人材サービス業の事業売却【事例から読み解くポイント】

少子化に伴う人口減少から、今後の社会では労働者が不足していく可能性が高くなってきています。

新卒者も、空前の売り手市場と言われていて、若い労働者を獲得するために、企業は様々な対策をとっています。

また、受注があっても、それに対応してくれる従業員が不足していますから、人手不足が要因で倒産してしまう企業も出てきているのです。

業界によっては、この人手不足問題は本当に深刻です。

介護、建設、飲食などは慢性的な人手不足に悩まされています。

 

人手不足業界に頼りにされているのが、今回お話する「人材サービス業」です。

この人材サービス業は、M&A市場でも人気で、買い手企業が多数現れる状態です。人材サービス業も現在は、売り手市場となっています。

いま人気の「人材サービス業」の事業売却について事例を交えながらご説明してきます。

 

人材サービス業の事業売却を行うのは、こんなとき!

人気の人材サービス業ですが、事業売却を検討している経営者が増加傾向にあると言われています。経営者が事業売却を行うきっかけにはどんなことがあるのでしょうか。

 

業績が思わしくないとき

「人材サービス」を経営していく上で、一番苦労するのが「人材確保」です。

人材が欲しい企業の数が増え続けているので、人材サービス業の需要は多いのですが、それに対応できる多数の人材が確保できないところが一番の問題です。

人材を確保するためには、効果的な求人広告、報酬を上げることが必要になってきます。その結果、業績の悪化に繋がってしまうことがあります。

M&Aでの事業売却を行う場合、ある特定の業界には大きな取引先が存在していて、安定的な売り上げがあるといった「強み」があるのならば、大手企業に人材サービス業を売却して、資金を調達することも可能です。

 

オーナーがリタイアしたいとき

長年にわたり「人材サービス業」を経営してきたけれども、年齢的にもリタイアを考えなくてはならない時期はきます

自営業には定年制はありませんから、どこかで辞める区切りをつけないと、後継者も決めないままずるずると経営を続けることになります。

やはり経営者というのは、ある程度の年齢でリタイアすることは必要です。

70代の経営者から40代の経営者に交代して、売上が上がったという企業は実際に多く存在します。

新しいアイディア、従業員達との世代が近くなってくることで、理解できることもたくさんあります。また取引先にとっても、経営者が若返ることは、これからも長く経営が続いていくことを想定できるのです。これは従業員、取引先だけでなく、取引先金融機関にとっても同じです。新しく事業資金を借り入れることも可能となるでしょう。

ある程度の年齢となってきたら、リタイアすることを常に検討しておくことです。社内、身内で後継者が見当たらない時は、M&Aでの事業売却を検討してみてください。

 

別の事業に注力したいとき

すでに複数の事業を経営している場合、業績不振の事業を売却することで、他の順調な事業へと資金投下することもできますし、新しく事業を始めることも可能です。

 

人材サービス業を経営した経験を活かして、新しい事業を始めるオーナーも多数いらっしゃいます。人材サービス業では、面接をしたり、人と接する仕事ですし、人を見る目が養われています。この経験を活かせる事業を他にもたくさんあるでしょう。

自分の事業をM&Aで事業売却して、まったく新しい業界に参入するために、またM&Aで事業を始めるということもできます。

 

まだ仕事をできる状態なんだけど、人材サービスだけを誰かに引き継いでもらいたいと考えたときに、今回のM&Aでの事業売却が役立ちます。

 

人材サービス業の事業売却の事例を見てみよう

この項目では、実際にあった人材サービス業の事業売却の事例についてご説明していきます。公開されている事例というのは、大手企業の事例になってしまうのですが、中小企業においても参考になる事例をセレクトしてみました。

 

《業界最大手のパソナグループのM&A》

三井物産ヒューマンリソース・AIGスタッフ・安川スタッフサービス・国際交流センターと複数の企業を買収しました。さらに伊藤忠商事・日本航空(JAL)が資本参加する農協系のケーアイエスを買収しています。2016年に大阪ガスエクセレントエージェンシーを子会社化して関西エリアの事業基盤を強化して、村田製作所の子会社であるムラタアクティブパートナーの人材派遣事業を譲受け、エレクトロニクス分野の研究開発人材を拡充しました。2017年8月にはNTTヒューマンソリューションズとテルウェル・ジョブサポートの株式を取得し子会社化に成功しています。

 

このように、人材サービス業界では、大手が様々な業種にサービス提供している人材サービスを子会社化していき、より一層の事業成長を見込んでいます。

中小規模の人材サービス会社では、大手企業に事業売却を行うことで、傘下に入り、自社の経営基盤の強化を目指すことが最近のM&A市場の特徴といえます。

 

人材サービス業の事業売却を行う際に気をつけたいポイント

とにかく事業売却を成功させるには、事前準備が肝心です。

事業売却を成功させるということは、

・希望価格で売却できる

・従業員が好待遇で雇用を継続できる

・自分の会社の名前が残る、事業を次世代に引き継げる

ということです。ほんの少しの心掛けで上記項目のすべてが叶います。

実際に事業売却を行う上で、気を付けたほうが良いポイントを4つご紹介します。

 

確保している人材の質の向上

得意先の会社と接するスタッフの対応一つで会社の印象は変わります。良いスタッフを紹介してもらうと、次に欠員がでたときに、同じ人材サービス業に依頼したいと思ってもらえます。スタッフ一人一人が営業マンともなり得るのです。

紹介する人材のスキルを向上させることやマナーの向上も図っておく必要があります。

 

《登録しているスタッフの研修は定期的に行っておく》

登録先企業から指名されて選ばれる人材になるためには、色々な知識を定期的に身に着ける必要があります。

たとえば、

・語学が必要な職場に紹介する人材は、語学検定などを受験してもらい、新しくスコアが上がってくると、手当や賞金を支給する

・スタッフの印象をよくするためのカラーコーディネート講習会を開催する

・健康診断を定期的に行う

上記のような研修、福利厚生を実際に登録スタッフへも行っている人材サービス業は多いと思います。こういった取り組みは、登録者数を増やすことにつながります。

あの人材サービス会社は、スタッフを大切にしてくれる」といった口コミは、働く人たちの間で広まっていくものです。

事業価値につながる優秀な人材確保のためにも、研修、福利を充実させることがおすすめです。

 

売却先との親和性を考える

売却先が異業種の場合、売却を躊躇(ちゅうちょ)してしまうかもしれません。

なぜなら事業売却の場合、従業員の雇用を継続させることができるため、今の社員が異業種の新しい経営者のもとで働くことになるためです。

とはいえ、異業種相手の売却をすべて断ってしまうのももったいないです。全く違う業種でも、人材サービス業と相性がよい業界はたくさん存在します。

 

《本当の親和性とは何かを考えてみる》

異業種だと言っても、親和性はあります。

人材サービス業をIT企業に売却するなどは、その良い例と言えます。

IT業界は今、人手が不足している状態です。優秀なスタッフを抱えている人材サービス業にはかなりの興味を示すと思われます。

また専門学校などの学校法人も、人材サービス業の事業を必要としています。

専門知識を身に着けた学生を、そのまま登録スタッフにして実社会でも通用する人材へと育てることができます。

こう考えてみると、人材サービス業は、あらゆる業界と相性が良いということになります。今、M&A市場で人気があることが実感できるのではないしょうか。

 

資料やデータを十分に用意する

《資料をそろえる事前準備はとても重要》

買い手側は、買い取りたい事業が見つかったら、買い取った後の事業計画をシュミレーションします。

そのための資料として、経理データ、契約関係(役所への届け出書類も含む)データ、事業データの提出を求められます。ここで借入金の有無などもきっちり表示しておいたほうがいいでしょう。

後になって、報告していなかった簿外負債などが見つかってしまうと、せっかく進んでいた話が白紙になってしまうこともあります。

 

書類データは、主にM&Aでの山場と言われている「デューデリジェンス:買収監査」の場で必要となってきます

少なくとも次にあげるような準備を進める必要があります。

 

・監査基準日現在の試算表を会計事務所に準備してもらう

・試算表に関して内訳明細書も準備する

・定期預金に関しては、銀行に残高証明書を作成してもらう(銀行によって数日を要しますので事前に依頼しておいてください)

・土地建物など資産に関する権利書を準備しておく

・株主総会、役員会議事録はすぐ見られるようにしておく

・総勘定元帳、補助元帳などもすぐに見られるよう準備する

・生命保険も監査基準日の解約返戻金を生命保険会社に計上してもらう

・小切手、手形(現物)と手形帳も照合して説明できるようしておく

 

これらは、「財務関連のデューデリジェンス」に必要なデータとなります。

デューデリジェンスには、事業関連デューデリジェンス、法務関連デューデリジェンスがあり、全てで3種類のデューデリジェンスがあります。

一番、データ量が多いのが財務関連のデューデリジェンスですから、財務データは日ごろからチェックしておいて、直近半年分の決算書はいつも手元に置いておくようにしてください。

 

事業売却のコンサル企業の力を借りる

売却先よりまず相談できるコンサル企業を見つけることが重要です。

事業を売却する経験って、いくら長年経営を続けてきた経営者でもほとんど経験がないのではないでしょうか。初めて売却する方もいらっしゃるでしょう。

大切な事業を、経験不足なのに自分だけで取り組むのは少し危険です。

買い手側企業は、事業を買い取る経験が豊富な経営者がとても多いです。経験と知識のある買い手側と対等に、事業売却を進めるためにも、間に入ってくれる、交渉のプロ集団であるM&Aコンサルを見るけることをお勧めします。

当初の相談は無料で、完全成功報酬制をとっている仲介会社をさがしてみてください。親身に相談に乗ってアドバイスをしてくれるコンサルタントは、きっと見つかります。

 

《当初はコンサルと1:1で相談することも必要》

あまり早い段階で、役員、従業員などに事業売却を考えていることを話すのも考え物です。

噂は広まりやすいもので、従業員たちも動揺してしまい、事業がうまくいっていないのかと間違った憶測まで持ってしまって、転職をされてしまう可能性があるからです。

また登録しているスタッフも、今とは違う待遇になるのではないかと他の人材サービスへとスタッフが流れてしまう危険性もあります。

まずは、M&Aコンサル企業が見つかったら、経営者一人で相談を行いましょう。

資料を準備する段階になって、信用が置ける経理担当者に事業売却のことを打ち明けてみてもそれは遅すぎることはありません。さきほどもお話しましたが、日ごろから経理データに目を通すようにして、いつでも資料も準備できるようにしておくことをお勧めします。

 

人材サービス業の事業売却でお悩みなら

人材サービス業のM&A実績があるM&Aエージェントを探すことから始めてみてください。

業界に知識があるスタッフが在籍していますので、事業内容から詳しく説明する手間も省けて、スピーディーに事業売却を完了することができます。

 

人材サービス業の事業譲渡をサポートしてくれるエージェントを探す場合、初期費用がかからない「完全成果報酬型」の料金体系をとっているエージェントがおすすめです。

中でも当サイトがおすすめするスパイラルコンサルティング社は、数々の事業継承ノウハウを持っており、自社の価値を最大化してから売却することを得意としています。

より満足できる事業継承にするためにも、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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