バス会社の事業承継はどうすればいい?注意点やポイント、事例は?

日本国内の公共機関の中で大きな役割を果たしているのが、「バス会社」です。自家用車の普及により、バス利用者が年々減少傾向にあります。

しかし、路線バスが廃線となれば、バスを生活の足としている住民にとっては、非常に由々しき問題です。

バス会社全体で問題提起されている、人口減少や自家用車普及等による、バス利用客減少に対して、各バス会社ではどのような方法で対処しているのでしょうか。

実際に取り組みが行われているM&Aによる事業承継を軸に、その際に注意すべき点や、近年行われたバス会社の事業承継事例などを紹介していきます。

 

事業承継のメリットとは

会社の事業を買い手企業に承け継ぐ「事業承継」という手法があります。日本国内だけでなく、世界中のあらゆる業界で代表的なビジネススキームです。ここでは、会社の経営者や従業員に対して多くのプラス効果をもたらす、事業承継を活用するメリットを紹介しましょう。

 

経営に対する重責からの解放

バス会社の経営者は、事業承継で会社を第三者に承継させることができます。トップの立場に居続けていると、常に大きな重圧が経営者の身に襲い掛かります。バス会社が赤字になって倒産しないようになど、経営者は安定した経営を行う責務を担っています。安定した経営の為には、各営業所でバス運用に問題が無いか、バス稼働率に対して利用者数は目標に達しているのかなどだけでなく、他のバス会社の経営動向をモニタリングし続けなくてはいけません。

しかし、事業承継を実施すれば、バス会社の経営から退くことで経営に対する重責やストレスから解放されます。経営者は自分自身の残りの時間を考えたうえで、事業承継を検討する必要があるでしょう。

 

現金を得ることも

事業承継を行う目的は企業によって様々ですが、現金を得られることを期待して事業承継を実施する企業が多いのも事実です。

事業承継において、買い手企業が売り手企業の価値を評価し、その評価額に対して売り手企業に異論がなく、売却が成功すれば現金が発生します。

また、売り手企業が将来的に生み出すであろう「事業価値」を計算する必要があります。それを含めたうえでの売却金額になるからです。

 

従業員の雇用継続や待遇改善

例えば、バス会社の経営が赤字になり、廃業を決めた場合、従業員を事実上解雇処分としなければなりません。これまで、献身的にバス業務に関わってきた運転手や整備士、経理スタッフらにおいて、給料や退職金などの支払いで混乱を招く可能性があります。

このような状況を防ぐことができるのが事業承継の特徴のひとつでもあるのです。事業承継が成功すれば、会社を廃業せずとも、売り手企業は従業員を買い手企業に託すことができます。

さらに幸い、バス会社業界で大きなシェアを獲得しているバス会社との事業承継が実現した場合、従業員の給料が上がったり、大手企業の豊富な経験とノウハウによる運営体制で働き方が大きく変わったりし、労働環境が改善するケースも少なくありません。

 

バス会社の事業承継を行う際の注意点

事業承継を行う場合、いくつか注意しなければならないポイントがあります。経営者は事業承継が確定するまでは従業員や取引先にその事実を秘密にすることです。

 

事業承継の確定まで従業員や取引先には秘密にする

・従業員への対応

事業承継は、会社経営を大きく編成するターニングポイントです。会社のオーナーが代わり、従業員の職場環境が大きく変われば、戸惑いから業務に対してモチベーションの低下、バス運営で欠かすことのできない運転手や整備士がストレスを感じ、退職する恐れがあります。事業承継の過程でこのようなことが起きれば、企業の価値が大きく損なわれ、この取引が破談になる可能性もあります。

従業員の業務効率低下を防ぎ、離職者を出さないためにも、事業承継の確定まで情報を漏らさないよう注意しましょう。どこから情報漏洩が起きるか分かりませんので、会社の限られた人間だけに留めておくべきです。

 

・取引先への対応

長年、取引先に対しても、バス会社の事業承継が確定するまで、秘密にしましょう。事業承継確定前にオーナー交代の旨を伝えてしまえば、取引先との関係を悪化させてしまう可能性があります。特に、大口の取引先との契約解消は、会社の収益に大きく影響を及ぼします。

事業承継確定後に、事業承継の買い手企業とどんな経営でバス会社の舵取りしていくのか、事業を継がせる経営者はきちんと擦り合わせる必要があります。共通認識を持った状態で、前経営者と新しい経営者が取引先の元に出向き、事業承継のことを伝えることで、取引先は安心し、これまでどおりの関係を維持してくれることでしょう。

 

従業員などに承継する以外、M&Aという手もある

経営者が高齢化による体力面の不安を感じたときが、世代交代のタイミングです。事業を新たな人間に承継させる場合、バス会社内の従業員を後任として選出することができます。しかし、公共交通機関の利用者数が減少している、国内のバス会社業界の経営者になることは容易ではありません。現段階の安定した経営を維持しつつ、成長戦略を掲げて市場内で会社の規模拡大、サービス提供の充実を図り、利用客を増やしていかなければなりません。

既存の従業員のなかに、経営者として手腕を振るえる人材がいない場合、M&Aという手法を使って、後任となる後継者を外部から確保する「M&A」という手法があります。M&Aとは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」のことを言います。2社以上の企業による合併や吸収、資本による企業買収のことをいいます。近年では企業の後継者不足問題や事業の成長戦略の方法として多くの企業がM&Aを行っています。

バス会社の後継者不足問題にフォーカスすると、通常の事業承継の場合、経営者に相応しい人材を探し出すには時間がかかります。それは、会社の経営ノウハウや知識が乏しく適任者がいないことが挙げられます。M&Aの事業承継を活用すれば、買い手企業の経営陣から新たな経営者を迅速に確保することが可能です。さらに、バス会社業界に精通した後継者の着任により、これまで発見できなかった潜在的な経営資源を掘り出すことができます。

 

バス会社の事業承継を成功させるポイントとは

事業承継を実施する場合、M&Aという手法があることが分かりました。ここからは、バス会社が事業承継を速やかに進めるための極意をお伝えしましょう。この5つのポイントを抑えておくことができれば、事業承継を成功に導くことができます。

 

準備は早めに

経営者は事業承継を行う間も、バス会社の経営に携わっていかなければなりません。そのため、事業承継に時間がかかり、企業の安定性や収益性を図る「企業価値」の評価額が落ち、満足のいく売却益を獲得することができない可能性があります。

そこで、余裕を持って事業承継を進めていくためにも、早い段階で新たな経営者候補を選出し、経営者が持つ経営のノウハウを伝承していきましょう。バス会社の経営方針などを素早く理解してもらい、事業承継の準備期間中も、会社運営を滞ることなく行うことができるでしょう。

 

譲歩できない条件を明確に

現在の経営者は、会社の経営方針や従業員の雇用形態など、事業承継後も維持してもらいたいモノを、明確に細分してリスト化しましょう。事業承継で経営陣が代わろうとも、従業員の雇用や待遇、その環境に大きな変化がなければ、従業員はこれまで通り業務に取り組んでくれることでしょう。

 

真の強みを知る

事業承継は、企業をさらに成長させる大切な機会です。外部から確保した新たな経営者は、第三者の視点でバス会社の経営を見渡すことができます。バス会社として、各営業所窓口の案内業務や、バス運転手の徹底した運行管理で評判の良いバス会社であるのか、自社の強みを知ることができます。

自分の会社の強みが分からない場合は、コンサルタントに相談しましょう。経営者でも気づくことができない、あなたのバス会社の“真の強み”を引き出すことができます。

 

オーナーと後継者と従業員にとって最も良い着地を目指す

会社の経営者は、後継者・従業員にとって最良の結果になるような事業承継を行うことが非常に大切です。後継者にとって、会社経営をしていく上で不満が残るような結果となれば、経営に対してモチベーションが下がり、会社の成長のための努力を怠る可能性があります。従業員も同じく、待遇が変わり給料が大幅にカットされれば、従業員の業務効率低下に繋がるだけではなく、退職者が続々と発生する可能性があります。

バス会社の経営者にとって、事業承継により様々なメリットが生じますが、後継者や従業員にもメリットは存在します。後継者に配慮した事業承継では、スムーズな経営移行によるストレスのない会社運営の実現ができます。従業員に対しては後継者への待遇改善を条件に取り込めば、バス業務に対して高いモチベーションを維持しながら会社に貢献してくれるでしょう。

 

専門家の力を借りる

事業承継が失敗に終われば未上場のバス会社の場合、廃業するケースがあります。その結果、会社資産の売却、負債の支払い清算など、事業をたたむ手続きをする手間が発生します。また、銀行などから借り入れをしていれば、場合によって大きな負債を背負い、借金を返し続けるような生活を送ることになりかねません。

事業承継を成功させるためには、事業承継の知識を豊富に持っているM&A専門家の力を借りましょう。特に、バス会社の事業承継の実績があるM&A専門家に依頼することをおすすめします。M&Aの専門家の中には、M&Aの知識を備えた弁護士や税理士、M&A仲介会社があります。一番大事なのは、バス会社業界の事業承継の経験はさることながら、バス会社の価値を正確にコンサルティングしてくれる信頼と相性の合う専門家に依頼することです。

 

バス会社の事業承継事例

バス会社の事業承継は、いくつかのポイント予め抑えておくことで成功に導くことができます。次に、バス会社のM&A事例を見ていきましょう。バス会社同士による事業の強化、タクシー事業の一本化から総合交通事業としての成長を図るため、バス事業へ新規参入を目指した企業によるM&A事例を紹介します。

 

「株式会社みちのりホールディングス」が、「東日本交通株式会社」を買収

東京都千代田区に拠点を構える「株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)」が、岩手県盛岡市を拠点に構え、岩手県エリアと栃木県宇都宮エリアをカバーする貸し切り観光バスを中心事業としている「東日本交通株式会社(東日本交通)」の全株式を譲り受けました。

東日本交通は、貸切バス事業安全性評価認定制度(日本バス協会)の最高評価である三ツ星を獲得し、岩手県内で唯一グリーン経営認証(交通エコロジー・モビリティ財団)を取得しているバス会社です。

みちのりHDは、東日本交通と広域連携を推進していき、岩手県北バスと密な連携を図り、地域利用者に寄り添ったサービス提供で、岩手県エリアでクオリティの高いバス業務運営に取り組んでいます。

2009年の設立以降、積極的なM&Aの実施でバス会社を買収してきたみちのりHDは、グループ会社としてよりスケールメリットを活かしたビジネスを展開しています。

 

「第一交通産業株式会社」が、「那覇交通株式会社」の事業を譲受

平成31年3月末現在、175もの企業と約15,000名の従業員を抱え、グループ会社の総本山に位置する「第一交通産業株式会社(以下、第一産業)」が、「那覇交通株式会社(以下、那覇交通)」の事業を譲り受けました。

那覇交通は沖縄県那覇市内で路線バスを運行し、貸切・定期観光バスも保有し、沖縄県民の生活の足として親しまれていました。しかし、自家用車の普及の影響を受け、路線バス利用客が減少し、赤字路線が拡大するなど、那覇交通は経営悪化のため譲渡先を模索していました。

そこに、タクシー事業で会社経営を行っていた第一産業が、タクシーの周辺事業を固め、新規事業展開のために、沖縄を拠点とするバス事業会社を買収しました。これにより第一交通産業は、バス事業参入後、年間売上高100億円を達成。第一交通産業グループが、経営理念に掲げている地域に密着し、顧客満足度を高めるサービスのひとつとして、沖縄本島の路線バス共通IC乗車券「OKICA」を導入し、利用者の利便性を高めています。

このM&Aは、買収側の総合交通事業としての発展と、売却側の会社経営の安定を図ることを実現したケースです。

 

バス会社の事業承継を検討するなら

M&Aの事業承継事例から、企業の安定と成長を目指し、他業種・他業態からバス事業へ新規参入する様子が伺えます。

経営難で苦慮しているバス会社は、より高値で買取ってもらえるように、優秀なコンサルタントに依頼し、万全な経営状態で事業承継に臨みましょう。

高いコンサルティング技術力とバス会社の事業承継経験がある業者に相談することで、満足のいく結果が得られるはずです。

 

M&Aコンサルタントの中でも特におすすめなのは、東京に拠点を置くスパイラルコンサルティング社です。

成果報酬制なので無料で相談を受け付けており、多数の事業承継実績を持っているため、バス会社の事業承継についても的確なアドバイスをもらえるでしょう。

満足できる事業承継にするためにも、まずはご相談してみてはいかがでしょうか。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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