EC事業の事業承継【事例から読み解くポイント】

「EC事業を引退したいのだけれど、引き継ぎ先としてどんな選択肢があるのだろうか」

「選択肢の一つとして事業承継を考えているけれど、どうしたらよいか分からない」

「EC事業において、実際にあった事業承継の事例を知って参考にしたい」

そのように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では、EC事業のオーナーが事業承継を行う背景、実際にあった事業承継の事例、事業承継を行ううえでのポイントについて解説します。

事業承継を検討するうえで、ぜひ参考にしてみてください。

 

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EC事業が事業承継を行う背景

EC事業のオーナーが「引退したい」と思う場合に、選択肢は3つあります。

 

・後継者への事業承継

・M&A(第三者への事業承継)

・廃業・倒産

 

近年は、後継者不在の問題を抱えている企業が多く、子どもが「継がない」「継げない」「いない」といったケースがあります。

また、後継者が見つかっても、経営者としての素質や、数年間単位の後継者教育が必要となるため、親族内承継(子どもや親族による承継)のハードルは高いのが現状です。

 

そうした背景から、M&Aによって第三者への事業承継を行うオーナーが増えています

 

M&Aによる事業承継のメリットには、「経営に対する重責からの開放」「現金の獲得」「従業員の雇用継続や待遇改善」などが挙げられます。

特にEC事業のオーナーにとっては、ECサイトの開発資金が回収できたり、ECサイト開発で株式評価額が上がっている場合は創業者利益としてまとまった金額を入手できたりと、メリットは大きいです。

また、個人のアフィリエイトサイトやECサイトなどのサイト承継も、スモールM&A(小規模なM&A)を活用すれば可能となります。

 

EC事業の事業承継の事例

それでは、EC事業における事業承継の事例を具体的に紹介していきましょう。

 

子どもなどの後継者に事業承継

大手通販・EC企業「ジャパネットたかた」創業者の髙田明氏は、長男に事業承継をしています。

しかし、単なる世襲とは異なり、社員が1800人いる中で、長男が最も議論を戦わせて本音でぶつかった仲間だからこそ事業を承継した、スキルがあっても企業理念や価値が共有できない人には承継しなかっただろうと語っています。

逆にいえば、子どもや親族でなくとも、企業理念や価値を共有できて本気で議論できる相手ならば、事業を承継できるともいえるでしょう。

 

また、髙田氏は、人間に寿命があっても企業には寿命がなく、企業の存続自体が社会への貢献であるとも述べています。

社会に何らかの利便性を与えている企業は、もはやオーナーだけのものではなく社会的財産といえます。

そのため、自分が引退しても企業が存続するためにはどんな選択肢がベストか、そのためにどんな準備が必要かを、早い段階から考え始める必要があります。

 

他にも、EC事業においては、後継者への事業承継を機に、新オーナーが既存のEC運営を再構築する試みが増えてきています。

背景としては、以下が挙げられます。

・周囲の同業者が、EC事業に本格的に参入しているため

・実店舗ではそこそこの売上なのに、ECサイトで売上を上げている同業者を見て

・セミナーなどの影響

・以前よりも、ECサイトが低単価化かつレベルアップして導入しやすくなったため

 

また、メーカーや卸業種などの他業種が、やはり事業承継を機に、直売スタイル確立のためEC事業に参入するケースも目立ってきています。

もともと商品を製造または卸していた会社にとっては、EC事業に参入さえすれば、拠点を変えずとも全国を対象に商売ができるというメリットは、企業戦略として外せない魅力があるようです。

 

M&Aによる、第三者への事業承継

後継者への事業承継の他には、M&Aによる第三者への事業承継があります。

また、一部の事業のみ承継したい場合は、M&Aの一種である会社分割や事業譲渡を用いることもあります。

では、いくつか事例を紹介していきます。

 

BtoBモール事業を承継させた事例

オークファンは、2017年12月、子会社のSynaBizが運営する「NETSEA」が、楽天から「楽天B2B」事業の一部(サプライヤーとの出店契約)を承継すると発表しました。

オークファンは、国内最大級のBtoBモールである「NETSEA」や、オークション等の出品商品や価格の比較・検索サイト「aucfan.com」など、BtoC取引・CtoC取引における商品価格情報の提供により事業を広げ、近年ではM&Aによる拡大戦略に力を入れています。

 

BtoBとは「Business to Business」を略したもので、企業対企業の商取引を指します。

例えば、「楽天市場」は、企業が個人に対して商品を売る「BtoC(企業対個人・Business to Consumer)」モールです。

対して「楽天B2B」は、楽天市場に出店している店舗のバイヤーと、商品を卸したいサプライヤーとを仲介するBtoBモールとして利用されてきました。

 

「NETSEA」は、「楽天B2B」事業の一部を承継してサプライヤーを引き入れることで、家電や食品など商品出品点数が少なかったカテゴリで、バイヤーの仕入れニーズに応えることを目指しています

 

会社分割でECサイト事業を切り離した事例

2015年7月17日、占いなどのサイト運営や課金コンテンツ事業を行うザッパラスが、会社分割により「株式会社カラモ」を設立し、ECサイト「藤巻百貨店」の事業を承継させることを発表しました。

続く7月31日、トランスコスモスが、ザッパラスとcaramoの株式100%を譲り受けることで基本合意したと発表しました。

 

「藤巻百貨店」は、キュレーションサイトの先駆け的存在で、日本のものづくりをテーマとし、一流の目利きがセレクトするここでしか買えない珠玉の一品を取り揃えている、オリジナリティの強いECサイトです。

ザッパラスは、会社分割によってECサイト事業を切り離すことで、メインのコンテンツ事業に経営資源を集中したいという考えです。

トランスコスモス側は、今後はアジアを中心にした「藤巻百貨店」のグローバル展開を考えており、グローバルEリテール事業のさらなる展開加速を目指しています。

 

事業譲渡でECサイト事業を切り離した事例

2018年9月、在庫改善クラウドサービスを運営するフルカイテン(旧ハモンズ)は、ベビー服EC事業「ベビちゅ」をエイジア子会社の「ままちゅ」に事業譲渡しました。

フルカイテンのプレスリリースによると、創業時からのメイン事業であった「ベビちゅ」を事業譲渡したのは、さらなる成長戦略のために必要な企業体力が自社にないためでした。

さらに譲渡先にエイジアを選んだ理由は、企業体力や事業領域などから、自社よりも「ベビちゅ」の成長戦略を実現できる企業であると判断したためと述べられています。

事業譲渡の目的としては、クラウドサービス業への経営資源の集中を挙げています。

 

EC事業の事業承継のポイントとは

ここまで、EC事業における事業承継の事例を紹介してきました。

実際に事業承継を行う場合に考えておきたいポイントとしては、次が挙げられます。

 

・競合のECサイトより優れている

・事業承継後の目指す目標の設定

・M&Aの専門家に頼るのもアリ

 

では、ひとつひとつ解説していきます。

 

競合のECサイトより優れている

EC事業の事業承継において、M&Aによる第三者に承継する場合には「自社のECサイトが競合より優れているか」という視点が必要です。

 

ザッパラスとトランスコスモスの事例では、「藤巻百貨店」はオンリーワンといってよいほど独自性のあるECサイトでした。

また、フルカイテンとエイジアの事例でも、ECサイト「ベビちゅ」は後発にもかかわらず、ベビー服やベビー用品において日本最大級の充実した品揃えがありました。

トランスコスモスやエイジアといった買い手にとって、承継されるECサイトが競合より優れていて魅力があると感じられたからこそ、M&Aによる事業承継は成立したのです。

このように、事業承継によって売り手と買い手の双方にシナジー効果をもたらすためには、ECサイトの充実が必要不可欠です。

 

ECサイトは、検索サイトで上位表示されて顧客を集めるまでには、年単位の取り組みが必要となります。

新規参入企業にとっては、サイト開発だけでも多額のコストや時間がかかるのに、サイトを開発しても順調に商品が売れる保証はないため、参入の障壁は非常に大きいです。

そのため、競合サイトに比べて独自性があったり、長年のファンや取引先を持っていたり、技術のある従業員を抱えていたりするECサイトは、買い手にとって大きな魅力となります。

 

また、オークファンと楽天の事例では、オークファンが「楽天B2B」を承継することで、それまで商品出店点数が少なかったカテゴリを補えるというメリットがありました。

第三者への事業承継では、自社のECサイトを承継してもらうことで、買い手にどんなメリットがあるのかを考察することが必要です

 

事業承継後に目指す目標の設定

事業承継を成功させるには、事業承継後にどういう状態になりたいかを目標として設定する必要があります。

例えば、後継者に事業承継を行う場合は、事例で紹介したジャパネットたかたのように、後継者に企業理念や価値を継続してもらいたいという譲れない条件を目標として設定します。

その後、経営理念の具体化や、事業領域・数値目標・経営基本方針といった中期的な経営ビジョンの作成なども必要です。

また、M&Aによる第三者への事業承継を行う場合は、ザッパラスやフルカイテンの事例のように、事業承継によりEC事業を切り離すことで中核事業に経営資源を集中させるなどの目標を設定します。

 

いずれの場合も、目標を実現するためには、どのような事業承継を行うべきか戦略を立てる必要があります

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ

しかし、目標を立てるといっても、何から始めてよいか分からない方も多いのではないでしょうか。

そうした場合は、事業承継の専門家であるM&Aアドバイザリーに相談することをおすすめします

後継者がいない場合に事業を第三者へ引き継ぐにはどのような選択肢があるのか、専門家の視点から豊富な提案を行ってくれます。

 

また、実際に事業承継を行うことになった場合、客観的なデータをもとに事業価値の正確な評価を行ってもらえます。

事業価値の評価には、事業計画の立案や、そこから予想されるキャッシュフローやリスクの算定、顧客リストや人材、競合や資産などの評価が必要となり、素人が独力で行うのはなかなか難しいものです。

さらに、事業を承継する買い手の募集・選出や、事業価値をプレゼンするための資料作成、売却条件をめぐる交渉、法務知識を必要とする契約書の作成など、細かな手続きも専門家が行います。

M&Aアドバイザリーの力を借りれば、難しい手続きに悩まされることはありません。

 

EC事業の事業承継を行うなら

ここまで、EC事業の事業承継を行ううえでのポイントを解説してきました。

それでも、実際に事業承継を行おうと思ったら、何から手をつけてよいか分からず不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

 

ニュースとして読むことができる事業承継の事例はたいてい大企業のもので、中小・零細企業の事例は公表されることが稀です。

ですが、事業承継を専門とするM&Aアドバイザリーなら、多数の事例をストックしているので、実際の事例を紹介しながらそれに基づいて具体的なアドバイスをくれます。

おすすめは、EC業界に精通していて、事業価値の最大化が得意なM&Aアドバイザリーに相談することです

 

近頃は、着手金を払う必要のない、成果報酬型M&Aアドバイザリーが増えてきているため、事業承継が成立するまでは無料で相談できます。

 

たとえばスパイラルコンサルティング社ならば、完全成果報酬型で、さらに初回相談は匿名でも可能です。

何から手を付けたらいいかわからないという方でも、気軽に相談しアドバイスをもらうことができます。

 

まだまだ検討段階という方でも、インターネット上で気軽に無料で相談できるので、活用してみてはいかがでしょうか。

 

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