フランスリヨン近郊にフレンチの老舗「ポールボキューズ」があります。
このレストランはベーカリーも展開していて、とてもおいしいと評判です。
日本ではデパ地下などに、ポールボキューズが手ほどきしたパンを販売しているパンブティックがありますよね。
本場パリまで出向くこともなく、手軽に自宅でポールの味を楽しむことができるのです。
昔から、手軽に食べられておいしいパンは、不動の人気があります。
軽いお昼ごはん、おやつという扱いだったパンが、今では夕食のメインを飾ることもあります。
この時代の変化に、いち早く気づいて「パン屋」経営を行うことが成功の秘訣となってくるのではないでしょうか。
今回は、「パン屋の事業売却事例」についてお話していきたいと思います。
目次
パン屋の事業売却を行うのは、こんなとき!
事業売却を行う時とは、具体的にどんな状況なのかをご説明していきます。
業績が思わしくないとき
最初にお話しましたが、大手企業が経営しているパン屋、または老舗レストランの系列店のパン屋などにどうしてもお客様が集まってしまいます。味も安定していますし、スタッフなどの対応も一流です。
個人店で同じサービスを提供するのって難しいと感じているオーナーはいらっしゃるのではないでしょうか。
パン作りは、周りから見るよりもかなりの重労働ですが、その反面、一個当たりの単価は安くなります。数多く販売する必要がありますよね。
大手企業が経営していると、工場で大量生産が可能ですし、販売スタッフも待遇なども良くなりますから、研修も徹底してできます。
このような、大手では当たり前の待遇が、個人店ではとても難しくなってきます。
個人店のパン屋だと、どうしても(労働力)>(利益)となってきて、アンバランスな経営になってくるのです。
昔ほど、売り上げが伸びない、このままでは店を継続していくのが難しいと思った時に、廃業を選んでしまいがちなのですが、このような業績が今一つ伸びないと悩んだ時こそ、M&Aでの事業売却を検討してみてはいかがでしょうか。
店舗拡大をしたいが資本や人が足りないとき
これも個人でパン屋を経営しているオーナーが陥りがちな悩みです。
1号店が軌道に乗ってきて、もっと店舗を増やしたいけど、新しい店を一から作るほどの資金がないし、人手も不足している・・・。
こんな悩みも「事業売却」が解決してくれるのです。
パン屋事業を、大手企業に売却することで、大手の傘下に入ることができます。
パンのレシピはそのまま活かすことができて、工場での大量生産も可能になるのです。
資金力が豊富な大手企業ですから、2号店、3号店と出店することも可能ですし、スタッフの採用も問題なく行えます。
何もかも、自己資金で店舗を増やそうとせずに、大手企業と業務提携して、ビジネスパートナートナーになってもらうことで、自分の店を増やすこともできるのです。
オーナーがリタイアしたいとき
自営業者がリタイアといえば、従来なら「廃業」という結論になりがちです。しかし、事業売却を選べば、事業だけを売却して、手元に現金が残り、経営からは退くこともできます。
永年勤続したサラリーマンは退職金をもらえますが、自営業の場合はもらえません。しかし、事業売却をすることで得た現金を退職金と捉えることもできるわけです。
また、サラリーマンなら、65歳、70歳とその企業によっては「定年」があり、リタイアする年齢が決められています。満額の退職金をもらおうと思ったら、定年まで勤めあげる必要があります。
一方、事業売却ならば、高く売れるタイミングを見計らって、自分が好きな時にリタイアできるのです。自営業オーナーも、ハッピーリタイアが実現できます。
別の事業に注力したいとき
パン屋だけでなく、他の事業にも手を広げているオーナーはいらっしゃるでしょう。
他の事業は業績が良いが、パン屋事業はイマイチ。できればパン屋はもう辞めてしまって、別の事業に力を入れたい、と思うこともあるでしょう。
事業売却の大きなメリットは、一部の事業だけを売却できるところです。
パン屋事業だけを切り離して売却することで受け取った現金を、別の事業へと資金投資できます。より一層、伸びている事業を発展させることができます。
もしパン屋事業が赤字だった場合、事業売却なら、売却条件によっては負債も買い取ってもらうことも可能です。
負債が残ることもなく、経営が安定している他の事業に注力することができます。
パン屋の事業売却の事例を見てみよう
【大手食品メーカー同士のM&A事例】
ここでは、大手企業同士のM&A事例をご紹介します。大手企業同士ではあるのですが、中小企業、個人経営者にも参考になります。
《東ハトと山崎製パンのM&A》
売却側は東ハト、買収側が山崎製パンです。
東ハトは、説明するまでもなく、大手製菓メーカーです。
しかし、ゴルフ場経営で大きく負債ができてしまい、2003年に民事再生法を申請して、倒産しています。2006年に山崎製パンが買収する形で、M&Aが行われました。
東ハトは倒産していたのですが、大手企業の傘下に入ることができて、山崎製パンは、東ハトブランドの製菓事業を手に入れることができたのです。
東ハトのお菓子には多くのファンが存在します。そのファンを失うことなく、販売し続けることが可能になったのです。
これは企業間だけでなく、個人店のパン屋でも同じことが言えるのではないでしょうか。
お客様が途切れることなく来てくれるのだけど、業績が伸び悩んでいる、少し景気が良いときに不動産投資を始めたのはいいけど、その借入金が思うように返済できていないなど、事業自体に問題はないのだけど、経営が難しくなることはあります。
そんな時には、このM&Aでの事業売却を検討してみてはいかがでしょうか。
美味しいパンのレシピはそのまま引き継がれて、お客様にずっと通い続けるパン屋を資金繰りに悩むことなく経営していくことはできます。
《従来の飲食店売買の方法》
もう一つ、お話しておきたいM&Aの事例があります。
従来、飲食店が事業をやめるとき、居抜きを売買する方法が主流でした。厨房などの設備をそのままで、すぐに開店できる状態で売買する方法です。
しかし、M&Aの手法を使った場合は、設備とともに、常駐しているスタッフやパン作りのレシピなども一緒に売買できます。
従来の居抜きの方法であれば、開業するにはある程度の「パン作り」経験が必要でしたが、M&Aを使ってパン屋を手に入れた場合は、パン作りは素人だったとしても、パン屋を開業することが可能になっているのです。
これは、売り手にとっては、事業売却だと手元に残る現金が増えるなどのメリットがあり、買い手にとっては初期費用が抑えられるという大きなメリットがあります。
パン屋の事業売却を行う際に気をつけたいポイント
ビジネスモデルを見直す
事例をご紹介した項目でお話していますが、事業売却を検討した際は、買収した側の企業にどのようなメリットがあるかを確認する必要があります。
M&Aを行う企業同士の事業内容において、相性が良いということはとても大切なことです。
ですから、事業売却を行う時は、誰にでも売却しても良いわけではなく、異業種であったとしても、事業を有効に活用してくれる企業でないといけないことがわかります。
相手側の企業を選別する必要もありますが、それとともに自社の事業内容についても、定期的に細部にわたって見直しておく必要があります。
《ビジネスモデルを見直す点で気をつけたいこと》
・販売しているパンの魅力とレシピをデータ化している
・常駐しているスタッフの人数と、キャリアの内容
・パン作りを行う設備のメンテナンスは徹底できているか
などが挙げられますが、重要なのは一番に挙げているパンレシピの充実だと考えられます。
要するに、いつも商品開発に力を入れることが大切だということです。
東ハトも魅力的な自社製品を数多く開発してきたからこそ、大手企業が傘下に入ることができたわけです。
これは企業規模の大小にかかわらず、パン屋という「モノづくり」を行うことを事業にしているなら、どの企業にも当てはまることではないでしょうか。
大切に育てた事業を、魅力あるビジネスモデルとして表現できるように、日ごろから事業内容をしっかり見直すことをお勧めいたします。
売却先の絶対条件を決める
事業売却を行う際、売却する条件はしっかり決めておく必要があります。
この条件があいまいだと、売却が完了したときに後悔してしまうことになりかねません。
大切に育ててきたパン屋ですから、すんなりと売却することはできないですよね。遠慮することなく条件を付けても大丈夫なのです。
あまり細かくたくさんつけてしまうのも考え物ではありますが、譲れない条件は必要です。
特に売却金額など、この金額でないとだめだ!というラインは決めておいた方が良いと思います。
思ったような金額が付かなかった場合、もう一度事業内容を見直す必要があります。
買い手側が飛びつきたくなるようなビジネスモデルを構築しなおすことも必要です。
資料やデータを十分に用意する
M&Aで事業売却を行う場合、まずは、オーナーのインタビューから始まり、財務、事業内容、従業員の雇用状況などの資料開示を求められます。
いざ、資料を開示することになってあわてないように、日ごろから財務状況、雇用状況をオーナーも確認しておく必要があります。
データは、いつでも手に取れるように管理しておいてください。
財務状況、従業員の雇用状況などをしっかり把握しておくことで、事業売却をスムーズに行うことができます。
買収する側の企業も、財務状況やどんな従業員が在籍しているのかは、とても興味深いものです。その内容が充実していると、事業価値が高くなりますから、高額であっても買収したいと思われます。
事業売却のコンサル企業の力を借りる
パン屋のオーナーの中には、事業売却は未経験の方が多いと思います。どうやって事業売却を行えばいいのだろう?と悩んでいる方も多いでしょう。
今まで、お話してきた内容を少しまとめてみますと、
・パン屋事業をやめたいけどどうしたらいいの?
・パン屋って本当に事業売却できるの?事例が知りたい
・事業売却を成功させいたいけど、何に気をつけたらいいのか?
などを中心にお話してきました。
これらのことを一人でやり遂げるのは、かなり困難です。どうしても相談相手が必要となってきます。個人経営者というのは、どうしても孤独になりがちなのです。なんでも最終的には一人で決断する必要があるからです。
しかし、M&Aに関しては、M&A専業のコンサルタントを探して相談してみることをお勧めします。
一人で悩む必要はありません。パン屋事業売却に実績のあるコンサルタントを探して、まずご相談してみてください。
最初は、オーナーとコンサルタントの1対1で事業売却について相談してみてはいかがでしょうか。
オーナーがM&Aについて知りたかったことを、コンサルタントが対応してくれます。
パン屋の事業売却でお悩みなら
先程もお話しましたが、事業売却なんてやったことがないし、どうすればいいのかわからない、何から取り掛かっていいのかもわからない、などのお悩みをM&Aコンサルタントに相談してみてください。
自分の事業を売却するということですから、かなりプライベートな内容となってきます。
しかし最近では、ネット上で買い手を探してくれるM&Aコンサルタントが多く存在します。匿名で買い手を探してくれますので、周りの人にあなたのパン屋が事業売却を検討していることがばれてしまう心配はありません。
複数の買い手候補の中から、自分のパン屋と事業内容が合う企業を探すことができます。できれば資金力がしっかりしている大手との業務提携がしたいなど希望することも可能です。
大切に育てたあなたのパン屋を、事業売却という形で、残すことを今一度検討してみてください。
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