IT企業のM&A事例から学ぶ成功のポイント4つ

IT企業のM&Aの成功のために、過去の事例を確認しておきましょう。事例からは、どのようなことに注意が必要なのか、どのようなメリットがあるのかが見えてきます。M&Aのメリットを事例から把握することで、目標を立てやすくなるでしょう。また、必ずしも売り手に有利な条件で契約できるわけではないこともわかります。ここでは、IT企業のM&A事例からわかる成功のポイントを解説します。

 

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IT企業オーナーがM&Aを選ぶ理由とは?

IT企業のオーナーは、どのような目的でM&Aを選ぶのでしょうか。経営者を辞めたいだけであれば、親族や従業員を後継者に選定するだけで済みます。それでもM&Aが選ばれる背景には、どのような理由があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

 

後継者不足

従業員や親族を後継者に選出したくても、後継者に向いており、なおかつ後継者になりたいと思っている人物がいないケースがあります。後継者不足は中小企業の大きな問題となっており、悩まされる経営者が少なくありません。

後継者を無理に選出し、必死に頼み込んで後継者になってもらうケースもあります。しかし、後継者が経営に対するモチベーションが低ければ、無理に事業承継したところで、いずれ経営が傾いてしまうでしょう。

M&Aを選択することで、モチベーションが高い人物に会社を引き継ぐことが可能です。もともと会社を経営しており、会社を買収できるほどの資金力を持っているため、経営の手腕に関しても問題ないことがわかります。
経営者としては、このような人物に会社を引き継いでもらえた方が安心できるため、M&Aが選ばれます。

 

多額の売却益の獲得

M&Aでは、会社に値段をつけて売却することになるため、売却益を得られます。会社の価値が高いほどに売却益も高くなり、経営者としてもメリットが大きいのです。会社の経営権を失っても、売却益を得られれば、新しい事業を立ち上げることも視野に入れられます。

中には起業当初からM&Aで売却することをゴールとしているIT企業経営者の方もいます。起業してM&Aによって資金を手に入れ、それを元手にまた起業してM&Aを繰り返すような方もいます。海外移住を選ぶIT企業経営者の方もいます。売却益の使い道は人それぞれです。

IT企業は、開発したアプリケーションがひとつ流行するだけでも大きな成長が見込めるため、その成長したタイミングでM&Aを検討しましょう。成長性や安定性、独自性などで高い評価を得られれば、それだけ売却益が高くなります。

 

他の事業への資金投入とリソースの割り振り

売却益は、他の事業への資金投入に用いることができます。他の事業を成長させて、より大きな収益を得ることも狙えるでしょう。また、経営者としてもひとつの事業を売却したことで時間的な余裕を得られるため、残った事業に力を注げるようになります。

IT企業では複数のサービスを同時に走らせている場合も多く、そのうちの1つが好調で他の事業状況が芳しくない場合に、選択と集中で他の事業を他社に譲渡するケースは少なくありません。

譲渡するサービスに関連する、もしくは類似するサービスを展開する他社が、顧客ごと譲り受けてくれるのです。

 

事業拡大

M&Aでは、会社を丸ごと譲渡する株式譲渡と、事業または事業の一部を譲渡する事業譲渡があります。事業の一部を譲渡して、引き続き経営を続けるケースでは、譲渡先の資金力やコネクション、知名度などを利用して、事業拡大を狙うことが可能です。

IT企業では資金調達の一種としてM&Aで大手企業の傘下に入ることが多々あります。スタートアップと呼ばれるような企業では資金を確保することが重要な経営ポイントです。

さらなる成長のためにM&Aを選ぶIT企業はたくさんいます。

 

IPO以外の出口戦略として

リーマンショック以降、IPOのハードルは高くなっています。

以前に比べれば年間のIPO数も増えてきていますが、それでもリーマンショック以前の水準には戻っていません。

経営者の夢として、やはりIPOを目指す方は多く、何とかして自社単独でのIPOを実現させようとしていますが、経営者自身の人生計画の都合や事業の成長の伸び悩みにより、上場企業の傘下に入ることで実質IPOを果たしたことを同様の効果を狙うケースもあります。

上場企業傘下に入ることで、世間からの信用向上、ブランド力の向上、従業員の待遇アップ、M&A前に比べて資金調達しやすくなるなどのメリットが得られます。

 

また、IT企業の場合、IPOを目指して資金調達を何度か繰り返した段階で、市場価値に合わない値付けとなってしまい、IPOができない状況に陥るケースもあります。

どういうことかというと、ファンドなどから資金調達を受ける際に一部の株式を譲渡するのですが、ファンドはそのときに取得した株式が投資額以上の価値を生み出さすことをIT企業に求めます。資金調達をしたとき以上に企業価値を高め、上場することを望むのです。それを満たさない金額での上場は許しません。よって、上場したいIT企業と上場を許さないファンドの対立が生じます。

そこでの解決策として、M&Aによって他社の参加に入るという手があります。ファンドは上場でもM&Aでも、投資額以上の金額を回収できればいいので、IPO以外の出口戦略としてIT企業にM&Aをすすめてくることもあるのです。

 

IT企業のM&A事例

IT企業のM&A事例はたくさんあります。大企業への譲渡に成功した事例もあり、オーナーは多額の売却益を得ています。どのような事例があるのか、詳しくみていきましょう。

 

IT企業のM&A事例:大手企業との業務提携

M&Aには業務提携も含まれます。パソコンなど電子機器の大手である富士通株式会社が古河インフォメーション・テクノロジー株式会社と業務提携を交わしました。その際には、発行済株式の51%を富士通が取得しています。

古河インフォメーション・テクノロジー株式会社は、電子部品や光ファイバーで高い業績をあげており、富士通はその技術力やノウハウを取得できました。このように、大企業だから優れているわけではなく、中小企業の技術やノウハウが欲しくてM&Aを実行するケースもあるのです。

とくに、昔は安泰といわれていたメーカーなどの国内企業も現在では景気悪化の影響を受け、会社存続の憂き目にあうことも多くなってきました。海外企業から融資を受けるケースもあります。国内の企業同士でM&Aを行うことで、お互いに事業を成長・安定させ、次の時代でも生き残っていける企業になろうとしています。

 

IT企業のM&A事例:NTT DATA EMEA Ltd.によるMagenTys Holdings Limitedの買収

システム構築事業を行うNTT DATA EMEA Ltd.は、アプリケーション開発などを手掛けるMagenTys Holdings Limitedを買収しました。MagenTys Holdings Limitedは、社員数は少ないものの、個々の能力が高いことが評価されており、世間から注目を浴びていました。

買収により、NTT DATA EMEA Ltd.は技術力を得て、幅広いサービスを提供できるようになったのです。このように、企業の収益性や安定性の向上、事業拡大などを目的にM&Aが行われます。

従業員数が少ないために、なかなか注目されないと思い込むケースもありますが、実際には会社が持つ技術力やノウハウが注目されています。従業員数が多すぎると、買収時の雇用関係の引き継ぎや退職者の出現などの対処に手間がかかるため、買収側としてはデメリットにすらなり得ます。

企業規模が小さい会社でも大手企業に価値を見出されてM&Aの相手になってもらうには、いかにサービスに競合優位性や独自性があるか、市場の将来性、開発力などがあるかが問われます。また、IT企業経営者がそれを外に発信していく力も問われます。M&A前に一企業として経営しているときもですが、自社サービスの価値をプレゼンする能力がIT企業経営者には求められます。

 

IT企業のM&A事例:ソフトバンクグループによる買収

スマホや光回線など様々な事業を展開するソフトバンクグループは、イギリスのARM Holdings plcを買収しました。ARM Holdings plcは半導体で有名な企業で、CPUの設計に長けています。ソフトバンクグループとしては、この買収によってイギリスでの地位を獲得し、グローバルに事業を展開することが可能となりました。

このようにIT企業のM&Aの場合、市場の特徴として国境が関係しないため、海外企業とのM&Aになることもあります。

シリコンバレーにオフィスを構えるIT企業やその日本法人を相手にM&Aすることも、IT業界であれば夢ではありません。

M&Aに用いた金額は約310億ドルとなっており、稀に見る高額な取引で注目されました。

 

IT企業のM&A事例:コインチェック株式会社の買収

マネックス株式会社は、仮想通貨取引所を運営するコインチェック株式会社を買収しました。仮想通貨やブロックチェーンの可能性に期待しており、コインチェック株式会社がNEMコインの不正送金問題に絡む業務改善命令を受けていたことに関連し、救済する形で買収したのです。

この買収により、コインチェックを支えてきた優秀な人材の獲得やシステム管理のノウハウを得ることが可能となりました。このように、比較的新しい会社でも優秀な人材がいるため、M&Aの対象になるのです。

また、IT企業は様々な業界の最新技術を開発しています。そのためM&Aの相手になりうる企業は幅広く存在し、他の業界と比較して非常に大きな可能性がM&Aにあるのです。

 

IT企業のM&A事例:メルカリによる鹿島アントラーズ・エフ・シーの買収

フリマアプリで有名な株式会社メルカリが、サッカーチーム鹿島アントラーズを運営する株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーを子会社化しました。

昨今、スポーツ業界という昔ながらの業界もITやマーケティングの力で経営を改善する必要性が出てきています。そしてメルカリのような新興企業にとって、地域に根ざし多くのサポーターを全国に持つ鹿島アントラーズの持つブランド力は、顧客層拡大につなげるための非常に魅力的なものでした。

このように一見まったく関係ない業界でも、IT企業との親和性が高く、様々なIT企業のM&Aの可能性を秘めているのです。

 

ここで紹介したM&Aの事例はごく一部で、毎年多くの企業が買収や譲渡、業務提携などを行っています。

 

IT企業のM&A事例から読み取る成功ポイントとは

IT企業のM&Aの事例からは、どのように準備をすればいいのか、何を基準に買い手を選べばいいのかがわかります。買い手と売り手は対等な立場のため、じっくりと選ぶことが大切です。どのような企業を買い手に選べばいいのか、詳しくみていきましょう。

 

技術職の社員のスキルや人数

IT企業の買い手としては、技術開発系の企業が挙げられます。この場合、技術職の社員のスキルや人数をしっかり把握することが大切です。会社を支えているのは経営者ではなく従業員のため、従業員の数が少なくスキルも低いようでは、譲渡後に事業の経営状況が悪化する恐れがあります。

ただ、従業員の数が少なくても、個々のスキルが高いのであれば問題ありません。IT人材は現在不足しており、とくにスキルの高い人材は多くの企業が獲得に苦戦しています。求人を出して新たに採用するよりも、他社を買収して人材を獲得することもIT業界では珍しくありません。特に、技術職は個々の技術力が会社の売上に直結するため、非常に重要なポイントです。技術力があるかどうかは、他の企業の製品との違いや評判などから判断しましょう。

従業員の数が多い企業であるのに越したことはありませんが、多ければ多いほどいいわけではありません。M&Aの後、人数が過剰な社員が子会社化された自社になだれ込み、対応に追われるケースもあります。これは、買い手企業の経営者の手腕次第ですが、従業員数を大きな判断材料にすることは避けましょう。

 

独自サービスの有無

売り手企業が独自サービスを持っているかどうか確認しましょう。独自サービスがない企業は、他の企業と差がつきにくく、安定性が高いとは言えません。独自サービスがあれば、それだけ競合他社に負けることなく収益を挙げ続けやすいと言えます。M&Aをするということは、契約先の企業と一蓮托生になるということです。

買い手企業の経営が傾けば、売り手企業の経営も傾く恐れがあります。そのため、自社独自のサービスがある企業を買い手に選ぶことが大切です。ここで重要なのは、再現性があるかどうかです。画期的なサービスでも、他の企業に簡単に真似されるようでは、独自性が高いとは言えません。

独自の感性や技術などを用いて展開しているサービスがある企業を選びましょう。

 

取引先企業の規模や数

取引先企業の規模や数も重要です。取引先企業の規模が大きければ、それだけ安定性が高いと言えます。また、取引先の数が多ければ、それだけ収益に繋がる要素を多く持っているということのため、収益性が高いとも言えるでしょう。取引先企業の規模や数については、詳しくは公開されていないケースが多いため、買い手との対面の際に尋ねるといいでしょう。

また、取引先にIT企業との関連が強い企業があれば、M&A後にその恩恵を受けられる可能性があります。取引先の規模や数は、その企業の価値を決める要素の一つのため、しっかり確認しておきましょう。

M&Aでは譲り渡す側が自社の業績や取引内容などすべてを譲り受ける側に開示し、チェックを受ける工程があります。これをデューデリジェンス(略称DD)といいます。デューデリジェンスでは虚偽の報告や粉飾した決算書を提出することは決して許されません。もしそれでM&Aが成立したとしても、M&A後に裁判となり、M&Aが無効となるケースがあるのです。取引先企業の規模や数も正しく申告しましょう。

またM&Aで取引先企業の規模や数が見られるということが最初から分かっているので、M&Aに向けてM&Aで評価されるような顧客を獲得しておくこともおすすめです。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

M&Aを成功するために、M&Aの専門家に頼るのがおすすめです。ここまでに紹介してきた取引先企業の規模や数、技術職の社員のスキルなど様々な情報を得るためにも、専門家に依頼しましょう。M&Aの専門家には、公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士などがいます。それぞれ異なる役割を持っているため、通常ではそれぞれに依頼しなければなりません。

しかし、複数の専門家とのやり取りには手間がかかるでしょう。そこで、M&A仲介会社に依頼することで、それぞれの専門家のサポートを受けつつM&Aを進めることができるのです。M&A仲介会社の業務は次のとおりです。

 

・買い手の選定

M&Aの買い手とのコネクションを持つため、自分で買い手を探す手間が省けます。それぞれの会社の特徴を把握しているため、高いレベルでマッチングできます。気になる買い手候補がいたら、面談をして、その先に進むかどうかを決めます。

 

・交渉の仲介やアドバイス

買い手候補との交渉に関するアドバイスをしてもらえます。また、スムーズな交渉を仲介の形でサポートを受けられるケースもあります。交渉がスムーズにいくことで、買い手と売り手の双方が納得できる形で契約できる可能性が高まります。

 

・準備のサポート

M&Aの際には、会社のデータや資料を集め、買い手に提示しなければなりません。また、専門家が査察に入るデューデリジェンスという調査が行われ、問題がないかを調べられます。M&A仲介会社はデューデリジェンスに必要な準備をサポートしてくれるため、契約締結までスムーズに進むようになります。

 

・スケジュールの設定

M&Aを決定してから実行するまでのスケジュール作成をサポートしてくれます。無理なスケジュールを立てても、良い契約はできません。現実的かつ遅すぎないスケジュールを立ててくれるでしょう。

 

・契約書作成のサポート

最終契約書は、M&Aにおける決定事項が全て記載されていなければなりません。内容に問題がないか、専門家に確認してもらうことが大切です。このような契約書関連のサポートも受けられます。

 

・引継ぎのサポート

契約締結後、会社や事業の引継ぎに関するサポートを受けられます。引継ぎに関する注意点やポイントに関するアドバイスを得られることで、円滑な引継ぎが可能となります。

 

このように、M&Aを検討している段階から引継ぎ完了までサポートしてくれるM&A会社をおすすめします

 

IT企業のM&A事例をさらに聞くなら

IT企業のM&A事例をさらに知りたい方は、M&A仲介会社に相談しましょう。これまで取り扱ったM&Aだけではなく、公開されている事例を紹介してもらえます。
その際には、専門家の視点でM&Aの成功のポイントを解説してもらえるため、より成功のイメージがつきやすくなるでしょう。

また、事例を聞くだけではなく、自社に当てはめて、どのようなM&Aができる可能性があるか尋ねることが大切です。会社の状況によっては、今すぐではなく、翌年から実行に移した方がいいケースもあります。今がベストなタイミングかどうかを知るために、会社の売上や従業員などの基本情報がわかる資料やデータを持参しましょう。

相談の感触が良く、信頼できる担当者だと感じたら、そのままM&Aのサポートを依頼することをおすすめします。経営者の話をよく聞き、気持ちを汲み取ってくれる人物を選びましょう。

IT企業がM&Aのコンサルティングを任せる先を決めるには、何社か話を聞いて比較することがおすすめします。なぜならIT企業特有の業界事情を把握していないM&Aのコンサルティング企業に任せては、より良いM&Aにならないからです。また、サービスが独特である場合、そのサービスを利用する業界についての知識も持っているコンサルタントが望ましいです。

東京都内でもいくつかのM&Aコンサルティング会社がありますが、IT企業のM&Aを相談する先としておすすめできる企業と1つご紹介したいと思います。

 

スパイラルコンサルティング社はM&Aが成立するまで費用が一切かからない、完全成果報酬型のコンサルティング会社です。そして、企業価値を最大限高めてから譲渡する「SCALE型M&A」というサービスを強みとしています。「M&Aをするならできるだけ高額で譲渡したい」と考える野心的なIT企業経営者は多いのではないでしょうか。自分の会社がどれだけの価値を出せるのか、譲渡額の高さに挑戦したい経営者や資金を必要としている経営者にはぴったりのコンサルティング会社でしょう。

 

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