって生じたお金で支払えばいいわけですから、心配いりません。

話をしっかり聞いてくれることは、M&Aに限らず、様々なサービスで重要なことでしょう。

しっかり居酒屋オーナーの要望を聞き、それを実現させるためのM&Aを目指してくれる姿勢のない相手を、居酒屋のM&Aの相談先に選ぶのは避けるべきでしょう。

そしてオーナーの望む形のM&Aを行うには、独自のノウハウをもっている経験豊かな企業でなくては困難です。

求めるものを実現させるための力がある企業ではなくては、相談して話をしっかり聞いてくれても、夢かなわず終わってしまうことになりかねません。

相談先の態度や姿勢も重要ですが、力があることも居酒屋のM&A成功には欠かせない要素となります。

 

居酒屋のM&Aの相談を行っているアドバイザーは複数います。

例えば東京のスパイラルコンサルティング社は飲食業界のM&Aに強く、過去にはラーメン業界でニュースになるほどの高額なM&A案件の支援を行っています。

居酒屋のような外食産業特有の経営事情にも詳しく、居酒屋のM&Aで問題になりがちな点も熟知しています。

M&AはM&Aの知識だけでなく、譲渡する会社や事業の業界知識も必要です。

居酒屋のM&Aの場合は、飲食業・外食産業のM&Aに詳しいプロに相談してみましょう。

スパイラルコンサルティングは事業価値を高めることで売却額も高くする「スケールM&A」を行っていますので、今の状態では売れないのではないか不安に思っている方でも、一度相談してみるといいでしょう。

費用はM&Aが成立するまでゼロの成果報酬型ですので、相談で費用を請求されることもありません。

相談しても損はないわけですから、少しでも居酒屋のM&Aに興味があるのなら、気軽に相談してみることをおすすめします。

後悔しないためにも、最後まで妥協せずに居酒屋のM&Aに向き合っていきましょう。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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居酒屋のM&Aについては分かった!では居酒屋がM&Aすべきでないタイミングは?

居酒屋のM&Aを実施予定、もしくは検討中の方に向けて前章までで色々と述べてきましたが、基本的にM&AすべきタイミングやM&Aする前提でのお話をさせていだきました。

しかし、居酒屋のM&Aをすべきではない、あまりおすすめできないタイミングも存在します。

最後に、居酒屋のM&Aについて色々読んできたものの、やっぱりまだM&Aは実施すべきではないのではないだろうか、不安だなあと思う方もいるでしょう。

前述したようなM&Aに向いている状況にある居酒屋オーナーは、M&Aをこのまま積極的に検討してみてもいいと思うのですが、そうではない場合はM&Aを本当にすべきかよく検討したり、M&Aするにしてもタイミングを見計らったりしてみた方がよいでしょう。

それでは、具体的に居酒屋のM&Aを見送ることも考えるべきタイミングについて例を挙げていきます。

 

規模が小さすぎる居酒屋の場合

オーナーが厨房も接客も担当して1人でお店を回し、1人なので席数もカウンターの数席しかないような居酒屋1店舗のM&Aの場合、あまりM&Aに向いていないということはご理解いただけるのではないでしょうか。

あまりにも規模が小さすぎる居酒屋の場合、譲り受けたいと思う側を探すのが難しいのです。

とくに個人間でお店を引き継ぐのと異なり、法人に向けて引き継ぐ場合は、ある程度の規模が必要になります。

個人で細々とやってきた居酒屋の場合は、M&Aを行うよりも、個人の後継者を見つけ出すか、いっそのことお店を畳んでしまった方が余計な手間を掛けずにスムーズに引退することができるでしょう。

 

もし規模を大きくしていける余地がまだあるのであれば、大きくしてから居酒屋のM&Aを検討してみてもいいでしょう。

やはり譲り受ける側の心理を考えると、ある程度成熟した事業を譲り受けたいと思うのは自然なものです。

 

まだ居酒屋に想いが残っている場合

まだ居酒屋のオーナーとしてやっていきたい、想いが残ってしまっている場合は、やはりM&Aの実施はおすすめできません。

どうしても手放さなければいけない理由があって居酒屋をM&Aで手放す場合はいたしかたないのかもしれません。

その場合は、いつかもう一度別の居酒屋を開いたり、一度手放した居酒屋を再度M&Aで買い戻したりする道もあります。

しかし一度手放してしまえば、別の人の手により、まったく違う居酒屋になっているかもしれません。

本当に今のままの居酒屋を存続させていきたい、そして自分が経営に携わっていたいと思っており、そうする余地もあるのであれば、まだ今のままで頑張ってみるのも1つの道です。

手放した後は居酒屋がどうなっても何も言えません。

居酒屋を手放す前によく考えましょう。

 

コントロールできないような事情により深刻な赤字になっている場合

そもそも人口が少ない地域において、深刻な赤字が続く居酒屋を黒字に持って行くのは至難の業です。

M&Aで居酒屋を譲り受けても、人口を増やすことはできないので、単価を上げるなどで少しの改善はできるかもしれませんが、深刻なレベルにまでいってしまった赤字を解決できる可能性はほぼゼロと考えるべきでしょう。

赤字でも内部に問題があり、M&A後にコントロールがしやすく解決の見込みがある場合は、M&Aで居酒屋を譲り受けたいと思う企業が見つかりやすいです。

一方で外部要因など、どうにもコントロールができないような部分に赤字の原因がある場合は、非常に解決が難しく、その状態の居酒屋を欲しいと思う人が見つからないのです。

 

もし赤字で居酒屋をM&Aによって手放そうと思っているのであれば、何が原因でそうなっているのか、原因は内部にあるのか、外部にあるのか、しっかり見極めるようにしましょう。

 

居酒屋業界だけでなく世間全体で景気が悪い場合

居酒屋業界だけ景気が悪い場合は、景気の良い他の業界の企業が居酒屋を譲り受けたいと思ったり、同じ居酒屋業界の中でも比較的売り上げのある大手が他居酒屋を譲り受けることで規模を拡大して生き残ろうと考えたりするため、居酒屋のM&Aの相手が見つかりやすい傾向にあります。

しかし、居酒屋業界に限らず、世間全体で景気が悪い場合では、多くの企業が資金を取っておこうとするため大きな出費を避けようとしやすく、居酒屋のM&Aの相手が見つかりにくくなってしまいます。

バブル崩壊のように国内だけの話であれば、海外にM&Aの相手を見つけに行くこともできますが、世界恐慌やリーマンショックのときのような世界的な不況に突入したときには、居酒屋のM&Aが成立するだけでもラッキーだったと思った方がよいでしょう。

場合によってはM&Aが成立せずに廃業に追い込まれる可能性もあり、資金や居酒屋オーナーとしての成功など得るものの多いM&Aは非常に難しくなってきます。

 

もしただ居酒屋を手放せればいいという考えではなく、「できるだけ資金を得たい」「経営者としての1つの成功モデルとしてM&Aしたい」というケースでは、何とか不況を乗り越え、景気が良くなるのを待ってからM&Aを実施することを狙うか、潔く廃業を選ぶか、どちらかを選んでみてはいかがでしょうか。

 

居酒屋オーナーご自身で判断できない場合は専門家へ

以上、居酒屋がM&Aを避けるべきタイミングについて具体例を提示してみましたが、ご自身で判断できない場合は、やはり専門家に一度相談しましょう。

居酒屋のM&Aは大きな決断です。

居酒屋オーナーの人生においてもビッグイベントとなるでしょう。

しっかり検討されることをおすすめします。

前述したように、M&Aのプロに相談にいってみましょう。

プロも居酒屋のM&Aに向いていないケースの相談を受けることがあるので慣れていますので、安心して相談できるはずですよ。

 

しかし最後に決断するのは居酒屋オーナーご自身です。

相談をしている中でなんとなく流されて居酒屋のM&Aを決断してしまったとならないように、自分の考えを明確にし、M&Aの道に進むか、それとも別の方法を探すか、自身で決めていきましょう。

そのためにも、しっかり居酒屋のM&Aについて調べて、よく考え、プロに相談するという流れを押さえておきましょう。

後悔のないM&Aになるといいですね。