ファンドとのM&A事例から学ぶ成功のポイント3つ

M&Aの検討にあたって情報収集をしていると、PEファンドなどによる買収事例を目にすることもあるのではないでしょうか。
M&Aは、一般的な企業だけではなく、ファンドを相手に行うこともできます。
この記事では、ファンドがM&Aを選ぶ理由、ファンドによるM&Aの具体的な事例、事例から読み取る成功ポイントについて解説します。
M&Aの相手先を広げるうえでお役立てください。

 

>>お時間がない方はまずはM&Aのプロにご相談を<<

 

ファンドがM&Aを選ぶ理由とは?

ファンドとは、資金を集めて投資・運用し、生じた利益を再度配分する仕組みを指します。
できるだけ大勢の投資家から資金を集め、投資の専任者(ファンドマネージャー)などが、企業や外貨など複数の対象に投資を行い、運用することで利益を得ます。

ファンドのうち、企業に投資してM&Aを行うものには、PE(プライベート・エクイティ)ファンドなどがあります。
PEファンドは、未公開株式をメインに扱うことが多いです。
ファンドがM&Aを選ぶ主な理由には、M&Aを行った企業の価値を増大してから売却することで、売却益を得ることが挙げられます。PEファンドが未公開株式を扱うのは、非上場企業の企業価値を最大化してから上場することで、株価が上がりより効果的に売却益を得られるためです。

そのため、ファンドは買収した企業の企業価値増大に尽力します。す。
結果として、事業は大きく成長することが多いです。

 

ファンドのM&A事例

では、ファンドのM&Aにおける実際の事例を順番に紹介していきます。

 

ファンドが負債込みで企業を買収、経営改善後に売却した事例

まずは、MBKパートナーズが「コメダ珈琲」で知られるコメダ株を取得し、コメダホールディングスとして上場後に売却した事例を紹介します。

MBKパートナーズは、2005年にカーライル・グループ(アメリカの投資ファンド)出身の元幹部が設立した韓国系ファンドです。アジアに特化して、後継者不在のオーナー企業などを対象にM&Aを行い、企業価値を高めた後に売却しています。
コメダは、1968年に創業者の加藤氏が「コメダ珈琲店」を名古屋市で開店、1975年に株式会社コメダ珈琲店を設立、1993年には株式会社コメダを設立しました。2008年に加藤氏が事業承継を行い、アドバンテッジパートナーズが株式の78%、ポッカサッポロフード&ビバレッジが12%を取得します。

そうした流れの後、2013年にMBKパートナーズが、負債込みで株式会社コメダの全株式を取得しました

MBKパートナーズは、2016年6月にコメダホールディングスを上場しますが、初値は公開価格(1960円)を下回る1867円となり、その後も下落を続けるなど、いまひとつの状況でした。しかし、2017年5月には2000円目前まで回復しています。

MBKパートナーズによる買収後、コメダ珈琲の出店数は435店(2012年)から688店(2016年)とフランチャイズ店を中心に拡大しました。
2017年2月期の売上高は240億円(前期比11%増)、純利益は45億円(前期比9%増)を計上するほど好調でした。
経営を改善し企業価値を最大化できた段階で、MBKパートナーズはコメダ株を売却しています。

 

内紛が原因でファンドにMBOされた後、たらい回しされている事例

次は、兄弟間の争いから、ユニゾン・キャピタルにMBOされたスシローの事例を紹介します。

スシローは、創業者の清水義雄氏と弟の豊氏が各自設立した「株式会社すし太郎」の2つを1999年に合併、2000年に株式会社あきんどスシローに商号変更しています。
しかしその後、兄弟間で争いが起こったため、2007年3月に弟の豊氏とその家族がゼンショーに株式を売却、筆頭株主がゼンショーとなります。

兄の義雄氏は、敵対的買収を退けるホワイトアウトとして、ユニゾン・キャピタルを選びました。ユニゾンはMBOによってスシローの株式を非公開にし、ゼンショーを撃退しました。
MBOとは、経営陣が自社から株式を買収することで、オーナーとして独立できるM&Aの一種を指します。ユニゾン・キャピタルは、元ゴールドマン・サックスの日本人らが1998年に創業した日本の老舗PEファンドです。

ユニゾンはMBO後に「回転寿司売上日本一」などの目標のもと、コンサル会社や証券会社などの華麗な経歴を持つメディア戦略に精通した執行役員を、スシローに送り込みました。
その結果、テレビや雑誌に戦略的に露出することで、スシローは回転寿司業界のトップに立ちます。最大限に企業価値を高めたのちに、2012年9月にユニゾンはPEファンドのペルミラに全株式を転売し、売却益541億円という破格のリターンを得ました。

ですが、スシローはその後、2017年に東証1部に再上場、神明が筆頭株主になるなど、「たらい回し」と揶揄されるような複雑な動きが続いています。

 

官民ファンドによる買収事例

次は、産業革新機構(官民ファンド)による、ジャパンディスプレイの買収事例を紹介します。官民ファンドとは、政府と民間がともに出資しあう政府系ファンドで、緊急経済対策の一環として設立されることが多いです。産業革新機構のほか、地域経済活性化支援機構などがあります。
産業革新機構は2009年に設立され、2018年9月に株式会社INCJと産業革新投資機構に分割されています。

株式会社ジャパンディスプレイは、産業革新機構のリードのもと、2012年4月にソニーや東芝、日立製作所のディスプレイ部門を統合してできた会社です。

産業革新機構はジャパンディスプレイを支援してきましたが、2014年3月に東証1部に上場、保有株式の約半分を売却しました。そこで、出資額の8割に達する約1600億円を回収し、約700億円の利益を得ました。

官民ファンドは、民間にはできない高リスク事業の支援という役割が期待される一方、効率よく成果を出すことが求められるという、相反する性質を持ちます。そのため、批判を受けることも多いですが、ファンドによるM&Aを検討するうえでは存在を知っておいた方がよいでしょう。

 

ファンドのM&A事例から読み取る成功ポイントとは

これらの事例に共通しているのは、ファンドがM&A後に対象企業の価値を増大させてから売却していることです。
しかし、経営のプロであるファンドにおいても、企業の経営改善はたやすくはありません。コメダの事例では、株価が低迷していた時期もありました。ジャパンディスプレイの事例も、産業革新機構は上場による売却益は得たものの、2019年3月期において5年連続赤字を計上しています。

では、ファンドによるM&Aの事例から読み取ることのできる、M&Aを成功させるためのポイントについて解説していきます。

 

会社や従業員への思いが強いならそもそも手放さないこと

まず、ファンドがM&Aを行うのは売却益が目的なので、抜本的な経営改革やリストラを行う可能性があります
そのため、事業の成長よりも、現在の理念や経営方針、従業員への思いが強いなら、ファンドへのM&Aは行わない方がよいでしょう。

たとえばスシローの事例ですが、ファンドとのM&Aにより、従来の人材では思い浮かばなかったかもしれないメディア戦略を取ったことで、回転寿司業界のトップに躍り出ることができました。
しかし、その後もPEファンドに転売され、再上場により筆頭株主が変更するなど、経営体制が安定しない状況が続いています。

事業成長という面では、一般企業よりもファンドに買収されたことで、最大の効果を上げることができました。ですが、従業員の立場から見れば、オーナーや経営方針が激しく変わることで不安を覚えたり、解雇されたりした人もいたかもしれません。

つまり、ファンド相手に限らず、M&Aに臨む上で重要なのは、最優先事項を明確化することです。

M&A時の売却益最大化や売却後の事業成長を最優先する場合は、ファンドとのM&Aは有効です。事業の成長には痛みが伴います。そうした痛みよりも、自社の理念や歴史の存続、従業員の雇用継続を優先したい場合は、そうした意向に理解を示してくれる一般企業とM&Aを行ったほうがよいでしょう。

 

属人的なビジネスモデルから脱却しておくこと

中小企業などでは、オーナーのカリスマ性によって事業が保たれていて、オーナーに依存しない経営体制の構築や権限委譲などが進んでいないケースがあります。ファンドとのM&Aを検討するなら、属人的なビジネスモデルから脱却しておく必要があります。各人に依存している業務を可視化してフロー化し、特別な対応事例なども併せてマニュアル化することが必要です。

ファンドとのM&Aにおいては、従業員の雇用が継続されるとは限りません。
属人的なビジネスモデルの場合、エース的な人材が抜けてしまった場合、日々の業務にも支障が出ることがあります。
また、M&Aに臨む際に、自社のビジネスモデルや経営体制を客観的に説明できないと、M&A自体が成立しないこともあります。

 

ファンド側に利益が出ると思ってもらう説明をすること

ファンドがM&Aの対象とする会社の条件には、ファンドの介入により企業価値を上げられそうな会社であることが挙げられます。競合の少なさ、安定した収益性、独自性があり将来性が見込める、流行に左右されないなどの特徴があればよりベストです。

そのため、ファンド側から見た自社の強みを客観視して明確化することが重要です。そして、ファンド側が買収により旨味を感じるように、強みを伝えることが必要となります。

MBKパートナーズが、負債があってもコメダを買収したのは、事業にオリジナル性があり、投入する資本さえあればフランチャイズ店を拡大して経営改善できる見込みを感じたからです。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

先述したように、ファンドとのM&Aを成功させるためには、「属人的なビジネスモデルからの脱却」や「自社の買収によりファンドが利益を出せることのプレゼン」などが必要となります。
とはいえ、M&Aの経験がないと、これらはなかなか難しいです。

そうした場合、M&Aの専門家であり、情報ネットワークを独自に持つM&Aアドバイザーへの相談をおすすめします

M&Aに際しては、自社の企業価値を算定する必要がありますが、オーナーの主観ではなく客観的なデータが必要です。
たとえば、事業計画をもとにした利益・キャッシュフローの予測やリスクの洗い出し、顧客リスト・従業員や取引先・競合などの評価などが必要になります。
さらに、算定した企業価値をファンド側に伝わるようにプレゼンするテクニックや交渉能力なども求められます。

M&Aアドバイザーは、税務会計や法務、労務など広く深い専門知識や実地経験、交渉に必要な高いコミュニケーション能力、買い手視点から見た網羅性などを持ち合わせており、適切なアドバイスとサポートが可能です。

 

ファンドとのM&A事例をさらに聞くなら

まとめると、ファンドがM&Aを行うのは、売却益を得るためです。実際の事例においても、ファンドはM&A後に対象企業の価値を増大させてから売却して、利益を得ていました。

ファンドとのM&Aを成功させるためのポイントとしては、「会社や従業員への思いが強い場合は、ファンドへのM&Aを行わない」「属人的なビジネスモデルからの脱却」「自社の買収によりファンドが利益を出せることのプレゼン」「専門家への相談」が挙げられます。

ファンドとのM&A事例をさらに知りたい場合は、M&Aアドバイザーに相談するのがおすすめです。
M&Aアドバイザーは各々独自の情報ネットワークや過去のM&A事例のストックを持ち、事例の紹介だけではなく、具体的なアドバイスも行ってくれます。

過去にはM&Aアドバイザーが着手金を取っていた時代もありましたが、最近は着手金がいらない成果報酬型が増加しており、ファンドとのM&Aが確定するまでは無料で相談することができます。

着手金無料のおすすめM&Aアドバイザーをご紹介します。一度、話を聞いてみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

>>匿名で相談・簡易査定をしてみる<<

 

経営者の方は必見!

今ならM&Aを理解し使いこなすための本、「図解で簡単!オーナーのためのM&A入門」が経営者限定で無料で手に入ります。詳しくは下記リンクをクリック。

>>「オーナーのためのM&A入門」無料プレゼント!<<