建設業の事業譲渡【事例から読み解くポイント】

事業譲渡は、業界を問わず活発に行われています。建設業でも例外ではなく、毎年多くの建設業の企業や個人が事業譲渡をして、多額の売却益を得ています。事業譲渡は、売却益を得ることが第一の目的ではなく、企業の未来や自分の充実した人生を手に入れるために行われるのです。建設業が事業譲渡をするのは、どういったケースなのでしょうか。これは、事業譲渡のメリットから見えてきます。ここでは、建設業が事業譲渡を選ぶメリットや事例、注意点などについて詳しく解説していきます。

 

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建設業が事業譲渡の道を選ぶメリットとは

建設業が事業譲渡を選ぶのには、どのようなメリットがあるのでしょうか。事業譲渡には、オーナーが得られるメリットと従業員が得られるメリットがあります。また、会社の事業拡大や支社の増加などのメリットもあるのです。それぞれ、詳しくみていきましょう。

 

経営のプレッシャーから解放される

事業譲渡によって、建設業のオーナーから退任すれば、経営のプレッシャーから解放されます。経営者は、常に売上に追われ、現状維持が精いっぱいというオーナーもいます。また、常に上を目指して行動し、高い収益を挙げているオーナーもいるでしょう。しかし、どれだけ高い収益を挙げても、安心はできません。世の動向や業界の状況などによって売上が左右されるため、オーナーの能力が高くても、倒産に追い込まれるケースがあるのです。

 

このように、どれだけ頑張っても安心できないため、大きなプレッシャーを感じているオーナーは少なくありません。複数の事業を展開している場合は、建設業のオーナーを退任しても、残った事業の経営を続けることになります。そのため、完全にプレッシャーから解放されるわけではありません。しかし、経営している事業の数が1つ減るだけでも、精神的な負担を抑えられるでしょう。

 

建設業のみ展開している場合は、経営のプレッシャーから完全に解放されます。また、経営だけではなく、従業員の待遇に対してもプレッシャーを感じる場合があります。収益が増えないことで、従業員の待遇を改善できず、悩んでしまうこともあるでしょう。事業譲渡によって資金力のある企業がオーナーになれば、従業員の待遇改善も期待できます。

 

事業譲渡の条件として従業員の待遇改善を提示すれば、契約さえできれば確実に待遇改善できるのです。

 

後継者問題の解決

建設業のオーナーは、いずれ退任することになります。退任に向けて準備するべきことが後継者の選定です。後継者には、建設業に関する知識を持つだけではなく、経営者に向いている人物を選定しなければなりません。しかし、条件を満たした人物が親族や従業員にいないケースがあります。この場合、「妥協して後継者を選ぶ」、「廃業する」のどちらかを選ぶことになります。

 

妥協して後継者を選ぶと、従業員が後継者について行かず、退職してしまう恐れがあります。また、モチベーションの低下によって収益も下がり、結果的に廃業に追い込まれる可能性もあるでしょう。

 

そこで、救済の糸口となるのが事業譲渡です。第三者に事業を譲渡することで、現オーナーも退任でき、後継者を探す必要もなくなります。後継者になるよう言われていた人物としても、事業を継ぐ必要がなくなり、肩の荷が下りるでしょう。

 

事業の拡大や支社数の増加

事業譲渡によって、多額の売却益を得られれば、残された事業に資金投入したり、会社の支社を増やしたりするのに使えます。残された事業に資金投入できれば、事業拡大ができ、結果的により多くの利益を得られるようになるのです。事業拡大には、非常に多くの経費がかかります。取引先を増やしたり、他の土地に進出したりするためには、人手が必要です。

 

そして、人手を確保するためには、採用部門に資金投入しなければなりません、このように、十分な資金がなければ事業の収益拡大は難しいのです。事業譲渡によって売却益を得られれば、会社全体での収益を増やすことができます。

 

また、支社数を増やすためには、事務所を借りたり支社を建てたりするために経費が必要です。そのような経費も売却益によってまかなうことができます。無理に支社を作ったことで固定費が増え、本社の経営を圧迫するケースがあります。軌道に乗るまでに時間がかかれば、支社を減らすことになるでしょう。

 

事業譲渡の売却益を資金投入できれば、支社が軌道に乗るまでの収益を賄うことができ、営業に集中できるようになります。

 

従業員の雇用安定や待遇改善

建設業が赤字で経営が苦しい場合、従業員の待遇を上げることが難しくなります。このまま、赤字が続くことが予想される場合、従業員のモチベーションが下がり続け、廃業に追い込まれる可能性もあります。事業譲渡で資金力のある企業に売却できれば、雇用の安定と待遇の改善が期待できます。

 

ただし、事業譲渡では必ずしも従業員の雇用は引き継がれません。株式譲渡であれば従業員の契約も引き継がれますが、事業譲渡の場合は従業員と譲渡先の両方の同意をもって、引き継がれることになります。

 

そこで、事業譲渡の際に従業員が希望すれば雇用を引き継げるように条件を提示することが重要です。また、具体的に何%の基本給アップなど、待遇改善の条件も提示するといいでしょう。資金力のある企業に事業譲渡することは、それほど難しくありません。事業の買収を検討している企業は、事業拡大を目的としており、十分な資金を持っている傾向があります。

 

譲渡先を専門家に探してもらう際にも、絶対条件を伝えておくとスムーズです。

 

譲渡による現金獲得

事業譲渡によって多額の現金を得られます。現金を得られれば、他の事業に資金投入したり支社を増やしたりできる他、新事業の立ち上げ、アーリーリタイアによる生活費などに充てられます。

 

アーリーリタイアは、早い段階で隠居生活に入ることを指します。早ければ早いほどに、隠居生活の資金が必要になるため、高い売却益を得なければなりません。

 

事業譲渡では、事業の価値に応じた売却益を得られるため、建設業の質が高ければ高いほどに多くの売却益を得られます。事業譲渡における売却益には、次のような要素が関係しています。

 

収益性

一般的に、過去3~5年にかけての収益性が売却益に関係しています。3~5年の間で、収益が上がったり下がったりしている場合は、安定性が低いと考えられます。また、どれだけ持続しているかも重要です。事業譲渡の売却益は、時価純資産額に営業権を加えた額となりますが、この営業権は利益×持続年数で計算されます。

 

つまり、どれだけ高い利益を挙げていても、持続年数が短いと、理想的な売却益は得られないのです。営業権は、売却益のうち多くを占める部分のため、安定的に高い収益を挙げていることが非常に重要です。

 

知名度

知名度が高ければ高いほど、営業権が高くなります。営業権には、知名度の他に事業への思い入れなど目に見えない要素が含まれます。知名度に関しては、収益拡大に直接繋がりますが、事業への思い入れについては、収益に繋がりません。そのため、営業権を高く見積もりすぎると、譲渡先が辞退する可能性があります。

 

福利厚生

時価純資産額には、福利厚生に関する要素も含まれます。社宅完備など福利厚生が充実している場合は、それだけ時価純資産額が高くなります。

 

建設業の事業譲渡の事例

建設業の事業譲渡の事例を確認することで、どのようなメリットがあるのか、何に注意が必要か見えてくるでしょう。次のような事例があります。

 

積水化学工業の事業譲渡

積水化学工業は、複数の事業を展開しています。その一つである環境・ライフインカンパニー事業をフクビ化学工業に譲渡した事例があります。この事業譲渡の狙いは、独自に開発していた高性能フェノールフォーム断熱材の事業を譲渡することによる売却益を得ることです。売却益を得られることで、積水化学工業は他事業の選択肢が増え、収益拡大に向けて動きやすくなったのです。

 

下村建設の事業譲渡

下村建設が行う建設事業を美樹工業に事業譲渡した事例があります。美樹工業は不動産賃貸業を主力としています。下村建設のオーナーは多額の売却益を得られ、美樹工業は営業エリアの拡大と事業競争力の強化ができました。

 

上記のように、事業譲渡は譲渡側も譲渡先もメリットを得られる方法です。

 

建設業の事業譲渡の事例から見る注意点

建設業の事業譲渡の事例からは、複数の注意点が見えてきます。事業譲渡を成功させるためには、次のようなことに注意が必要です。

 

東京オリンピック後を見据えた行動ができているか

東京オリンピックが開催されるまでは。オリンピック特需によって建設業界が全体的に盛り上がっています。仕事がなくて困るオーナーが少ない状況です。東京オリンピックが終わると、一気に盛り下がり、一部の企業は仕事がなくて困る状況になる可能性があります。

 

事業譲渡の売却益は3~5年の収益が絡むため、収益が高い現時点での事業譲渡がおすすめです。収益が下がってから事業譲渡の計画を始めると、売却益が少なくなります。しかし、東京オリンピックの特需によって忙しい日々を過ごしているオーナーが事業譲渡の計画を進めることは困難です。

 

そこで、事業譲渡の専門家に相談し、譲渡先の選定や交渉の仲介などを依頼することがおすすめなのです。

 

譲渡先にとってのメリットを明確にできるか

譲渡先にとって、買収のメリットがなければ契約には至りません。譲渡先が企業分析に長けている場合、買収のメリットを十分に提示しなくても、ある程度の売却額となるでしょう。しかし、多くの企業はこちらからメリットを示さなければなりません。

 

また、オーナーですら気づいていない自社の強みが隠れているケースもあります。まずは、自社の強みを分析し、そこから買収先にとってのメリットを見出すことが大切です。メリットを示すために、資料やデータを用意しましょう。根拠を示さなければ、譲渡先には納得してもらえません。資料やデータは、多ければ多いほどに信頼性が高まります。

 

長い時間が掛かる場合もある

事業譲渡は、短期間で契約が成立するとは限りません。半年~1年程度はかかると考えておくことが大切です。まず、自社の強みから譲渡先のメリットを見出し、専門家の査定を受けて、希望売却額を算出します。そして、譲渡先の企業を探し、問題がないかどうか見極め、交渉に進むことになります。

 

交渉は、必ずしもうまくいくわけではないため、場合によっては長い月日がかかります。このように、事業譲渡には複数のステップがあるため、契約成立までに長い時間がかかることがあるのです。

 

事業譲渡は人対人

事業譲渡は、お互いにメリットがある場合に行うものですが、条件交渉をするのは人対人です。利益ばかりを考え、相手の気持ちを考えない内容の交渉では、相手の心象が悪くなります。「このようなオーナーが経営する事業を買収したくない」と思い、交渉が決裂する可能性もあります。そうなれば、事業譲渡のために準備してきた時間が無駄になり、オリンピック終了までに契約が間に合わなくなるかもしれません。

 

このような事態を防ぐためにも、事業譲渡は人対人で行われることを認識することが大切です。相手のオーナーに対して、事業への思い入れや希望などを伝え、しっかり向き合って交渉することが重要です。

 

建設業の事業譲渡を行うなら

建設業の事業譲渡を行うのであれば、M&Aの専門家集団に依頼しましょう。税理士や公認会計士、弁護士、中小企業診断士などが集まった企業にM&Aの仲介を依頼すれば、高い売却益を得られる可能性があります。事業譲渡を進めるスケジュールなども設定してもらえるため、オーナーは経営に集中できます。

 

また、条件交渉の際にも仲介してもらえるため、交渉時の注意点や希望の提示方法などのアドバイスを得られ、スムーズな契約成立に繋がるでしょう。大切な事業譲渡を任せるのであれば、まずは相談することが大切です。担当者の質に注目し、任せられる人物かどうか見極めましょう。オーナーの思いを受け止めて、しっかり買い手を探してくれる担当者を選ぶことが重要です。

 

中には、相談料が無料であったり、成功報酬以外の料金がかからなかったりする企業もあるので、自分に合った企業を見つけてください。

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