建設業のM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい3つのポイント

建設業界では、従来業界再編が起こりにくいとされてきました。しかし、ここにきてその流れが変わってきています。さまざまな理由から、大手建設会社が事業拡大を図る現状は、建設業のオーナーにとって、M&Aを検討するべき好機です。M&Aを検討中のオーナーが気をつけたい3つのポイントをご紹介いたします。

 

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建設業のM&A

はじめに建設業界のM&Aが現在どのような状況にあるのかをご紹介いたします。

 

M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略であり、そのまま日本語に訳すと「合併と買収」となります。合併とは複数の会社が一つになることであり、買収とは一方の会社が他方の会社を買うことです。

 

しかし現在、M&Aという言葉は、狭く企業の合併と買収を意味するだけではなく、事業の再編と統合全般を意味する言葉として用いられています。1990年代前半のバブル崩壊以後、日本の経済構造は大きく変わり続けています。経済構造の変化は、通常業界再編を伴います。そして、業界再編は、事業の再編と統合を通じて行われます。最近30年に渡る経済構造の変動の中で、多くのM&Aが行われてきました。

 

事業の再編と統合は、資本の移動を伴うものと、伴わないものがあります。後者の代表例は業務提携であり、前者の代表例は狭義のM&A、つまり合併と買収です。業務提携とは、資本の移動を伴わず、契約などを通じて共同で研究や開発を行ったり、物流や仕入れを共同化したりすることです。

 

事業の買収には、株式譲渡による方法と、事業譲渡による方法があります。これについては後に詳しく説明することにしましょう。複数の会社が1つの会社になることを合併と呼びます。多くの場合、合併は吸収合併の形をとります。存続会社を1社残し、残りの会社の株式を存続会社の株式と交換することで消滅させます。

 

M&Aが起こりにくかった建設業界

建設業界では、長年にわたって業界再編が起こりにくいと言われてきました。その第一の理由は、建設業の場合、一つ一つの発注に個別に対応する、受注生産方式が取られるためです。まったく同一の工事というものはなく、現場ごとに資材、機械、人員を調達する必要があります。これは、規模の経済が働きにくい構造です。

 

第二の理由は公共工事などで行われる入札制度です。さまざまな観点から評価する、「総合評価方式」の採用も進んでいますが、基本的には最低価格で入札した業者が落札する制度です。企業が1つになってしまうと、それだけ入札参加機会が限定されます。これは、企業合併に対する大きな障害です。

 

建設業界の動向

建設業界の長期的な動向は右肩下がりです。建設投資額は、1992年にピークの約84兆円を付けたあと、下降トレンドが続き、2016年の約52兆円と比較すると、約4割減少しています。しかし最近の動きをみると、2013年に東京オリンピックの開催が決定されてからは、50兆円以上を維持するなど、回復の動きがみられます。2019年の消費増税や、2020年のオリンピック以後、この動きが継続するかどうかは見方が分かれています。

 

建設業界で見逃すことのできないもう一つのトレンドは、サービスの総合化です。従来、建設業界は、建物や設備を完成させたところで仕事が終わると考えられてきました。しかし今日、リニューアルやメンテナンス工事が増える中で、購入後の総合的なサービスを含めた発注が増えてきました。以前の課題が、標準的な建物や施設をいかに安く作るか、であったとすれば、現在の課題は、いかにして質の高いサービスを、総合的、継続的に提供していくか、となりました。

 

建設業界のM&A

こうした二つのトレンドを受けて、現在建設業界のM&Aは活発化しています。そこには、建設需要の増大による人手不足に対応するために、M&Aを活用する動きがあるとともに、総合的で質の高いサービスを提供するための大手建設会社の活動があります。大手建設会社は、M&Aを活用することで多数の業態をグループに取り込み、いわば「メガ・プラットフォーム」を構築しようとしています。建設業界に対する需要のあり方の変化が、構造的に業界再編が起こりにくかった業界の常識を変えました。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

事業譲渡とは

事業譲渡とは、譲渡企業が所有する事業資産の全部または一部を譲渡する方法です。事業資産には、機械などの有形資産のほか、負債やノウハウ・知的財産などの無形資産も含みます。事業譲渡の場合、資産や負債を個別に移転させることになります。このため、債権債務、契約関係、雇用関係など、一つ一つ同意を取り付けて移転させる必要があります。手続きが煩雑になるデメリットはありますが、事業の一部を自分の手元に残せるメリットもあります。

 

株式譲渡とは

株式譲渡とは、経営者が保有している株式を譲渡することで、譲渡企業の子会社となる手法です。この場合、従業員や取引先との関係は、経営者が変わること以外の影響を受けません。手続きが簡便であるメリットがありますが、経営者は会社の経営権を丸ごと譲渡することになります。

 

廃業とは

廃業とは、経営者が自主的に会社経営をやめることです。これは、資金繰りがつかずに経営を続けられなくなる倒産とは違います。倒産の場合、その後会社を法的に整理することになります。

 

廃業には、さまざまなコストがかかります。税務署関係や許認可の届出、従業員への未払い賃金、設備や在庫の処分、事務所の原状回復などです。経営者の債務は、廃業によって消えるものではありません。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

業界再編が活発化している建設業界の状況は、建設業のM&Aを考えているオーナーにとって朗報です。人手不足や需要の変化で多くの買収需要がある現在は、売却を成功させ、有利な売却益を獲得する好機です。

 

事業譲渡や株式譲渡には、廃業に比べて多くのメリットがあります。会社自体は存続するため、廃業にかかる多くのコストが発生しません。しかし、譲渡を行う最大のメリットは、会社が事業として評価されることです。事業が一体のものとして評価されるので、事業ノウハウ、従業員スキル、顧客など、これまで築き上げてきた無形資産が評価の対象になります。市場で求められている事業を譲渡すれば、高額な売却益を獲得することができます。

 

建設業がM&Aを行うケース

建設業がM&Aを行うケースをご紹介いたします。

 

後継者がいないが引退したい

後継者の不足は、現在、中小企業の世界において最大の問題です。1995年当時、経営者の年齢のピークは47歳でしたが、2015年のピークは66歳です。経営者の高齢化は確実に進んでいます。60歳以上の経営者の約半数が後継者不在であり、そうした会社は、現在も増加している廃業の予備軍です。

 

休廃業を業種別に確認すると、直近10年前後でもっとも件数が多かった業種は建設業でした。ここから、高齢化した建設業の経営者が、後継者を見つけられないままに廃業に追い込まれていることを読み取ることができます。

 

M&Aを活用すれば、広い範囲から後継者を見つけることができるので、廃業を回避して事業を譲渡することができます。M&Aによる事業承継は、事業が評価される点で経営者にとってメリットがあるばかりでなく、既存事業が果たしてきた役割が存続する点で地域社会にとってもメリットがあります。

 

健康問題で経営を続けられない

経営者が病気にかかるなどして、これまで通りの経営活動を、維持できなくなる場合があります。この場合も、すでに述べた後継者不足のケースと同様に、M&Aを活用して事業を第三者に承継することが合理的です。

 

不況で生き抜くため

不況期などに、自らの経営体質を強化するために、M&Aを活用するケースがあります。株式譲渡により大手企業の子会社になり、子会社の社長として引き続き経営的を続ける場合などが、これにあたります。この場合、大手企業の資金力によりこれまでできなかった設備投資ができたり、ネームバリューにより従業員の採用が容易になったりするメリットがあります。また、不況で本格的に資金繰りが厳しくなることが見えてきたときに、あらかじめ資本を強化するために、M&Aにより事業を売却するケースもあります。

 

建設業のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

建設業のM&Aでオーナーが得られるメリットにはこんなものがあります。

 

心理的負担の軽減(経営、後継者)

経営者は、頭脳的にも心理的にも負担の大きな立場にあります。毎月の売上を確保し、仕入れや従業員への支払いを続けるためには、常に市場の動向をとらえ、適切な経営施策を考案・実施していく必要があります。人材不足の中、従業員を採用・定着させ、やる気を上げるためにも多くの努力が必要です。社会に変化が押し寄せる中で、経営に対する頭脳的・心理的な負担が増大しています。経営者が高齢化していたり、健康問題を抱えたりしている場合、そうした負担に後継者不足による心労が重なります。M&Aで事業を手放せば、こうした負担はなくなります。大手傘下で経営するのであれば、単独で経営する場合に比べて負担が軽減することができます。

 

金銭的メリット

M&Aを活用するということは、事業譲渡であれ、株式譲渡であれ、事業の全部または一部を売却することを意味します。この場合、事業が一つのまとまりとして評価されるので、経営者はいわゆる創業者利益を獲得することができます。

 

建設業のオーナーは、創業以来さまざまな努力を積み重ねて、経営の安定化と会社の成長に努めてきました。経営している間、こうした努力は事業利益として、各期にリターンをもたらしてきましたが、M&Aを活用して事業を譲渡すれば、事業売却益として、これまでの努力を一度に現金化することができます。

 

新事業への挑戦や引退後の生活

事業売却益という形で、一度に獲得した現金は、さまざまな目的のために活用することができます。新しい事業を始めるための元手とすれば、借金をする必要がなく、必要があっても少額にすることができます。高齢化などにより引退する場合は、得られた現金を、老後に余裕のある生活をするための資金とすることができます。

 

建設業のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント3つ

建設業のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイントを3つご紹介いたします。

 

準備は早めに

最初に頭に入れておくべきことは、M&Aには時間がかかることです。半年~1年で完了するという解説もありますが、売却前に事業価値を高めたり、売却交渉が難航したりすることを考えると、M&Aで事業を売却することを決めてから、売却が完了するまでに、2~3年程度かかると考えたほうがよさそうです。現在、建設業界のM&Aは活発化していますが、東京オリンピック以後もこの状態が続くかはわかりません。タイミングを逃さないためにも、M&Aの準備を早めに始めるべきでしょう。

 

売却事業の強みを明確化する

M&Aによる売却を成功させ、より多くの売却益を獲得するためには、売却前に事業を魅力あるものにしておく必要があります。M&Aの買い手は次のような点に注目しています。難易度の高い工事実績があるか、繰り返し受注している得意先があるか、有資格者が何人いるか、若い従業員を採用できているか、などです。こうした買い手が評価するポイントを理解したうえで、自社の事業を見返し、伸ばすべき強みを明確化します。自社の強みがわかったら、それをさらに強化して、事業売却で売り込むべきポイントにします。

 

譲れない売却先の条件を明確化する

M&Aによる事業売却は、買い手企業との交渉です。交渉前に期待していた項目がすべて満たされるとはかぎりません。交渉の過程で、さまざまな形で妥協を迫られることは十分に考えられます。事前に譲れない条件が明確にしておかないと、交渉中になにを妥協してよいのか分からなくなるかもしれません。その結果交渉が停滞し、交渉破棄にいたることも考えられます。事前に譲れない条件を明確化して、複数ある売却目的の間に、順位をつけて置けば、交渉の混乱を防ぐことができます。売却交渉が始まったら、そうした条件を考慮しながらも、柔軟に対応することも重要です。

 

建設業のM&Aを相談するなら

多数の買い手が存在する現在は、建設業のM&Aを実施する好機です。しかし、M&Aは複雑な作業なので、経営者が一人で買い手を見つけ、交渉を成立させることは、時間的にも知識や技術の面でも非常に難しい作業になります。M&Aは、適切な相談先を見つけて行うべき案件です。

 

M&Aの相談先として、もっとも適切なのは、M&A仲介会社です。建設業界に実績があるM&A仲介会社を活用すれば、仲介会社がプールしている多数の買い手の中から売却先を選べるだけではなく、スケジュール面でも専門的な作業の面でも、全面的なサポートを受けることができます。

 

最後に建設業のオーナーにおすすめのM&A仲介会社をご紹介します。

スパイラルコンサルティング社

 

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