バス会社のM&Aを検討中のオーナーが気をつけたい3つのポイント【事例もチェック】

近年、人口の減少や自家用車の普及により、バス利用客は大幅に減少しています。バス利用者が減ること、それは同時にバス会社の収益に大きく影響することになり、バス業界自体の規模縮小にも繋がっています。バス会社の経営者は、全国各地に営業拠点を置き、運行範囲の拡大で収益向上を目指そうと、M&Aを積極的に行なっています。

今回、バス会社のM&Aを検討している経営者に対し、今後の経営判断の参考になるバス会社のM&A情報をお伝えします。

 

バス会社のM&A

M&Aとは

M&Aは、新事業への進出、業績不振からの脱却などを目的に、企業が戦略的に他企業と「合併」「買収」するビジネス手法です。近年、多くの業界で法改正による規制緩和が為、他の業界に進出するケースが多くなりました。他業種の事業参入により、限られ市場内のシェア争いがより一層激しくなります。

同時に、オーナー企業の多い中小企業では、経営者の高齢化が大きな問題となっています。しかし、従業員や親族の中に経営者として活躍できるような人材がいないことで、後任が見つからずにそのまま廃業の道を選択する企業も少なくはありません。後継者不足からの脱却を図るため、第三者に会社経営を任せる為に、M&Aを実施する企業が増加しつつあります。

 

事業譲渡や株式譲渡を行うメリット

バス会社がM&Aを実施する場合、会社を丸ごと売却して経営権を譲渡する「株式譲渡」、事業の一部を譲渡する「事業譲渡」と2つの手法があります。株式譲渡は、売り手側は所有している全株式を売却することで、買い手側に経営権を譲渡する代わりに、対価として現金を得ることができます。また、運転手不足で困っている中小企業は、スピーディーな会社売却で人材確保を行なうことができるので、株式譲渡をすることが多いです。

会社の事業を第三者に売却することでは株式譲渡と違いは無いものの、事業譲渡は会社の経営権はそのままにし、「事業」だけを売却することです。ここでいう事業とは、会社が保有する「人材」「ノウハウ」「ブランド」「取引先」「財産・債務」など、目に見える財産やそうではない無形財産のことを指します。幾つかの事業を抱えているバス会社では、事業譲渡を実施し、採算の採れない事業の売却でバス事業への一本化を図り、事業の「選択と集中」を行います。

2012年に関越道で発生した高速ツアーバス事故の影響により、バス会社への規制が強まり、貸切バス事業の許可申請や監査などが厳格化されました。他業種からバス業界に参入する場合、新たにバス車両を購入する際にかかる時間や金銭面などのコスト負荷、バス事業を許可する獲得のハードルの高さなどの困難があります。しかし、M&Aを利用すれば、バス事業の許可を獲得し、同時にバス車両を手に入れ、既存の路線を確保することができます。

 

バス会社がM&Aを行うケース

M&Aを実施して企業規模の拡大を目指す会社は少なくありません。

そんなバス会社にとって、最も重要なことは運転手の確保です。M&Aを行う背景には、そんなバス会社ならではの理由があります。

 

・運転手の確保

国土交通省の調査によると乗り合いバスの運転者数は、昭和51年の107,282人をピークに、平成27年時点で83,537人と約20%減少しています。バス会社業界では、2000年代初頭の法改正規制緩和により、バス会社業界に新規参入してくる事業者が増えました。タクシー会社や電鉄会社の新規参入により、業界内での競争が激しくなったのです。その結果、バス運転手は厳しい環境で仕事をしているという認識が広がり、新卒でバス運転手を目指す若者が減少傾向にあるというのが現実です。

新卒社員が減る一方で、バス会社業界全体で運転手の高齢化が問題になっています。さらに、乗客を乗せてバスを運転する気力と体力に限界を感じ、ベテランドライバーが次々と引退しています。バス会社が新たにドライバーを採用し、研修から実際に業務に取り組むまで時間を要します。そこで、M&Aで同業種であるバス会社を買収し、経験豊富なドライバーの獲得を目指すのです。

 

・運行範囲の拡大

これまで関東圏内でしか運行していなかったバス会社が、関西や東北地方などのバス会社を買収することで、運行範囲を大きく拡げることができます。全国規模で運行すれば、自然と会社の知名度やブランド力は上がります。

 

・経営の安定化

冒頭で触れましたが、現在、人口の減少や自家用車の普及により、路線バスの利用客が減少し、地域の路線バス会社は赤字経営に陥っています。赤字経営で頭を悩まされたバス会社は、事業再編のため会社そのものを売却、中堅企業はバス事業のみを売却するケースがみられます。

 

バス会社のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?

ズバリ、バス会社をM&Aで売却すれば、創業者利益を獲得することができます。創業者利益により、M&Aで会社の株式を買い手企業に譲渡し、現金を得られます。手に入れた資金でリタイア後の趣味や生活費に充てるオーナーがいれば、投資ファンドで会社を成長させ、セカンドキャリアの新たなスタート資金として利用することもできるのが、創業者利益の利点です。

また、バス会社を売却することで、従業員の雇用維持のプレッシャーや個人保証・各種担保から解放されます。中小規模のオーナーは、事業の資金繰りに苦慮し、個人資産を担保にするケースが多く見られます。事業が上手くいかなくなった場合、返済が滞ってしまうと、自宅や自分の車などの個人資産が差し押さえられてしまいます。経営悪化をなんとかして防ごうという重圧を常にある為、過度なストレスを抱えることになります。しかし、バス会社を売却すれば、オーナーの立場から離れることになれば、プレッシャーから解放されます。

 

バス会社のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント3つ

ここからは、実際にM&Aでバス会社を売買する際に注意するべき点を3つ紹介します。外国人観光客の増加による観光用バスの必要性、将来的に見た従業員の勤務姿勢、M&A仲介会社を利用するべき事由から、気をつけるべきポイントを抑えておきましょう。

 

路線バスよりも観光バスの方が売れる

これまで観光バスは、主に国内の旅行者用として使われるのが大半でした。それも日帰りの国内のグルメツアーや食品の工場見学などが目的です。しかし、昨今の訪日外国人観光客の急増により、観光用バスの需要が高くなっています。国内の大手・中堅クラスのバス会社では、路線バスと観光バスの二刀流で事業を行っていますが、観光バスの売却で収益・利益を上げているという話も聞きます。

 

免許を持つ従業員の数

バス会社がM&Aを行う一番の目的は、事務員、整備士、バス運転手の確保です。バス事業を運営する際、第二種大型自動車免許を有する運転手が必要です。資格を持っていない従業員に免許を取得させる場合や、新たに運転手を雇用しようとするとどうしても費用と時間が掛かります。しかし、M&Aによってバス会社を買収すれば、他の企業の運転手を簡単に確保できます。

また、路線バスの運行管理を行うのには、専門の「運行管理者」という国家資格を持っている従業員が必要です。運行管理者は、路線バスが定刻通り、安全に目的に到着するように運行間隔を調整し、運転士に指示を出します。バス会社の各営業所に配置され、営業所の窓口対応やバス運転手の体調チェックや道路状況や運行に関する確認を行う、路線バスに関するエキスパートです。自社に運行管理者が多く在籍しているかどうかも、買い手からは大切なチェックポイントになります。

 

M&Aは自力でやるより、仲介会社を利用したほうがいい

M&Aの手続きを進めていく場合、M&A仲介会社を利用することをおすすめします。M&Aプロセスの過程では、法律上の仕組みを理解していなければならない場面に遭遇します。

バス会社を売却する際、有形資産であるバス、目には見えない知的財産を金額として換算し、企業全体の価値を決めていきます。M&A仲介会社に在籍している公認会計士による、第三者目線の公正な評価により、売買企業双方の要望を擦り合わせることでトラブルを最小限に抑えることができます。

また、M&A仲介会社はそれぞれに得意な業種があります。スムーズ且つ適切な売買を行うためにも、バス会社のM&A経験があるM&A仲介会社を選びましょう。

 

バス会社のM&A事例

バス会社の経営者は、M&Aを成功させる為に、いくつかの留意点があることを理解したと思います。ここからは、実際に行われたバス会社のM&A事例を3つ紹介します。バス会社同士のM&A、バス事業参入を目指した企業のM&Aを見ていきましょう。

 

「神姫バス株式会社(以下、神姫バス)」が、「全但バス株式会社(全但バス)」を関連子会社化

兵庫県内を中心に、兵庫から大阪府・岡山県などをつなぐ路線バス運営を主に行い、高速バスや貸切バスなどの輸送サービス事業を行っている神姫バスが、兵庫県養父市で路線バスを運営している但馬バスの全株式を取得しました。

神姫バスによる但馬バス買収は、但馬地域への送客が目的です。これにより神姫バスは、首都圏、京阪神、播磨地域から但馬地域への送客が実現しました。さらに、全但バスと連携し、兵庫県下における地域活性化分野での共同企画・運営でコミュニティの強化に取り組みをスタートさせました。

 

「株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)」が、「福島交通株式会社(以下、福島交通)」を買収

2009年3月、東北や関東のバス事業を手掛けるみちのりHDが、福島県中通りを主な営業エリアとし、地方鉄道・貸切バス・乗合バスを主要事業としている福島交通を買収しました。今回の買収の目的は、東北や関東地域での路線バス・高速バス運行のさらなる充実を図るためのものです。

みとのりHDは、福島交通の買収を皮切りに岩手、茨城、神奈川など2017年現在に至るまで毎年のようにM&Aによる買収を行ってきました。2015年に国土交通省が作成した「全国乗合バス事業者の移動円滑化基準適合車両導入状況」によると、栃木県内のシェア率を71%、福島県内では65%と勢力を拡大しています。

 

「第一交通産業株式会社(以下、第一交通)」が、「那覇交通株式会社(以下、那覇交通)」に営業先を譲受

2004年7月、タクシー事業を中核事業としていた第一交通が、バス事業を行う那覇交通の営業先を譲受しました。地域に密着したグループ企業を目指し、住民の快適環境を創るため路線バス事業に参入しました。

那覇交通の営業地域譲受けにより、第一交通のバス台数は255台増加し、第一グループ内のバスの総認可車両数は376台となりました。沖縄の観光立県としてのイメージアップにつなげるため、積極的な設備投資で顧客満足度を高め、地域に密着することに徹底した経営方針を掲げています。

上記、3つのM&Aは、同業種異業態による交通事業の強化と拡大を目指したものです。

 

バス会社のM&Aを相談するなら

近年のバス会社業界が行っているM&Aの動向から、バス会社同士での企業売買でバス事業の強化、またはその周辺事業を取り入れ、自動車運輸業として企業を発展させる動きが活発になっています。

バス会社のM&Aを行う場合、M&Aの専門知識を持った業者による企業価値の平等な評価で、M&Aで起こりうるトラブルを最小限に防ぐことができます。

スムーズにM&Aを進めていくためにも、バス会社の成約実績と経験豊富なアドバイザーがいる、バス会社のM&A専門業者に相談しましょう。

 

M&Aコンサルタントの中でも特におすすめなのは、東京に拠点を置くスパイラルコンサルティング社です。

成果報酬制なので無料で相談を受け付けており、多数のM&A実績を持っているため、バス会社のM&Aについても的確なアドバイスをもらえるでしょう。

満足できるM&Aにするためにも、まずはご相談してみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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