建築資材卸業の事業売却【事例から読み解くポイント】

少子高齢化に人口減少など、経済面で明るくないニュースが近年は目立ちます。多くの会社は逆境に負けじと経営の安定とさらなる発展のため様々な工夫を凝らしています。そんな動きは建築資材卸業界の企業でも盛んです。例えば最近では事業売却という手法を用いて、会社の未来を切り開く経営者も増えています。事業売却という名前だけ聞くと敷居が高く感じられるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえれば誰でも経営の選択肢に加えられる方法です。今回はそんな事業売却について、実際の事例の紹介も交えながら読み解いていきます。

 

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建築資材卸業の事業売却を行うのは、こんなとき! 

まずは建築資材卸業を営む経営者の方が、事業売却を検討するのはどんな時なのでしょうか。様々な要因が考えられますが、ここでは代表的な3つのパターンをご紹介します。

 

業績が思わしくないとき

会社の業績が良くないと、その対策として事業売却を検討される経営者の方は多いです。そのまま事業を継続しても自社の力では回復が難しいようであれば、外部の経営者に事業を任せるというのも合理的な考え方です。例えば社員が優秀でビジネスモデルも優れていても、企業の体力が少ないと事業がうまくいかないケースもあります。そんな際は事業の売却によって経営状況の好転も十分に望めます。規模が大きく自社の事業へ理解のある会社と巡り会えるかもしれないからです。例え業績が悪くても、悲観的になって後手に回ってしまうのは避けましょう。何か行動してみれば、状況は前向きに変化するものです。

 

また現状の業績は良いとしても、将来的な成長の停滞を感じた場合に、事業売却を視野に入れることも推奨されます。事業売却はタイミングも大切です。もっとも売り時なのは業績も良くて経営者の意欲も高い場合です。ただその様な良い状況で事業売却を考える経営者はほとんどいないでしょう。従って業績に落ち込みが見られなくても、何か違和感を残る際、業績が落ち込む兆候が見られた際は、事業売却を早期から計画するというのも賢い判断です。先手を打てれば、それだけ理想的な売却先と巡り会える可能性も上がります。

 

オーナーがリタイアしたいとき

会社の経営は何と言っても体力勝負です。頭も使いますが、それ以上に泥臭い仕事や我慢も多いはずです。従業員以上に陰で見えない努力も必要ですし、状況に応じて様々な仕事をこなさなければなりません。そんなタフでなければ務まらない経営者という立場ですので、当然ながら引き時も考えなければなりません。体力の衰えを感じ始めたならば、事業承継についても考えて良い頃合いです。親族や社内に事業を任せられる人物がいないか考えてみましょう。すんなりと見つかったならば喜ばしいですが、中には周囲での事業承継が難しいという方もいるはずです。そんな際はそこで諦めずに、社外への事業売却を考えてみましょう。社外という言葉が示す通り、周囲に目を向ければそこには数多の会社があります。前向きに行動すれば、自社を評価してくれる会社に出会えるはずです。悠々自適な引退後の生活を実現するためにも、事業売却を検討してみましょう。

 

別の事業に注力したいとき

会社の事業ですが、単一の事業ではなく複数の事業をしているという場合も多いはずです。大企業であれば、それこそ数えるのが大変なほど、様々な事業を展開しているでしょう。建築資材卸業でも、複数の種類の資材の卸を行なっている企業は多いです。経営状況を振り返ると好調な事業もあれば、なかなか業績が良くない事業も出てくるのではないでしょうか。もしくはこれから成長を期待できる新しい事業を始めたいと考える経営者の方もいるでしょう。そんな際に、事業の選択と集中をするためにも事業売却は用いられます。例えば自社から収益性の低い事業を切り離せれば、その分のリソースを他の事業に回せます。また事業売却で得た資金を新しいビジネスに回しても良いでしょう。上手に事業の整理をして、経営を見直しましょう。

 

建築資材卸業の事業売却の事例を見てみよう 

続いては建築資材卸業における実際の事業売却の事例をご紹介します。ここでは成功した例として3つの事例を取り上げます。

 

【事例1:HOTTAの一部事業を売却】

実施時期:2011年

売り手企業:大日本木材防腐

買い手企業:HOTTA

 

売却事業内容:

住宅建築材料の3PLサービス事業。

 

目的:

大日本木材防腐の子会社である東洋陸運株式会社は、主に拠点間配送業務を営んでいます。今後のさらなる発展のために、株式会社HOTTAが行っている住宅建築材料の3PLサービス事業「マルチベンダーサービス」のに目をつけました。企業価値の向上に十分つながると判断し、事業を買い取る決断に至りました。

 

この事業売却について:

HOTTAの強みを大日本木材防腐が上手く取り入れた事例です。3PLサービス事業「マルチベンダーサービス」を何もないところから生み出すのは大変ですが、事業売却を活用すれば、スムーズに自社サービスとしての展開が可能です。事業売却のメリットを最大限に活かした事例と言えます。

 

【事例2:Bombay Burmah Trading社の化粧板事業を売却】

実施時期:2011年

売り手企業:Bombay Burmah Trading社

買い手企業:アイカ工業

 

売却事業内容:

高圧メラミン化粧板の製造と販売。

 

目的:

建築関連商品の需要が伸びが今後大きくなると見込まれているのがインド市場です。アイカ工業としては、自社の今後の成長を考えると、いち早く化粧板事業の製造・販売拠点をインドに確保する必要がありました。アジア地域における生産能力の強化と最適生産に向けたエリア戦略を推進したい考えです。その為にBombay Burmah Trading社からの事業売却に合意する決断をしました。

 

この事業売却について:

海外市場にも視野を広げて、積極的に動いているのが分かる事例です。長い将来を考えると、日本市場だけに固執して考えているのは危険です。少子高齢化の影響も強い日本では、更なる事業の発展は簡単ではありません。一方インドであれば、日本とは状況も全く異なります。人口も増えていますし経済発展も目覚ましいです。インドをアジアの拠点に出来れば、将来性も高いでしょう。

 

【事例3:日本スピンドル製造の建材事業の事業売却】

実施時期:2017年

売り手企業:日本スピンドル製造

買い手企業:三和ホールディングス

 

売却事業内容:

木製間仕切、スチール製間仕切、引戸の製造・販売・施工・メンテナンス。学校間仕切りが主力商品。

 

目的:

日本スピンドル製造の建材事業は、木製学校間仕切の市場ではトップシェアを誇っています。ここまで建材事業で発展できたのは、建材事業の強みである木製建材製品の営業力、製造力、商品力が挙げられます。さらに事業を拡大し成長を遂げるためには、三和ホールディングス傘下の業界大手の三和シヤッター工業株式会社の販売力が必要と判断し、事業売却するに踏み切っています。

 

この事業売却について:

両社のそれぞれの事業の強みのシナジー効果を期待して、事業売却を行なった事例です。木製学校間仕切においてトップシェアのある日本スピンドル製造でも、今後の経営を考えて早期に手を打っているのが分かります。事業売却はそのタイミングも重要です。将来を見据えた上で先手を打って行動するもの、事業売却を考える上で大切なポイントです。両社の事業の融合により、今後のさらなる発展が望めます。

 

建築資材卸業の事業売却を行う際に気をつけたいポイント

最後に建築資材卸業の事業売却を行う際に気を付けて頂きたいポイントをご紹介します。事業売却は魅力的な手法ですが、ある程度時間もかかりますし難しい手続きも多いです。以下のポイントを押さえて事業売却を成功させましょう。

 

在庫の有無 

商品の在庫の有無もチェックしましょう。在庫を抱えている場合はその扱いに注意が必要です。理由としては在庫の棚卸資産の価値が変動するためです。事業売却前におおよその金額は算出できても、最終的な価格は事業売却の当日に棚卸をしてみないと分からない場合がほとんどです。その金額によって法人税も消費前も変わってきます。事業売却で法人税の負担が大きくなりそうであれば、決算の期首にM&Aを実行するようにしましょう。そうすれば決算までに時間があるので、必要な対策を立てやすくなるからです。会計士などの意見も参考にしながら、売り手企業と買い手企業の両者が納得して交渉を進められるように、準備を進めましょう。

 

売却先との親和性を考える 

事業売却後は、一つの会社として再出発します。両社の従業員も同じ仲間として、苦楽を共にしていきます。会社が違えば文化にも差異は生まれますが、両社の親和性の有無は良くチェックしておきましょう。それぞれが良い文化を持っている会社だとしても、双方共に歩み寄る姿勢がなければ、相乗効果は生まれません。働いている社員も新しい環境にストレスを感じてしまうでしょう。リスクを抑えたいのであれば、自社と比較して文化も事業もなるべく似ている企業の方が、親和性が高い場合が多いです。会社内の例ですが、寝る間も惜しんで営業活動に励んでいる部門と事務作業が多く毎日定時には帰宅している部門が一つになったら、なかなか価値観を一つにして頑張るのは難しいです。会社間でも同様で、感覚も大切にしながら売却先を探すと良いです。親和性の高い例としては、事業内容も似ていて、それぞれ得意としている販売エリアが異なっている。両社で何度か話し合いをしたが、居心地の良さを感じた。このような場合は親和性も高いと考えられ、事業売却後もスムーズに融合が図れるでしょう。

 

資料やデータを十分に用意する 

事業売却の交渉の場で必ず必要なのが、事業価値を裏付ける資料やデータです。いくら魅力的で成長性が高い事業だとしても、根拠に乏しければ説得力がありません。逆に業績や成長性がいまいちだとしても、資料やデータを十分に揃えて真摯に説明できれば、満足のいく結果を得られるケースもあります。事業売却を成功させたいという気持ちがあるならば、感情論だけではなくロジカルに相手を説得できるよう、準備も綿密に行いましょう。自社だけで資料作成が厳しいようであれば、会計士など専門家のサポートを借りるのも有効です。買い手企業としても、プロが資料を作成しているのが分かれば安心感も増します。誇張するのは良くありませんが、事業の魅力が最大限伝わるように工夫しましょう。

 

事業売却のコンサル企業の力を借りる 

事業売却を行いたいものの、専門的な知識が不足していると不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。法律から会計、様々な事業売却に関わる知識を全て熟知していたら素晴らしいですが、実際には難しいですよね。でも事業売却を円滑に行うにはどうすれば良いか。そんな際には専門家に協力してもらいましょう。M&A仲介業者やFA、会計士に弁護士など様々な心強い専門家がいます。専門家を雇えば、買い手企業の選定から、事業売却にて発生する各種契約まで一貫してサポートしてくれます。専門家は事業売却を成功に導くには、不可欠な存在と言っても過言ではないでしょう。そんな専門家を選定する際のポイントですが、自社にフィットした相手を選びましょう。例えば専門家の実績に、建築資材卸業の事業売却の経験があれば、安心感も増すのではないでしょうか。さらに取り扱った案件の事業規模も同程度のものがあると更に良いでしょう。

 

建築資材卸業の事業売却でお悩みなら

建築資材卸業の事業売却について事例も交えながらみてきましたが、いかがでしたでしょうか。既に多くの企業が、事業売却によって経営の見直しを行っています。事業売却はM&Aの中の手法なので、一昔前はあまり良い印象がありませんでしたが、最近ではそのイメージも変わっています。経営を前向きに考えていく手段として、多くの経営者からの支持を得ています。建築資材卸業の経営で行き詰まりを感じている方は、事業売却という手法も視野に入れて、経営の再建を考えてみて下さい。一人で問題を抱え込んで状況を悪くしてしまうよりも、外部に理解者を得られた方が気持ちもずっと楽になるはずです。まずは気軽に専門家に相談し、事業売却に向けた第一歩を踏み出してみましょう。

 

スパイラルコンサルティング社

 

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