人材サービス業のM&A事例から学ぶ成功のポイント4つ

人材サービス業というのは、景気に左右されやすい業界と言われています。

景気が悪ければ、求人数が減少するからです。

現在は、アベノミクスにより景気が上向きになってきている状況とは言われていますが、この先、日本経済がどうなっていくかは不透明な部分が多いのではないでしょうか。

 

景気が悪くなった時には、どれだけ早い段階で、業績を回復させることができるかが人材サービス業の経営のカギです

だからこそ今、人材サービス業を続けるべきかどうか、悩んでいる経営者は多いかと思います。

そのような悩みを抱えるオーナーや経営者に、M&Aによる事業承継のメリット等を説明します。

 

人材サービス業オーナーがM&Aを選ぶ理由とは?

ズバリ、人材サービス業のオーナーや経営者の悩みとは、主に下記のものではないでしょうか。

  • 経営状態はいいが、後継者がいない
  • 登録しているスタッフの数が減少している
  • ずっと契約してくれていた企業が減ってきた
  • 登録しているスタッフに対する育成に経費が掛かり過ぎる

しかし、簡単に「廃業」という選択肢を選ぶわけにもいかないのが人材サービス業です。

人を派遣しているので、廃業してしまっては、登録しているスタッフがすぐに働く場を失いかねません。

 

人を使う事業というのは、かなり責任があります。道義上、自分の都合で廃業ができないのがこの人材サービス業のつらいところです。

そんなオーナーや経営者ですが、実はM&Aで事業を社外の第3者へ譲ることで、この悩みは解消することができるのです

派遣スタッフも引き続き派遣先企業で働くことができ、派遣先の企業との取引状態も継続できます。

一方、廃業を選んだ場合、最後のスタッフが業務を終了するまで会社を続ける必要があり、様々な処理費用が伴います。

M&Aだと、すっきりと経営からリタイアできるのはオーナーや経営者にとって、朗報といえるでしょう。

 

人材サービス業のM&A事例

【リクルートホールディングス×Glassdoor社(米国)・Indeed社】

■大手人材サービス業と外資の求人口コミサイトとのM&A

2018年6月、リクルートホールディングスは、求人関連の口コミサイトを運営するアメリカのGlassdoor社を12億米ドル(約1,360億円,2018年11月時点のレートで換算)でM&Aを行いました。

2012年に買収したIndeed社の求人サービス「Indeed」に続く、大型買収により、リクルートは世界最大級のHRサービス会社となりました。

 

【テンプホールディング×インテリジェンスホールディング】

■大手人材サービス業同士のM&A

2013年4月、総合人材サービスを提供するテンプホールディングス株式会社は、同じく幅広い人材サービスを手がける株式会社インテリジェンスホールディングスを約510億円で子会社化しました。

テンプホールディングスは、自社が持つ豊富な求職者情報とインテリジェンスの持つ人材紹介サービスの「DODA」や求人情報サービス「an」といった強いブランドが結びつくことで、多様化する会社や求職者のニーズに応えられるようになりました。

 

【パソナグループ×NTTヒューマンソリューションズ】

■大手人材派遣会社とNTTグループ企業とのM&A

日本国内で実施されたM&Aでは、2017年に人材派遣・紹介業界大手の株式会社パソナグループが、日本電信電話株式会社グループの人材サービス会社であるNTTヒューマンソリューションズ株式会社とテルウィル・ジョブサポート株式会社を株式取得により子会社化しています。

このM&A実施によりパソナグループは、知名度アップ・地方での営業力強化を図り、売却側企業への安定した人材供給も実現しました。このM&Aは事業拡大・シナジー効果発揮など模範的な成功例といえるでしょう。

 

【ウィルグループがオーストラリア、シンガポールで人材派遣・紹介サービス企業を買収】

■海外展開を拡大するためにM&Aを実行

日本企業による海外企業とのM&Aでは、2017年に人材派遣・紹介業界の株式会社ウィルグループが、クアイアポイントメンツ(オーストラリア)とチャップマンコンサルティンググループ(シンガポール)で人材派遣・紹介サービスを提供する企業を買収しています。

ウィルグループは東南アジア諸国連合地域を中心とした海外展開を強化しており、2016年にもマレーシアの人材派遣・紹介企業を買収しています。

このM&Aにより、オセアニア地域での人材派遣・紹介サービス提供と、シンガポールでのエグゼクティブサーチ強化を実現し、海外展開をさらに拡大しています。

上記のM&Aの事例から分かることは、大手企業同士のM&Aが目立つということです

また、海を跨いでのM&Aなので、買収マネーもかなり巨額となっています。

 

人材サービス業のM&A事例から読み取る成功ポイントとは

この章では、前章のM&A事例から成功するポイントを4つまとめたので紹介します

 

派遣スタッフや紹介可能な人材の数

多くの派遣スタッフが登録しているからと言って、すべてが紹介可能なスタッフではない場合があります。あなたの人材サービス業に登録しているスタッフの中には、すでに他企業に就職してしまっている場合もあるでしょうまた、登録スタッフも正社員が決まるまでのつなぎとして利用している場合がありますよ。本当に紹介可能な人材はどれだけいるのかを再確認しておきましょう。

事例は大規模な会社でしたが、たとえ小規模の会社であっても、スタッフのひとりひとりの状況とスキルをきちんと把握していて、すぐに派遣できるスタッフはどれだけいるか、実際に稼働しているスタッフがいつまでの契約なのかが事業価値測定のポイントです。

同時に、紹介先が決まっていないスタッフに対しては、各種セミナーを企画して、企業との面談で好印象を持ってもらえるよう育成しておく必要があるでしょう。また、新しい知識を身に着けてもらうため、資格取得の助成金なども検討するのも得策です。

 

派遣スタッフの継続率

次に、どれだけ多くの企業に、現在何人のスタッフが派遣されており、長期的に派遣されるスタッフは何人いるかも、とても重要な項目です。

正社員志向が強くなっている昨今ですが、自由な働き方が気に入っていて、派遣に登録している方も少なからずいらっしゃいます。海外への留学ビザを持っていて、日本に帰国しては派遣会社の派遣スタッフとして働いている若い世代も多く存在します。

派遣会社がないと仕事ができないという層も確実にいます。留学期間が長い方だと、語学のスキルがあります。短期間でも翻訳の仕事をして欲しいという企業は多数あるでしょう。一か所の企業では短期間であっても、途切れることなくずっと企業に派遣され続けることも継続率を上げるには効果的です。

また、中高年だと、企業での経理、総務での勤務年数が長い方を希望する中小企業が多数あります。資金繰りなど同業種での経験はとても重要なキャリアです。経営者が頼りになるスキルを持っている中高年も派遣スタッフに加えることは、派遣スタッフの定着率を上げることになります。

上記は一例ですが、そのようなスタッフをどれだけ在籍しているか、また長期的に働いてくれているスタッフをどのような待遇で保有しているかもとても重要な指標です社会保険完備だけでなく、企業年金、退職金共済の加入も必要です。中高年のスタッフに対しては、人間ドック、定期的な健康診断を受けられる制度も必要になります。健康的な状態で長く仕事に取り組んでもらうことができれば、派遣先企業にとっても嬉しいことではないでしょうか。

また、派遣スタッフにも、財形貯蓄が利用できることなども検討してみる価値はありかもしれません。自社で独自の投資法を考慮し、その会社ならではの社内貯金制度を組み立てるのもいいですね。

派遣スタッフにとって、価値のある福利厚生は社内外に口コミで広がり、離職していく率が低下していくだけでなく、新しいスタッフが増える要因になるでしょう

自分がもし働くならばどんな制度が欲しいかなと、スタッフの立場に立って、待遇について検討することをお勧めします。

 

取引先の数や規模

あなたの人材サービス業がどれだけ多くの企業と取引を行っているのか、また定期的に派遣している企業はどれくらいの数があるのかは事業価値につながります

長年に渡って契約が続いている企業、それが大手企業であることはあなたの人材サービス業の事業価値を高めて、高額で事業を売却できる可能性が生まれます。

派遣先の企業は、上場企業や大企業ではないけれど、地域では老舗企業であり、優良企業である場合も、事業価値は高まるはずです。

 

正社員を探しているのだけれど、なかなか中小企業には人が集まらないこともあります。また、人材配置を派遣会社に頼っている中小企業は多いです。

派遣先企業の規模というよりは、定期的に派遣スタッフを要請してくれるところがあることも、あなたの会社の事業価値を測るうえでとても大切になってきます。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

当たり前ですが、会社を売却する際、売却金額を決めます

企業価値:EV=株式時価総額+純有利子負債(有利子負債-現金・預金等)

という計算式があり、これで企業価値すなわち「会社の値段」を算出することができます

それともう一つ、企業の稼ぐ力をキャッシュベースではかる指標として、EBITDAという会計用語があります。

Earnings Before Interest , Taxes, Depreciation and Amortizatiの頭文字を取った言葉が、EBITDAです。

税引き前のキャッシュフローを表すところから、EBITDAを算出計算式は、

EBITDA=営業利益(EBIT)+償却費(DA)となります。

このEBITDAがM&Aの現場ではよく使われる用語ですので、ぜひ覚えておきましょう。

そして、健全な経営を行う上で、このEBITDAは借入返済額を上回る必要があります。

なぜなら利益より借金返済額が上回ったら大赤字で、資金繰りはストップします

このことから、下記のような計算式が導き出されます。

EV/EBITDA倍率=(株式時価総額+純有利子負債)/ (営業利益+減価償却費)

この倍率がM&Aでは買収先企業の評価基準となっているのです。

ひとつの指標として、このEV/EBITDA倍率が8倍から10倍というのが取引可能な倍率と言われています。

 

なんだか難しいな!?と思われるかもしれませんが、これらの数字は、決算書などの帳簿からはじき出されます。顧問税理士に「EV/EBITDA倍率について一度知りたいので、計算してもらいたい」と依頼しましょう。顧問税理士はすぐに計算してくれるはずです。

 

自社の企業価値、EV/EBITDA倍率について把握しておくことはとても重要です。買い手企業との交渉で、買い手側が提示した金額が妥当かどうかの判断基準にもなるからです。

そこで、M&Aの専門家であるエージェントに依頼するのも効率的にM&Aを完了させる近道です。企業価値を的確に判断し、訂正価格を算出することも支援してくれます。

長い時間がかかるM&Aにおいて、一緒に完了する日までサポートもしてくれる良き伴走者、それがM&Aのエージェントです。

 

人材サービス業のM&A事例をさらに聞く

前述のとおり、あなたがもし、人材サービス業をM&Aによって売却を検討したなら、一度、人材サービス業M&Aの実績があるエージェントに相談してみましょう報道などでは、大手企業の事例ばかりですが、M&Aエージェントであれば、様々なの規模の人材サービス業事例についても紹介してくれます。

実際にあった事例を聞くことで、自社のM&Aに活用することができからです。

 

エージェントを探す場合、初期費用がかからない「完全成果報酬型」の料金体系をとっているエージェントがおすすめです。

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より満足できる事業継承にするためにも、一度ご相談してみることをおすすめします。

 

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