
投資家で成功している方達は、ベンチャー企業に投資していることが多いという事実があります。
ベンチャー企業株式は、株価上昇にスピード感がありますし、企業が成長すると、配当金も受け取ることができます。この高額な配当金を見込めるベンチャー企業も存在します。
そして、さらにハイリターンを見込めるのが、実際にベンチャー企業を経営してみることです。業種にもよりますが、ベンチャー企業の設立精神は、「今まで誰もやったことがないことをやってみる」ことです。
売れる会社、儲かる会社の条件の一つである、まだ誰も目をつけていない「ニッチな分野」を事業内容に設定しています。
今回は、このベンチャー企業のM&Aについてお話していきます。
ベンチャー企業のM&A
こちらの章では、ベンチャー企業のM&Aについて、頻繁にM&Aが行われるようになった背景をお話していきます。
M&Aとは
数年前から、テレビや新聞、インターネットで「M&A」というワードをよく耳にするようになりました。
「外国企業が、日本の技術力を見込んでM&Aで買収しようとしている」などと、報道されることもあります。
そもそも、M&Aとは何でしょうか?
M&Aとは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略で、直訳すると「合併と買収」を表します。
2つ以上の会社を一つにする(合併)、ある会社がほかの会社を買う(買収)ことです。
ある会社を丸ごと買収・合併する場合だけでなく、株式の一部を買う場合や、資本参加や資本提携などや特定の事業だけを買う場合も、広い意味でのM&Aの一つとされます。
元々第三者への譲渡を目的として起業している
この項目は、ベンチャー企業のM&Aをお話する上で、とても重要な項目です。
ベンチャー企業の特徴として、設立当時からいずれは、売却することを見込んでいるという点が挙げられます。最初から、売却できる会社を作ろうということです。
例えば、新しい商品を開発して、爆発的にヒットし、多額の売り上げをマークしたとします。
開発した新商品はもちろん、商標登録・特許出願を済ませておきます。
開発のノウハウ・特許権・営業ルートを確立しておき、売却を希望すれば、複数の買い手企業が名乗りを上げるでしょう。とても魅力的な買収先です。
ベンチャー企業を設立して、高額で売却するためのポイントは、会社を売却するタイミングを見逃さないことです。開発した商品が売り上げを伸ばしているピーク時で、会社を手放すことを決めます。もう少し経営したいな、売り上げが欲しいなと思っても、会社を売却します。タイミングを間違えて、売り上げが伸び切ったところで売り出してしまうと、もうその会社に魅力はほとんど残っていません。
M&Aを検討して完了するまでには、少なくとも1年はかかると思っていたほうがよいでしょう。M&Aに関する手続きをしている間に、売り上げが落ち込んでしまっては本末転倒です。余裕を持って手続きを行うようにしてください。
買い手企業にも「うま味」である利益を残して、そして自分自身も当初の売り上げと、高額な売却金額を受け取る、これはまさにウィンウィンの関係です。M&A最大のメリットです。
資金調達により会社を成長させたい
前の章で、M&Aは買収・合併だけでなく会社の株式の一部、また特定の事業だけを買う場合もあるというお話をしました。この特定の事業だけを売却して、資金調達することもM&Aのスキームを活用すれば可能です。業績の上がっている事業であれば、高値で売却することができます。新しい事業へ資金投下することができて、会社全体の業績をアップすることにつながっていきます。
ベンチャー企業というのは、まだまだ会社規模としては、中小企業になります。中小企業が設備投資などのために資金を調達しようと思うと、金融機関からの借り入れに頼るしかなかったのですが、M&Aというビジネスモデルの誕生により、一部事業の売却で資金調達ができるようになったのです。
自身の経営力に限界を感じている
ベンチャー企業の経営には、新しいことに挑戦して、ニッチな分野を取り入れる必要があります。それは、自分と同じ業界だけでなく、全く違う業界、未知の分野にも常にアンテナを張っていなくてはいけません。
そろそろ限界と感じてしまうこともあります。
本当は、限界などは周りが決めるものではないし、経営に限界ないのですが、やはり従業員・顧客・取引先も存在するわけですから、自分のペース、考えだけでつづけていけるものでもありません。
このまま経営を継続するのが難しいと考えたときに、M&Aのスキームを活用することできます。会社を売却することで、経営はそのまま継続されますし、従業員の雇用継続も可能です。第三者へ引き継ぐことにはなりますが、あなたの会社は未来永劫、経営を継続することができるのです。
IPOを目指していたが難しくM&Aを選択
IPOについて少し説明しましょう。
英語表記では、Initial Public Offeringです。頭文字をとって3文字でIPOと呼びます。
日本語に訳せば、「新規公開株」や「新規上場株式」となります。
具体的には、未公開株を投資家に売り出して、証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようにすることをIPOといいます。
このIPOは、
<第一関門>主幹事証券の引受審査部
<第二関門>証券取引所
上記2つの機関から審査を受け、承認される必要があります。
第一関門の主観証券の引受審査部においては、膨大なデータを提出しなければなりません。そして細かい部分まで確認されます。確認内容は、以下の通りです。
- 上場適格性
- 経営管理体制
- 人事、労務管理状況
- 会計制度
- ビジネスモデル
- 業績の推移
- 事業計画
これらの確認内容プラス、下記のデータが必要となります。
- 会社案内、商品、製品カタログ
- 定款、就業規則、社内規定
- 直近5期間の事業報告
- 直近5期間の税務申告書(勘定科目明細書も含む)
- 直近5期間の明細書(請求書、領収書等)
- 直近2期間の取締役会議事録
- 監査法人による事前調査報告書
- 関係会社の直近2期間の事業報告書
- 関係会社、特別利害関係企業の取引一覧表
M&Aにおいても、デューデリジェンス(買収監査)で、財務データ・事業データ・法務データが必要ですが、財務データにおいては、直近3年間となっています。
データ量が、IPOの審査のほうが圧倒的に多いです。
その上、主幹事証券の引受審査部・証券取引所と2か所でのヒアリング・実地調査・面談があります。かなり厳しい審査・調査が続きます。
自社株が上場すれば大きなメリットは見込めますが、本当にこの審査が難しいで、M&Aの監査のほうが容易なことは一目瞭然です。
そして、M&Aならば会社を売却した売却代金が入ってくる、現金を手にすることもできます。
IPOするよりもM&Aのほうが、スピーディーに資金を調達できることは間違いないでしょう。
健康問題や家族の事情などにより仕事をやめざるを得ない
経営者が高齢となってくると、心配になってくるのが健康問題です。
体調を崩して、手術、入院となると高齢になるほど回復に時間がかかります。復職することも難しくなるかもしれません。
健康問題が起こってからM&Aを検討していては遅すぎます。
後継者の不在が心配されるのならば、40代、50代頃からいつリタイアしても問題ない状態にしておく必要があります。
将来、後継者不在問題が起こる可能性があるなら、早めにM&Aについて検討されることをおすすめします。
ベンチャー企業のM&Aでオーナーが得られるメリットとは?
M&Aのメリットについて少しお話ししました。こちらの章では、M&Aの数多いメリットの中で、ベンチャー企業のM&Aでオーナーが得られるメリットを3つご紹介します。
心理的負担の軽減(経営、後継者)
経営してきたベンチャー企業を、そろそろ後継者に引き継ごうと思っても、実子はすでに違う仕事に就いている、そもそも引き継ぐ親族がいない場合もあります。自身が経営しているベンチャー企業の後継者のことを考えたら、不安で仕方ない、頭を抱えている経営者も少なくないでしょう。
従業員の中から後継者を探すといっても、困難です。
事業資金などを金融機関から借り入れていて、社長が個人保証をしている場合、従業員に個人保証をそのまま引き継がせるのは、かなり困難です。
このようなお悩みにもM&Aのスキームが活用できます。
親族、社内に後継者が不在であっても、社外の第三者へと経営を引き継ぐのです。
経営に関してはプロに経営をゆだねますから、事業も、社名も看板もそのまま存続させることが可能です。
金銭的メリット
会社員ですと、長年にわたり勤務して、定年退職をすると退職金が支給される場合がほとんどです。最近は雇用形態が変わってきて、退職金が支給されない場合がありますが、それでも雇用保険には加入しているため、失業給付などはあります。
しかし、自営業をされている方は、雇用保険に関して事業主は加入することはできません。また、失業給付や退職金もありません。
M&Aで会社を売却した場合ですと、売却金額が入ってきます。これが自営業者にとっての退職金代わりになります。
また、M&Aが完了しても取引先や従業員のために、また引き継ぎのためにしばらく経営に携わる契約をした場合、今までの職場で仕事を続けることも可能です。
退職金代わりの売却金額を受け取って、再就職先も一緒に手に入れることも可能なのです。
新事業への挑戦や次の起業
前述もしていますが、会社を売却することで、現金を手に入れることができますから、そのまま他の既存事業に資金投下することができます。さらに、新しい事業への元手にすることもできます。これは、M&Aの中でも大きなメリットの一つといえます。
ベンチャー企業のM&Aを実施する際に気をつけるべきポイント3つ
ここでは、M&Aを行う上で、気を付けたいポイント3つをご説明していきます。
準備は早めに
会社を譲ろうと思ったら、スピーディーに動かなければいけません。
M&Aを検討してから完了させるのに、1年間は見ていただきたいのです。
本当は、事業を成長させ、新たな取引先を見つけるなど育てる時間も必要なら3年はかかるといわれています。
この時間との戦いに勝つことで、M&Aを成功させ、大切な会社を高額で売却できると思っていただきたいのです。
高額に売却したいというお考えなら、必ず準備期間を長くとってください。
売却事業の強みを明確化する
ベンチャー企業の強みとは何でしょうか?
最近、起業しているベンチャー企業ならば、アプリ開発・人工知能についての探求と開発等を事業としている企業も多いのではないでしょうか。
誰も知らない未踏の地を開拓する、この開拓精神がベンチャー企業の起業スピリッツなのです。
そのためには事業の鮮度が非常に大切です。そして強みです。「誰もやっていないこと」が事業内容なのです。
研究開発段階で、情報が社外に漏れないようにしっか情報管理をしていることも大きな強みだと考えられます。
しかし、アプリ開発において、いくら情報漏洩心配だからと特定の人物だけが開発を担っている、営業に関しても、一人の従業員がすべて得意先を管理しているなど、社内のシステムが一点に集中している、また得意先がすべて経営者がらみのもので、経営者が離れれば得意先も離れてしまうという、ワンマン経営の企業も買収した後にトラブルが起きやすい原因となります。いつも風通しがよく、社内で情報を共有できるシステムづくりを心掛けること、これだけでも大きな強みとなります。
譲れない売却先の条件を明確化する
自分が大切に育ててきたベンチャー企業です。経営してきたからこそこれだけは守りたいものはありますよね。
条件を明確にすることで、売却金額にも大きな影響が出てきます。
成功したビジネスでないと売却することはできません。自信を持ってM&Aに挑んでいただき、希望通りの売却をしましょう。
ベンチャー企業のM&Aを相談するなら
本稿では、ベンチャー企業のM&Aについて、メリットや注意点などをお話しました。
経営者というのは、一人で選択を判断することが多くあります。社内で相談相手を見つけることも難しいのではないでしょうか。
M&Aを検討したら、まずベンチャー企業のM&A実績があるM&A仲介会社を見つけていただきたいと思います。
売却金額、売却条件の設定、相手企業との交渉、また先方企業に関する調査なども対応してくれます。
M&Aを成功させるために、経験豊富なスタッフが在籍している仲介会社にまず相談してみてください。
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