IT企業の事業売却【事例から読み解くポイント】

「IT企業において事業売却を考えているが、何から始めればよいのだろうか」

「だれに相談してよいかも分からず、実際の売却事例を参考にしたい」

このように悩んでいるIT企業のオーナーもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では、IT企業のオーナーはどんなときに事業売却を行うのか、実際の事業売却事例と注意したいポイントを解説します。

IT企業の事業売却について理解を深めるうえで、ぜひご活用ください。

 

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IT企業の事業売却を行うのは、こんなとき!

IT企業のオーナーが事業売却を行うのは、主に次のようなときです。

・業績が思わしくないとき

・オーナーがリタイアしたいとき

・別の事業に注力したいとき

 

業績が思わしくないとき

まず、事業の業績が思わしくないときに、オーナーが事業売却を選択するケースが多いです。

事業売却を行うことで、資本や人材が豊富な買い手企業の力を借りれば、自社では難しい改善がうまくいく可能性があるからです。

また、事業売却によって大手企業に傘下入りすることで、IT業界での生き残りや、顧客や取引先に対する信用力の強化などを狙う場合もあります。

IT事業のほかにも複数の事業を運営している場合は、業績が思わしくない事業のみを売却して、売却益をその他の事業に注入し、事業の選択と集中を行うことも可能です。

 

オーナーがリタイアしたいとき

次に、オーナーがアーリーリタイアや引退などを考えるときに、選択肢のひとつとして事業売却を選ぶケースがあります。

売却するIT事業において、IT・ネットワーク技術やサーバーなどの運営ノウハウ、技術力のある若くて優秀な人材など、いわゆる無形資産の価値を買い手が認めれば、まとまった金額の現金入手が可能です。

リタイアまでに見込まれるオーナー報酬総額を売却益が上回るなら、アーリーリタイアして働かない人生を楽しむという選択肢も考えられます。

 

また、オーナーが高齢になったため引退したいけれど後継者がいない場合にも、事業売却は解決策として有効です。

そうした場合は廃業を考えがちですが、廃業するとこれまで手がけてきたIT事業が消滅し、従業員も職を失います。

不動産や設備などには処分価額がつけられ、事業の将来性や無形資産は考慮されずにわずかな金額しか残らず、負債の状況によっては借金が発生する可能性も出てきます。

 

これに対して事業売却を選んだ場合は、オーナーが変わってもIT事業は成長し続けます。

従業員も転職することなく、大手企業に傘下入りすれば、福利厚生や処遇などが改善するケースもあります。

 

別の事業に注力したいとき

最後に、オーナーがIT事業の運営を卒業して、新規事業に挑戦したり別の事業に注力したりしたいなどの理由で事業売却を行うケースもあります。

IT事業は技術のアップデートが激しいため、オーナーが得意とする分野がブームを迎えたときに事業価値を最大化し、高値で売って良い形でイグジットしたいと考えるオーナーもいます。

タイミングよく売却できれば、その利益を新規事業や別の事業に充てることができ、起業と売却を繰り返して利益を上げ続けることも可能です。

 

また、ある事業に対して個人的にやり切ったと思えたときや、事業が次のステージに移行して自分の手を離れたと思ったときにも、事業売却によってほかの事業に注入するリソースを配分し直すことも有効です。

 

IT企業の事業売却の事例を見てみよう

それでは、IT企業における事業売却の事例を紹介します。

 

不採算事業の売却による、事業の選択と集中化

2017年1月、富士通は子会社であるニフティの、ISP(プロバイダ)を中心とする個人向けネット接続サービス事業を、ノジマに売却する旨を発表しました。

企業向けクラウドなどのエンタープライズ事業はグループ傘下に残ります。

 

ニフティはインターネットが普及するタイミングで会員数を伸ばし、富士通の顔だった時期もあります。

しかし、スマホ全盛期においては、固定回線を利用しての個人向けネット接続事業は大きな成長が見込めないために撤退を決めました。

 

ノジマ傘下では、ニフティの個人向けネット接続事業はIoT領域の中核に位置づけられます。

ノジマの営業力や実店舗の販売網において、ニフティがこれまで築いてきたブランド力やサービスとのシナジー効果を活用しつつ、事業拡大を目指していきます。

 

富士通は、2016年にはカーナビシステム会社のデンソーへの売却、2017年にはニフティ事業に続いて、11月にはパソコン事業のレノボへの売却を発表しました。

AIなどの新技術を中心とした、ソフトやサービスに特化した企業向けサービス事業へ転換を図るため、事業売却による事業の選択と集中を進めています。

 

先述したように、IT企業のオーナーは事業の業績が思わしくないときに売却を考えます。

 

富士通にとっては、ニフティの個人向けネット接続事業は将来性が見込めない弱みですが、個人向けにPCなどの電化製品を直接販売しているノジマにとっては、提供サービスの拡大や充実化といったシナジー効果を生み出しています。

 

事業売却による、別の事業への注力化

2018年6月、当時19歳の伊藤氏が大学在学中に創業したスタートアップ企業のPoliPoliが、俳句SNSアプリの「俳句てふてふ」を、毎日新聞社に事業譲渡しました。

 

「俳句てふてふ」は、伊藤氏が大学1年生のときに個人で開発したアプリです。

気軽に俳句を投稿できることから、俳句好きな人たちにコミュニケーションの場を提供していました。

 

事業譲渡については、毎日新聞社からPoliPoliに話をもちかけています。

理由としては、「俳句てふてふ」事業の成長のためには、俳句のコンテンツを長年提供してきた毎日新聞のノウハウや資本などのリソースを活用した方が有効である点や、PoliPoliには他にリソースを注いでいる事業があって「俳句てふてふ」に携わる余力がない点などが挙げられます。

譲渡後は、「俳句てふてふ」事業は毎日新聞が運営し、伊藤氏はアドバイザーとして参画しています。

 

事業の成長に必要な資金や人材などのリソースを自社では割けないときや、事業が一定のステージに達したため卒業して別の事業に注力したいときに、事業売却は有効です。

 

買い手との親和性を活かした事業売却

2017年12月、クラウドワークスはクックパッド子会社のコーチ・ユナイテッドから、習いごとマッチングサイトの「サイタ」事業を譲り受けする旨を発表しました。

「サイタ」は、英会話など170種類以上(当時)の個人プライベートレッスンを探せる、習いごとの講師と生徒をつなぐマッチングサイトです。

 

コーチ・ユナイテッドは2007年創業、2011年よりサイタの運営を開始し、2013年にはクックパッドに傘下入りしました。創業オーナーの有安氏は2016年に退任し、エンジェル投資化として活躍しています。

 

クラウドワークスは、個人が仕事を探せるクラウドソーシング「クラウドワークス」や、知識やスキルを売り買いできるC2Cサイト「WoW!me」などを運営し、個人取引に特化したサービス群が強みです。

 

サイタの譲受により、クラウドワークスがもつユーザーマッチングとのシナジー効果を活用しつつ、既存サービスとの連携や、個人間におけるスキル共有サービスの利用者増加を目指しています。

 

IT企業の事業売却を行う際に気をつけたいポイント

IT企業において、実際に事業売却を行う際に気をつけたいポイントとして、主に次の点が挙げられます。

・社員のスキルや自社サービスの独自性

・売却先との親和性を考える

・資料やデータを十分に用意する

・事業売却のコンサル企業の力を借りる

 

社員のスキルや自社サービスの独自性

事業をできるだけ良い条件で売却するためには、自社のIT事業の強みを分析し明確化する必要があります

売却する事業に関連する社員のスキルや技術、自社サービスの独自性は大きなセールスポイントです。

紹介した事例では、「俳句てふてふ」は弱冠19歳の伊藤氏が個人開発したアプリですが、ニッチな領域に着目したため競合が少なく独自性が高かったといえるでしょう。

スタートアップの事業売却を考えるなら、規模は小さくともオンリーワンの事業を企画開発することができれば、大きな強みとなります。

 

売却先との親和性を考える

IT事業の強みを明確化したあとは、売却先とどんなシナジー効果を生むことができるか、親和性を重視しましょう。

シナジー効果とは、事業買収により、買い手の企業価値が買収前より増加することを指します。

 

紹介した事例では、富士通にとってはニフティの個人向けネット事業は弱みでも、個人向けのPC販売網を持つノジマにとっては強みと変わっています。

PoliPoliの「俳句てふてふ」はニッチなため一般受けはしないかもしれませんが、俳句コンテンツを長年提供している毎日新聞にとっては、毎日側から声をかけたほど魅力的なサービスでした。

コーチ・ユナイテッドの習いごとマッチングサイトも、個人間の在宅ワークやスキルの取引を手がけているクラウドワークスと親和性が高いです。

 

事業売却を成功させるためには、親和性をもつ売り手と買い手どうしのマッチングが最も大切です。

自社のIT事業における強みは何か、親和性が高いのはどんな特徴を持つ企業かを分析し、ターゲットを明確化して強みを効果的にアピールできるように心がけましょう。

 

資料やデータを十分に用意する

自社のIT事業をアピールするには、強みが買い手にどのようなシナジー効果やメリットを与えるのかを、客観的な資料とデータをもとにしたプレゼンが必要です。

 

IT事業の価値を算定するには、未来にわたる事業計画書の策定や、将来的なフリーキャッシュフローを予測し現在の価値に置き換えるといった、専門的な手続きが求められます。

そのためには、決算書数期分を筆頭に各種財務資料や、その他膨大な資料とデータを準備しなければなりません。

さらに、単に資料やデータを提供するだけにとどまらず、帳簿上の数字と実態が乖離していないか、不正経理や行き過ぎた節税対策を行っていないかなど、財務を健全化してお金の流れをクリーンにする準備も必要です。

 

事業売却を行う際には、早めの段階で必要な資料とデータを把握し、どこにあるのか、内容は正しいのかを確認する作業を行うようにしましょう。

 

事業売却のコンサル企業の力を借りる

とはいえ、事業売却にどんな資料が必要なのかをどうやって確認すればよいのかという問題があります。

事業売却の手順について詳しく知りたい場合は、事業売却のプロであるコンサル企業の力を借りることをおすすめします

 

事業売却を前向きに考えれば、コンサル企業という第三者の目を借りて、ビジネスモデルを分析・再検討し、IT事業の価値を再度確認できる最適な機会と考えることも可能です。

 

手続きは複雑なためオーナー独力で事業売却を行うのは困難ですが、コンサル企業にサポートを依頼すれば、IT事業の価値算定や買い手候補の選定、プレゼン資料の作成や条件の交渉など、工程を丸ごとサポートしてもらえます。

 

IT企業の事業売却でお悩みなら

ここまで、IT企業における事業売却の事例を紹介してきましたが、もっと多くの事例について詳しく知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

事業売却の詳細は非公開のケースが多く、大企業でない限りはニュースとして取り上げられることも少ないため、事例を収集するのは困難です。

もっと事例を知りたい場合は、IT企業の事業売却を専門に行っているコンサル企業に相談し、独自の情報ネットワークからストックしている豊富な事例を教えてもらう方法が近道です。

 

事業売却は、手がけてきたIT事業の価値に対する成績表ととらえることもでき、自分の頑張りに対して第三者の目を通した評価をもらえる良い機会となります。

事業売却をどのように行えばより効果的かお悩みの場合は、ぜひコンサル企業の活用をご検討ください。

 

IT業界の事業譲渡をサポートしてくれるエージェントを探す場合、初期費用がかからない「完全成果報酬型」の料金体系をとっているエージェントがおすすめです。

中でも当サイトがおすすめするスパイラルコンサルティング社では、数々の事業継承ノウハウを持っており、自社の価値を最大化してから売却することを得意としています。

より満足できる事業継承にするためにも、一度ご相談してみることをおすすめします。

 

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