バルの事業売却は可能?「売りたい」と思ったらやるべきこと

ひところのバルブームも落ち着いて、バルの経営環境も厳しさを増してきました。進み続ける少子化や消費嗜好の多様化を受けてアルコールの消費量は減少を続けています(「酒レポート」国税庁)。また、少子化の影響は人手不足という形でも表れており、特に飲食業の有効求人倍率は3.5~4.1倍(「一般職業紹介状況」厚生労働省)と人を新たに雇用するのが非常に難しい上に、人件費の上昇も招いています。さらにここ数年は食材費も高騰しており(「農業物価統計調査」農林水産省/「消費者物価指数」総務省)、仕入れ値の上昇が経営環境悪化に拍車をかけています。

 

厳しい状況にあるバルの経営から手を引くことを考える場合の、廃業でなく事業売却という選択肢をご紹介します。

 

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事業売却でバルオーナーは得をする?

金銭的メリット

事業売却では事業を譲り渡す際に現金を得ることができます。飲食店を廃業する際、店が賃貸物件である場合はスケルトン状態で明け渡すことが原則ですが、造作譲渡という形で店の造作を貸主に買い取ってもらえる場合があります。しかし、造作譲渡で得られる金額は造作を整えるのにかかった費用に比べれば微々たるもので、スケルトン返しの場合は多額の原状回復費用が掛かります。

 

事業売却では営んでいる事業そのものと事業継続に必要な造作を同時に売却します。事業売却は買い手側から見るとスケルトンや居抜きの状態から店の造作を整え、メニューを考え、人材を集めて教育し…といった様々なステップを大幅に軽減して事業をスピーディーに立ち上げられるというメリットがあります。そのため、事業売却では造作譲渡と比較して大幅に上乗せした売買額になることが珍しくありません。現金を得るという目的からみても、事業売却が可能な場合、廃業に対してアドバンテージがあります。

 

精神的メリット

冒頭でも触れたように、バルの経営をめぐる環境は年々厳しさを増しています。この状況の中、経営が順調であったころの楽しさと比較して、経営者が店の運営を重荷に感じることも多いでしょう。店の経営から手を引けば、日々のプレッシャーからの解放が実現します。

 

自らが店の経営することをやめる場合に多い選択肢が廃業です。事業を第三者に譲渡することに比べれば、廃業はあっさり実現することができます。しかし、廃業して店を閉めてしまうと、従業員は次の職場を探さなければならず、通ってくれていた常連客は行き先を失い、仕入先は取引先を失うことになります。事業売却が実現して店を継続することができれば、こういった問題点も大幅に軽減されるため、経営者も安心して次の道に向かうことができるでしょう。

 

時間的メリット

現オーナーが店の経営に対するモチベーションを失っている場合、そのままずるずると経営を続けていくことは、本人の時間を無駄に消費することに他なりません。複数の事業や業態を持っている場合は、事業売却により不採算の事業を整理すれば、集中したい事業に対して自分の時間を始めとする経営資源を振り向けることができます。また、廃業でなく、事業売却という選択をすることで、店ののれん自体は継続させることができます。これまで育ててきた事業にかけてきた時間が無駄にならずに済む、という見方もできるでしょう。

 

バルの事業売却でまず始めにすること

なぜ事業売却したいのかを明確に

事業売却を検討する場合、最初に行うべきことが事業売却の目的を明確にすることです。事業売却という選択は同じでも、何を目的として売却を行うかは経営者によりさまざまです。現金を得ることが目的であるならば、売却の準備期間もある程度長めに取り、よりよい条件での売却をじっくり目指すことが考えられます。売却の目的が不採算部門や店舗の切り離しであれば、条件面にはある程度目をつぶって、早急に売却を目指すことになります。

 

また、健康問題などから経営から引退したいが、店自体は継続させたい場合は、店の味やブランドといったのれんをきちんと評価して、継続を約束してくれる売却先を探す必要があるでしょう。

 

このように、事業売却の目的によって、準備期間をどの程度取るのかといったことや、準備期間中の動きが大きくかわります。事業売却の目的がはっきりしなかったり、準備期間中に売却目的がぶれてしまうようなことがあったりすると、不本意な売却にもなり得るため、最初の段階でゴールは明確にしておきます。

 

売却完了までの期限を設定する

事業売却には時間がかかります。準備期間を除いても、事業売却の専門家であるM&Aアドバイザーに相談してから売買の完了までが半年から1年程度かかります。それ以前の準備期間をどれだけとるかは事業売却の目的にも左右されますが、長い場合は数年をかけることも珍しくありません。

 

事業売却の準備には時間がかかるものですが、期限を設定しないままにずるずると行っていてもよい売却条件にはつながりません。事業売却の計画作成には目的を明確にするだけでなく、いつまでに売却を完了させるのかという期限もはっきりさせておきます。

 

売却事業の強みを明確に

事業売却の際には売買の金額を決定するために、事業価値の算定を行います。事業価値の算定方法にはいくつかありますが、バルを含む飲食業で多いのが、売却対象の事業領域に含まれる資産額と事業ののれん代を合計して算出する方法です。のれん代は味や店の雰囲気を保つためのノウハウやブランドの価値など、形にできないものに価格を付けたものです。

 

バルのように店の雰囲気が重要な業態ではのれん代が事業価値の中で大きな割合を占めます。売り手ができるだけ良い条件での売却を望む場合、こののれん代を高く評価してもらう努力が必要になります。

 

のれんは形のないものではありますが、事業価値算定の際にだまっていても店の良さが伝わる、ということにはなりません。そのために、売り手は売却対象の事業の強みを買い手に伝えるために、可能な限りメニューのレシピ、店舗運営のノウハウといったものを見える化するようにします。同業他社に対してどれだけの強みがあるのかといったところを、買い手に明確に伝えられるようにしておきます。

 

専門家の相談・査定を受ける 

事業売却を検討する場合、最初のハードルになるのが売却先の選定です。バルをはじめとする飲食業界は横の関係が強いために、ごく小規模な事業売却では知人間で一声いくらで売買が決定することもあります。しかし、通常は売買の秘密を維持するためにも、事業譲渡の仲介サービスを行っている業者に相談します。仲介サービスを行っている業者では案件を多く保有しており、売却の秘密が担保された状態で売却先を探すことができます。

 

売却額の目安となる事業価値の算定する作業にも、会計士をはじめとする専門家の力が必要です。自分の事業の価値は自分が最も知る、というのは真実ではありますが、事業売却で評価されるのは市場での価値です。このため、事業価値の算定では飲食業において、事業価値を大きく左右するのれんを正しく評価するためにも、飲食業界での売買を多く手掛けている業者に相談することをおすすめします。

 

バルの事業売却を行う際のポイントは

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事業売却を検討する場合、準備はできるだけ早く始める必要があります。事業売却には時間がかかるため、早くから準備に着手しておかなければ、希望するタイミングでの売却が行えない場合があるのです。また、売却の交渉を進めていても交渉が途中で流れてしまうこともあります。次の展開に向けて事業譲渡に期限を設けいている場合、ギリギリのスケジュールでは間に合わなくなってしまうこともあり得るのです。

 

事業売却の準備の中では事業価値の算定に備えて、事業の磨き上げを行うのが普通です。事業の磨き上げは、現在の事業の中にある問題点を洗い出して解決し、強みをのばしていくための経営改善です。事業の磨き上げでは、貸借対照表や損益計算書といった決算書類ができるだけシンプルなものになるように整えたり、売上から利益に経営の軸足を移したり、経営の経営者個人への依存度を減らしたりといった作業を行います。これらの作業はいずれも一朝一夕で実現できるものではないために、事業の磨き上げには時間がかかります。売却条件より、売却のスピードを重視する場合には、事業の磨き上げ自体を最小限に抑える判断もあり得ます。このあたりのさじ加減については、事業譲渡の専門家による助言を受けるのが有効です。

 

売却確定まで従業員や顧客を不安にさせない

事業売却をする場合、どのタイミングで従業員や顧客に売却の事実を明かすべきなのかは、難しい問題ですが、基本的にはできるだけ伏せておくようにします。

 

売却先の選定の段階では、現経営者が売却先を決定するために、自分のネットワークを利用する場合があります。売却の意向をもって知人に声をかけていくこの方法では、自分のよく知った人物に事業を譲り渡すことができるというメリットがありますが、同時に売却の秘密を保持しづらいというデメリットがあります。売却先の選定の段階で意図せず秘密が漏れてしまった場合、わけありの案件だと業界内で認識されてしまうことがあります。ひとたびこういった案件(出回り案件)として認識されてしまうと、売却の条件の悪化を招くだけでなく、売却そのものも非常に困難になります。それに加えて、現在の事業に対しても悪影響を与えてしまうこともあるため、売却先選定の段階においての秘密は厳守が原則です。売却の秘密を守った状態での売却先選定には、やはりM&Aや事業譲渡の仲介を行っている業者に相談する、あるいはマッチングサイトを利用するといった方法が有効です。

 

売却先が決まり、売買交渉を進めている段階でも、信義上、もちろん秘密を守ることが求められます。交渉段階で秘密が漏れると相手からの信頼を失い、売買が流れてしまうこともままあります。

 

逆に、信頼できる人物には売却の事実を明かして協力を求めるケースもあります。事業譲渡の場合は特に、店舗営業は継続したまま、あるいは短い閉店期間だけを挟んで経営主体の変更が行われるケースが珍しくありません。買い手から見た事業譲渡のメリットがまさに、スピーディーな事業の立ち上げだからです。買い手がスムーズに事業を引き継ぐために有効なのが、引き継ぎ期間に売り手側買い手側両方が店舗運営に携わることです。こういった場合に、店舗運営のキーパーソンに新経営者を紹介して協力を求めることがあります。

 

事業売却をした先の目標を決める

事業を売却し店を手放すと収入のあり方が大きく変化するため、その後のプランもしっかり練っておかなければなりません。健康問題で引退を考える場合は、まず体調を整えることが最優先でしょう。経営活動でなく、職を探す場合はハローワークを利用したり、取引先などの紹介に頼ることも考えられます。また、新たな業種・業態への転向をする場合は、自分の強みと弱みをしっかり分析して、次の起業を考える材料とします。いずれの場合も、収支のプランはきちんと立てておきましょう。

 

バルの事業売却の相談先

バルの事業売却を考える場合の相談先をご紹介します。

 

中小企業基盤整備機構が各都道府県に設けている事業引継ぎ支援センターでは、事業引継ぎに関する相談に多角的に応じており、バルの事業売却を考える場合にも相談が可能です。民間のM&Aアドバイザーを利用する場合のセカンドオピニオンとしての活用も有効です。

 

民間のM&Aアドバイザーは、売却先とのマッチングから事業価値算定の際の専門家の手配、事業譲渡契約書の草案作成まで、事業譲渡のプロセス全般にわたって幅広く対応しています。M&Aアドバイザーを謳っていても、案件の取り扱いが雑な業者もまれに存在するため、信頼のおける業者を選ぶことが大切です。信頼のおける業者の選び方としては、事業売却やM&Aを成功させた同業者の紹介を受ける、取引先銀行や顧問税理士、会計士から紹介を受ける、といった方法が考えられます。また、バルの事業売却ではのれん代の正しい評価が満足度の高い売却につながることから、飲食業界での実績を多く積んでいる業者を選定するのが良いでしょう。

 

バルの事業売却をスムーズに行うには、早めの準備開始と適切なアドバイスを受けるのがポイントです。信頼できる専門家へのご相談をおすすめします。

この見出しでは、「専門家の相談を受ける」ことになってしまい、立場が逆転してしまうため、変更したほうがよいと考えます。

 

最後にバルを含む飲食店の事業譲渡を得意とする会社の一例をご紹介します。

会計事務所を母体とするスパイラルコンサルティング社です。

税務・財務の面でのサポートにも強く、事業価値を高めてから譲渡するSCALE型M&Aというサービスを展開しています。

自分が思っていた以上の金額で事業譲渡できる可能性があるのです。

バルを含む飲食店のM&Aに特化しており、過去には15億円の事業譲渡を成立させた実績もあります。

飲食業特有の事業の問題やノウハウに精通しているため、バルの事業譲渡を相談する相手としておすすめできます。

 

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