建築資材卸業の事業承継【事例から読み解くポイント】

事業の存続をどうすべきか、特に事業承継で悩んでいるという経営者の方は多くいらっしゃいます。建築資材卸業界でもそれは同様で、後継者の選定は企業にとって大きな問題です。従業員のためにもスムーズに引継ぎを行いたいものですが、親族や社内に適任者が見つからないケースも多く、難航する場合も珍しくありません。そんな中、注目されているのがM&Aによる事業承継です。一昔前まではM&Aというと会社を売り払ってしまうというマイナスなイメージが先行していましたが、近年では経営を前向きに行う手段として多くの企業がM&Aを実施しています。今回はそんな建築資材卸業における事業承継の動向について、事例も含めてご紹介いたします。

 

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建築資材卸業が事業承継を行う背景

まず建築資材卸業にて事業承継が行われる背景にはどういった要因があるのでしょうか。ここでは建築資材卸業の現状を押さえた上で、実際に事業承継が行われる理由に迫ります。

 

建築資材卸業の現状 

新築の住宅やリフォームする際の建材販売を行っているのが建築資材卸業です。人々の生活の基盤となる家を支えている建築資材卸業ですが、その市場規模は縮小傾向にあります。原因としては日本の人口が2008年をピークに減少しているためです。少子高齢化の影響も強く、売り上げを伸ばすために苦戦している企業が多いです。また家というと人生でも高額な買い物なため、金融相場の動向に売り上げが左右される業界でもあります。

 

事業承継とは 

続いて事業承継という言葉についても簡単におさらいしましょう。事業承継とは会社を誰かに引き継ぐ行為を指します。誰に会社を引き継ぐかによって、事業承継には以下の3つの方法があります。

 

①親族内承継

経営者のお子様やご兄弟など、親族内で継承を行う場合が親族内承継です。昔から親しまれている方法なので、事業承継と聞くとまずこの方法を思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。親族内承継のメリットは、早期から次期経営者候補の親族に対して準備を行える点です。事業の規模にもよりますが、会社を経営するのは容易ではありません。与えられた業務をこなすのではなく、自らで会社の指揮を取り社員をコントロールしなくてはなりません。安定した経営と従業員からの信頼を獲得するためには、長年の経験も必要です。そのための教育に時間をかけられるので、親族内承継では引継ぎもスムーズに行える場合が多いです。さらに身内への引継ぎの場合、周囲からの反感も買いにくいのもプラスな側面と言えます。

 

②社内承継

親族ではない社内の人間に事業を承継する場合が社内承継です。成績が優秀でキーマンと呼ばれているような社員や、企業の方針を熟知している役員が抜擢される場合が多いです。この社内承継のメリットは、事業承継する相手に対して新たに時間をかけて教育を行う必要が少ない点です。経営者としての最低限の心得は伝授すべきですが、会社の文化やルール、業務の流れについては改めての説明は不要でしょう。後任者の新たな視点にて経営を行ってもらえれば、業績の好転も期待できます。ただ注意点としては、会社の買収にはそれなりの資金が必要です。前もってその点も説明をしておくと良いでしょう。

 

③M&A(外部への承継)

第3の方法が、M&Aによる事業承継です。M&Aによる事業承継とは、つまり身内でも社内でもなく、社外の企業に事業を承継する場合を指します。M&Aを選択するメリットは、承継先の候補が限定されずに多くの企業から選定が可能な点です。例えば中小の建築資材卸業の場合、大手企業への事業承継が成功すれば、会社の体力も向上しますし、事業の幅も広がるでしょう。内部だけでなく外部に目を向ければ、そこには様々な可能性が広がっています。思い切って行動すれば、思いもよらない理想的な出会いが待っているかもしれません。親族内承継も社内承継も厳しい場合は、そこで諦めずにM&Aという方法も検討してみましょう。

 

建築資材卸業における事業承継の動向 

少子高齢化の問題は大きな社会問題になっていますが、建築資材卸業においてもその影響は大きいです。建築資材卸業は地域に根差したビジネスを展開している企業が多いので、尚更にその問題は深刻と言えるでしょう。建築資材卸業を営んでいる多くの経営者は、親から子へと代々事業を承継し、地元の方々に愛されながら歩んできました。そんな当たり前だった常識も少しずつ変わってきています。残念ながら子宝に恵まれなかったという方も増えていますし、職業選択の自由も当たり前になってきています。子供には自由に仕事を選んでほしいと考え、外部の企業に事業承継する経営者は多いです。子供に事業を継承するのが当たり前だった建築資材卸業も、事業を継承していくために外部にも目を向ける動きが活発になっています。

 

建築資材卸業の事業承継の事例 

続いては実際に事業承継に成功した事例を2つご紹介します。事例を読み解けば、建築資材卸業界の潮流も見えてくるのではないでしょうか。

 

【事例1:友工商事を事業承継】

実施時期:2015年

売り手企業:友工商事株式会社

買い手企業:ニューホライズン キャピタル株式会社

 

背景と目的:

業界の再編の動きも多い建築資材卸業界において、友工商事株式会社は安定した成長を続けていました。しかし、後継者問題を抱えており解決策を模索していました。そんな中、ニューホライズン キャピタル株式会社が管理運営するニューホライズン 2 号投資事業有限責任組合は、後継者問題解決のための受け皿になろうと決断しました。この判断の理由としては、友工商事株式会社が今まで築いてきた多くの取引先の信頼関係や、従業員との雇用を継続して維持できれば、それは地域社会の発展に繋がると考えたためです。また過去に商材が類似している株式会社日立ハウステックへの投資を実行して、成長に導いた実績も今回の判断を後押ししています。

 

【事例2:伊藤木工を事業承継】

実施時期:2018年

売り手企業:伊藤木工株式会社

買い手企業:ヤマガタヤ産業株式会社

 

背景と目的:

伊藤木工は創業60年の歴史ある企業でしたが、後継者問題に頭を抱えていました。伊藤木工は注文住宅などで使う地元産材や国産材で家具などを製造して、堅実な成長を続けてきました。今後も技能を継承し、会社としても成長を続けていくためには経営継承の問題を解決する必要がありました。そんな中、伊藤木工に目を付けたのが、ヤマガタヤ産業です。木材販売会社として歴史のあるヤマガタヤ産業でしたが、伊藤木工を事業承継して事業領域の拡大を目指す判断を下しました。従業員もすべて雇用すると発表しており、伊藤木工の社名も「板蔵ファクトリー」と改めて再出発しています。

 

建築資材卸業の事業承継のポイントとは

最後に実際に事業承継を行う際のポイントをいくつかご紹介します。以下のポイントを押さえて、事業承継を成功させましょう。

 

事業承継する相手のメリットを明確に示す 

事業承継をする相手にはどんなメリットがあるでしょうか。代表的なメリットとしては以下が考えられます。

 

【親族内承継・社内承継の場合のメリット】

①経営者の視点に立てる

責任も重い立場ですが、一人の従業員とは全く異なる経験を積めます。苦労も多い分、会社の業績が好転した際の喜びは大きいです。経営者としての経験は、今後の人生の大きなプラスになるのではないでしょうか。従業員からの信頼を感じられれば、事業をより発展させていこうという思いもきっと強くなるはずです。

 

②会社の方針を決められる

経営者になれば会社の方針決定にも関われます。今までは口に出せずに温めていたアイデアも、経営に反映できるかもしれません。会社をもっと良くしたい、新たな事業に挑戦したいという思いを形に出来ます。新たな経営者として会社の舵を取り、道を切り開いていきましょう。

 

【社外承継(M&A)の場合のメリット】

①新規顧客を獲得できる

建築資材卸業を営む会社は、地域のお客様と密接な関係を築いている場合が多いです。そのため事業継承にて経営を受け継げば、新規顧客の獲得も十分に期待できます。新たな収入の柱が出来れば、経営もより盤石になるでしょう。既存のお客様を大切にしつつも、積極的に顧客を開拓する契機にもなるはずです。

 

②スケールメリットを得られる

会社の規模が広がれば、その分社会的な信頼も高まります。銀行からの融資も受けやすくなりますし、事業領域も広がるでしょう。既存事業とのシナジー効果も考えられるので、会社のさらなる発展も期待できます。

 

事業承継後の目指す目標の設定 

事業承継を行った後の会社の目指すべき目標も決めておきましょう。現経営者と後継者で認識を揃えておくのは大切です。実際に目標を設定する際は以下を参考にしてみて下さい。

 

①事業領域を明確にする

今後、会社の行う事業の範囲を明確にしましょう。例えば取り扱う建築資材の種類も既存の路線で行くのか、収益性の高そうな新たな資材も加えるのか、方向性を決めましょう。事業承継後の舵取りで迷わないように両者の意識を合わせましょう。

 

②数値目標を立てる

具体的な数値目標も定めましょう。1年間の売上高成長率は5%以上を達成する、1人当たり付加価値を1.2倍にするなど、現状を分析した上で適正な目標を設定しましょう。数値にて目標を立てると、今まで曖昧になっていた目標にも具体性が増します。また数値目標があれば、社員の士気も向上するはずです。

 

③経営基本方針を決める

数値目標を達成する為の行動規範や仕組みをつくりましょう。既存の取り組みを強化しても良いですし、新たな習慣を取り入れても良いでしょう。後継者としても意見があれば、遠慮なく色々な意見を出してみると良いです。

 

M&Aの専門家に頼るのもアリ 

M&Aにて事業承継を考える際、専門的な知識もなくどうしていいか分からないという経営者も少なくないはずです。そんな際は一人で悩むのではなく、M&Aの専門家にまずは相談してみましょう。不安や悩みも解消されるはずですし、後継者問題の解決に向けて前進します。ここでは代表的なM&Aの専門家とその特徴を紹介します。

 

①M&A仲介業者

M&Aにおいて売り手企業と買い手企業、両社の間に入って成約に導く役割を果たすのがM&A仲介業者です。事業承継であれば、承継先の企業(買い手企業)探しも行ってくれますし、その後の交渉やデューデリジェンスといった専門的なM&Aの手続きもサポートしてくれます。また売り手企業と買い手企業、双方の利益を最大化するために動くのがM&A仲介業者の最大の特徴と言えます。

 

②FA(ファイナンシャル・アドバイザー)

FAもM&A仲介業者と同じようにM&Aの専門的な業務を一貫して担当してくれます。ただ相違点としては、FAは売り手企業か買い手企業、担当しているどちらかの企業の利益を最大化するために動きます。よってFAにM&Aをお願いする場合は、売り手企業と買い手企業がそれぞれFAを選定して交渉に臨みます。

 

③弁護士

M&Aの手続きには多くの契約や交渉が必要です。そんな中で頼りになるのが法律のプロフェッショナルである弁護士です。自社に不利がない契約を結ぶためには、やはり法律の専門家の力を借りるのが一番の近道でしょう。選定の際はM&Aの実績が豊富な弁護士を選定すると良いです。特に建築資材卸業の事業承継の経験がある弁護士だと、より安心感も強いはずです。

 

④会計士

会社の財務状況を監査し、その正確性を保証するためには会計士の力が必要です。会社を外部の企業に承継するためには、会社の価値を正確に算出しなければなりません。スムーズに交渉を進めるためにも、会計士の方に会社の現状を相談してみても良いでしょう。会社の価値が明確になれば、事業承継の方向性も見えてくるはずです。

 

建築資材卸業の事業承継を行うなら

建築資材卸業の事業承継について事例も交えながら詳しくみていきましたが、いかがでしたでしょうか。ご紹介したように単に事業承継といっても、様々な方法があります。たとえ親族内承継が難しくても、外部の企業に視野を広げればまだまだ多くの可能性が残っています。事業承継は経営者だけの問題ではありません。多くの社員、そして今まで会社を支えてくれたお客様の存在があります。みんなの笑顔を守るためにも悔いの残らない事業承継を行いましょう。

 

最後に、当サイトおすすめの相談先をご紹介します。

 

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