バルの事業承継はどうすればいい?注意点やポイントは?

バルをはじめとする飲食店業界を取り巻く経営環境は現在非常に厳しくなっています。

新規開業店舗の2割近くが5年で廃業に追い込まれているというデータもあり(日本政策金融公庫「新規開業パネル調査」より)、競争の激しさがうかがえます。

 

また、近年飲食店業界の頭痛の種となっているのが人手不足です。

少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少は著しく、特に飲食店業界での人材不足は深刻なものがあります。

2018年12月の日銀短観によると全産業を通じて雇用人員の不足感は強いのですが、中でも宿泊・飲食サービス業の不足感を表す数値は突出しています。

有効求人倍率(厚生労働省「一般職業紹介状況」)も全業種平均の1.52に対し、飲食物調理や接客給仕の職業では3.4~4と、人手を得るのが非常に難しい状態が続いています。

アルバイトの平均時給も上がっており、これも経営圧迫の要因です。

厳しい状況に立たされているバルの中には廃業を検討しているところもあるかもしれません。

しかし、廃業を決めてしまう前に、事業承継を検討してみてはいかがでしょうか。

事業承継という形で店を存続させることのメリット、実施する上での注意点や成功へのポイントなどをご紹介します。

 

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事業承継のメリットとは 

まずは事業承継のメリットを整理しましょう。

 

経営に対する重責からの解放

日本の人口は減少し続けており、消費の中心である年齢層の減少はさらに顕著です。

これはそのままでは経営環境が年々悪化していくことを意味しています。

開業当初は良い状態であっても、マーケットの縮小、人手不足など様々な要因により経営が厳しくなることは珍しくありません。

経営者の事業に対しての責任感は重く、厳しさを増す経営環境の中ではさらにストレスが増していきます。

単に廃業してしまえばその立場からは解放されますが、その場合は従業員や店に親しんでくれていた常連客、販路を失うことになる仕入れ先に迷惑をかけることもあります。

廃業でなく、事業承継という選択肢をとることで店は存続することができ、これらの問題を回避したうえでオーナーは経営の重責から解放されます。

 

事業承継の形としては子をはじめとする親族への承継、従業員への承継、第三者への承継(M&A)などの種類がありますが、オーナーが重責から解放されるのはどの選択肢をとっても同様です。

現在の店が厳しい状況であっても、承継を行おうとする経営者の目線では改善できる点があるかもしれません。

スピード感のある開業を目指す層には、造作譲渡(居抜き)ではなく、事業を承継するという形での開業も人気で、適切なマッチングサービスにより承継先として第三者を選ぶ(M&A)ことも可能です。

 

現金を得ることも 

経営から手を引く際に廃業を選択するときでも、バルを始めとする飲食店では現金を得られることもあります。

しかしながら、納得のいく額を手にすることはなかなか難しいのが現実です。

事業承継を選択する際は、子への承継であれば早くから準備を進めることで税制上のメリットを得ることもできます。

後継者として従業員を選択した場合は後継候補者に事業を買い取るだけの資金がない場合があって問題になることが多いのですが、候補者が能力のある人物であった場合は金融機関や投資家から買い取り資金が融資される場合もあります。

長く続いてブランド力を持っている、あるいは味やノウハウに確かなものがあるような場合はいわゆるのれんが高く評価され、第三者への事業譲渡で造作譲渡に比べて大幅に上乗せされた現金が得られる場合もあります

 

従業員の雇用継続や待遇改善 

冒頭でご紹介したように、飲食店業界は深刻な人手不足という問題を抱えているため、仮に現在の店を廃業した場合でも従業員に全く仕事の口が無くなってしまうということは考えづらいかもしれません。

しかし、現従業員は働きなれた店の環境、味やオペレーションに対する愛着と働きやすさを犠牲にすることになります。

バルのように店の個性を重んじる業態の従業員にとっては単純な働き口という問題というよりは、今まで積み重ねてきたものが失われることによるデメリットの方が大きいと言えるでしょう。

従って、従業員の雇用については廃業より事業承継の方が望ましいと言えます。

 

事業承継により店が継続すれば従業員は今まで積み重ねてきた店の運営手腕を承継後の店でも発揮することができます。

現経営者が事業を手放す理由が経営状態の低迷にあった場合、事業承継で経営が改善すれば従業員の待遇を改善するとこも可能です。

また、のれんが評価されることなどでより大規模な事業者に経営を引き継ぐことになった場合は数字の面だけでなく、福利厚生面での待遇が改善されることもあるでしょう。

 

一緒に店を続けてきた従業員のことを考えるのであれば、事業承継という選択肢も検討してみる価値があります。

 

バルの事業承継を行う際の注意点 

では、事業を継続する方法として事業承継を選択した場合、どのような点に注意するべきでしょうか。

以下の2点について見ていきます。

 

事業承継の確定まで従業員や取引先には秘密にする 

事業承継を検討する場合、まず後継者を選定することになります。

後継者として考えられるのは子を始めとした親族、従業員、そして第三者です。

第三者への事業承継は事業の一部分を切り離して売却する事業譲渡やM&A(株式売却)によって行います。

M&Aについては次項で扱います。

 

後継候補が親族や従業員である場合、後継者には早めに事業を承継したい旨を伝えて同意を得ます。

事業承継のプロセスの中で、後継者教育には時間をかけたほうがよいからです。

後継者には早めに事業承継の意思を伝えますが、従業員や取引先に対しては秘密を厳守します。

 

事業承継では後継者が交代するため、周囲は事業がうまく継続できるのかについて懸念を抱きます。

現体制でキーマンとなっている従業員が、事業承継の話を耳にして不安を感じ流出してしまうリスクもあります。

また取引先が経営状態を心配して、急に現金取引への切り替えを申し入れてくることも考えられますし、取引そのものを打ち切られる可能性すらあります。

事業承継プロセスに入る前に、現事業がダメージを受けて承継が難しくなることのないように、秘密を守ることが原則です。

 

従業員などに承継する以外にM&Aという手もある 

M&Aという言葉の世間一般の印象はそれほど良いものではありません。

利益のみをひたすら追求する投資家が様々な手を用いたうえで、権謀術数とは無縁な質実剛健な企業を買収、経営者や反発する従業員を追い出したうえで企業の美味しいところだけを吸い尽くす、という恐ろしいイメージです。

 

しかし、現実のM&Aではこの例のような「敵対的買収」はむしろ少数派です。

規模の大きいM&Aでも双方の合意のもとに行われる友好的な買収がほとんどである上、株式が非公開である中小事業者においては敵対的な買収を行うことはできません。

また、中小規模の事業者では在籍している従業員が企業・事業の価値の多くの部分を担っていることが多いため、買収後に従業員が解雇されるケースも多くはありません。

 

売り手、買い手、従業員ともにメリットを得られるのがスモールM&Aとよばれる中小規模の買収です。

 

バルの事業承継を成功させるポイントとは 

バルの事業承継を行いたくても、慣れていない方であれば、何から手を付けていいかもわからないものです。

バルの事業承継を検討する際に気を付けておくべきポイントをご紹介します。

 

準備は早めに 

事業承継を決意したら、準備にはできるだけ早くとりかかります。

事業承継には多くの作業を必要とし、時間のかかる作業も多いためです。

切羽詰まってから準備不足のまま事業承継を強行した場合、承継のタイミングで発生する負担から事業が受ける影響も大きくなります。

M&Aでの承継を試みる際に時間が足りないと、売却条件が悪化するケースや、買い手が見つからないというケースに陥ります。

十分な準備期間を持つことができれば、例えば子への事業承継では順次財産権の移転を進めることで税制上のメリットを得ることなども可能です。

 

後継者を選定し、後継候補と事業承継について話し合ったうえで同意を得るのにも時間がかかりますし、後継者が決定した後、後継者を次期経営者として育成するのにも時間を必要とします。

後継者を第三者とする、すなわちM&Aによる事業承継を選択する場合は売却先の決定から始まり、各フェーズに時間のかかる作業が多く待ち構えています。

準備期間に余裕を持たせていれば、事業そのものの環境が安定しているときや、好条件が引き出せる売却に適したタイミングを選ぶことができます。

 

譲歩できない条件を明確に 

事業承継の計画をスタートする時点で、最初にすることは何のために事業承継を行うのか、承継に当たってこれができていれば成功であるというゴールを設定します。

事業承継の目的によって承継準備中の各段階で必要とする行動や、各段階のどの部分に力を入れるのかといったことが大きく変化するためです。

 

事業を売却することで現金を得るためであれば、ある程度準備に時間をかけてより良い条件で売却できるような環境を整えた上で、よりよい売却先を探すことになるでしょう。

目的が不採算店舗や業態の切り離しであれば、ある程度条件には目をつぶったうえで早期の売却を目指すことになります。

また、高齢化等で経営者が引退をかんがえているものの、事業のブランドや味、ノウハウといった「のれん」の継続を最大の目標とすることもあります。

 

事業譲渡の結果、何を目指すのか。

譲渡の際に譲れない条件を明確にしておきましょう。

 

真の強みを知る 

身内や従業員への承継、第三者への承継、いずれにしても事業承継に向けては「事業のブラッシュアップ」という作業を行います。

事業のブラッシュアップでは現在の事業の問題点を洗い出したうえで解決し、長所はより伸ばす、といった内容です。

事業承継のタイミングで発生する経営不安定化のリスクに対して強い体制を作り、第三者への売却ではよりよい条件を引き出すために実施するのです。

 

事業のブラッシュアップでのれんを強化するには味や店舗運営ノウハウのうち「説明はしない、見て盗め」となっているような部分をできる限り文書化、可視化して後継者に伝えられるようにすることです。

売却の際の事業価値の算定では、このような資料が好材料になります。

 

第三者への事業承継(M&A)では、売買の価格を決定するために事業価値を算定します。

その際に、バルを含む飲食店ではのれんが大きなウエイトを占めます。

店の個性や雰囲気、もっといえば空気感が重要であるバルではのれんが正しく評価されることでよりよい条件が引き出せるのです。

 

オーナーと後継者と従業員にとって最も良い着地を目指す

バルの事業承継では承継時点では味やノウハウ、雰囲気といったのれんを引き継ぐのが成功のコツです。

バルのような業態では、固定客は店につくより人につく側面も強いのですが、経営を安定させるためにも可能な限り既存の固定客を引き継ぎたいところです。

 

こういった場合、承継の準備期間に味やノウハウの要素を文書化・可視化して引き継ぎやすくしたうえで、現オーナーと後継者が店舗運営に同時に携わる引継ぎ期間を設けるのが有効です。

後継者はどうしても文書化できなかった細かい点、雰囲気を自分の物とすることができ、現在の従業員や人についてくるという固定客に対して顔を知ってもらうことも可能です。

従業員の中でも店舗運営のキーマンとなっている人物と認識を共有することがスムーズな事業承継につながります。

 

後継者が独自性を出すのは事業承継が成功して、経営状態が安定してから順次行っていけばよく、承継の時点ではまず事業を確実に立ち上げられるように気を配ります。

 

専門家の力を借りる

M&Aによる事業承継を行う場合、売却先を探す必要があります。

飲食店業界は横のつながりが比較的強いために、知人に一声いくら、という形で譲るケースも目立ちます。

しかし、知人から売却先を選ぶのは、秘密保持に対しては不利に働きます。

専門の仲介業者は多くの案件情報から秘密を保持したままマッチングを行うことができますので、よりよい売却先を見つけられる可能性も高いのです。

 

また、事業承継の各過程ではそれぞれの専門知識が欠かせません。

売却額の根拠となる事業価値の算定は会計士をはじめとする専門家の力が必要ですし、買収監査への対応では弁護士も必要です。

仲介業者はこういった専門家を揃えてワンストップで事業承継の助けになります

 

バルの事業承継を検討するなら 

厳しい環境にある飲食店業界ですが、事業承継をすることによって多くのメリットを得ることが可能です。

バルの事業承継を検討する場合、飲食業界での事業承継を取り扱った実績を多く持つ仲介業者に相談することで、大切に育ててきた事業をよりよい形で引き継いでもらうことができます。

事業承継の形もバリエーションがありますので、よく検討して最良の出口戦略を選択しましょう。

 

もし社外の第三者にバルを事業承継するなら、M&Aの専門家であるスパイラルコンサルティング社に相談することをおすすめします。

スパイラルコンサルティング社はバルを含む飲食店のM&Aに特化したコンサルティング会社です。

事業価値を高めてから譲渡するSCALE型M&Aというサービスを強みにしており、事業承継後に手元により多くのお金を残すことができます。

バルを含む飲食店のM&Aなら、飲食店のM&Aに詳しい専門家に相談すべきでしょう。

 

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