病院・クリニックの事業承継はどうすればいい?注意点やポイントは?

日本の少子高齢化問題が急速に加速し大きな問題になっていることは万人の知るところとなりました。

医療業界においても開業医や勤務医の4人に1人が70歳以上となっています。

高齢となった医師が引退しようとしたとき、身内に後継者がいるなら医院は存続できますが、後継者がいない場合は閉院せざるを得ず、毎年約4000件の診療所が閉院しています

 

そこで注目を集めているのが医院、診療所を第三者に引き継いでもらう「事業承継」です。

 

少子高齢化の後継者問題を解決し、地域の患者にも継続した医療を提供できることなどから近年活発になってきています。

中小企業白書の2007年以降のデータによると「第三者承継」と「M&A」を足した割合は「親族承継」を上回るほどです。

今回は病院・クリニックの「事業承継」のメリット・注意点・成功させるポイントについて解説していきます。

 

>>お時間がない方はまずはM&Aのプロにご相談を<<

 

事業承継のメリットとは

後継者問題や経営難から廃院してしまうという事は、経営者である医師だけでなく、雇用している従業員を手放す、地域医療の衰退など多くのデメリットが発生します。

しかし、事業承継で病院・クリニックを新しいオーナーに譲受してもらうと、譲渡側、譲受側ともに多くのメリットがあります。

 

経営に対する重責からの解放

現在、東京都内の有名な総合病院ですら経営危機の問題に直面しています。

全国的にも患者数の減少や診療報酬削減などの問題があり、病院経営は苦しい時代です。

医療機器も日々進歩し、先進医療を提供するために高額のリース料に悩まされるなど、病院・クリニックとお金の問題は切っても切り離すことができません。

そんな中でもある程度の資産形成ができた医師は早めのリタイアで病院経営の重責から解放されることができます

事業承継で病院・クリニックを引き継ぎたいと考える若い医師に病院、患者を託して安心してゆとりのあるセカンドライフを楽しむといった人生設計ができます。

また、経営からは退き、勤務医としてまだまだ活躍されている医師の方も多くいらっしゃいます。

 

現金を得ることも

開業して長年地域で信頼を得るためには大変な努力と時間が必要です。

長年に渡って患者に信頼を得てきた病院にはそれだけの実績、つまり「価値」があるということです。

そこで、事業承継で病院・クリニックを引き継いでもらう際に、これまでの実績を金銭的価値に置き換た「営業権」として提示することができます。

「のれん代」ともよばれ、これまでの実績がお金として手に入るので、一度専門家に算定してもらうのも事業承継を考える第一歩ではないでしょうか。

 

事業承継の譲渡価格にはもうひとつ、「固定資産」の売却価格があります。

建造物や医療機器、備品がこれにあたります。

また、譲受側の医師が資金不足の場合は建物を賃貸として賃貸収入を得るといったケースもあります。

 

従業員の雇用継続や待遇改善

病院・クリニックでの事業承継で大きなポイントともいえるのが従業員の雇用継続が可能な点です

時には医師よりも従業員達のほうが患者様や地域の状況を把握していることが多く、患者側も病院の経営者が変わったとしても自分の事を知っている従業員がいるということは大きな安心感につながります。

 

ただし、病院・クリニックの経営者変わった際には従業員の雇用契約は原則引き継がれることはありません。

旧病院・クリニックの従業員を継続雇用する場合には新たに雇用契約を結び直す必要があります

ここで旧病院・クリニックでの雇用契約書・就業規則をベースに新たな経営方針を基に更新する点・しない点が話合われます。

もし、体力のある医療法人の傘下に入った場合は労働環境の改善、待遇の改善というメリットを従業員にもたらす事が可能でしょう。

 

病院・クリニックの事業承継を行う際の注意点

病院・クリニックの事業承継では大きなお金が動く事になります。

そこで注意しなければならないポイントがいくつかあり、その注意を怠ると大きな損失につながります。

保険医療機関指定といった法的な手続きに関する部分は一旦置いておき、それ以外の病院・クリニックの事業承継の際に起こりやすいトラブルと、その回避方法をご紹介します。

 

事業承継の確定まで従業員や取引先には秘密にする

契約締結までは、事業承継に関わる全ての人間が、一連の話を「秘密」にしなくてはなりません

事業承継の話が第三者に漏れてしまうと、病院にまつわる利害関係者(出資者、理事、監査役、従業員、患者、取引先、取引金融機関等)に大きな不安を与えてしまいます。

 

もし売買契約が成立する前に情報が漏れてしまった場合、どうなるのでしょうか?

もし、長年従事してくれていた医師や看護師が、事業継承の話を良しとしなければ、その病院を辞めていく可能性があります。

これでは、メリットの面で述べた事業承継の従業員の継続雇用が活かせなくなってしまいます。

患者・利用者に話が漏れた際は深刻です。患者・利用者が病院側に不安感や不信感を抱いて転院してしまう恐れがあるからです。

医療報酬が下がるのはもちろんのこと、これまで築いてきた信頼まで失いかねません。

 

また、取引先金融機関が事業承継に関して知見がない場合、融資姿勢を変更してくる可能性があります。

反対に事業承継に知見がある金融機関の場合は協力的になってくれる場合もありますが、やはり秘密にしておくメリットのほうが大きいでしょう。

事業承継の交渉は早くて半年、長くなると数年に及びます。

交渉が長期にわたるほど様々な要因で秘密が漏れやすくなると言われています。

後述しますが、このような点も含めてトータルサポートしてくれるコンサルティング業者に委託するのも有効な手段です。

 

従業員などに承継する以外にM&Aという手もある

従業員である医師などに病院経営を承継してもらう、第三者の医師に承継してもらうといった手段以外に「M&A」で病院・クリニックを事業承継するという手段があります

買い手側は病院を新設するよりも、M&Aで病院・医療法人そのものを買い取ることでスムーズに開業することができるので、M&Aで開業というケースは増えていっています。

また、大きな医療法人は事業規模拡大を目的に病床を買い取るといった手法をとる事があります。

このような理由から病院・クリニックのM&Aの成約率は高いとされています。

 

病院・クリニックの事業承継を成功させるポイントとは

病院・クリニックの事業承継は患者、従業員、取引先に与える影響が非常に大きく、慎重かつ計画的に進めなければ失敗し、地域医療の衰退を招いてしまうおそれがあります。

ここからは有力な後継者に病院を事業承継し、成功させるためのポイントを見ていきましょう。

 

準備は早めに

勤務医と違って、開業医には定年退職がありません。

そのため、高齢となった院長が倒れてしまい、突然病院の経営や運営が成り立たなくなった事例もあります。

すぐに新しく院長が来てくれればよいのですが、身内ではない第三者承継の場合、約1年から2年程かかってしまいます。

したがって、明日から事業承継をしたいといった事はほぼ不可能なため、早めに事業承継の準備が必要です

 

準備を始めるタイミングとしては診察の予約がうまっている、盛業されている時期がベストです。

なぜなら、受診者数が多い病院・クリニックほど譲り受けたいという医師が多いためです。

忙しい病院ほど交渉もうまくいきやすいと言って良いでしょう。

体調面から診療時間を減らしたり、休診日を増やしたりすると患者さんは離れていってしまいますよね?

そうなると後継者も別の候補の病院・クリニックを検討し、ますます事業承継が難しくなっていきます。

従業員や地域医療の継続の為にも事業承継は早めに検討をはじめましょう。

 

譲歩できない条件を明確に

事業承継を計画する際には譲歩できない条件を設定しておく事が重要です。特にお金にまつわる条件設定は明確にしておきましょう。

まずは不動産、病院・クリニックを売却するか、財産として手元に残し賃貸とするかなどです。

賃貸の場合は敷金の立替なども条件としておくとよいでしょう。

医療機器、備品や薬品、カルテ代を含んだ営業権と、内装外装の補修工事や医療機器などの原価償却残をいくらとするかも明確にしておきましょう。

これら条件を明確にしておくことで引き継ぐ側の医師も資金を準備しやすくなります。

 

真の強みを知る

事業承継を成功に導くポイントは自身の病院・クリニックの強みを知っておくことです。

強みとは属人的技術ではなく、地域に根ざした訪問診療などの独自のビジネスモデル、診療方針などのことをいいます。

制度に左右されがちな医療ビジネスですが、事業承継した医師にも共感し継続してもらえるような強みをもっていると、事業承継は成功につながります。

事業承継の成功例には、診療を地域貢献として安定して届けるという強い思いを持つものの、力不足を感じて事業承継を決意した例もあります。このケースでは、共感を得た後継者に意思を継いでもらい、医療での地域活性化に成功しました。

 

後継者がいない、高齢になってきたからというケースだけでなく、病院・クリニックをさらに発展させる目的で優秀な人材に託すという手段も、事業承継の一つの使い方でしょう。

そのためには普段の診療方針などを見直し、強みをさらに伸ばしていくことが事業承継の成功に導く鍵です。

 

オーナーと後継者と従業員にとって最も良い着地を目指す

初期コストを抑え、早急な集患の必要もなく、設備準備なども短時間で開業できる事業承継ですが、旧病院・クリニックを引き継ぐ為に注意しなければならない点があります。

まず、前オーナーと後継者の医療方針、経営理念の相違をはっきりさせておくことが重要です。

特に医療方針はオーナー、従業員そして患者にとっても愛着があるものですから、できれば医療方針も受け継いでほしいものです。

しかし、開業を志したからには自身の目指す医療方針や経営理念のもとに、病院・クリニックを経営していきたいと考えるのが当然でしょう。

事業承継の際には、引き継ぎもかねて3ヶ月から2年ほど勤務医としてその病院・クリニックにパート勤務や非常勤勤務することが通例です。

この時にオーナーや従業員とも医療方針や経営理念についてうまくすり合わせを行いましょう。

可能ならば全員同じ従業員で再スタートしたほうが病院にも地域にとっても良い事なのでしょうが、どうしても相性の問題で人間関係のトラブルは発生するものです。

新たにスタートする際には、面談で医療方針や経営方針を理解して合意したうえで、経営側と従業員双方が納得いく着地点をめざしましょう

 

専門家の力を借りる

身内ではなく第三者に病院・クリニックを譲りたいと考えた時に、従業員が引き継ぎ、出入り業者などからの良い医師の紹介があれば良いのですが、なかなか条件に合う譲受側の医師と出会えない事もあります。

そんなときに力強いパートナーとなるのが医療系事コンサルタントです。

譲受を希望している医師とのマッチングをはじめ、事業承継の煩雑な書類手続き、金銭面の交渉まで一括でサポートしてくれます。

 

ただし、気をつけなければならないことも多くあります。

現在多くの開業・承継コンサルタント会社が存在しますが、中には承継及び開業させてしまえば開業後の事は関与しない、といったコンサルタント会社も存在しています。

譲受側の医師からすれば、開業間もない病院・クリニックの経営の舵取りをしながら日々診察をしなければなりません。

そんな多忙な中でも開業後のフォローをしてくれるコンサルタント会社ならば安心して診療に集中できるでしょう

コンサル会社にはそれぞれ特色があり、例えば会計に強いコンサル企業ですと経営面のアドバイスから税務、会計処理まで引き受けてくれるなどがあります。

前述のようにコンサルタント会社を検索してみると数多くの会社がヒットします。

セミナーなどを開催していますので参加し、評判ではなく自身の判断で専門家・コンサルタント会社の力を借りるか検討することが必要になります。

 

病院・クリニックの事業承継を検討するなら

今後ますます病院・クリニックの事業承継は活発化していきます。

少子化で後継者がいない医師も、事業承継を利用すれば安心して地域の医療を継続させ引退することができ、若い医師は比較的低コストで開業を目指すことができます。

病院・クリニックを事業承継したいと考えているのならば早めに検討してみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに東京で専門家のアドバイスをもらうのであれば、スパイラルコンサルティング社への相談をおすすめします。

医院・クリニックのM&Aのノウハウを多く持っており、事業価値の最大化も得意としています。

匿名相談が可能なので、秘密が漏れる心配なく相談することが可能です。

一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

>>匿名で相談・簡易査定をしてみる<<

 

経営者の方は必見!

今ならM&Aを理解し使いこなすための本、「図解で簡単!オーナーのためのM&A入門」が経営者限定で無料で手に入ります。詳しくは下記リンクをクリック。

>>「オーナーのためのM&A入門」無料プレゼント!<<