IT企業の事業承継【事例から読み解くポイント】

IT企業の経営者は、いずれ退任して後継者に会社を任せることになります。いつ事業承継を行うかは、企業の状況に合わせて決めることが大切です。また、事業承継を行うためには、いくつかの条件を満たしていなければなりません。条件を含め、IT企業の事業承継の成功のポイントは、過去の事例を読み取ることでわかるでしょう。ここでは、IT企業の事業承継の事例と、事例から読み取れる成功のポイントをご紹介します。

 

IT企業が事業承継を行う背景

IT企業が事業承継を行う背景には、次のような理由があります。

 

・健康問題で退任が必要になった

できるだけ長く経営者を続けたいと思っていても、健康問題が起こると退任せざるを得なくなります。通院や治療の副作用などによって、常に100%の力を出すことができなくなると、会社の経営状況にも影響が出てしまう可能性があります。

急病の場合には、後継者を育成する時間がなく、M&Aか廃業のどちらかを選ぶことになるでしょう。時間が残されているのであれば、今からでも後継者を選出し、育成することもできるかもしれません。

 

・経営に疲れたため退任したくなった

経営者として、会社をしっかり引っ張っていくのに疲れてしまうケースがあります。IT業界では、次々とベンチャー企業が誕生しており、大企業であっても安心していられません。どれだけ収益を挙げても安心できず、心も体も疲れてしまうのです。

経営者のモチベーションが下がってしまうと、それが従業員にも伝わり、会社の士気が下がり経営状況が悪化するおそれがあります。
しかし、経営に疲れたからといって廃業すると、従業員に多大な迷惑がかかります。
そのため、後継者を選出し、事業承継を行うことが一般的です。

 

・別の会社を立ち上げたい

事業承継で会社を後継者に譲り、自分は別の会社を立ち上げるといったケースもあります。会社の設立には、ある程度の資金が必要ですが、事業承継の際には役員退職金を受け取れるため、新たな会社を立ち上げやすいのです。

事業承継せず、事業を増やすことも一つの手段ですが、それでは一人で複数の事業を経営することになります。事業承継することで、複数の事業を経営することをまぬがれられます。

 

・隠居生活に入りたい

経営者として生きることに疲れ、隠居生活に入りたいと考えるケースもあります。
隠居生活に入るためには、信頼できる人物を後継者に選ばなければなりません。また、隠居生活にはある程度の資金が必要なため、十分に貯蓄のあるタイミングで事業承継できるように進めることが大切です。事業承継を行う際は、多くの役員退職金を得られるように、会社の経営状況が良いタイミングを狙いましょう。

 

IT企業の事業承継の事例

IT企業の事業承継の事例から、どのようなことに気をつければいいのかがわかります。IT企業の事業承継の成功事例をご紹介します。

 

・実力だけで後継者を選出した事例

事業承継では、親族から後継者を選出する傾向があります。あるIT企業の経営者は、自分の子供を入社させ、後継者になれるよう育成していました。このとき、子供が後継者に選定されるかと思いきや、実際に選ばれたのは他の役員でした。これは、経営者が情に流されずに後継者を選んだ結果です。

育成の途中に、子供の後継者としてのスキルや意識に不安を感じたため、他の役員を後継者に選出したのです。その結果、後継者は手腕を発揮して、会社を盛り立てていきました。

さらに、ここでのポイントは、10年ほど経ってから子供が社長に就任したことです。
子供としては、後継者に選ばれなかったことを悔しく思い、次の後継者になれるように努力します。そして、10年後に後継者に足る人物となり、会社を引き継ぎました。ここまでのビジョンを想像することが大切です。

 

・退任後は一切関わらない

事業承継後、後継者に一切関わらないケースがあります。退任しても会社に顔を出して経営に口を出すなどする傾向がありますが、これは後継者にとって良いこととは言えません。監視されている気分になることで、経営の手腕を発揮できなくなる場合があります。

退任後に一切関わらないことで、後継者が思う存分に経営の手腕を発揮できるように配慮することも重要です。

 

・上場を目指すことで役員を成長させる

事業承継を検討したものの、後継者に相応しい人物がいなかったため、そのまま上場を目指したケースがあります。上場を目指すためには、収益性を高める必要があるため、従業員全員が一丸となり、成長することになります。

上場した頃には、役員が後継者として相応しい人物にまで成長しており、無事に事業承継できたのです。
妥協して後継者を選んでしまうと、経営状況の悪化に繋がります。退任するからといって、事業承継を妥協してしまえば、これまで一緒に会社を盛り立ててきた従業員に迷惑がかかるでしょう。

この事例のように、後継者がいない場合は、後継者に相応しくなるよう育てることが大切です。

 

・経営者が急死しても会社が存続できた

ワンマン経営者が急死してしまったようなとき、急遽従業員や親族が引き継いでも、経営が立ち行かなくなる傾向があります。このような企業は注意が必要です。
日ごろから従業員や役員などが経営に関わる体制を作ることで、万が一経営者が急死してしまっても、後継者が引き継いで会社を存続することができます。
事業承継を考えている経営者としては、このように不可抗力で強制的に事業承継が必要になるケースも想定することが大切です。

このように、様々な事例があるため、どのようなケースにも対応できるように、成功のポイントを確認しておきましょう。

 

IT企業の事業承継のポイントとは

IT企業の事業承継を成功させるためには、現在の会社の状況を確認し、今後の目標を正しく設定する必要があります。それぞれ、具体的にみていきましょう。

 

社員数や社員のスキル

社員数や社員のスキルをいま一度確認しましょう。社員数は、会社の状況に対して合っているのか、それぞれの社員は適切な部署に配属されているのかを確認してください。どれだけ優秀な社員がいても、能力を発揮できる部署に配属しなければ意味がありません。

また、社員のスキルを確認するときには、性格や年齢、性別、資格の有無、勤続年数などまで詳しくチェックしましょう。部署によって勤続年数に偏りがあると、経験が少ない社員が重要なポジションに就いてしまい、経営に悪影響を及ぼす可能性があります。

社員の数やスキルを把握し、適切に運用することで、現在の会社の収益性や安定性が見えてきます。決算書の数字だけでは、会社の収益性や安定性はわかりません。会社を支えている社員に注目し、状況を把握しましょう。

 

事業承継後の目指す目標の設定

事業承継後に、何を目指すのか目標を設定しましょう。事業承継後は、後継者に経営権が移るため、現経営者は口を出すことができなくなります。もし、後継者がワンマン経営をしてしまえば、ここまで築き上げた会社の経営が傾いてしまうでしょう。

後継者によっては、経営の実務経験がなく、非現実的な目標を設定してしまうこともあるかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、後継者と一緒に目標を設定することが大切です。
また、上場を目指す場合は、具体的にどのようなプランで上場を目指すのかを決めることが大切です。収益性と安定性を高めるために、具体的にどのような形で利益を挙げていくべきか、今のうちに対策しておくことはないかなど、後継者と一緒に考えましょう。
このような経験は、後継者に経営者としての自覚を与えられるため、スムーズな事業承継に繋がります。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

事業承継を成功させるために、M&Aの専門家を頼るのも一つの方法です。M&Aの専門家は、事業承継の専門家でもあります。事業承継の際には、後継者問題を解決し、会社の状況を適切に把握したうえで実行に移さなければなりません。

これまでに多数の事例を経験している専門家であれば、様々なトラブルに対応できるでしょう。M&Aの専門家に頼ることには、次のようなメリットがあります。

 

・過去の事例をもとにアドバイスしてくれる

過去のM&Aの成功や失敗の事例を知っているため、どうすれば成功率が上がるのか、何をすれば失敗に繋がるのかを把握しています。全ての事例が自社に当てはまるわけではありませんが、近い状況の事例を踏まえ、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

また、事業承継は実行のタイミングを見計らうことが重要ですが、現時点でM&Aをするべきかどうかアドバイスしてもらえます。後継者をもっと育てる必要がある場合は、具体的な方法まで教えてもらえるでしょう。

 

・事業承継のスケジュールを立ててくれる

事業承継を決めたら、後継者を選出し、育成することになります。このような事業承継のスケジュールも立ててもらえます。
短すぎるスケジュールを立ててしまうと、後継者の育成が不十分なまま事業承継をしてしまうことになります。そういった問題が起きないよう、M&Aの専門家は、現在の状況を踏まえ、無理のない現実的なスケジュールを立ててくれます。また、途中でイレギュラーな事態が起きた際には、スケジュール調整をサポートしてもらえるため、慌てる必要がありません。

 

・事業承継に関する話し合いの場に出てくれる

後継者や経営者、役員との話し合いの場に出席してもらえ、これまでの経験を踏まえたアドバイスを得られます。反対意見が出たときに、両方の意見を整理して円満に解決できるようサポートしてくれます。後継者の選出は、経営者だけではなく役員の意見も取り入れなければならないため、必ずしも満場一致で後継者が決定するとは限りません。

そこで経営者が無理に後継者を決定すれば、役員が不満を感じ、事業承継後の経営に支障をきたします。そのため、全員が納得できるように場を納めなければならないのです。

 

・引継ぎ関係のサポートをしてくれる

事業承継が決定したら、引継ぎの契約書作成などが必要です。株式の移転や相続など様々な手続きが必要なため、専門家のサポートを受けたいところでしょう。書類に不備があれば、事業承継の完了までの期間が延びてしまい、経営にも支障をきたす可能性があるのです。

M&Aの専門家には、税理士や弁護士、公認会計士などがおり、これらの専門家と連携するM&Aの仲介会社があります。引継ぎ関係では複数の専門家のサポートが必要なため、M&Aの仲介会社に依頼することが大切です。

 

・従業員や取引先への連絡についてアドバイスを得られる

事業承継の際には、従業員や取引先への連絡のタイミングを十分に考える必要があります。後継者が決まらないうちから従業員や取引先に事業承継することを伝えると、無駄に不安にさせてしまいます。従業員は仕事に対するモチベーションが下がり、取引先はこのまま取引を続けるべきか悩んでしまうでしょう。

そのため、事業承継が確定した段階で従業員や取引先に伝えることが大切です。その際の伝え方やタイミングなどについても、アドバイスを得られます。

 

IT企業の事業承継を行うなら

IT企業の事業承継を行うのであれば、専門家のサポートを受けたいところでしょう。事業承継を検討する段階で相談することをおすすめします。事業承継において、何に注意が必要なのか、どのような準備をいつから始めるべきかなど、検討の段階で知っておきたいことはたくさんあります。

後継者はすぐに育つのではなく、何年もかけて基本的な知識や技術、ノウハウを身につけさせて、経営者のマインドを持たせることになります。そのため、計画的に準備を進めることが大切です。そして、適切な計画と、それに基づいたスケジュール設定、後継者の選出をサポートするのが専門家の役割です。

サポートを受けるかどうかで事業承継の成功率が変わるため、できるだけ依頼するようにしましょう。その際には、事業承継のサポート事例を尋ね、信頼できる会社を選ぶことが重要です。経営者の思いを踏まえ、親身に相談に乗ってくれる人物に依頼しましょう。そのためにも、いきなり依頼するのではなく、まずは相談することがポイントとなります。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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